売れないトマトと安曇野の民宿、二人の最近のハナウタは?
ハナウタラジオは、ため息の中にあるポジティブな「ハナウタ」を探す番組です。今回はいぶきさんとななさんが、まず最近ハナウタしたことを紹介し合いました。
いぶきさんは冒頭で、最近産休に入ったことを報告します。思いがけない知らせに、ななさんは「テンションが2、3段上がりました」と喜びを隠しません。
ななさんのハナウタはトマトの話です。ななさんの家では夫が中心となって農業を営んでおり、今年はトマトを育てていました。ところが台風などで水を吸いすぎて実が割れたり、表面に傷がついたりして、出荷できないトマトがたくさん出てしまったそうです。
(トマトが)できすぎちゃって、生で食べきれないからソースにしたんですね。そしたらそのソースが超うまくて、めっちゃハッピーみたいな。
ななさんにとってトマトソース作り自体は初めてではありません。ただ今回は量が多すぎて冷凍しきれず、ネットで見た保存瓶での常温保存に初めて挑戦しました。2、3週間たってもカビていないので、たぶん成功していると話しています。
いぶきさんはこの話を、マイナスに見えるところからハッピーになった出来事として受け止めました。売り物にならなかったトマトが、家庭の楽しみに変わったわけです。
いぶきさんのハナウタは、産休に入ってすぐの小旅行です。動けるうちにと、三重の自宅から車で休憩込み6時間ほどかけて、長野県の安曇野 ── 長野県中部、北アルプスのふもとに広がる地域。湧き水やわさび田、山並みの景色で知られる観光地です近くまで出かけ、2泊してきました。
民宿に泊まったんですけど、その泊まった民宿のお隣さんが話しかけてくれたりして。
いぶきさんがその民宿を訪れるのは2度目です。去年の夏があまりに暑く、涼しい場所を求めて北上した際にたまたま泊まり、気に入ってリピートしたといいます。山並みが見える景色の良さも、いぶきさんがその宿を推す理由です。
「家庭菜園に憧れています」、まず何から始める?
次のコーナーは、ため息さんからのお便り紹介です。今回届いたお便りは短い一文でした。
家庭菜園に憧れています。
このお便りについて、いぶきさんは「私には鼻歌に聞こえちゃう」と話します。憧れを口にすること自体が前向きな響きを持っている一方で、ため息の気持ちもわからなくはない、とも付け加えました。
いぶきさん自身は小さな畑を借りて家庭菜園をしています。ただ、お腹が大きくなってきた今は畑を休み、家の周りのプランターで少し育てている程度だそうです。
ネギとか?葉ネギ?そういうなんかちょっとこう、あったら嬉しい薬味系が。
いぶきさんのプランターには、葉ネギのほか、夏の間よく使ったシソ、イタリアンパセリ、ローズマリーなどがあります。ネギは少しちぎって味噌汁に乗せられるのが便利だといいます。
ななさんは、こうした薬味やハーブはスーパーで買うと量が少ないのに高く、すぐしなしなになってしまうと共感しました。家で採れたら最高だし、おしゃれだという反応です。
なんかちょっとこう、食卓が豊かになる感じが。すごい好きです。
いぶきさんが初心者に薬味やハーブを勧める理由は、香りの良さだけではありません。こうした植物は丈夫で、長い期間収穫を楽しめる点が大きいと話しています。
いぶきさんとななさんの話では、野菜は大きく2つのタイプに分けられます。収穫までが遠く旬が来て終わる野菜と、長く少しずつ楽しめる薬味やハーブです。
収穫までの道のりが長く、シーズンで旬が来て終わっていく。玉ねぎなどは期間がかかり、うまくいかないことも多い
ネギ、シソ、イタリアンパセリ、ローズマリーなど。丈夫で長い期間楽しめるため、初めての人に向いている
ななさんも、毎日食べる玉ねぎのような野菜をつい作りたくなるものの、時間がかかってうまくいかないことが多いと振り返ります。だからこそ、長いスパンで楽しめるものから始めるのは良い入り口だと納得していました。
息子が名付けた「野菜工夫農園」、失敗前提の畑とは?
