1周年をオフライン収録で迎えて
「メタ仕事論」がちょうど配信1周年を迎えました。この回は珍しくオフラインでの収録で、途中には雷やゲリラ豪雨、街宣車の音も入り込む賑やかな環境だったと語られています。
配信日である8月5日が、番組開始からちょうど1年の同じ日にあたっていたことに、収録直前に気づいたそうです。
全く同じ日なんですよねっていうのに気づけてよかったっていう。
聴取数はまだ爆発的ではないものの、1年やった実感として「こんなに聴いてくれる人が増えたんだな」と感じられる規模になってきたといいます。
結構お会いする方が聞いてますっておっしゃっていただけるので、すごくありがたいですね。
周年を前にカバーアートも刷新されました。玉置さんがX(旧Twitter)のインプレッションで集めた収益を予算にして、デザイナーの中谷さんが制作したものだと明かされています。
YouTubeとの相乗効果で目指す先
昨年はPodcastアワードを目指したものの届かなかったこと、そしてこの1年でアワード入りの番組はさらに強くなっている印象が語られました。
ここからの鍵として挙げられたのが、始めたばかりのYouTubeとの相乗効果です。YouTubeから、より濃い情報を求めてPodcastへ来てもらう流れを、数ヶ月で作れるかどうかが分かれ目だと話されています。
なかなかポッドキャストはこうドカンとマーケティングが難しいなと思ったりもしてて。
YouTubeではPodcastとはトーンの違う玉置さんの姿が見られるとして、リスナーにも視聴を呼びかけています。
古い回より「聴きたい内容」が伸びていた
振り返りにあたって過去の人気エピソード一覧を見たところ、岡島さんは意外な発見があったと語ります。
Podcastは古いエピソードやナンバリングの1本目から順に聴かれやすく、数字も出やすい傾向があります。しかしランキングを見ると、必ずしも古い回が上位というわけではなかったといいます。
内容的にこれ聞きたいなっていうものがなんかすごい聞かれてるんだろうなっていう感じだったんで、面白かったですね。
内容そのもので選ばれて聴かれているという手応えが、この振り返りの出発点になりました。
第5位「メタ認知」とリスナー代表・野村さん
第5位は2本目のエピソード「メタ認知どう鍛える 意志の力に頼らない解決策」でした。玉置さんにとっては、初回で戸惑った振る舞い方を改善できた回だといいます。
その改善策が、リスナー代表として設定した架空のペルソナ「野村さん」でした。画像まで生成し、今もその写真に向かって話しているそうです。
私が初回のポッドキャストを録る時に、どのような心持ちでやっていいのかわかんなくて、ちょっと居心地が悪かったんですよね。
皆さんが聞こえてるのは野村さんのおすそ分けですね。
肝心の中身は、メタ認知をどう鍛えるかという話でした。玉置さんが強調したのは、大づかみな感情把握はしばしば認知ではなく空想になってしまうという点です。
大雑把な感情把握って認知じゃなくて空想だったりするんですよね。
割り箸がきれいに割れた瞬間の小さな喜びのように、ごく小さな感情の機微に気づく積み重ねが、思考や感情をリアルタイムでモニターできる状態につながると語られています。
第4位「脳の騙し方」とスマホという凶器
第4位は32本目の「脳の騙し方を知れば仕事は勝手に進む」。玉置さんにとっては、行動の起こし方という自身のベーシックなテーマの回でした。
玉置さん自身、やる気が出ないタイプで、遅刻や先延ばしを重ねてきたと振り返ります。だからこそ、サイコロのツールで自分にご褒美を出すなど、脳を騙して動かす工夫を30年ほど続けてきたといいます。
皆さん自分のことを信用しすぎだし、高等生物だと思いすぎなんですよ。
私たちの脳はむちゃむちゃ怠け者だし、で、騙されやすいんですよ。
話は、その脳を最も揺さぶるスマホへと移ります。岡島さんが「離れたいと思いながらショート動画を見てしまう」と漏らすと、玉置さんは具体的な対策を次々と挙げました。
もう本当に脳がめんどくせって思うところに置かないと。
玉置さんが勧めたのは、アプリを面倒な場所に置き、SNSは生体認証を切ってパスワード入力を必須にするといった「めんどくさく」する工夫です。
- アプリを画面のめんどくさい位置に置く
- 生体認証を切り、毎回パスワード入力を必須にする
- スマホでは動画を見ず、パソコンで見る
- 通知を見に行くときは目的を宣言してから開く
玉置さんは動画をスマホでは見ないといいます。パソコンなら他のタブや仕事の情報が目に入り、我に返りやすいからだそうです。
そろそろやめようの気づく速さはスマホよりもパソコンの方が早いです。
第3位「考えすぎて動けない」とAIで下がる行動のハードル
第3位は25本目「考えすぎて動けないをなくす」。考えなくていいことを考えて動けない人が多い、という問題を扱った回でした。
玉置さんが整理したのは、行動の前後で考え方を切り替えるという発想です。走り出す前は方向性を考え、走り出したら考えない。「まだ考え中だから」は行動しない言い訳になりやすいと指摘します。
まだ考え中だからってむちゃむちゃ正当化できるじゃないですか。
岡島さんはこれを「ヘビーユーザーです」と認めます。玉置さんは逆のパターンにも触れ、不安に耐えられず考えずに動いてしまう衝動的な行動もあると加えました。
方向性や最低限のリスクヘッジをしっかり考える
考え込まず、決めた方向でやり切る
岡島さん自身、運動を続けられるようになった経験を例に挙げます。ジム歴はあったものの3週間サボることもあった状態が、玉置さんの助言で変わったといいます。
今日は行く。他知らない。行くからっていうので結構行けるようになりましたね。
