30人超が集まった1周年イベントで見えたもの
この回の「おちつきAIラジオ」は、いつもの「AI」を「SI」に言い換えた名乗りから始まります。理由は後半で語られますが、冒頭ではまず、先週の土曜日に開かれた番組の1周年記念イベントが振り返られました。
1周年イベントには30人ちょっとの参加者が集まりました。かねりんさんは、チケットが売れても当日まで本当に人が来るのか半信半疑だったと冗談めかして話します。
ああ、本当にいるじゃん、めっちゃいい人たちって感じだった。
かねりんさんによれば、リモートで配信しているだけでは、お便りをもらってもリスナーの存在を実感しにくいといいます。会場で実際に顔を合わせたことで、その実感が得られたようです。
イベントでは1時間の公開収録のあと、リスナーによるライトニングトーク「おちつきLT」が行われました。6名の枠に対して8名が登壇し、番組を聴いて仕事や行動がどう変わったかが語られました。
変えてますよ、落ち着きAIは。人の人生を。
登壇者の中には、夏ごろから聴き始めたばかりの人もいました。かねりんさんは、最近番組を知った人がいきなりClaude Codeを触っていることに驚き、それを嬉しく受け止めています。
会場の壁には、ボランティアスタッフの発案で、これまでの配信100話以上のアートワークが貼り出されました。参加者がお気に入りの回にシールを貼れる仕掛けもありました。
しぶちょーさんは、アートワークを年表のように追っていくとAIの進化がわかると話します。かねりんさんは、サムネイルそのものの進化にも思い入れがあるといいます。
途中の数回は、しぶちょーさんがサムネイルを担当していました。かねりんさんが「どうやってもうまく作れない」と言っていた時期に、しぶちょーさんがNano Banana ── Googleの画像生成・編集モデルの通称。Geminiから使え、指示に沿った画像の生成や編集を得意としますを使って作ってみせたそうです。その後かねりんさんに引き継がれ、二人が手をつなぐサムネイルが生まれ、それがTシャツにまでなりました。
賛否を呼んだ手つなぎTシャツとグッズの行方
1周年記念のTシャツは、イベント会場では販売せず、オンラインで買える形でした。イベント後も、今週の金曜日まで購入できるようにするとかねりんさんは話します。
イベントが終わってから買ってくれた人も何人かいたそうです。一方で、男性2人が手をつなぐデザインには賛否もありました。
男の人が手をつないでるシャツを、なんか着て出かけてほしくないって言われたから。
しぶちょーさんによると、家族に止められて電車では着られなかった人や、田舎なので噂が立つから部屋でしか着ないという人もいたといいます。
Tシャツの販売が金曜日で終わったあとは、入れ違いで土曜日からネットショップを開く予定です。イベント用に作ったマウスパッド、クリアファイル、アクリルキーホルダーなどが並びます。
かねりんさんは、グッズを同じもので量産するのはつまらないので、在庫限りにするつもりだと話します。売り切れたら「バージョン2」のように、デザインを変えて出していく考えです。
なんか同じのいっぱいあっても面白くないんだよね。
しぶちょーさんも、違う種類が出ればもう一つ買いたくなるとして、この方針に賛成しています。ネットショップのリンクは、オープン後に公式ページから案内される予定です。
イベントページのアクセスも、1000には届かないものの数百あったといいます。かねりんさんは、毎回2000人前後が聴いている番組なので、その半分弱が様子を見に来てくれたと受け止めています。しぶちょーさんはこれを「いいクリック率」と評価しました。
24時間働くエージェント「dots」は何が新しい?
