大変、でも楽しい?2人育児の結論から
今回のテーマは「2人育児のリアル」です。きっかけは、ヒヤマさんの友人が2人目をどうするか悩んでいると話していたこと。ヒヤマさんは、自分たちのときはどう考えたかを振り返れば、その友人の参考になるかもしれないと考えて、このテーマを持ってきたそうです。
子どもが1人と2人ではまったく違う、という点で2人の意見はすぐ一致します。ばたこさんは、大変だろうとは思っていたけれど想像以上だった、と話しています。
そのうえで、ばたこさんは先に自分の結論を出しています。
いや、大変だよ大変。いやだけどめっちゃ楽しくない?2人育てるの。
カオスの中に身を投じて、私は2人いてよかったなと思っております。
ヒヤマさんも同じ立場で、2人いるからこその「化学反応」がたくさんあると話します。ただし、自分たちは実際に2人を育てているからこそ「それを良し」と思うバイアスがかかっているかもしれない、とあらかじめ断っています。
僕らってやっぱその生存バイアスというか、2人いるからこそそれを良しと思うバイアスもかかってるのかなって思ってるんで。
ばたこさんも「1人は1人でめっちゃ楽しいだろうしね」と応じていて、どちらが正解かを決める話ではない、というスタンスで2人育児の話が始まります。
きょうだいの年齢差はどう決めた?
最初の話題は、2人目を人生設計の中でどう考えていたか、です。ばたこさんの家庭では、結婚当初から「子どもは2人ぐらい欲しいね」と話していて、4人家族になることを望んでいたといいます。
ばたこさんが2人を理想にした理由はシンプルで、ばたこさん自身が3人きょうだい、夫が2人きょうだいだったから。兄弟はいるものだ、という感覚が前提にあったそうです。
ばたこさんが狙っていた年齢差は2歳差でした。ばたこさんには2歳上と4歳上の兄がいて、4歳上の長兄が何を考えていたかはほとんど印象にないのに、2歳上の兄は身近なお兄ちゃんだったといいます。
考えるとやっぱり兄弟って3つ以上離れると一緒に遊べるの難しいんじゃないのかなっていうのが私の体感。
もうひとつの根拠が育児書です。ばたこさんは、トドラー(1歳以降の幼児)向けの「黄色い本」に「2歳以上は離したほうがいい」と書いてあったのを参考にしたそうです。年子だとおむつも外れないまま下の子が生まれて、双子がいるようなもの、という著者じーなさんの説明が印象に残っていたといいます。
実際には、妊活やタイミングの事情もあって、ばたこさんの家のきょうだいは3歳ちょっとの差になりました。それでも6歳と3歳でふつうに一緒に遊べていて、「まあまあ狙い通り」と感じているそうです。
その日もばたこさんは室内の遊び場に行っていて、ボルダリング、おままごとスペース、大きなボールプールがある施設で、小学生と3歳がギリギリ一緒に遊べたといいます。幼稚園児向けの遊び場だと小学生には物足りないので、3歳差は「多分ギリギリ」というのがばたこさんの実感です。
ヒヤマさんの家では、ヒヤマさんが2人目を望み、妻は「どっちでもいい」という温度感だったそうです。1人目の育児が落ち着いたころに改めて話し合い、2人目にチャレンジすることになりました。
ヒヤマさん自身は弟と1歳ちょっと差の、年子に近いきょうだいでした。お互いやんちゃだった記憶から「ちょっとハードそう」と感じていたこともあり、年齢差は後から考えたといいます。結果的に、ヒヤマさんの家は4歳差になりました。
ヒヤマさんは、よく言われる年齢差のメリットとデメリットを頭に置いていたそうです。本文で挙がった比較を整理すると、次のようになります。
育児の総時間が短くて済み、2人で遊ぶことも期待しやすい
上の子が下の子の面倒を見てくれたり、受験のタイミングをずらせたりする
ばたこさんは、上の子がもう20歳で巣立っているのに下の子はまだ小学生、というような大きな年の差の家庭はすごいと感心していました。ヒヤマさんは、大人になってから見るとサザエさん一家の兄弟構成はすごすぎる、と笑いを添えています。
人手が足りない、余力がゼロになる
ここから話は、2人育児の現実に移ります。ばたこさんの第一声は「人の手足りなくない?」でした。ばたこさんの家は親がまだ現役で働いていたり遠方だったりして、頼れるのは夫婦だけだといいます。
育児量は2倍にはなる、なるんだけど、それ以上に違うことが別々で起きたりするから。
