パリィが相棒への指示につながる、アクションの気持ちよさ
シュナイダーさんは、ゲームフリークの新作アクション『Beast of Reincarnation』を配信でプレイし、クリアしました。配信は10回ほどで、1回あたり2〜3時間だったため、クリア時間は20〜30時間ほどだといいます。
熱が冷めないうちにと、シュナイダーさんはネタバレなしでレビューを始めます。全体の印象は「いいところもあり悪いところもある」というものでした。
良い点として真っ先に挙がったのはアクション、つまりゲームプレイの手触りです。パリィやジャストガードが好きなシュナイダーさんにとって、敵の攻撃を覚えて弾いていく流れは、とても楽しめるものだったようです。
『Beast of Reincarnation』の肝は、主人公に同行する犬の相棒「クーちゃん」です。クーちゃんに指示を出すには、主人公がパリィを決めてゲージを溜める必要があります。
自分、主人公がパリィを決めれば決めるほど、ワンちゃんのゲージが溜まって、で、ワンちゃんに指示を出す時はコマンド(を選ぶ)。
シュナイダーさんは、このコマンド選択を、ゲームフリークの代表作であるポケモンのコマンドバトルにたとえます。パリィだけのアクションならSEKIRO ── フロム・ソフトウェアが2019年に発売した和風アクションゲーム。敵の攻撃を刀で弾く「弾き」を軸にした高難度の戦闘で知られますのようなフロム寄りの作りになりそうなところを、相棒への指示と組み合わせた点を高く評価しています。
パリィ
敵の攻撃パターンを覚え、ガードやパリィで弾く
ゲージが溜まる
パリィを決めるほどクーちゃんのゲージが増える
コマンドで指示
技や付与する属性を選んでクーちゃんに指示する
一転攻勢
相棒の攻撃や自分の技で反撃に出る
シュナイダーさんによれば、相棒を連れていくゲームでは、操作する主人公に集中するあまり、相棒がデコイやBOTのような存在になりがちです。
『Beast of Reincarnation』では、自分で操作する感覚はそのままに、ゲージが溜まった瞬間にクーちゃんへ一気にフォーカスが移ります。そのため、相棒がおざなりにならないといいます。
パリィそのものの爽快感も魅力です。敵の攻撃を弾くと「キーン」と気持ちいい音が鳴り、連続で決まると高揚感とともにゲージも溜まっていきます。
シュナイダーさんは難易度ハードでプレイしましたが、問題なくクリアできたといいます。SEKIROやライズオブP ── 韓国のNEOWIZが2023年に発売した、ピノキオを題材にしたソウルライクアクション。日本語では『Lies of P』と表記されますのような死にゲーで、敵の攻撃を覚える経験をしてきたからだと、本人は話しています。
慣れていない人には、ノーマルやイージーが勧められています。難易度はいつでも変更でき、レベルの概念もあるため、勝てない敵がいればレベル上げに戻ることもできます。難しくて途中で投げることはおそらくない、というのがシュナイダーさんの見立てです。
2000年後の日本を歩く、グラフィックと世界観
次の良い点として、シュナイダーさんはグラフィックを挙げます。プレイして「日本だな」と感じたそうです。
『Beast of Reincarnation』の舞台は4026年、今から2000年後の日本です。日本の風景を所々に残しながら草木が生い茂る、文明が衰えた終末後のような景色が広がっています。
ただし、人類が滅んだ世界ではありません。シュナイダーさんの説明では、人間がネガティブな感情を持たないように進化した結果、いろいろな副作用が出た世界だといいます。
嫌な感情、ネガティブな感情を持つのめんどくさいなみたいな。じゃあちょっと進化しちゃうかみたいな、そういう話なんですよ。
人が暮らしていた跡が残っているため、川の横に家を建てた様子などを垣間見ることができます。各所に敵も配置されているので、探索も面白かったとシュナイダーさんは振り返ります。
ボスを倒すと花が咲く、植物モチーフのスキルツリー
シュナイダーさんが次に強調したのは「ネイチャー」、つまり植物のモチーフです。敵や技の多くが植物由来で、ボタニカルな雰囲気で統一されています。
シュナイダーさんは、ポケモンのジムリーダーに花や植物の名前が使われていることを引き合いに出し、ゲームフリークらしさの一環かもしれないと話しています。