ニュースの1本目は、OpenAIが開発者向けに毎年この時期に開く発表会「OpenAI DevDay 2026」です。今年は開発キットなども含めて20を超える発表があり、しぶちょーさんはその中から3つほどを選んで紹介します。
最初は「dots」です。会話の合間にも仕事を進めるAIエージェントで、月100ドル以上のProプランに入っていないと使えないと説明されています。
しぶちょーさんはdotsを、24時間365日動き続けるOpenCloneOpenClone ── 常時稼働型のAIエージェントの名称として番組内で挙げられたもの。自分で用意したマシンに入れて動かし続ける使い方が一般的ですのようなものだと説明します。チャットで都度やりとりするのではなく、常にそこにいて、言われた仕事を続けてくれるエージェントです。
今年の1月ごろに話題になったOpenCloneは、ラズパイやMac miniに入れて動かし続けるのが定番でした。しぶちょーさんもかねりんさんも構築して使っています。
ただ、OpenCloneのような常時稼働のエージェントは、普段使うメインのパソコンには入れにくいといいます。電源を切ることもあるうえ、何をされるかわからない怖さもあるからです。
dotsでは、そのパソコンをOpenAIが用意します。1アカウントに1台、Linuxの仮想PCが割り当てられ、ブラウザなどのソフトが入った状態でdotsが待機しています。
ラズパイやMac miniなどのサブマシンを自分で用意し、環境を構築して動かす
OpenAIが1アカウントに1台の仮想PCを用意し、環境構築なしでChatGPTのブラウザから指示できる
上の図は、自前でマシンを用意するOpenCloneと、OpenAIが仮想PCを用意するdotsの違いを並べたものです。
しぶちょーさんによると、現時点ではdots自体を動かすトークンはなぜか消費されていないそうです。dotsからCodexを使うとCodexの使用料はかかりますが、dots単体の作業ではお金がかかりません。
寝る前に8時間この仕事やっといてって言ったら、なんかちゃんと8時間やってくれましたみたいな。
かねりんさんは、いずれ有料に切り替わるのではないかと疑います。しぶちょーさんも、「俺の妄想」と断ったうえで、一度便利さに慣れさせてから課金する囲い込みではないかと見ています。
一回甘い汁みんなに吸わせといて、あ、こっからちょっと来月から有料になりますみたいな。
OpenCloneを使い慣れたしぶちょーさんから見ると、dotsは「まあこんな感じだよね」という出来だといいます。dotsのチャット欄は1つしかなく、タスクを分けて指示できないのでごちゃごちゃする面もあります。それでも、初めて常駐エージェントに触れる人が24時間対応の便利さを実感するには十分な性能だと評価しています。
dotsはGoogleアカウントと連携できるので、Gmailの返信の下書きを作らせることもできます。メールを全自動で送っている人もいるそうですが、送信前に承認だけは人がする使い方が多いようです。
かねりんさんが「誰々のAIエージェントです」と名乗るメールが来る時代を想像すると、しぶちょーさんは、そうなるならメールではなく、エージェント同士で通信する規格を作ってほしいと話しました。
dotsとGrokbot、どっちを選ぶ?
