10回続けた毎日配信、その狙いと手応え
この回のテーマは「ポッドキャストの毎日投稿がボドゲにも通ずる」です。Manaさんはポッドキャストを始めてこの配信でちょうど10回目を迎えました。
しかも不定期ではなく、毎日配信を続けています。経験を積むためと、スタートダッシュをかけるために毎日投稿を頑張っているそうです。
そもそもManaさんがポッドキャストを始めた理由は、聞いてくれる人とのコミュニケーションの時間をできるだけ長くしたいというものでした。第1回でも語られていた点です。
実際に聞いていただいている方とのコミュニケーションの時間、それをできるだけ長くしようよね、それが一番ポッドキャストっていいよねと。
始める前は本当にそうなのかわからなかったといいます。しかし10回ほど配信してアナリティクスを見られるようになり、どれだけの人がどれだけの時間聞いてくれたのかが少しずつ見えてきました。
動画とポッドキャスト、伸び方の違い
Manaさんはこの配信をYouTubeでも届けています。これまでPVや試遊会の動画、対談動画なども出してきました。
音声配信は、YouTube上では1枚の画像がずっと出ているだけで、字幕もなく喋りだけが流れる形です。そこで動画とは大きく動きが違うと感じたそうです。
まず視聴回数は他の動画のほうが伸びています。拡散やサムネからのクリックは、やはり動画のほうが強いといいます。
一方で、大きく違ったのは視聴維持率でした。
PVとか普通の動画って、数秒とかで離脱ポイントが出てきてしまったりするんですけど、ポッドキャストであれば数分は確実に聞いてくれる、そういう状況になっていました。
一度聞き始めた人はすぐに離脱せず、最後まで聞いてくれる人も結構いたそうです。これは配信開始時の狙い通りで、引き続き続けたいと話しています。
一人語りだからこそ毎日投稿しやすい
ただ、大変な面もあると振り返ります。Manaさんの配信は一人語りです。
ポッドキャストを始めるとき、他のゲームカテゴリーのチャンネルをいろいろ参考にしたところ、ほとんどが複数人での対談形式でした。会話の中からコンテンツが生まれるので作りやすいメリットがあると考えていたそうです。
一方でManaさんは一人で話しています。複数人なら声の違いや話の盛り上がり、抑揚が生まれますが、一人だと抑揚づけや飽きないコンテンツを作るのが難しく、配信を通じて試行錯誤している状況だといいます。
それでも一人語りにはメリットがあると考えています。差別化の軸のひとつは、喋る内容です。ゲーム紹介や雑談が多い中で、Manaさんは考察や気づきになる内容を重視しています。
もうひとつが配信頻度です。他は2週間に1回、月に1回が多く、毎日投稿している人はほとんど見当たりませんでした。
そして、一人で配信することが毎日投稿をしやすくしていると気づいたといいます。複数人だとスケジュール調整が難しく、同じメンバーで毎日集まるのは現実的ではないからです。
会話から内容が生まれやすく抑揚も出るが、スケジュール調整が難しく毎日投稿は困難
抑揚づけや飽きない作りは難しいが、時間に縛られずいつでも収録でき毎日投稿しやすい
実際この配信も、リアルタイムで録ってすぐ投稿するのではなく、録ったものを予約投稿しています。収録の時間帯も夜中、朝、昼とさまざまです。
時間に縛られない、タイミングに縛られないで収録ができる、そういうところがとても強いかなと。
ランキング入りとストック型コンテンツの強み
その甲斐もあってか、10回連日で上げていくうちに聞いてくれる人も少しずつ増えました。新参のチャンネルながら、ポッドキャストのゲームカテゴリでランキングにランクインできたといいます。
日々ランクは変動するものの、ベストテン入りする瞬間もあったそうです。たまたまそのランキングを見たことが、もう少し続けてみようというモチベーションアップにつながりました。
Manaさんはまず1ヶ月、毎日投稿を続けてみようと考えています。理由は、ポッドキャストがストック型のコンテンツだからです。
配信がどんどん溜まっていき、新しい配信で知った人が過去の配信も聞いてくれる傾向があるといいます。
仮に30日間毎日やれば、30本の配信が溜まります。月1回のチャンネルと比べると、2年半分に相当する量になる計算です。
さらに高頻度でやると、試すことや実験するサイクルが非常に速くなります。月1回だと、試した結果を確認するのが1ヶ月後になり、改善が難しくなるといいます。
自分に負荷をかけて毎日投稿をやっていると、前回こうだったから今回こうやってみようだとか、自分の型といったものが一気に形づけられ始めています。
最初は何を話すか、どういう段取りでやるかを考えていましたが、ある程度型が組めると内容も考えやすく、話しやすくなっていくと実感しているそうです。
毎日発信することで考えが整理されていく
