偶数と奇数がゲーム作りを左右する理由
今回のテーマは「奇数の使い方が鍵」。ボードゲームの制作論、作り方のヒントとして語られる回です。
Manaさんは、これがまだ綿密に論理化された話ではなく、感覚的な話になると前置きしています。それでも、偶数と奇数という数字の部分が、ゲーム作りで重要な要素になると日々感じているそうです。
この偶数と奇数、いわゆる数字の部分っていったところが、ゲーム作りにおいて結構重要な要素になるんじゃないのかな。
ここで言う数字とは、カードの枚数や数字のランク、コマの個数、ボードのマス数など。これらがゲーム性に直接影響するという前提から話は始まります。
まずは偶数で作る。割り切れる数の作りやすさ
ゲームを作る際は、まず大まかなルールを考えます。その段階でカードの枚数やボードのマス数を決めますが、最初は「えいやー」と一度決めてしまうものだとManaさんは話します。
たとえば6×6マスでいこう、8枚のカード構成でいこう、8枚で4スート、といった具合に一旦形にします。そこから微調整を繰り返し、最適な枚数を探っていくのが一般的な作り方だと言います。
Manaさん自身の傾向として、偶数のほうが作りやすいそうです。割り切れる数のほうが、誰が何をして、どう返すか、という戦略のやりとりをイメージしやすいためです。
そっちの方が、誰が何をする、そしてどう返すみたいな、そのやりとりだって戦略とかもイメージしやすいんですね。
そのため調整も偶数の範囲内で行うことが多い、とManaさんは振り返ります。
割り切れる偶数の弱点は「みんな同じ手が打てる」こと
ただし偶数には偶数の問題があるとManaさんは指摘します。割り切れてしまうため、みんな同じ行動ができてしまうという点です。
例としてボードのマス目が挙げられます。相手がある場所に置いたら、対角線上の逆のところに自分も置く。そうやって相手と同じ手をずっと繰り返せてしまうのが偶数だと言います。
これが奇数になると、中央のラインが生まれます。すると、絶対に同じ動きができないタイミングが出てくる。その部分がゲームのノイズや戦略性につながるという考え方です。
奇数になると、やっぱり中央のラインが出てきますので、絶対同じ動きができないっていうタイミングが出てきます。
カードでも同じで、奇数の数字や奇数の種類にすると、割り切れなかった部分をどう扱うかが問われます。その領域の扱いをめぐって、読み合いや駆け引きが生まれるとManaさんは説明します。
割り切れて戦略をイメージしやすいが、相手と同じ手を繰り返せてしまう
割り切れない領域が生まれ、その扱いをめぐって読み合いや駆け引きが起きる
一度作って壊す。偶数のゲームを奇数にしてみる
偶数構成でも十分面白いゲームは作れる、とManaさんは前置きします。そのうえで、さらにゲームを面白くしたいときには、あえて奇数の状態にしてみることがあると言います。
偶数で作った後にさらにゲームを面白くする、さらにやりがいのあるような状態にする、そういうふうに考えると、奇数の状態に一回してみるっていうようなことをやったりします。
これは「一回作ってから一回壊す」作業だと表現されています。割り切れるかどうかを意識して構成を変えることで、ゲームをさらに進化させる狙いです。
奇数によってバランスが崩れることもありますが、そのノイズの揺らぎが化学変化のようにプラスに働くパターンが多い、とManaさんは体感を語っています。
プレイ人数の壁。三人用が一番作りにくい
偶数と奇数の考え方は、コンポーネントだけでなくプレイ人数にも当てはまるとManaさんは話します。2人用や4人用は比較的作りやすい一方、3人用は作りにくいそうです。
理由はパワーバランスです。2人用は1対1で成立し、4人用は四つ巴、2対2、1対3など複数の構図が取れます。ところが3人用は、平等な構図を作れないとManaさんは指摘します。
一対二の構図にどうしてもなってしまうと。平等な構図ってできないんですね、奇数ですと。
3人だと必ず1人が余り、誰かと誰かがやり合う中で「自分はどちらにつくか」という展開になりがちです。しかも有利なほうにつくのが得なため、勢力図はコロコロ変わります。
その結果、ゲーム開始早々に2対1になり、2人が1人をずっとボコボコにする状態に陥りやすい。これが3人プレイの難しさだとManaさんは語ります。
三人で試すことが偶数のゲームにも気づきをくれる
難しいからこそ、3人でやって面白い状態を一度作ったうえで偶数の人数に整える、というアプローチもManaさんは提案します。
ルールを作る段階で「3人プレイならどうなるか」を意識して回してみる。そうすると、偶数人数のゲームにも新たな気づきが出てくるのではないか、という考え方です。
三人でやって面白いよっていうような状態を一回作った上で、偶数の人数にする。
奇数を味方につける力が制作の腕を測る
日常では偶数か奇数かを感覚的にはわかっていても、ゲームとして計算すると偶数のほうが作りやすい、とManaさんは改めて整理します。
だからこそ、奇数をいかにコントロールし、意図的に利用できるかが問われる。Manaさんは、そこにボードゲーム制作の力が測られると考えています。
具体的な変え方としては、数字のランクを1〜6から1〜7にする、ボードを6×6から7×7にする、スートを4種類から5種類にする、といった調整が挙げられます。
さらに、カードやコマの種類ごとに枚数を統一させず、あえてバランスを崩す方法もあります。ポイントは、とにかく割り切らせないことだとManaさんは言います。
割り切れるものって人は予測していけるわけです。
割り切れないものを誰が取り、どれを動かすのか。その奇数の部分を楽しく遊べるようになると、さらに面白いゲームになっていくというのが結論です。
Manaさんは、今ゲームを作っていて「何か足りない」と感じている人に、強引にでも奇数を入れてみることをすすめています。
作りながら考える、ボドゲ制作の発信として
この回は、ボードゲーム作りのヒントとして配信されたものです。Manaさん自身も悩みながら制作を続けており、その実体験から考えたことを発信していると話します。
面白いボードゲームが増えれば界隈も盛り上がり、みんなが楽しめるようになる。そうした思いから、制作論だけでなく作ったゲームの売り方やマーケティングも発信していく方針が語られました。
まとめ
偶数は割り切れて戦略をイメージしやすい反面、相手と同じ手を繰り返せてしまいます。あえて奇数を持ち込むことで割り切れない領域が生まれ、そこでの読み合いや駆け引きがゲームを進化させる、というのがこの回の中心的な考え方です。
- ゲームはまず偶数で作ると戦略をイメージしやすく作りやすい
- 偶数は割り切れるため、相手と同じ手を繰り返せてしまう弱点がある
- 一度作った偶数のゲームを、あえて奇数にして「壊す」と揺らぎが生まれる
- プレイ人数では3人用が最も難しく、2対1の構図になりやすい
- 数字やマス数、スートを割り切らせず奇数を味方につける力が制作の腕になる