しぶちょーさんによると、dotsはxAIのGrokbotGrokbot ── xAIが提供するとされる常駐型エージェントの名称として番組内で挙げられたものとほぼ同じ機能です。かねりんさんも、各社から似たサービスが出てどれがいいのか調べていたところでした。
しぶちょーさんの聞いた話では、Grokbotは複数のbotを作って連携させられます。一方のdotsは、名前は複数形なのに今は1台しか持てません。しぶちょーさんは、これを今後複数台に広げるための布石ではないかと見ています。
dotsを最初に起動すると、エージェントの見た目を決める画面が出ます。しぶちょーさんの場合は「しぶちょーさんに合わせた姿にします」と言われ、緑のアフロのロボットになったそうです。
意外と最初だから、すごく道具というより相棒だよねっていうのをこうアピールしてこう感はすごくあるね。
どちらを使うべきかと聞かれたしぶちょーさんは、Grokbotは使っていないと断ったうえで、初心者がGrokに月100〜200ドルを払うのはハードルが高いと答えます。それならいろいろ使えるChatGPTに課金するほうが無難だという考えです。
そこで、200ドルプランに入っているかねりんさんが、すでにdotsを使える立場だったことが判明します。かねりんさんは、新しく出た500ドルプラン向けの機能だと思い込んでいたそうです。
しぶちょーさんによると、500ドルプランの登場に合わせて、200ドルプランの使える量がひそかに減らされています。
| プラン | 以前 | 現在 |
|---|---|---|
| 200ドルプラン | 使用量20倍 | 使用量10倍(減った分はクレジットで補填) |
| 500ドルプラン | (新設) | 使用量25倍ほど |
上の表の数字は、しぶちょーさん自身が「確か」と断りながら挙げたものです。200ドルプランが20倍のままでは500ドルプランが見劣りするので下げたのだろう、とも話しています。
dotsはブラウザ版ChatGPTの左上にある「dots」から始められます。仮想マシンを受け取ると、これまでのChatGPTでのやりとりを読み込んでパーソナライズされます。反応はやや遅いので、長いタスクを投げておいて終わったら呼んでもらう使い方が向いているそうです。
しぶちょーさんは機械設計を丸ごとdotsにさせても、使用量が何も減っていなかったといいます。勝手に課金されていないことも確認したうえで、OpenAIのアルトマン氏が全力を出してきていると締めくくりました。
GPT-6.1 Solはなぜ急いで出てきた?
DevDayの2つ目の話題は、新モデル「GPT-6.1 Sol」の公開です。かねりんさんはすでに使っていますが、しぶちょーさんは正直それほど話すことはないといいます。
GPT-6 Solからすぐに6.1が出たことについて、しぶちょーさんは個人的な推測として、DevDayにモデルの更新がないと見栄えがしないからではないかと話します。
あ、本当はアストラアストラの新しいモデル出したかったけど。ちょっと止められたんだよね、確かね。
しぶちょーさんによると、別の新モデルは安全面の問題で、おそらく社内の基準によって公開が延期になったといいます。その代わりにGPT-6.1 Solを少しパワーアップさせて出したのでは、という見立てです。
もともとGPT-6 Solは、コーディングや画面操作に強く、何よりコストを大きく下げたモデルでした。
かねりんさんは、プランの使える量が半分になった裏でモデルのコストも下がったのなら、結局同じではないかと疑います。しぶちょーさんは、APIの料金で見ると5分の1になっているので、実質的には前より使えると答えます。かねりんさんも「じゃあいいよ」と納得しました。
しぶちょーさん自身も、GPT-6.1 Solになってからは、Codexの使用量の上限に以前ほどぶつからなくなったと感じているそうです。
リセットチケットは期限の日の夜まで残らない
かねりんさんが「リセットチケットがあるから精神衛生上いい」と話したところで、しぶちょーさんが雑談として注意を呼びかけます。リセットチケットは、Codexの使用量の上限を回復できるチケットです。
リセットチケットには「10月5日まで」のように期限の日付が書かれています。しぶちょーさんは、この期限がおそらく日本時間の23時59分ではないと話します。
さっきさ、あ、そうだそうだ、リセットチケット使って回復させようと思ってパッて見たらもうなかった。
しぶちょーさんのリセットチケットの期限は収録当日の10月5日でした。前の晩に使用量を目一杯使い、チケットで回復させるつもりでいたそうです。
上の時系列のとおり、リセットチケットは期限の日の日中に消えていました。しぶちょーさんは「もう泣きそう」と嘆きます。
かねりんさんは、アメリカ時間なら日本のほうが先に日付が進むはずだと首をかしげます。ただ、なぜ日中に消えたのかは二人ともわかりませんでした。チケットに時刻が書かれていなかったことも、しぶちょーさんが油断した理由です。
しぶちょーさんの結論は、期限の日付の前日、遅くとも当日の朝までに使うということです。
やっぱこういう情報ね、一次情報大事だと思うんで。今日まさに今日これが起こったから、せめて落ち着きAIで言って供養させようと思って。
かねりんさんは、最近リセットチケットの購入ボタンを見かけたとも話します。値段は確認していませんが、しぶちょーさんは、販売するのなら収益として成り立つ範囲の価格なのだろうと推測しています。
ぎりぎりまでチケットを取っておきたい気持ちには、かねりんさんも共感します。しぶちょーさんは、マヨネーズや歯磨き粉を最後まで使い切るつもりだったのに、新品の在庫がなかったとこの話を締めました。
OpenAIのDecisions APIはJebと何が違う?