たとえば、1人が体調を崩しても、もう1人は送り迎えが必要です。看病にかかりきりにはなれないので、その「パズル」をどうはめていくかで夫婦の胆力が試される、とばたこさんは話します。
ヒヤマさんの家の場合は、人手が足りないというより「余力がゼロになる」感覚だそうです。大人1人が子ども1人につく状態になると、家事もできず、どちらかの子に我慢させることにもなります。
例えばお風呂とか。なんか1人目を入れてる間に2人目入れて、「あれ、これ誰が体拭くんや」とか。
さらにヒヤマさんは、子どもと向き合う時間以外の仕事も増えると指摘します。予防接種の段取り、幼稚園の申し込み、保育園の調査といった用事が、子どもの人数分どんどん積み重なっていきます。
マルチタスクがすごい増えて、あの脳のリソースというか、認知負荷がめっちゃ上がったなっていう感覚あるかも。
ヒヤマさんが感じている認知負荷 ── 頭の中で同時に処理しなければならない情報や判断の量のこと。抱えるタスクが増えるほど負荷が高まり、余裕のなさや疲れにつながるとされますの増え方は、ばたこさんにもよくわかるそうです。上の子の習い事の送迎を考えると、そのあいだ下の子の送り迎えをどうするかという問題が出てくる。ヒヤマさんはこれを、玉突きのように次々とテーマが浮上してくるイメージだと表現しています。
しかも親は子どものためだけに生きているわけではなく、仕事も家事もあります。ヒヤマさんは、30代半ばは40代に向けて仕事のこれからを考える時期でもあり、仕事も軽視しづらいと話しています。
日々の小さな作業も、ただの2倍では済みません。ばたこさんの家では娘2人とも髪が長く、5分で終わっていたドライヤーが15分かかるようになったそうです。
そこで出てきたのが「大人がもう1人ほしい」という話です。ヒヤマさんの家では、ヒヤマさんの母親がときどき来てくれるそうで、そのときは「視界開けてる感半端ない」といいます。
収録日の日曜日も、たまたまヒヤマさんの母親が来ていました。大人が1人増えるだけで楽になっていく流れを、ヒヤマさんの話から整理するとこうなります。
子どもを1人見てもらう
ヒヤマさんの母親が子ども1人と遊んでくれる
大人が1人空く
親のどちらかに自由に動ける時間ができる
タスクが片づく
年末の引っ越しの段取りなどを進められる
余裕が連鎖する
気持ちも楽になり、どんどん余裕ができていく
ふだんの日曜日は、大人2人と子ども2人では余裕がなく、子どもが寝てからようやく「今週のカレンダーは」という話になるそうです。大人がもう1人いるだけで余裕がまったく違うというのが、ヒヤマさんの実感です。
2人に100は無理。上の子をどう扱う?
ばたこさんは、手が足りないこと以上に精神的につらい場面もあると話します。ばたこさんの家では、寝かしつけの最後は夫婦が分かれて、子どもと1対1になる形にしています。
ところが、ふだんは「パパ、パパ」と言う娘たちも、寝る直前、とくに疲れているときは2人とも「ママがいい」と言うそうです。けんかになるので、ばたこさんの家では寝かしつけの担当を毎日交代にして、公平を意識しています。
それでもさ、なんかトントンって来て、「やっぱり今日ママでもいい?」みたいなさ。
私なんか1人だったらそんな我慢させないじゃん。「いい?」って言われたら「あ、いいよいいよ、じゃあ行くね」ってなるけど、全部応えられないからさ。
ヒヤマさんは「当たり前やけど2人に100は無理やもんね」と受け止めます。ばたこさんは、平等というより公平に応えたいと思っていても、年齢も性格も求めるものも違う2人に応えきれないのが一番つらい、と話しています。
一方、ヒヤマさんの家は、正しいかどうかはわからないとしつつ、今は上の子を優先しているそうです。赤ちゃんはなんとかなる部分もあるので、上の子をこれまで通り尊重しているといいます。
我慢してると上の子も機嫌悪くなって、2人とも大変なことになって、カオスみたいなのが一番避けたくて。
ヒヤマさんによると、上の子がご機嫌だと、上の子が下の子を見てくれたり一緒に遊んでくれたりするそうです。その結果「3人で1人の赤ちゃんを育てているような状態」になり、ヒヤマさんの家ではそれがいちばんバランスがいいといいます。
上の子を優先する