『Beast of Reincarnation』では、ボスを倒すと主人公がその力を取り込み、ボスの技が自分のスキルツリーに反映されます。このスキルツリーは、文字どおり1本の木の形をしています。
ボスの技に由来するド派手な必殺技。ボスを倒すほど、そのボスのモチーフの花が咲いていく
撃った弾がホーミングするなどのパッシブスキル。見た目は根っこのまま変わらない
シュナイダーさんが特に気に入ったのは、上半分の見た目です。ボスを倒すたびに実在する花が1種類ずつ咲き、1本の木にさまざまな花が咲いた花輪のような姿になっていきます。
これめっちゃ綺麗ですよ。なんかやる気、これだけでやる気になんの。
シュナイダーさんは、こうした工夫全体から丁寧な作りを感じたといいます。相棒の活かし方、コマンドバトルのアクションへの取り込み、ポケモンでバッジを8つ集めたときの嬉しさをスキルツリーに反映させた点など、ポケモンで培った見せ方が随所に生きていると評価しています。
ゲームフリークには演出力がある
良い点の流れで、シュナイダーさんは演出の良さを語ります。以前から「ゲームフリークには演出力がある」と信じていたそうです。
その根拠は、ポケモン『スカーレット・バイオレット』です。シュナイダーさんは最後までプレイしたとき、ラスボス戦やその後の演出に泣いてしまったといいます。
その演出力を、『Beast of Reincarnation』でも「ひしひしと」感じたそうです。ここぞという場面での見せ方や、これまでの話から特定の場面に戻ってくる導線がよくわかっている、という評価です。
映画を作ってほしいんだよね。俺は。本当に。
ゲームフリークは技術力不足や「ポケモンにあぐらをかいている」といった批判を受けがちです。シュナイダーさんはその声に一定の理解を示しつつも、丁寧な物腰を感じる演出力をもっと見てほしいと語ります。
ストーリーは「穴ぼこ」が大きい?
惜しい点、シュナイダーさんの言葉では「個人的に残念だったところ」の1つ目はストーリーです。
シュナイダーさんは予想だと前置きしたうえで、DLCを前提に作ったために物語の穴が大きくなったのではないかと話します。深掘りすれば感情移入できそうな部分が、あえてぽっかり抜けている印象だといいます。
一個のストーリーとしてこう、そのざっくり見た時に、お、あ、終わりかみたいな、なんかそういうイメージがやっぱ強かったんですよ。
シュナイダーさんは、このもどかしさを桃太郎にたとえます。犬・猿・雉がそろって過去に何かあったことをほのめかすのに、誰も話してくれないような感覚だそうです。
犬も猿も雉もなんかそんな感じ。言えよみたいな。
何もかもがわからないわけではないものの、冒険のやる気がもっと湧くような物語がほしかった、というのが本音のようです。一方で、そのぶんDLCへの期待は高まったとも話しています。
ボスよりも道に迷うことに苦戦した探索
惜しい点の2つ目は探索です。探索のしがいはあるものの、シュナイダーさんは本編でもかなり道に迷ったといいます。本人は「自分が悪いだけかもしれない」と断りを入れています。
ボスを倒すのに苦戦するよりかは、ストーリーの探索で苦戦してるかもしれない。
次の目的地へは青い光が導いてくれますが、光は直線距離でしか示されません。その光をそのまま追うと大きな壁に阻まれ、大ジャンプで強引に越えようとして迷うことがあったそうです。
大ジャンプのおかげで、間違った道にもなんとなく進めてしまいます。シュナイダーさんは高台へ向かう際、迂回すべき道を直線で強行突破した結果、ボスの背後から登場してしまったことがあるといいます。
前からなんだけど、俺だけなぜかボスの後ろから入ってって。あれ?みたいな。ボスもえ?みたいな。
シュナイダーさんは、迷ってもなんとか目的地にたどり着けるSEKIROのマップ作りを改めてすごいと感じたそうです。
字幕・カメラ・ムービースキップと、早かったアップデート
発売当初は、字幕が小さい、カメラの挙動がおかしいといった不満もありました。シュナイダーさんはこれらをアップデートで改善されたとして「不問」にしています。
特に字幕は、チュートリアルも読めないほど小さかったといいます。大きなウィンドウの左上に小さな文字が置かれていたことには、腹が立ったほどだそうです。