DevDayの3つ目の話題は「Decisions API」です。入力に対して、あらかじめ与えた選択肢から判断を返す、判定に特化したAIです。
しぶちょーさんは、以前番組で取り上げたJebJeb ── 入力に対して判定を返す判定特化型AIモデルとして、番組で以前紹介されたもののOpenAI版だと説明します。かねりんさんは「早速パクった」と反応しました。
Decisions APIはまだ限定プレビューで、一般には使えません。それでもJebにはできない画像の入力に対応していて、画像を入れて判断を返せるそうです。
かねりんさんが「マルチモーダル ── 文字だけでなく、画像や音声など複数の種類のデータを扱えること。生成AIでは画像を読み取って答えるモデルが代表例です的な」と言うと、しぶちょーさんは言葉を覚えてきたと褒めます。Decisions APIは数日中に誰でも使えるようになる予定で、しぶちょーさんはその実力を試すのを楽しみにしています。
Cloudflareの「Clef」はマフィンとチワワを見分けられるか
Decisions APIに続く判定AIのニュースとして、Cloudflareが判定モデル「Clef」と、その高速版を発表しました。Clefも画像の入力に対応しています。
かねりんさんは、自分の会社のウェブサイトやドメインの管理をすべてCloudflare ── ウェブサイトの高速化やセキュリティ、ドメイン管理、サーバー機能などをまとめて提供するアメリカの企業。AI向けの実行環境も提供していますでしているそうです。AIエージェントを使い始めてから「Cloudflareでできます」と言われることが多く、全部任せるようになったといいます。
ただ、Cloudflareが何のサービスかを一言で説明するのは二人とも難しいと感じています。レンタルサーバー、ドメイン管理、セキュリティなど機能が多く、AIとの相性もいいからです。しぶちょーさんは、いつかCloudflareの深掘り回を撮りたいと話しました。
Clefの大きな特徴は、すでに誰でも使えることです。オープンウェイト ── モデルの重み(学習済みパラメーター)が公開されていること。自分の環境に入れて動かしたり改良したりできますとして公開されていて、Hugging Faceの環境で試すことも、GPUが潤沢にあれば手元で動かすこともできます。
Clefは、ローカルLLMのQwen3.8-27Bをもとに、出力の部分だけを変えて判定モデルにしたものだといいます。使い方としては、APIで呼び出して自分のソフトに組み込み、OKかNGか、どの分類かといった選択肢を与えて判定させます。
しぶちょーさんは実際にClefを試しています。まず犬と猫の分類をさせたところ、百発百中だったそうです。
続いて試したのが、AIが間違えやすい例としてミームになっている「マフィンかチワワか」の画像です。チョコチップのマフィンと、それによく似たチワワの写真が混ざっています。
このマフィンのやつ、結構間違えたりしてたから、AIって。これCloudflareのやつできるかなと思ってやったら、これもね、百点だったね。
しぶちょーさんは、オオカミとシベリアンハスキーの見分けも試しました。その結果、Clefは、畳み込みニューラルネットワーク ── 画像の特徴を局所的に読み取る仕組みを重ねたディープラーニングの手法。画像分類で長く主流でしたなどで専用に学習させた従来の機械学習モデルと同等以上の性能が出ていると感じたそうです。この実験は、技術ブログにまとめて公開する予定です。
ただし、Clefの最も重いモデルは手元で動かすには相当なGPUが必要です。手軽に試すならHugging Faceのプレイグラウンドを使うか、有料にはなりますがそれほど高くないCloudflareのAPIを経由する方法があると説明されました。
Gemini 4 Argon、出力100万トークンで何をする?
