なぜXで宣伝するのか、いつ始めたのか
番組「ボドゲの天下取り」のManaさんは、自作ボードゲームの宣伝手段としてXを使っています。理由はシンプルで、手軽で無料で始められるからです。
Xを開設したのは、ボードゲームを作り始めようと思った時点でした。完成後に宣伝を始めるのではなく、制作から発売までの期間を宣伝準備に充てる狙いがあったと話されています。
印刷会社に入稿した後は、その時はやることがなかったんですね。なので、このやることがない間にいかに宣伝活動を頑張っておこうかと思ってXを開設しました。
開設した当初は、フォロワーにまだ力があった時期でした。フォロワーに情報が届きやすかったため、前半はフォロワーを伸ばすことを中心に試行錯誤していたそうです。
フォロワーは伸びたのに、情報が届かなくなった
フォロワーは現在3700人ほどまで伸びました。しかし、Xのアルゴリズムのアップデートによって、うまくいかなくなってきていると感じているそうです。
それでも、ボードゲームで遊んでいる人が一番使っているSNSはどこかと考えると、いまだにXが強いとManaさんは見ています。ショート動画のTikTokやYouTube、インスタのリールも効果的かもしれませんが、ボドゲ層はまだXが中心という判断です。
そこで前半は、まず自分を知ってもらうことを優先しました。作品そのものの宣伝よりも、自分のアカウントの認知を広げることを狙ったのです。
ただし無作為にフォロワーを集めても意味がないため、投稿する話題はボードゲーム関連に絞りました。「このアイコンよく見るな」という状態を作ることを目指していたそうです。
しかし、フォロワーを伸ばしても、インプレッションが伸びにくくなってきました。インプレッション ── 投稿がどれだけ表示されたかを示す指標。Xでは「インプ」と略されるが昔より極端に伸びにくく、むしろフォロワーに情報が届いていないことが顕著だと話されています。
リンクを貼ると伸びない、というアルゴリズムの壁
新作の情報や予約フォームなどはXで積極的に発信しますが、そうした投稿ほど伸びないという問題があります。今のXは、フォロワーに届けるより、閲覧している人の興味にフィットさせるアルゴリズムが強いためです。
そのため、ボードゲーム関連の知識や統計的な情報はインプレッションが伸びます。ところが、いざ宣伝リンクを載せると極端に伸びなくなるのです。
特にですね、本当にリンクとか載せるともうマジで伸びないです。投稿の中にリンクを載せるとインプレッションが本当に伸びないと思っております。
これは、XがユーザーをX内に留めたいという思想の表れだと考えられます。リンクがあると別のサイトへ離脱してしまうため、表示が抑えられているのではないかという見立てです。
X内でリンク先を開ける作りに変わりつつあるため、いずれ改善するかもしれませんが、いつになるかはわからず当てにならないとも話されています。
コミュニティ機能の廃止と、募集投稿という抜け道
当初はコミュニティ機能も使えると考えていました。グループを作って情報をシェアし、人数が増えれば告知を打てると期待していたのです。
ところが、そのコミュニティ機能を廃止するという発表が出てしまいました。フォロワーを伸ばしてもコミュニティも育てられず、宣伝はますます厳しいと感じたそうです。
一方で、最近また目立ってきたのが自薦他薦募集の投稿です。「こういうボードゲームありませんか」という募集に、各制作者が自分の作品を紹介していく流れです。
テーマが明確な募集、たとえば「2人用で面白いゲームありますか」といった投稿は、閲覧者にとっても種類の一覧として参考になります。リプが集まるほど投稿自体の価値が上がり、より多くの人に見えやすくなります。
拡散のカギは、引用リポスト、コメント、熟読といったエンゲージメントです。エンゲージメントが高い投稿ほど拡散される印象があると話されています。
