初の現地収録は謝罪から?半年見逃したお便り
今回のおちつきAIラジオ速報回は、ポッドキャストのイベント「PodcastWeekend」の会場で、番組として初めての現地ビデオ収録になりました。
かねりんさんは、音声コンテンツが良いと始めた番組なのにビデオに寄っていくことに、冗談まじりに抵抗を見せます。
本当は音声のコンテンツがいいって言って始めたはずなのに。
こういうアルゴリズムに飲まれて。資本主義に飲まれる。
本題の前に、しぶちょーさんは「まず謝罪から入ります」と切り出します。イベントのお手伝いを募集したのに誰も来ないと思っていたところ、実はお便りフォームに応募が大量に届いていました。
かねりんさんはメールで通知が来ると思い込んでいて、フォームのスプレッドシートを見るまで、約半年以上にわたってお便りに一度も気づいていなかったそうです。
フォームのスプレッドシート見たらめっちゃ溜まってて。
今後の見逃しを防ぐため、かねりんさんはClaudeを使って、お便りが届いたら2人に通知が行く仕組みを作っているところだといいます。届いたお便りには、半年前のものも含めて返信していく予定です。
しぶちょーさんからも、XのDMで届いていたお手伝いの申し出に気づかなかったという謝罪がありました。当日は、その申し出をした方が会場まで来てくれていたそうです。
しぶちょーさんによると、XのDMは迷惑メッセージの中のさらに非表示のような場所に普通のメッセージが紛れ込みやすく、スパム判定のフィルターがかなり強めにかかっているといいます。からあげ先生もこの仕様に憤りを発信していたそうです。
だから僕が悪いんじゃなくて、イーロンマスクが悪い。
この「イーロン・マスク氏のせい」という冗談をきっかけに、話はそのまま今週1本目のニュースへとつながっていきます。
xAIが「SpaceX AI」に。宇宙データセンター計画への本気度
1本目のニュースは、イーロン・マスク氏がXで明らかにした、xAIがSpaceXのAI部門「SpaceX AI」になるという話題です。
しぶちょーさんの説明では、マスク氏の宇宙企業SpaceXと、同じくマスク氏のAI企業xAI ── イーロン・マスク氏が2023年に設立したAI企業。対話AI「Grok」を開発していますは、3月に統合を発表していました。統合後もSpaceXは存続し、AI部門の名前がSpaceX AIになったといいます。
長いな。スペース2つあんだ。
名前にあえて「スペース」を付けた理由について、しぶちょーさんは、コンピューターのインフラを宇宙に持っていく宇宙データセンター計画をもっと推進したいという打ち出しだと説明します。
そう、そこ本気でやっていくよみたいなところで、結構シフトしてるっていう感じですね。
かねりんさんが気にしたのは、xAIの対話AIであるGrokが今後どう変わるのかという点です。しぶちょーさんも、Grokの変化はこれから見ていくところだとしています。
SpaceXとAnthropicが提携。Claudeの利用制限はどう変わった?
2本目は、AnthropicがマスクのSpaceXと契約し、GPU22万基超を確保してClaudeの利用制限を緩和したというニュースです。しぶちょーさんは、これは1本目と地続きの話だと説明します。
SpaceX AI用には新しいデータセンター「Colossus2」が作られていて、それまで使っていたColossus ── xAIがアメリカ・テネシー州メンフィスに建設した大規模AIデータセンター。大量のGPUを集めてGrokの学習に使われてきました1が空いたため、その計算リソースをAnthropicに貸し出したという流れです。
政略結婚みたいなもんか。
この提携の結果、Claudeのユーザーには大きな恩恵がありました。Pro、Max、Teamなどのプランで、Claude Codeの5時間あたりの利用制限が2倍に引き上げられたといいます。
ほかにも、利用が集中するピークタイムの制限が撤廃され、APIのレート制限も緩和されたそうです。しぶちょーさんは、値段は変わらないと思うとしています。
アンソロピックといえばClaudeの天井すぐ当たるって言って。
しぶちょーさんによると、マスク氏はAnthropicを「正しいことを行う強い意志を持っている」と評価していて、Claudeは人類にとって良いものになるだろうと見ているといいます。Anthropic側も宇宙データセンター構想に関心を示しているそうです。
かねりんさんが以前のAnthropicのコード流出について尋ねると、しぶちょーさんは「しょうがないよね」で片付いていると答えます。AIのトピックは次々に出てくるので、ずっと擦り続けられるほど薄くないという見方です。
ところが、この宇宙データセンター計画を「馬鹿げている」と評した人物がいるとしぶちょーさんが振ると、かねりんさんは即座に「サムさんでしょ」と当ててみせます。
マスク対アルトマン裁判が開幕。何が争われている?