次のニュースは、Googleが発表した「Gemini 4 Argon」です。しぶちょーさんは、Gemini 3.1 Proのあと上位モデルがなかなか出なかったGeminiを「眠れる獅子」と表現します。
Gemini 4 Argonは、まだ一般には使えません。それでも、しぶちょーさんによるとベンチマークでは他を寄せつけないほど強いといいます。特に話題なのは文章の出力で、1回に100万トークンを出せます。
百万文字だから。本一冊どころの騒ぎじゃないよ。百万文字は。
しぶちょーさんによると、日本語なら1トークンを1文字と考えてよいそうです。これまでのモデルの出力上限は6万ほどではないかと言いかけたものの、正確な数字は言えないと訂正しています。
一方、読み込める量であるコンテキストウィンドウについては、最近は100万トークン程度のモデルがすでに多いといいます。100万トークンも出力してどうするのか、という問いには、しぶちょーさんも「わかんない」と答えました。
一般公開を控えていることについて、かねりんさんは「もったいぶったマーケティングでしょ」と見ます。しぶちょーさんもそれを認めつつ、SNSではGeminiファンが「反撃が始まる」と盛り上がっていると話します。
「Argon」という名前について、しぶちょーさんは「働かないもの」という意味らしいと紹介します。ただ、なぜその名前なのかはわからないそうです。話はそこから「カネゴン」というかねりんさんの昔のあだ名へと脱線しました。
使えるようになっても、月100ドルのGoogle AI Ultraの契約者限定になるか、回数制限が付くだろうとしぶちょーさんは予想します。かねりんさんは、コーディング性能ではFableFable ── 番組内でAnthropicの最上位モデルとして挙げられた名称に負けているという投稿をXで見たと話しました。
ここから、非エンジニアにとってうれしいのはどちらの性能か、という話になります。二人の考えは分かれました。
大したものは作らないのでコーディング性能の差は感じにくい。発信など、文章の質のほうが直接効いてくる
文章は自分のセンスで磨けて好みもある。プログラムは誰が書いても同じように動くお作法なので、適当に頼んでもちゃんと作れるほうが助かる
ただ、しぶちょーさん自身も、最近はAIに書かせた文章でもそれなりにいけると感じ、考え方が変わり始めているといいます。骨子や細かい言葉は自分で直しながらも、先ほどのClefの実験ブログはかなりの部分をAIで書いているそうです。
Claude Sonnet 5.5はOpus 5.5を食うのか
次は、Anthropicの「Claude Sonnet 5.5」のリリースです。かねりんさんは「そんな下位モデルどうでもいい」と言いますが、しぶちょーさんはそうでもないと返します。
しぶちょーさんによると、Sonnet 5.5は速くて安いだけでなく、一部のベンチマークではOpus 5.5を上回り、ほぼOpus 5.5相当の性能だといいます。
上の数字のとおり、Sonnet 5.5はOpus 5.5の半額です。ところが、かねりんさんは半分程度ではあまりうま味がないと感じています。
しぶちょーさんは、Anthropicのモデルの並びを「渋滞」と表現します。最上位のFableに対してOpus 5.5がかなり近づき、そのOpus 5.5にSonnet 5.5が近づいている状態です。Haikuだけは4.5のまま置いていかれています。
多分だけど、Fableの性能をもっと上げたいんだよね、本当は。なんだけど、なんかこうブレーキかけようぜって言ってて前、上げれないから下位のモデルを上げたらもう全部頭打ちにこう近づいてきてるみたいな。
しぶちょーさんの見立てでは、Haikuまで性能を上げると「Haikuでいい」となって売上が減るため、Anthropicは上げられないのだろうといいます。