Manaさんも当初は「教えてと言っている人にしか効果がない」と思い、あまり力を入れていませんでした。しかし今は、そうしたテーマ区切りの投稿に自分の情報をぶら下げ、元の投稿を伸ばすことに効果を感じ始めたそうです。
同じ投稿を貼り続けるとBANされる危険
ただし、この募集への投稿にはリスクがあります。毎回違う文面を作るのは大変なので、一番魅力が伝わる宣伝文と画像を1つ作り、それを各所に投稿していく人がほとんどです。
これが危険で、同じ投稿をいろんなリプにつなげるとスパムと判断されやすいのです。アカウント停止や凍結のリスクが高まります。
いきなりXを立ち上げて宣伝活動を始めると、若く投稿や交流の少ないアカウントは一瞬でBANされる、という報告もあるそうです。
そこで重要になるのが、アカウント自体の強さ、いわば耐久力です。これまでの運用実績によって、BANのリスクは変わってきます。
アカウント開設当時は、すぐ3日間凍結ということもあったんですけれども、今は結構いろんなことをやっても全然余裕ではあります。
運用実績が積み上がり、投稿やリプでの交流、フォロワーの増加によって「信頼できるアカウント」と見なされてきたためだと考えられます。ゲーム前だけ一気に活動するのではなく、日頃から運用して認知を取り、ここぞという時に宣伝できる環境を作ることが重要だと話されています。
バズる投稿の「次」に宣伝を置く運用術
運用の中でManaさんが感じているのが、誰かにエンゲージメントを送ると、その人の投稿が急に表示されるようになる現象です。興味があることをXが察知しているのだろうという見立てです。
この仮説をもとに、Manaさんは「これはインプが伸びるだろう」という投稿を定期的に出しています。反応が集まったところがチャンスで、反応した人には次の投稿が届きやすいと考えているのです。
つまり、興味を持って反応してくれた人が多いタイミングで、普段は届きにくい宣伝や見てほしい投稿を即座に入れる、という運用です。
これはXが公表していないため確かではなく、アルゴリズムもすぐ変わり得ます。それでも今の感覚では、こうしたルーティンのような投稿設計が重要だと話されています。
そのため、すべての投稿でなんとなく日常をつぶやくのではなく、「この投稿は何のためにするのか」を必ず一度考えるようにしているそうです。意味がないと判断したものは、下書きだけ書いて消すこともあるといいます。
今いちばん効くのはプレゼントキャンペーン
いろいろ運用する中で、今いちばん刺さる宣伝は何かと考えると、プレゼントキャンペーンがとても効くとManaさんは話します。ただ投稿するだけでは届かないため、強引にでも拡散する仕組みが必要だからです。
プレゼントキャンペーンは、自作品を、リポストやコメントをした人の中から抽選で贈る形で行います。条件として拡散が起きやすく、応募のためのエンゲージメントも集まります。
条件で拡散
リポストやコメントを条件にすることで投稿が広がる
情報が届く
リプなどを通じていろんな人の目に触れる
内容を知る
欲しい商品として作品の説明が自然に伝わる
応募・予約
いいと思った人がリポストや申し込み、予約をする
プレゼントする商品なので、投稿文には作品の内容がしっかり含まれます。欲しくなければ応募しないため、自然と作品の宣伝と説明ができるのです。
実際にキャンペーンを打つたびに予約がぽろぽろ入る効果も感じているそうです。「当たるなら買わなくていい」という心理を心配していましたが、意外にもそうではなかったといいます。
当たったらラッキーぐらいかもしれないですね。みんな気にせず、いいなって思ったら予約もしてくれるし、実際買ってくれるし、当たったらいいなという形だと思うので、拡散もしてくれる。
個人情報のやり取りを敬遠する人もいそうですが、思っていたよりちゃんと申し込んでくれるため、やっていない人はやった方がいいと話されています。
応募条件は軽く、そして「次の投稿」につなげる