3本目のニュースは、イーロン・マスク氏とOpenAIのサム・アルトマン氏の裁判が開幕したという話題です。しぶちょーさんによると、裁判はアメリカで先週ぐらいに始まりました。
原告はマスク氏で、被告はアルトマン氏をはじめとするOpenAIの経営層です。マスク氏の主張は、非営利で始めたはずのOpenAIが、今はすっかり営利企業になっているというものだといいます。
結局OpenAIは詐欺集団だみたいな感じで訴えてる。
しぶちょーさんは、そもそも非営利の構想を立てたのも、そこにお金を出したのもマスク氏だったと補足します。話が違う、という強い批判が裁判の形になったという見立てです。
アルトマン氏側が敗訴した場合について、しぶちょーさんは「20億円以上の賠償金」と述べたあと、途中で「20兆円か」と言い直していて、金額ははっきりしていません。賠償金額あわせて、アルトマン氏やブロックマン ── OpenAIの共同創業者で社長のグレッグ・ブロックマン氏のこと氏ら上層部の解雇も求められているといいます。
非営利で始めたOpenAIが営利化したと批判。勝訴した場合のお金は非営利のOpenAIの開発に充てると主張。背後にAnthropicとの協調
敗訴すれば多額の賠償金と上層部の解雇の可能性。背後にはマイクロソフトがついている
マスク氏の動機について、かねりんさんは戦略ではないかと見ますが、しぶちょーさんはプライドや恨みに近いのではないかと推測します。マスク氏は、勝訴しても金銭は自分のものにせず非営利のOpenAIの開発に充てると言っていて、理念を問う構図を作っているといいます。
まだ恨み持ってんだよ。そのサム・アルトマンに裏切られたって思って。
しぶちょーさんは、Anthropicとの提携もこの構図の一部と見ています。原告側にいるわけではなくても、Anthropicを「正義のAI」と強調することは、裏返せばOpenAIを悪とするアピールになるという読みです。
お前らはEVILだと。
一方で、マスク氏が負けた場合については、訴えている側なのでリスクはほとんどないとしぶちょーさんは言います。ただ、その後にアルトマン氏からの反撃が来るかもしれない、とも付け加えています。
2023年の解任劇から続く因縁。サツケバー氏はなぜマスク側に?
マスク氏とアルトマン氏の裁判は5月末まで続き、5月中にいったん結論が出る見込みだとしぶちょーさんは話します。日本なら5年はかかりそうだというかねりんさんは、そのスピードに驚きます。
しぶちょーさんによると、この争いには長い経緯があります。2023年11月にアルトマン氏がOpenAIを一度解任され、その後復帰した騒動があり、マスク氏はこれに対して営利化を理由に提訴しました。
根に持ってるじゃんめっちゃ。
しぶちょーさんがこの裁判で面白いと指摘するのは、マスク氏側に、かつてアルトマン氏を追い出した元取締役たちが入っている点です。首謀者とされるサツキバー ── OpenAIの共同創業者で元チーフサイエンティストのイリヤ・サツケバー氏とみられます。2023年のアルトマン氏解任に関わった人物として知られていますサツケバー氏もマスク側にいるといいます。
しぶちょーさんは、サツケバー氏がなぜアルトマン氏を追い出したのか、アルトマン氏がいかに営利化を進めたのかを証言するのではないかと注目しています。サツケバー氏の現在については、OpenAIを辞めてAIのセキュリティ関係の会社をやっているのではないかと、自信なさげに話していました。
AIブームの立役者サム・アルトマンは、なぜ悪者に見えるのか
かねりんさんは、今のAIブームを起こしたのはサム・アルトマン氏なのに、なぜかヒーローが悪魔のように扱われていると疑問を投げかけます。しぶちょーさんは、そういうストーリーをマスク氏が一生懸命作っているのだと答えます。
何があるんだろうね、その先に。なんで今それをやるんだろうね。なんか潰し合いじゃん、ある意味。
今このタイミングで争う理由について、しぶちょーさんは、OpenAIが国防に関わるなど影響力が大きくなってきたことに加え、Grokの勢いがついてChatGPTやClaude、Geminiと並べるようになってきた自負もあるのではないかと推測しています。ミトス