Opus 5.5のトークン消費が改善され、上限にもぶつからなくなったため、Sonnet 5.5はそれほどインパクトのあるニュースではないとしぶちょーさんは見ています。それでも、今年中にやりたいと話している番組のRAGの復活のように、大量の文章を処理するときには、こうした安いモデルが役に立ちそうだといいます。
マスク氏の改称で、AIは本当にSIになるのか
最後のニュースは、イーロン・マスク氏が、スペースXのAI部門「スペースXAI」を「スペースXSI」に改称すると明言したというものです。
きっかけは、トランプ大統領が、AI(人工知能)に代えてSI(スーパーインテリジェンス)という用語の使用を推進していることでした。マスク氏はこれに「素晴らしい」と応じ、自社の名前も変えると表明したと、しぶちょーさんは紹介します。
かねりんさんは、ニュース写真のマスク氏が振り回されて疲れた顔をしていると笑います。ところがしぶちょーさんは、これは笑い事ではないと言います。
落ち着きSIになるってことでしょ。
かねりんさんの読みどおり、しぶちょーさんの言いたいことは、AIという言葉がSIに変わるなら、番組名も「おちつきSIラジオ」にしていいのではないか、ということでした。
かねりんさんは、名前を変えれば検索に一切引っかからない番組になるとリスクを指摘します。それでもしぶちょーさんは、国が推進している以上、言葉は本当に変わっていくのではないかと考えています。Anthropicや中国も同調しているらしい、とも話しました。
トランプ大統領
AIに代えてSIという用語の使用を推進
マスク氏
賛同し、スペースXAIをスペースXSIに改称すると明言
Anthropic・中国
同調しているらしいと話されている
番組・社名・教本
AIを含む名前がSIに変わっていくかもしれない
上の流れのうち、Anthropicや中国の反応は、しぶちょーさんが「らしい」と伝聞として話したものです。
しぶちょーさんは、XになったTwitterが今も「X(旧Twitter)」と書かれるように、SIも長く「SI(旧AI)」と書かれ続けるだろうと予想します。
旧称ばっかじゃん、この会社。
マスク氏の会社に当てはめると、「スペースXSI(旧AI)」に「X(旧Twitter)」まで並び、旧称だらけになります。しぶちょーさんも「複雑すぎる」と笑いました。
それでも、しぶちょーさんは冗談抜きで、番組名を変えなければならないタイミングが本当に来る気がすると話します。かねりんさんも、しぶしぶ変えるくらいなら先に変えたいと応じます。
しぶちょーさんは、AIの人工の部分がすでに人より性能が上がっているので「スーパー」と呼ぶのは単純すぎる気もすると言いつつ、「スーパーマンが流行ってる国だからね」と付け加えます。
かねりんさんが日本ディープラーニング協会の見解を気にすると、しぶちょーさんは、協会は名前にAIを使っていないから変えなくていいと返します。ただ、試験の教本などは一斉にSIに変わっていくかもしれないとも話しました。
「SI(旧AI)エンジニア」はなぜ舌を噛むのか
議論の流れで、二人は実際に「おちつきSIラジオ」の名乗りを録ってみることにします。エピソード説明によれば、この名乗りはこの回だけの試みで、次回からはAIに戻すとされています。
まず試しに名乗ってみたしぶちょーさんは、一文字変えるだけで聞き手の負担が大きくなることに驚きます。
すごいな、こんな一文字変えるだけで認知負荷高くなるんだ。
「SI(旧AIエンジニア)の支部長です」と言い直してみても、しぶちょーさんは「ややこしい」「舌噛みそう」と苦笑します。それでもかねりんさんは、やってみてダメだったら戻ってくるのも面白いと乗り気です。
二人は、やるなら早いほうがかっこいいとして、この速報回の冒頭に入れる名乗りをその場で録ります。この回が「落ち着きSI」で始まっているのは、このとき録った名乗りです。