前半でフォロワー数はあまり意味がないと述べつつも、権威性の面ではフォロワーが多い方がしっかり活動していそうな印象を与えます。信頼度の面で、フォロワーはフォロワーとして伸ばす必要があるという見方です。
Manaさんの条件はフォローとリポストで、引用リポストやコメントをしてくれたら当選確率アップといった工夫をしています。
本当はいいねや感想投稿もお願いしたいところですが、条件を高くするほど応募数は減ります。全部の条件を書いて始めたときは反応が悪かったそうです。
そのため、目的によって設計を変えるのがポイントです。レビュー狙いなら強い思いの人に絞ってよく、広く知ってもらう宣伝なら応募を簡便にしておく必要があります。
条件を厳しめにして、思いの強い人に絞る。応募数は少なくてよい
応募を簡便にして、多くの人が気軽に紹介・応募できるようにする
さらに、一度反応してくれた人には次の投稿が届きやすいという性質を、キャンペーンにも活かせます。応募した人に対し、商品のより深い内容を次の投稿で届けると、その情報まで確実に届くのです。
そのため、インプレッションを伸ばす意味だけでなく、エンゲージメントを得る目的でも定期的にプレゼントキャンペーンを行っていると話されています。
何をプレゼントするかで、集まる人が変わる
ただし、何でもプレゼントすればいいわけではありません。ボードゲーム以外を配る人もいて、たとえばアマゾンギフト券のような現金配布系は応募が大量に集まり、フォロワーもインプも伸びていそうに見えます。
しかしManaさんが感じるのは「それをやって何の意味があるのか」という点です。申し込んでくれる人が、自分の求めている相手かどうかがポイントになります。
その点、自作品でキャンペーンをやれば、作風に合った人が反応してくれます。ボードゲームに興味がない人や懸賞目的の人はノイズになるため、狙いが合わないのです。
一方で、ボードゲーム関連として広くパイを取りたいときは、自作品に限らなくてもよいかもしれません。クリスマスの頃に、好きなボードゲームを選べるカタログギフトをプレゼントに使ってみたそうです。
これもそこそこ伸びましたが、当たるのがボードゲームに絞られているため、反応するのはボードゲーム関連の人でした。自作品だと、たとえば2人用アブストラクトに興味がある人しか集まらず次回作につながりにくい面がありますが、汎用的なものならボドゲ好き全般とつながれるという狙いです。
新人ほど、施策で宣伝を積み上げる
それでも、自作品でのプレゼントキャンペーンが一番強いというのが体感だとManaさんは話します。実際にやってみて起こったことを踏まえると、それがX上で自作ボードゲームを宣伝する勝ち筋だと考えているのです。
もちろん作品自体が面白く、通知をオンにされるほど認知が取れていれば、投稿するだけで待っている人に情報が届く状況を作れます。ただ、Xを始めたばかりで作品も活動も多くない新人には、まだそれが難しいのが実情です。
だからこそ、新人ほどキャンペーンや施策でなんとか宣伝を積み上げていく必要があるというのが、この回の結論です。Manaさん自身も新人のようなものだと語っています。
もうすぐゲムマなので、X上もお祭り騒ぎになってきて最近はとても楽しいと話されています。今日話した以外にもX研究の知見があるため、今後もポッドキャストで発信していきたいとのことです。
まとめ
フォロワーを伸ばしても情報が届きにくくなった今のXで、ボードゲームを宣伝するには、アルゴリズムの癖を踏まえた運用と、拡散の仕組みを作るプレゼントキャンペーンが鍵になる、という回でした。
- ボドゲ層はいまだXが中心で、宣伝の成否が売れ行きに関わる
- リンクを貼ると伸びず、フォロワーより閲覧者の興味に届くアルゴリズムが強い
- 同じ投稿を貼り続けるとBANされやすく、日頃の運用実績が耐久力になる
- 反応してくれた人には次の投稿が届きやすいため、バズの「次」に宣伝を置く
- 自作品でのプレゼントキャンペーンが、作風に合う人を集める勝ち筋になる