話は、AIによって行動のハードルが下がっている点にも及びました。物選びのように、以前は自分で3時間かけて調べていたことも、今はAIに任せてよいという実感が語られます。
AIに面倒なことは全部決めさせればいいんですよ。
さらに玉置さんは、正解の行動を誰もがAIで出せる時代には、正解ではない道をあえて選んで動けること自体に価値が出てくると展望しました。
第2位「読書」から見えた、サボりと犬の道の違い
第2位は4本目「読書、本当に役立ってる?」。名著を1章から順に読むのではなく、血肉になる読書術を扱った回でした。
ここから話題は、岡島さんの内省へと深まります。結果が出るまで時間がかかる方向性でやっているとき、それが正しい「耐え」なのか、ただサボっているだけなのかの判断が難しいという悩みです。
戦略的に効率化しているつもりでも、それがただサボっているだけとの区別がつかない。どう判断すればいいのか。
岡島匠 さんからの質問
玉置さんは、サボっているかどうかは自分が一番知っているといいます。サボりとは、やるべきことがわかっているのに、楽をしたい・失敗したくない・先送りしたいといった邪心のために行動を歪めることだと定義しました。
サボっているっていう状態って、本来やるべきこととか取るべき方法がわかっているにも関わらず、行動をゆがめることなので。
一方で、行動量を増やすこと自体が悪ではありません。玉置さんは、それが思考停止のための手段になっているかどうかが分かれ目だと整理します。訪問営業でやみくもにピンポンを押すのも、考えすぎて一軒も行かないのも、どちらも極端だという例えが示されました。
そして玉置さんは、もし動けないなら考える以前の問題として、結果への執着が足りないのかもしれないと指摘します。自身は結果への執着が強いため、行動を止められないのだといいます。
岡島さんは、死に物狂いで成り上がりたいとは思っていないと打ち明けます。玉置さんは、漠然とした成り上がりでなくても、このプロジェクトを成功させたいという気持ちがあれば行動量は後からついてくるはずだと応じました。
さらに玉置さんは、動けない背景に「このやり方では成功したくない」という気持ちが潜んでいることもあると指摘します。
岡島さんの年代ぐらいだったら割とよくある病だと思いますね。このやり方で成功したくはないみたいな。
この流れで、岡島さんは自分が本当に問うべきイシューは何かを最近考えていると語り、玉置さんは『イシューからはじめよ』を今こそ読むよう勧めました。
影響を受けやすさと、確立されていない自己
内省はさらに、岡島さん自身の性格へと向かいます。周囲の人の発言を内面化しやすく、近くにいる人によって性格が変わってしまう、という自己認識です。
4年半在籍した会社では「AIみたい」と言われることもあった一方、最近は感情を出すよう意識して変わってきたといいます。それも、周りに感情を出す人が増えた影響だと分析します。
玉置さんは、これは度合いの差にすぎないと応じます。人は境界線が曖昧な存在で、他人からの影響に敏感か鈍感かの違いはあっても、影響される度合い自体は大きく変わらないというのです。
皆さんが思ってるほど自己って確立してないですよ。
スラムにいればスリもするだろうし、刀を持つ時代なら人に斬りかかっていただろう、という極端な例で、環境が人を規定する度合いの大きさが語られました。
第1位「言語化=語彙力ではない」まずは自分の体験から
第1位は30本目「言語化=語彙力ではない」でした。言葉をうまく使うイメージが先行しがちですが、その前に、感じ取った情報の中身が伴っていなければ意味がないという回です。
どうやっての前に何をですよね。
玉置さんは、言葉が力を持つのは個人の体験や文脈に紐づいているからだと語ります。うまく言えたかどうかより、まず自分が何を感じたかが起点になければならないというのです。
玉置さんは、AIに対しても言葉遣いを厳しく指示するといいます。もっともらしい言葉ではなく、その言葉が本当に最適かを考え抜くよう求めるのだそうです。これは人間にも同じことが言えると話します。
言語化の成功には段階があると整理されました。まず自分の言いたいことに最適な言葉を見つけるのが第一段階、次にそれを相手の体験や感覚に翻訳して伝えられるかが次のハードルだといいます。
だからこそ、言語化に真摯に向き合うほど、言葉の不自由さしか感じないはずだと玉置さんは語ります。
うまくできたなって自分で思ってる人って、大して言語化うまくないと思いますよ。
このエピソードでは、言語化を感知・分解・翻訳・編集の4ステップで捉える整理が示されました。最後の「編集」だけが目立ちがちですが、その前の3つが大事だと語られています。
岡島さんは、言語化がランキング1位である理由を、誰かの紹介による流入ではなく、みんなが言語化そのものを気になっているからだと見ています。玉置さんは、その背景に個人が表現力を問われるSNS文化があると加えました。
まとめ
1周年記念として人気回TOP5を振り返る中で、話題は「行動」と「言語化」という番組の核心へと自然に収束していきました。共通していたのは、テクニックの前に、体験・結果への執着・自分の感覚を起点に置くという姿勢です。
- 人気回は古さやナンバリングではなく、内容そのもので選ばれて聴かれていた
- 脳は怠け者で騙されやすい前提に立ち、アプリ配置や生体認証オフで「めんどくさく」する工夫が有効
- 行動の前は考え、始めたら考えない。動けないのは考える以前に結果への執着が足りない可能性がある
- AIが正解を均等に出す時代には、見切り発車で動くこと自体に価値が出る
- 言語化はうまい言い回しではなく、自分が何を感じたかという体験が起点になる