ムービーをスキップできず、同じボスに挑むたびに、仲間と敵が鍔迫り合いをするムービーを何度も見せられたこともあったといいます。
字幕が小さい、カメラが近すぎて高速移動する敵を追うと大きく振られる、ムービーをスキップできない
開発側が謝罪とともに改善を告知し、発売から1週間ほどでアップデートで対応
シュナイダーさんは、この対応の速さに好感を持ったといいます。「未完成品を売るな」という声に理解は示しつつも、ここまで早く直してくれるなら、むしろ無理しないでほしいと思うほどだったそうです。
ほかのバディものとの違いと、ネットの好意的な声
シュナイダーさんは最近、相棒と戦うバディもののゲームに触れる機会が多く、先日はプラグマタ ── カプコンが開発中のSFアクションゲーム。宇宙飛行士と少女型アンドロイドのバディが、ハッキングと銃撃を組み合わせて戦いますもプレイしたといいます。
プラグマタはハッキングと銃撃を同時に進めるため、頭をフルに使うそうです。それに対して『Beast of Reincarnation』は、相棒にコマンドを入力するときにスローモーションになるため、焦らずに選べるといいます。
いけピカチュウ電光石火みたいな感じだったんで、全然問題なくできましたね。
同じ相棒系でもまったく違う手触りを作れることを、シュナイダーさんは嬉しく感じたそうです。
ここからシュナイダーさんは、ネットのレビューを読み上げていきます。好意的なレビューには、SEKIROを思わせる戦い方であること、休憩所の間隔が近く、難易度設定もあるので抵抗のある人でもとっつきやすいことが書かれていました。
シュナイダーさんもこの点に同意します。野営地は「歩いて30メートルぐらい」ごとにあると感じるほど多く、ファストトラベルにも困らなかったそうです。
ご飯システムは最高、でも何を食べてもおにぎり
レビューの途中で、シュナイダーさんは惜しい点をもう1つ思い出します。それは「ご飯」で、良い点でもあり悪い点でもあるといいます。
拠点に戻って寝ると、仲間が料理を作ってくれます。料理の素材は、有精卵を温めて増やした卵、苗を植えて収穫した野菜や米、敵を倒して手に入れた獣肉などです。料理を食べると能力が上がります。
| 食材 | 上がる能力 | 補足 |
|---|---|---|
| 肉 | 攻撃力 | シュナイダーさんは主に肉を食べていた |
| 卵 | 体力 | タンパク質だから、と本人の解釈 |
| 野菜 | 防御力など | 会心だったかもしれず、記憶はあいまい |
シュナイダーさんは、ご飯システムが拠点に帰る動機になっている点を高く評価しています。帰ると強化ができ、会話イベントも見られるので、わざわざイベントのためだけに戻る面倒さがありません。
ボス前まで来たぞ。うーん、一旦帰って飯食うかみたいな。
決戦前に食事をとる展開は、映画『サマーウォーズ』や『FF15』にもあり、シュナイダーさんはこうした場面が好きだといいます。だからこそ、残念だった点が目立ちました。
肉を食べても卵を食べても、食事シーンのムービーは同じおにぎりです。料理の絵は用意されているものの、FF15のようなリアルな料理モデルや、ポケモン『スカーレット・バイオレット』のような専用の演出がほしかったと、シュナイダーさんは話しています。
期待値の高さと「雰囲気ゲー」という評価
次に読まれたのは中間的なレビューです。トロフィーをすべて取得した投稿者は、ゲームフリークの新規IPということでハードルが上がりすぎ、肩透かしを食らったと書いていました。
シュナイダーさんは、ゲームフリーク側も「ポケモンのノウハウを生かせる」と強気な姿勢だったため、期待が膨らんだことには理解を示します。そのうえで、自分としては十分良かったと話しています。
シュナイダーさんが良かった点として挙げたのは、ポケモンのオマージュに頼らなかったことです。ギャグシーンでポケモンをちらつかせるような展開がなく、あくまでノウハウだけを生かした作品になっていた点を「オールOK」と評価しています。
星4のレビューには「一言で言うなら雰囲気ゲー」とあり、一本道のマップが多くFF15のような尻すぼみ感がある、という指摘もありました。シュナイダーさんは一本道感があったことは認めつつ、寄り道を楽しめるかどうかで評価が分かれると話します。