アルトマン氏の人物像について、しぶちょーさんは伝記を読んだうえで、スティーブ・ジョブズ氏やマスク氏のような理不尽なタイプではなく、基本的に人情味のある人だと見ています。
人情味ゆえに、優しさゆえに、なんかその相手の言ってほしいことを言っちゃったりとか、二枚舌になったりとか、八方美人になったりして、それで敵を生んでる感じはする。
しぶちょーさんは、アルトマン氏にも強い信念がある一方で、合意していたのに手を返されたと感じた人たちがいて、物腰が柔らかいぶん逆に鼻につくのではないか、と予想として語っています。2人は、マスク氏とアルトマン氏の伝記を読むことを勧めていました。
OpenAI製スマホが2028年に?「今じゃない」と言われる理由
4本目のニュースは、OpenAI製スマホが2028年までに3000万台出荷されるという予測です。しぶちょーさんは紹介の時点から「今じゃないよね」と距離を置いています。
この予測はOpenAIの発表ではなく、市場アナリストのクオ氏によるものだといいます。2027年から2028年にかけて、AIに特化したスマホを数千万台規模で出荷する可能性がある、という見立てです。
しぶちょーさんによると、構想の中身はスマホ上でローカルにAIを動かすことです。GPU処理を強化し、デバイスに合わせてチューニングした小さなモデルを載せれば、クラウドを介さずにその場で回答したり、写真を撮りながら解説したりできるといいます。
OpenAIのハードウェアについては、以前にも画面のない「ピン型」のAIデバイス構想が話題になりましたが、まだリリースはされていません。しぶちょーさんは、こうした話は出ては消えていくと話します。
しぶちょーさんが「今じゃない」と考える理由は、OpenAIが訴訟を起こされていることや、アメリカ政府との契約をめぐって迂闊だったと言われていることにあります。今の主流は基盤モデルの軽量化などで、ハードウェアに走らなくてもいいのではないか、という見方です。
さらにしぶちょーさんは、アルトマン氏の自伝を読む限りジョブズ氏に憧れている様子があるので、iPhoneのようなハードを作りたいのではないかと予想します。
彼らが作るんだったらスマホじゃない何かだよねっていう気はするよね。
OpenAIに求められる「本業集中」と、Xしか開かないスマホ構想
しぶちょーさんは、OpenAIは主題のAI開発以外の「サブクエスト」に手をつけないほうがいいと言われていて、アダルトモードをなかなか解禁しないのもその流れの1つだと話します。
そんなもうあんたたち王者で確定じゃないでしょって。
しぶちょーさんは、むしろリソースが有り余っているマスク氏のほうがスマホを出せばいいのではないかと考えます。Xはスーパーアプリ化を掲げているので、Xを見るためだけの尖ったスマホなら買いたくなるかもしれない、という冗談まじりの発想です。
それぐらい尖ってたらね、ちょっと買おうかなってなるじゃん。
かねりんさんは以前のGrok回以降マスク氏への印象がかなり良くなり、Grokのプレミアムを年間契約したといいます。しぶちょーさんも、SpaceX AIになってGrokはさらに進化しそうなので、しばらく追っておくといいと勧めていました。
ゲスト回はなぜ実現しない?スケジュール調整ツールへの本音
いつかマスク氏とアルトマン氏を呼んで対談させたら世界一伸びる、という冗談から、話はポッドキャストの作り方に移ります。かねりんさんは、伸びるポッドキャストは企画を作ってゲストを呼ぶテレビやラジオの発想だと指摘します。
でも伸びるPodcastって結局そういうことなのよ。テレビ、ラジオの発想だね。
しぶちょーさんも、アメリカでもジョー・ローガンのように誰をゲストに呼ぶかが軸になっていると応じます。ゲスト回の障壁は何かと聞かれ、しぶちょーさんはアポよりもスケジュール調整だと答えます。
ここでしぶちょーさんが、空いている候補から好きな日時を選ばせる調整ツールが苦手だと明かし、かねりんさんと意見が分かれました。
空き枠を選んでもらうのは効率的で、相手に日程を出させる手間を省く親切心でもある
お願いする側が空き枠を選ばせるのは失礼。断りにくいフォーマットでもあり、自分から時間を出したい
なんで俺がお前のスケジュールから選ばなきゃいけない。
断るって選択肢がないじゃん。だって。こっからどうぞって言って。
