オリジナルの箱は高い、だからまず既製品を使う
今回のテーマは、ボードゲームの外装です。パッケージや箱、ケースなど、内容物を収めるためのものについての話です。
印刷会社や工場に頼めば、様々なサイズや形状の箱をオーダーメイドで作れます。内容物に合わせて適切なサイズを発注する考え方もあります。
ただし、オリジナルの箱を作るとコストがかさみます。箱を作るには型が必要で、折り加工や組み立ての工程も加わるためです。
そのため、インディーズ界隈では、独自のケースを一から作るのはなかなか厳しいというのが主流だと語られています。
現実的なのは、すでにある型を使うことです。もともとある既製サイズに、自分のボードゲームを何とか収めるパターンが安く済ませる王道だと説明されています。
化粧箱とキャラメル箱、価格の目安が変わる2つの定番
ゲームマーケットでよく見かける箱の一つが、化粧箱です。ボードゲーム界隈では、蓋と身が分かれている形状の箱を指します。
化粧箱は、蓋が身の部分にかぶさる形になっています。カードだけでなく、駒などいろいろなものを入れられ、サイズも様々で大きめのものもあります。
一方で、化粧箱は身と蓋の2つのパーツがあり、かぶさる部分は印刷面が重なります。そのため印刷面が広めになり、製造コストは比較的高めで、ややリッチな印象になると語られています。
箱の種類は販売価格の目安にもなります。化粧箱を使う場合、小箱でも1500円から2500円、3000円ほどで出す人が多いとのことです。
カルゲーだったとしても、ちょっとしっかりと作り込んでいるものが、まあ化粧箱っていうような印象がありますね
これに対して、価格帯が1000円から2000円ほどで、箱はしっかりしているものがキャラメル箱です。
キャラメル箱は、蓋と身が分かれていません。紙製のトランプケースのように、上も下も開き、全部開けると筒状になる形状です。
この形状のため、キャラメル箱はコマなどが入れにくく、カードだけで構成されるゲームに使われることが多いと説明されています。カードの印刷費だけで済むのが特徴です。
キャラメル箱は一般的なサイズで価格が安く済みます。印刷会社のグラフィックのパッケージ商品を使う人が多いとのことです。
(グラフィックさんの)そのサイズ感のゲームって結構好きだよねと。それだけ集めるのも楽しいよねみたいな話も目にしたので、かなり一般的なのかなっていうふうに思っております
蓋と身が分かれる。カードや駒など何でも入る。印刷面が重なりコスト高め。価格目安は1500〜3000円
蓋と身が一体で筒状。カード中心でコマは入れにくい。印刷費が安い。価格目安は1000〜2000円
コストを下げるチャック袋と、その手作り感をどう消すか
化粧箱もキャラメル箱も、印刷会社への発注が前提となるため、コスト的には高くなります。ここから、より安くする工夫の話に移ります。
コストを下げる選択肢として登場するのが、チャック袋です。箱ではなく袋で、ジップロックのように指でスライドして封を閉じられるものです。
100均などにも様々なサイズがあり、買ってきた袋だけで外装が作れるため、とても安価です。ゲームマーケットには、こうした外装のない商品を扱うチャック袋横丁というコーナーもあります。
ただし、チャック袋だけで売る商品は世の中に一般的にないため、インディーズっぽく、手作り感が否めなくなってしまうという弱点があります。
名刺印刷のポイントカードで、チャック袋を「吊るせる商品」に変える
そこで工夫できるポイントとして紹介されたのが、名刺印刷の活用です。名刺印刷は既製サイズで同じデザインを大量に刷るため、印刷費が安いという特徴があります。
使うのは、縦に開く二つ折りのポイントカードです。病院の診察券や美容院の予約カードなどで見られる形状で、これも印刷が安いとのことです。
これをチャック袋の封を閉める部分にかぶせるように当て、ホチキスで留めます。さらに、ポイントカードの上部を穴あけパンチで穴開けしておきます。
こうすると、上に紙、下がビニールで中身が見える形になります。お店のフックにぶら下がっているスリーブやスマホコードのような、見慣れた商品の見た目です。
もう下がいくらチャック袋で透明だったとしても、逆にそれは中身が見れていいよねみたいな感じ
上部にはロゴや値段のデザインを乗せられ、穴も付いているため、展示前提で作られたように見え、商品らしさが一気に増します。
さらに、この形は展示にも使えます。有孔ボードにフックをかけ、そこに商品を奥へ並べて吊るせるため、陳列がしやすくなります。
この方法はデザインする面がポイントカードの上面だけで済みます。外装全体をデザインする必要がなく、外注費も抑えられ、展開図を意識せず自分でも作れると語られています。
DVDケースなら差し替え自在、印刷ミスにも柔軟に対応できる
もう一つのアイデアが、DVDケースの活用です。DVDケースは箱の外側がビニールで覆われており、その中に紙を差し込めば外装ができ上がる仕組みになっています。
そのため、ケースのサイズに合ったチラシなどを印刷して差し込むだけでパッケージが作れます。いつでも差し替えができる点が大きな利点です。
あ、やべえ、ここ印刷間違ってるっていうので、仮に刷り直したとしても、そこにもう一回差し替えるだけで済みますので、これは結構柔軟に対応できますね
化粧箱やキャラメル箱、チャック袋にポイントカードを留めたものは、一度固めると変更が難しくなります。それに対しDVDケースは差し替えるだけで済み、安価で柔軟に対応できると説明されています。