毎日配信をすると、ボードゲームのことを毎日考えるようになるといいます。ManaさんはXでも投稿しています。
Xだけだと、思いついた考察をメモとして発信してそのまま流れていく状態でした。ポッドキャストで配信するとなると、自分が投稿したXの内容を見返すことになります。
当時こう考えてこれをやっていた、といったものを頭の中でまとめ直して話すため、Xの時のひらめきが整理され、より深い考えにつながるメリットがあるそうです。
また、喋り続けることで話す練習にもなっています。高頻度で試行錯誤を回し、そこでやったものは無駄にならずストックコンテンツとして積み上がっていくといいます。
数を打って積み上げるボードゲーム作り
ここからは、この考え方がボードゲーム作りにも通じるという話です。ボードゲームは面白いものを作って広く届け、スマッシュヒットを狙う人が多いといいます。
ただ、面白さは人それぞれで、自分が売れるはずと思っても売れなかったり、逆にどうかなと思ったものが売れたりと、正直わからないとManaさんは語ります。
しかもボードゲームは制作期間が長く、いかに高頻度で回せるかが肝になります。狙ってスマッシュヒットを打てる人はすごいけれど、自分はまだその感覚がつかめていないといいます。
つかめるまでは高頻度で回す必要があると考えています。当たるものがわからないなら、数を打ってどんどん当てていこうという発想です。
適当なものを連発しまくろうというわけではありません。全部ちゃんと自分の作品は自信を持って、これは面白いというふうに出しております。
作品を1年かけて1つ出して、しばらく落ち着いてから次を作るということはしていません。毎日ボードゲームのことを考え、ルール調整も試行錯誤し続けるから、次々に出来上がっていくといいます。
そうすると一撃一撃が重いのではなく、出来上がったものから発表して反応を見ていけます。そしてポッドキャストと同じく、作品が積み上がっていくのです。
ゲームマーケットで効く「間口の広さ」と過去作
Manaさんはゲームマーケットで新作だけでなく旧作も全部持っていきます。新作をきっかけに知った人が旧作も買ってくれるパターンが結構あるといいます。
全部くださいとなる時もあれば、前に買った人が面白かったので他の作品も、と次回まとめて買ってくれることもあるそうです。
さらに、扱うゲームのジャンルも幅広くしています。アブストラクト、カードバトル、神経衰弱系、トリックテイキングなど、いろいろなパターンをやっているといいます。
これは、どのユーザーに何が刺さるのかという間口を広げるための工夫です。ある入り口から入って面白かった人が、他の作品も気になってくれることを狙っています。
たとえばアブストラクト好きの人が『バーストオブマナ』に興味を持ち、そのサークルの他の作品を見て、普段やらないトリックテイキングにも手を出してみる。そうした流れが起きるといいと話します。
高頻度で回すと、1年に1回作る人より試行錯誤の回数が桁違いに多くなり、実力もついてきます。実際には没作品も非常に多く、選び抜かれた一部分だけを発売しているといいます。
考えを巡らせる中で、明らかに面白くないものは減ってきました。今ではテストプレイの前に、脳内のテストプレイだけである程度作り上げられるようになったそうです。
初めの頃はお通夜みたいな状態が多く、遊んでもらっても全然面白くないものがいっぱいあった
最近は一発目からそこそこいい評価が得られるようになり、作る実力がついてきた実感がある
継続は力、高回転の試行錯誤が血肉になる
今後は、作品を次々に考えて発表するための工夫や、テストプレイの話もこのポッドキャストで配信していきたいと考えています。話しながら、これもネタになると思いついたそうです。
まとめとして、ボードゲームもポッドキャストも「継続は力」だという話です。高回転で試行錯誤を繰り返し、その回数が自分の血肉になり、今後の展開の力になっていくといいます。
このチャンネルでは、ボードゲームに限らずビジネス的な視点を交えながら考察する配信を日々行っています。
まとめ
ポッドギャストの毎日配信で得た手応えは、一度聞き始めた人が長く聞いてくれる維持率の高さと、配信が資産として積み上がるストック型の強みでした。Manaさんはこの「継続」と「高回転の試行錯誤」が、そのままボードゲーム作りにも通じると語りました。
- 一人語りは抑揚づけが難しい一方、時間に縛られず毎日投稿しやすいという強みがある
- 毎日投稿はコンテンツがストックとして積み上がり、月1回配信の何倍もの量と試行錯誤の回数を生む
- ボードゲームも数を打って積み上げる発想で、幅広いジャンルの過去作が新たな出会いの間口になる
- 試行錯誤の回数が実力となり、脳内テストプレイやテストプレイの初動の評価にも表れてくる
- ボードゲームもポッドキャストも「継続は力」で、高回転の試行錯誤が今後の展開の力になる