シュナイダーさんは、地下鉄の乗り換え案内に「大井町」のような地名を見つけたり、遠くに富士山を眺めたり、鉄橋や宗教的な絵を見たりする「街歩き感」を楽しんだそうです。早くボスを倒したい人の遊び方も否定はしない、とも付け加えています。
耳に残らない音楽と、ニーアやライズオブPとの比較
星1のレビューにあった「耳に残らない音楽」という指摘に、シュナイダーさんは「芯を食っている」と反応します。ただ、曲自体が悪いのではなく、音量が小さいのがもったいないという見方です。
比較対象として挙がったのはニーアレプリカント ── スクウェア・エニックスのアクションRPG『ニーア レプリカント』。印象的な歌入りの楽曲が物語の要所で流れることで知られますです。ニーアシリーズでは、ここぞという場面でキャラクターのテーマ曲が大音量で流れるため、強く印象に残るといいます。
エミールとかカイネとかの曲ってマジでいつでも歌えるからね。本当に。
もう1つの例はライズオブPです。ライズオブPでは音楽が収集要素になっていて、レコードを聴いて心を動かされると、主人公ピノキオの人間性が上がる仕組みがあります。システムと演出が融合しているため、自然と曲を聴いてしまうそうです。
シュナイダーさんは、『Beast of Reincarnation』ではこうした「この曲をここでババーン」という瞬間が薄めだったと振り返ります。そのうえで、着眼点の鋭いレビューが多いのだから、「カス」のような言葉でまとめずに語彙を磨いてほしい、とも話しています。
総評は「面白い部類」、ゲームフリークの新業態をのぞく感覚で
最後のレビューは「ストーリーは謎、アクションは楽しく、似た敵が多いが続けられた」という星4の評価でした。シュナイダーさんは、アクションがつまらなければストーリーが良くても続かない、とアクションの大切さに同意します。
総合的な評価は「良くも悪くもある」です。音楽やご飯のビジュアルなど、改善の余地がある点を挙げつつも、アクション、クーちゃんの可愛さ、ビルドや食事による育成、探索の面白さは確かにあったと語ります。
結論として、シュナイダーさんは面白いの部類に入ると評価しました。ただし「絶対にやった方がいい」と強く勧めるほどではなく、迷っている人はセールで買うのもありだといいます。
シュナイダーさんは、ずっとうどん屋だった店がそばも始めたから行ってみる、というたとえで説明します。ポケモンに詳しい人ほど、ゲームフリークがこういうゲームを作れるのかとワクワクしながら遊べるはずだ、という見立てです。
フロム作品をよく遊ぶ人にとっても、ゲームフリークが作る死にゲー寄りのアクションの手触りは新鮮に映るかもしれないと、シュナイダーさんは話しています。
番組の終わりには、夏休み子供相談室の準備を進めていることや、大阪インディーズゲームサミット ── 大阪で開催されるインディーゲームのイベント。番組内ではOIGSと略して紹介されていますに合わせてゲーム系Podcastが配信をリレーする企画への参加が告知されました。シュナイダーさんは9月16日ごろに担当する予定だといいます。
まとめ
『Beast of Reincarnation』は、パリィと相棒へのコマンド指示を組み合わせたアクションや、植物モチーフの世界観、ゲームフリークらしい演出が光る一方で、ストーリーの欠け、迷いやすい探索、印象に残りにくい音楽といった惜しさもある作品として語られました。シュナイダーさんの結論は「面白い部類」で、ゲームフリークの新しい挑戦を確かめる1本として勧めています。
- パリィでゲージを溜めて相棒クーちゃんに指示する戦闘は、相棒を空気にしない仕組みとして高く評価されている
- ボスを倒すと花が咲くスキルツリーや、2000年後の日本を歩く探索に、丁寧な作りと演出力が表れている
- ストーリーの穴、直線でしか示されないナビ、何を食べてもおにぎりの食事ムービー、控えめな音楽が惜しい点として挙げられた
- 字幕やカメラなどの初期の不満は、発売から1週間ほどのアップデートで改善された
- 強く勧めるほどではないものの、ポケモン好きほどゲームフリークの新業態として楽しめる作品とされている