赤ちゃんはなんとかなる部分があるので、上の子をこれまで通り尊重する
上の子がご機嫌になる
我慢による不機嫌やカオスを避けられる
上の子が下の子を見る
一緒に遊んだり、面倒を見てくれたりする
3人で赤ちゃんを育てる
家族全体のバランスがよくなる
ばたこさんも、下の子に自我が出てくるまではそれがいいと同意します。ただ、下の子もいずれ「ママがいい」と言うようになるので、時間の問題でもあるようです。
ばたこさんは、自分の反省点として、どうしても上の子に期待してしまうことを挙げています。年齢の成熟度というより、下の子と比べるとお姉ちゃんに見えてしまい、「これぐらいならいけるだろう」と思ってしまうそうです。
いま次女は3歳ちょっと。長女が今の次女ぐらいの年齢のときに、次女が生まれています。今の次女を見るとまだ全然赤ちゃんで、ばたこさんはそのことに改めて気づかされたといいます。
あ、こんな子にこんな期待をしてしまってたんだって私は思って、結構反省したりする。
ヒヤマさんは、6歳の子を育てる親としては1周目、3歳の子を育てる親としては2周目だと整理します。ばたこさんはそれを受けて、上の子にはつい期待してしまう一方で、下の子は「孫みたいに可愛い」と感じてしまうと話していました。
きょうだいが2人で遊び始めるのはいつ?
2人目を考えていたころ、ばたこさんは「2人で一緒に遊んでくれたらいいな」と思っていました。けれど生まれてすぐは当然一緒に遊べず、0歳はそのへんに転がしておいて3歳と遊ぶ、という状態だったそうです。
ヒヤマさんも、2人目を考えていたときに「きょうだいがいると勝手に2人で遊んでくれる」と何度も言われたといいます。ただ、0歳の弟がいる今のヒヤマさんの家では、2人で遊ぶのは1分ぐらいが限界だそうです。
三年かかりましたね。
ばたこさんの家では、次女がおしゃべり上手になるのが早く、1歳半ぐらいでなんとなく意思疎通ができ、そのころ5分ほど2人で遊ぶ時間が出てきました。2歳でペラペラ話すようになると、長女も次女とちゃんと会話しようとするようになったといいます。
収録日も、おやつのあとに姉妹が1時間弱リビングで遊び、そのあいだ夫婦はダイニングテーブルで紅茶を飲みながら話していたそうです。ヒヤマさんは思わず「優雅」「エレガント」と反応していました。
ばたこさんによると、親が1人近くにいれば姉妹はずっと2人で遊んでいるので、もう1人の親は家事ができるといいます。ただし、もちろんけんかもあります。
ばたこさんは、最初は姉妹げんかの仲裁によく入っていたそうです。次女が手を出してしまうこともあったからです。けれど最近は仲裁をやめていて、すると気づいたら2人が仲直りしているといいます。
え、どこでどう、そう仲直りした?みたいな。わかんないまま。なんかでも子供同士ってそんなもんじゃん。
ヒヤマさんは、きょうだいの関係はある意味で社会的だと話します。1人っ子だと親が子どものために動きやすいけれど、子ども同士だと自我と自我がぶつかる場面があるからです。ばたこさんも、姉妹は忖度をしないので「人と暮らす練習をしている感じ」だといいます。
ばたこさんの次女は、ただの個体差かもしれないとしつつ、人をよく見ているそうです。お姉ちゃんが怒られたことは自分では絶対にしないで、「できたもーん」とアピールする要領のよさがあるといいます。
遊びの中身も具体的です。収録日には、長女がマグネットブロックのピタゴラス ── 磁石でつながる板状のパーツを組み合わせて、立体や乗り物などを作れる知育玩具ですで自動販売機を作り、次女がまねをして、うまくできないところを長女が手伝い、2人で同じものを作ってお店屋さんごっこをしたそうです。
ヒヤマさんは、勉強はひとに教えるのが一番身につくとよく言われることから、お姉ちゃんにとってもいい経験になっていそうだと話します。ばたこさんは「その視点であんま見てなかった」と応じていました。
ばたこさんによると、長女はもともと「我慢なんていらない」というわがままなタイプだったそうです。それが妹がいることで、思い通りにいかない場面と毎日向き合っているといいます。
たとえば、ばたこさんと娘2人の3人でお風呂に入るとき、一番が大好きな長女はいつも最初に浴室へ入っていました。ところがある日、長女が服を脱いでいるあいだに次女が先に入ってしまい、長女はギャン泣き。ばたこさんは「練習してんだな、社会性の」と思いながら見ていたそうです。