DVDケースは、ディスクを留める器具が付いていないフラットなものを選ぶとよいとのことです。近々販売中止になるという噂もありつつ、在庫はまだあると語られています。
ただしDVDケースは薄めのため、カードは2列ほど、コマも数はそれほど入りません。とはいえ、小箱の化粧箱ぐらいの内容は入るのではないか、と話されています。
シール印刷で、既製品も100均の箱もオリジナルに化ける
次のポイントが、シール印刷の活用です。印刷会社に頼むものの選択肢として、ポイントカードやチラシに加えて、シールやステッカーがあります。
既製品の箱やケースにシールを貼るだけで、印象が変わりオリジナル商品らしくなります。話者は自作の「ルース」で、既製品のアルミ名刺ケースにシールを貼ってパッケージにしていると紹介しています。
100均には様々な箱やケースがあり、大きめのシールを上面に全面で貼れば立派なパッケージになります。缶の小物入れや瓶なども、ものを入れられれば外装になり得ます。
100均の安い商品は無地が少なく、妙なロゴや一言が入っていることがあります。それもシールを上から被せれば隠せるため、貼る前提で見ていくと選択肢が広がると語られています。
100均のディスプレイケースを逆さに使う、驚きのアイデア
最近見かけて驚いたアイデアとして紹介されたのが、100均のディスプレイケースの活用です。底面が白く、上から大きい透明の蓋をはめ込む、フィギュアなどを飾るための箱です。
ディスプレイケースは中身を立てて置く前提のため、本来はコンポーネントをたくさん入れるのには向きません。しかし、ある作品はこれをひっくり返して使っていたそうです。
透明の蓋部分を下側にし、白や黒の底面だった部分の裏面にシールを貼ります。すると、デザインの乗った蓋が透明ケースにはまっているように見え、中身も見せられる形になります。
一見それ(100均だと)わかんなかったんですね。これどういう風に作ってんだろうな、こんな特注で作るなんてすごいなって思っていたんですけども、よくよく調べますと、実は100均をそういうような使い方でやっていると
見た目もかっこよく、理にもかなっているこの使い方に衝撃を受けたと語られています。箱やケースに限らず、100均の様々なものが外装になり得るという例です。
100均パトロールと、手作りが向く小ロットの考え方
100均には様々なものがあるため、パトロールしながら「これ入るかな」と見ていくのがよいと勧められています。商品の移り変わりが激しいので、定期的なチェックが大切だとのことです。
話者自身も、フラッと立ち寄った際に100均があると寄ってしまうそうです。おもちゃ、箱、ハンドメイド、文具、ディスプレイ、インテリア、学芸などのコーナーを、いつも決まった順で見て回ると語っています。
あ、これ使えそうといったものは、頭の中にストックとして入れておく。っていうのは結構重要なのかな。ほんとアイデア次第だよねっていうところです
こうした手作りは手間がかかり、作れるのは小ロットが限界です。ただ、印刷会社に頼むと小ロットでは1個あたりの単価が高くなりがちだと説明されています。
そのため、小ロットで済むうちは手作業で安く抑え、いくらでも増版できる体制にしておくのも一つの選択だと語られています。50個や100個ほどなら手で作れ、それ以上から印刷会社に頼むのもありだとのことです。
大量に作るなら、印刷屋ではなく「箱屋さん」を使う
一方で、手作業が面倒でたくさん作りたい、化粧箱やキャラメル箱に埋もれずオリジナリティも出したい、という場合もあります。
そのときは、オリジナルの型を作るのではなく、他業界の既製品を使うのがポイントだと紹介されています。世の中には印刷屋とは別に、箱屋やパッケージ屋が多くあります。
印刷屋がチラシや名刺を中心に扱うのに対し、箱を扱う市場は非常に大きく、専門会社は様々な型を持っています。そうした会社を活用する手があります。
盲点として挙げられたのが、レトルトカレーのケースです。ボンカレーのような薄型のもの、ジャワカレーのようなルーが入る箱は、ある意味キャラメル箱の一種だと語られています。
カードの枚数が多く普通のキャラメル箱ではサイズが難しいときに、こうしたレトルトカレーの箱が活用できます。ほかにも一昔前のスーパーファミコンの箱など、様々なものがあります。
箱屋さんには、パカッと開く蓋の箱、深めの筒状のもの、上が三角に閉じる家の形のものなど、様々な型があります。内容物もそこそこ入れたく、見た目もこだわりつつ安く作りたいときに向いています。
ただし、既製品であっても、箱屋さんは小ロットにはなかなか対応していないこともあり、そこは要相談だと語られています。それでも、ボードゲーム専門の会社より幅が広く安くできる点で、チェックする価値があるとのことです。
まとめ
ボードゲームの外装は、オリジナルの型を作らずとも、既製品や100均、他業界の箱を工夫して活用することで、コストを抑えつつ商品らしく仕上げられます。お金や内容物、見せ方などの事情に応じて、最適なやり方を選ぶことが大切だとまとめられています。
- 定番は化粧箱とキャラメル箱で、印刷面や形状の違いが価格の目安になる
- チャック袋は安いが手作り感が出るため、名刺印刷のポイントカードで吊るせる商品風にできる
- DVDケースは紙を差し込むだけで、印刷ミスにも差し替えで柔軟に対応できる
- 既製品や100均の箱にシールを貼るだけでオリジナル商品らしくなり、ディスプレイケースを逆さに使う応用もある
- 大量に作るなら印刷屋ではなく箱屋さんを使い、レトルトカレーの箱など他業界の型を活用する手がある