かねりんさんは、そのこだわりのせいで結局日程が合わずゲスト回ができないのではと突っ込みます。しぶちょーさんは、イラッとするのは初対面の人からいきなり送られてくる場合の話で、関係値のある知り合いならお互いに譲歩できると整理していました。
からあげ先生とのAIソムリエバトルがPodcast Mixerで
しぶちょーさんによると、番組初のゲスト回ともいえるコラボが、今週土曜日のイベント「PODCAST MIXER 2.0」で決まっています。おちつきAIラジオと、からあげ先生の「からあげ帝国放送局」による「AIソムリエバトル」です。
当日は収録も行い、音源は両方の番組で出す予定です。からあげ先生は顔出しなしのため、映像をどう扱うかはこれから決めるといいます。
告知の中で、かねりんさんは速報回がまだ終わっていないことに驚きます。しぶちょーさんは、もう1つトピックがあったものの、入れると1時間になるので今回は省略したと明かしました。
ちょうどいい番組の長さとは?メリハリの話
今回の収録時間は約40分でした。しぶちょーさんによると、会場で聴いていた人から、先週の1時間を切った回でも「短いと思った」と言われたそうです。
みんなさ、最適化してんのよ。だから90分だったら倍速で聞いて、自分の通勤時間フィットするような形で。
一方で2人自身は、1時間で終わった回を楽だと感じていました。盛り上がったときは長くてもいいし、コンパクトに収まるときは短くていい、という「メリハリ」で進めることで意見がまとまります。
エンディングでは、Xでのハッシュタグ投稿、お便りフォーム、おちつきAI RAGの目安箱という3つの窓口が紹介されました。かねりんさんが、ハッシュタグ投稿も拾えていないので「ゆくゆく謝罪」になると突っ込み、窓口は今後絞っていくことになりました。PODCAST MIXERは5月16日土曜日に神戸で開催され、当日券はないため事前購入が呼びかけられています。
アフタートーク:公園収録の野望と有料コミュニティ始動
アフタートークでは、今回使ったOSMO Pocket 3での撮影がビデオポッドキャスト向きだという話から、公園での外収録をやりたいという話に広がります。しぶちょーさんは昨日から東京に引っ越してきたそうで、2人でいろいろな場所に行く計画が持ち上がりました。
ちょっと本当にしぶちょーがいないと俺多分ずっと引きこもってる。ゴールデンウィーク一歩も出てないし。
かねりんさんは、外収録に合わせて4、5人規模のプチ公開収録をやってもいいと提案します。最後に、始まったばかりの有料コミュニティの案内がありました。
| プラン | 料金 | 内容 |
|---|---|---|
| 月額 | 980円 | LISTENのルームで決済し、Discordに参加 |
| 年額 | 9800円 | 月額の割引版。すでに何人も加入 |
| サポートプラン | 月額1万円 | 番組の活動を支えるプラン |
コミュニティにはすでに30人ほどが参加していて、しぶちょーさんが作ったエージェントなどのbotも入れていく予定です。かねりんさんは、AIのbotも入れられる自由度の高さから、コミュニティツールとしてDiscordを超えるものはないと話していました。
まとめ
今回の速報回は、SpaceX AIの誕生、Anthropicとの提携、マスク氏とアルトマン氏の裁判という、イーロン・マスク氏を軸につながるニュースが中心でした。Claudeの利用制限緩和という実利と、AI業界の陣営争いの両面が見えた1週間だったといえそうです。
- xAIはSpaceXのAI部門「SpaceX AI」となり、宇宙データセンター計画を前面に打ち出している
- SpaceXがColossus1の計算リソースをAnthropicに貸し出し、Claude Codeの5時間あたりの利用制限が2倍に引き上げられた
- マスク氏はOpenAIの営利化を理由にアルトマン氏らを訴え、2023年の解任劇に関わった人物もマスク側にいる
- OpenAI製スマホの予測について、しぶちょーさんは訴訟などを抱える今はハードに手を広げる時期ではないと見ている
- 番組はPODCAST MIXERでのからあげ先生とのバトルや、有料コミュニティの始動など新しい動きを進めている