ヒヤマさんの家では、0歳の弟とはまだけんかにならず、上の子が一方的に下の子に怒る構図が多いといいます。上の子が作っているパズルのピースに下の子が興味を持ち、踏んでグチャッとしてしまう、といった場面です。
「下の子はあなたが大好き」と伝え続ける
ヒヤマさんの家では、下の子はまだ保育園に行かず家にいて、上の子は幼稚園に通っています。ヒヤマさんは、外で疲れやすい環境にいる上の子にとって、家は回復できる場所にしたいと考えているそうです。
それでも、下の子の突発的な行動で上の子が理不尽な思いをすることはあります。ヒヤマさんは、そこまでケアする余裕はなく「そういうもんやで」と言いながら、できる範囲でケアしていると話しています。
ここでばたこさんが紹介したのが、次女が生まれる前から続けていた工夫です。次女がまだ話せないころから、長女に「次女はあなたのことが大好きなんだよ」と伝え続けていたそうです。
なんかよくわかんないけど、次女は私のことが大好きらしいというのをインプットさせとくと、嫌いって言えないんだよ。
人間ってね、好きな人のことを嫌いって言えないからさ。
この方法は、ばたこさんが会社の先輩から「お腹が大きいときから言っておくといい」と聞いたものだそうです。ヒヤマさんも、おそらくばたこさんから聞いて、同じことをしていたといいます。
ヒヤマさんは、聞いているかどうかはわからないけれど、上の子が下の子に愛情を持って接するのがデフォルトになっていると感じています。理不尽なことがあって「嫌い」と言う日があっても、スタート位置は「ラブラブな状態」だというのです。
ばたこさんの長女は、けんかしたときに泣きながら「もうやだ。でも大好きだから」と葛藤していたこともあったそうです。ばたこさんは、まだ話せない次女の気持ちを「あなたのことが大好きなんだもんね」と代弁していました。
ヒヤマさんの家では、4歳差だからか、上の子が大人側に立つ場面も多いそうです。お風呂の準備をしようと言うと、上の子が率先して夜用のおむつや肌着を出してくれるといいます。
ばたこさんは、長女が初めて次女に簡単な絵本の『モイモイ』を読んであげている姿を見たとき、すごく尊さを感じたと話します。長女は今でも「ねえねえ、読んであげようか?」と次女に読み聞かせをしてくれるそうです。
同じ親、同じ家でも、きょうだいはまるで違う
ヒヤマさんが「予想を覆されたことは?」と聞くと、ばたこさんは「2人とも全然違う」と答えます。同じ親から生まれ、同じ家で、同じ方針と環境で育っているのに、性格も、話しかけたときの反応もまったく違うそうです。
ばたこさんの次女は片づけが得意で、ドアが開いているとすぐ閉めるタイプ。一方で長女は、ドアも電気もつけっぱなしだといいます。
1人しか育てていないときは比較対象がないので、ばたこさんは、自分が寝かしつけや環境を整えてきたから長女はこうなのだと思っていたそうです。2人目を育てて、その思い込みが崩れました。
わかりやすいのが挨拶の例です。長女は挨拶がまったくできない子で、ばたこさんは「今日何人に挨拶できたか教えて」というポイント制のゲームにして克服させ、その話をXに投稿して反響もあったそうです。
ところが次女は、何もしなくてもよく挨拶をします。家の目の前に住むおじいちゃんに「いってらっしゃい」と言われると、手を振りながら「行ってきまーす、バイバーイ」と返すほどだといいます。
なんか長女の時に私があんまり挨拶してないからかな、人にとか、いやしてるんだけど、めっちゃ反省したんだよ。全然の個体差じゃーんと思って。
手先の器用さでも同じことが起きました。長女は2歳ぐらいからハサミを使い、数字も得意で、ばたこさんは自分の働きかけがうまくいったのかもしれないと思っていたそうです。けれど次女は同じようにはいかなかったといいます。
ばたこさんは、次女とは向き合っている時間が短いせいもあるかもしれない、と留保もつけています。それでも「思いのほかこの子できないじゃん」と感じたそうです。
姉妹の違いとして話題に出たものを並べると、次のようになります。
| 項目 | 長女 | 次女 |
|---|---|---|
| 片づけ・ドア | 開けっぱなし、電気もつけっぱなし | 片づけが得意で、開いたドアはすぐ閉める |