この番組は日々のSIニュースで驚き疲れたあなたに、ゆっくりじっくりSIを学んで落ち着いていただくビデオポッドキャストです。
録り終えたあとも、しぶちょーさんは何のことを言っているか全然わからないと漏らします。かねりんさんは、浸透した言葉が変わる気持ち悪さを、TwitterがXになったときになぞらえました。
しぶちょーさんは、この流れなら「OpenSI」もあり得ると言います。一方で、人間を超えていないAIはSIを名乗れず、「レベルが低い」AIのまま残る会社も出てくるかもしれない、と冗談を飛ばしました。
かねりんさんは、こういう話は馬鹿にできないと話します。しぶちょーさんも、以前はまた何か言っていると思っていたものの、力のある人が言うと世界が変わってしまうと実感したそうです。かねりんさんは、リスクを取ってファーストペンギンになる日本人はなかなかいないので、自分たちが行きたいと話しました。
先に変えるか、検索トレンドを待つか
エンディングでしぶちょーさんは、番組が毎週火曜の速報回と金曜の深掘り回の週2本で配信していることを紹介します。ハッシュタグ「#おちつきAI」を案内したところで、かねりんさんが「これもSIになるの?」と気づきます。
ハッシュタグが切り替わると検索できなくなる、としぶちょーさんは慌てます。かねりんさんは、紀元前と紀元後のようにここで切り替わると例えました。冗談で話しているうちに、本当に「#おちつきSI」で投稿する人が出てきそうなので、両方を検索しなければならなくなるかもしれません。
締めの言葉「落ち着いて過ごしていきましょう」にAIが入っていなくてよかった、とかねりんさんは安堵します。そこから、アフタートークで改めて「いつ変えるか」が話し合われました。
検索トレンドでAIがSIに負け始めたら変える。常識的だが、かねりんさん曰く「つまんない判断」
真っ先に変える。話題になるかもしれないが、話題にならなかったときのリスクが大きいとしぶちょーさんは懸念する
上の図の2つの案の折衷として出てきたのが、「旧AI」を残す方法です。「おちつきSI(旧AI)ラジオ」なら検索にも引っかかるうえ、全力で最先端を追いかけている感じが面白い、と二人の意見がまとまります。
もうこれ幻になっていくんだ、このステッカーとかも。これ幻のステッカーだね。
AIと書かれたステッカーが「人工知能の方でした」と懐かしまれる未来を想像しながら、かねりんさんは「旧AIをちょっと残しつつ」変えましょうと話し、この回は終わります。
まとめ
この速報回では、OpenAIの常駐エージェント「dots」や判定AIの相次ぐ登場、Gemini 4 ArgonとClaude Sonnet 5.5の位置づけが語られ、最後に「AIからSIへ」という呼び名の変化が番組自身の名前の問題として考えられました。笑いの多い話題ですが、力のある人の一言で言葉が変わりうること、そしてその変化に先に動くか様子を見るかという判断の難しさが浮かび上がる回です。
- dotsはOpenAIが用意する仮想PCで24時間動く常駐エージェントで、現時点では単体の作業でトークンが減らないが、いずれ有料化するとしぶちょーさんは見ている
- ChatGPTのリセットチケットは期限の日の夜まで残らないことがあり、しぶちょーさんは前日か当日の朝までに使うよう勧めている
- 判定AIはOpenAIのDecisions APIとCloudflareのClefが画像入力に対応し、Clefはマフィンとチワワの見分けでも高い精度を見せた
- Gemini 4 Argonは出力100万トークンが話題で、Claude Sonnet 5.5はOpus 5.5の半額でほぼ同等の性能とされ、上位モデルの「渋滞」が語られた
- トランプ大統領とマスク氏の動きを受け、二人は「おちつきSI(旧AI)ラジオ」という名乗りを試し、先に変えるか様子を見るかを考えた