| 挨拶 | 苦手で、ポイント制で克服した | 何もしなくても近所の人に挨拶する |
| 手先・数字 | 2歳ごろからハサミを使い、数字も得意 | 同じようにはうまくいかなかった |
ヒヤマさんは、「同じ環境で同じ育て方をした」とよく言うけれど、上の子がいる時点で下の子の環境はまったく同じではない、と指摘します。例として、ドラえもんの剛田家はジャイアンがいなければジャイ子は「ジャイ子」と呼ばれなかったはずだ、と極端な話も持ち出していました。
それでも上の子をまねる部分ばかりではないことから、ヒヤマさんは個性の影響がやはり大きいのだろうと受け止めています。
ばたこさんは、こうした経験から、Xなどで自分の育児法を「どや」と語りにくくなったといいます。ふだんからN=1 ── 調べた対象が1人だけ、という意味のデータ用語。1つの事例だけでは一般化できない、という注意を込めて使われますの話だと断っているつもりでも、それすら性格によるのかもしれないと思うようになったそうです。
サンプル2つ目でもうすでにね、覆されるわけやもんね。
ヒヤマさんは、世の中の子育て論がいかに個別の事例かと感じたといいます。育児の再現性は2人目で簡単に崩れるという実感です。一方でばたこさんは、それでも多くの子どもに当てはまる方法をまとめたじーなさんはすごい、と話していました。
ヒヤマさん自身も、2人いることで見えた景色があるそうです。ヒヤマさんの上の子は、家事の手伝いは気まぐれでも、育児は割といつも手伝ってくれていて、これは下の子がいたからこその発見だといいます。
その一方で、ヒヤマさんは上の子に「長男らしい振る舞い」をあまりさせたくないとも感じています。ヒヤマさん自身が長男で、親からの期待をなんとなく感じ取って振る舞っていたと思うからです。
ばたこさんは「お兄ちゃんなんだから」と言っていないなら、上の子はお兄ちゃんぶりたいだけかもしれない、と返します。
多分ずっと続かないよ。
ライバル来たぞぐらいになるよ。
姉妹げんか、親はどこまで入る?
ヒヤマさんは「今後のために」と、きょうだいげんかの実際をばたこさんに聞きます。取っ組み合いなのか、口論なのか、無視なのか、という質問です。
ばたこさんの家には「先に手を出したほうが負け」というルールがあり、やり返しもだめなので、取っ組み合いにはならないそうです。手が出ても1回、2回でばたこさんが止めに入るので、基本は言い合いだといいます。
言い合いのあいだ、ばたこさんは「勝手にやって」と泳がせているそうです。たいていどちらかが親のところに訴えに来ますが、ばたこさんは本人同士で話すよう返しています。
ねー、ママ聞いて、今なんとかちゃんがこう言ったんだけどみたいな。ねーねが押してきたみたいな。
あ、そうかそうかみたいな。嫌だったなら本人に言いなよみたいな感じで言い合いをしております。
ばたこさんの家の姉妹げんかへの対応を、話の流れに沿って整理するとこうなります。
言い合いは、たいていどちらかが泣いて終わるそうです。ヒヤマさんは「泣かせたほうが悪い」となるのは避けたいと話し、ばたこさんも、自分の家ではそうしていないと答えています。
ヒヤマさんは、外では「泣かしたんだから謝りなさい」となりがちで、それだと泣いたほうが得になってしまう、と話します。「お兄ちゃんだから」という言い方にもなりやすいので、ブレーキをかけたいと考えているそうです。
ばたこさんは、上の子のほうが賢いぶん、見えないところで下の子に嫌がらせをしていることもあると話します。最初にちょっかいを出したのは長女なのに、嫌になった次女が手を出すと、長女が「なんとかちゃんがぶった」と訴えてくる。でもばたこさんは「全部知ってるよ」と見ているそうです。
こうした経験から、ばたこさんは「仲裁に入ってもあまりいいことはない」というのが最近の気づきだといいます。「喧嘩なんてね、いっぱいしたらいいよ」とも話していました。
大変さも幸せも増える、2人育児の化学反応
ここでヒヤマさんが、改めて2人育児はどうなのかと問いかけます。ばたこさんは、大変なことはふつうに増えたし手も足りない、と答え、ヒヤマさんも「絶対に否定しないです」と応じます。
一人目がちょっと落ち着いたタイミングで二人目生まれてるからさ、またこっからかいみたいな。またレベル1からかいな感じあるよね。
なんで俺は夜中の4時に抱っこしながらまたバランスボールやってんねやっていう。
ばたこさんも、やっと話せるようになった上の子がいるのに、また意思疎通できない子が出てきた、と振り返ります。3〜4歳になれば昼寝もなくなってどこへでも出かけられるのに、下の子がいることでまた家族のお出かけが制限される、という難しさもあるそうです。
それでも、ばたこさんの結論は「2人いてよかった」「楽しい」です。世の中が広がる感じがあり、まったく違う2人の掛け合いを見るのが楽しいといいます。ヒヤマさんも、きょうだいでおそろいの服を着せたときや、2人で戯れている姿など、かけがえのないシーンが増えたと話します。
ヒヤマさんは、この「化学反応」をコミュニケーションの組み合わせで説明しています。家族の人数が増えると、関係の組み合わせそのものが増えるという考え方です。
親2人と子ども1人では、パパと子ども、ママと子ども、パパとママの3本
子ども同士や、子ども2人と親1人など、新しい組み合わせが生まれる
結果として大変さであり、幸福を感じる瞬間でもあるっていう、そんな感じよね。
ばたこさんは、それを「関係性」の話だと受け止めます。親と子だけでなく子ども同士の関係が生まれることが、1人では見られなかった面白さだといいます。
ヒヤマさんが最近いちばん幸せを感じる瞬間のひとつは、子ども2人に押しつぶされているときだそうです。1対1なら対話しているだけなのに、2人に乗られるともうどうしようもなく、ただ潰されるだけ。それも2人いないと気づけなかった体験だといいます。
一方で2人は、悩んでいる人に「絶対産んだほうがいい」とは言えない、とはっきり話しています。家庭の事情はさまざまで、ばたこさんは仕事をセーブする機会や期間が長くなること、キャパシティがパンパンになることも挙げていました。
俺も感想としては一日の濃度がすごく濃くなった感じ。だからめっちゃ濃い青汁飲んでる感じなんやろな。
ヒヤマさんは、苦い場面もあるけれど人生にとってはいいことをしている気がする、と続けます。ただし「だから2人にしましょう」「もっと増やせばいい」というのはまた別の話だ、と念を押しています。
ばたこさんは、何歳差がいいのかと考えていたけれど、授かってみると年齢差は関係ないと思うようになったといいます。ヒヤマさんも、2人育児をより楽しむために試行錯誤している感覚だと話していました。
2人育児のゴールはどこにある?
エンディングで、ばたこさんは2人育児を「楽しいし難しい」とまとめ、自分なりのゴールを語っています。
ヒヤマさんは、子どもは「授かりもの」というぐらいだから、授かった中で親子ともども人生をどう謳歌するかなのだろう、と応じます。
ばたこさんは最後に、お金もかかると付け加えています。同じようなものを持っているのに「おそろいがよかった」というけんかを避けるためだけに、もう一度買い直すこともあるそうです。ヒヤマさんの「コスパ悪いな」に、ばたこさんは「でもまあ最高です」と返していました。
2人は、リスナーからの2人育児のリアルな話を募集しています。1人っ子の家庭、3人や4人きょうだいの家庭の話も聞いてみたい、「1人っ子が最高」という話も聞いてみたい、と話して番組を締めくくりました。
まとめ
2人目の育児は、作業量が2倍になるだけでなく、別々のことが同時に起きるパズルのような大変さがあります。それでも、ばたこさんとヒヤマさんは、きょうだいの関係が生む化学反応や、2人いるからこそ見える景色を実感していて、「生まれてそれを正解にしていく」という姿勢で試行錯誤を続けているようです。
- 年齢差は、親自身のきょうだい経験や育児書を参考に考えつつも、最終的には「関係ない」と感じるようになったと話されています
- 2人育児では人手と余力が足りなくなり、大人がもう1人いるだけで余裕が大きく変わります
- ヒヤマさんの家では上の子を優先し、ばたこさんの家では「下の子はあなたが大好き」と伝え続けて、きょうだい関係の土台を作っています
- 同じ家で育ってもきょうだいの個性はまるで違い、1人目でうまくいった育て方の再現性は2人目で簡単に崩れます
- 姉妹げんかは、手を出さないルールを決めたうえで、言い合いは見守る形にすると自然に仲直りすることも多いそうです