ななさんは農業をしている一方で、家庭菜園は久しぶりだといいます。以前住んでいた家では、ベランダでベビーリーフを育てたことがありました。
結構虫がアブラムシとかわーって来ちゃって。ベビーリーフだと美味しいから。
ななさんは虫だらけのベビーリーフを前に食べる気になれず、テンションが下がって一度家庭菜園をやめてしまいました。その後、庭のある家に引っ越したことで、去年からもう一度挑戦しています。
ななさんはゼロからの挑戦でうまくいくかわからないため、庭の畑に小学生の息子と名前をつけることにしました。そうして生まれたのが「野菜工夫農園」です。
失敗してもいい、工夫すること、工夫して育てるみたいなコンセプトの畑だから、そういう風にしようって言われて。
息子さんの言葉を聞いて、ななさんの中で完璧なものを作ろうという気持ちが薄れたそうです。いぶきさんは「息子さん天才」と絶賛しました。
完璧なものを作ろうとして、虫や失敗で心が折れ、ベランダ菜園を一度やめてしまった
失敗してもいい、工夫して育てる畑と考え、カブのような大根ができても楽しめるようになった
実際、去年蒔いた大根はカブのような形にしか育ちませんでした。それでも、ななさんは「失敗だ」と言いながら楽しんでいるといいます。
いぶきさんは、売っているようなきれいな野菜を作ろうと意気込むと挫折しやすいと指摘します。失敗ありきで楽しめるといい、というのがいぶきさんの考えです。
採れたてが格別なスナップエンドウ、豆は初心者向き?
失敗ばかりではなく、ななさんの野菜工夫農園にはうまくいった作物もありました。春に採れるスナップエンドウです。
ななさんはもともとスナップエンドウがそれほど好きではありませんでした。ところが茨城県に移り住み、採れたてをもらって食べたところ、とても美味しかったそうです。
豆類って取ったらそこからどんどんどんどん毎日鮮度が落ちてるらしいんですね。だから取った瞬間が一番美味しいっていうので。
農家ならではの特権で採れたてをもらえる機会があり、その美味しさに感動したななさんは、自分の畑でも育てるべきだと考えました。豆は丈夫らしく、去年の挑戦はうまくいったといいます。
ななさんは、追熟 ── 収穫後にしばらく置いて、熟成を進めること。バナナや洋梨などは、追熟させることで甘みや香りが増すとされますさせたほうが美味しいものもあれば、その場で食べて美味しいものもあると話します。そのうえで、採れたてのフレッシュさは家庭菜園だからこそ味わえる楽しみだと語りました。
いぶきさんは、豆は育てやすく、空豆なども今から始められると勧めます。ななさんは、つるありタイプを選んで支柱を立てるのが面倒だった経験から、つるなしタイプなら支柱がいらないと補足しました。
ただし、豆の収穫は3月ごろの春になります。ななさんは、長く楽しめるハーブ系と季節ごとの野菜の両方ができると楽しいかもしれないとまとめつつ、どちらかがうまくいけばそれだけでハッピーだと付け加えました。
コンポストの学校で何を学ぶ?生ゴミを最後まで分解する方法
ななさんはここで少し脱線して、いぶきさんのコンポストの話を聞きます。ななさんにとって、いぶきさんといえばコンポストというイメージがあるそうです。
いぶきさんは以前、LFCコンポスト ── ローカルフードサイクリングの略で、バッグ型の容器を使って家庭の生ゴミを堆肥にするコンポスト商品。ベランダなど狭い場所でも使いやすいのが特徴ですという商品を使っていました。最近はコンポストの学校に通い、そこで教わった方法で生ゴミを堆肥にしています。
中途半端にあの、堆肥にするんじゃなくて、最後までしっかり分解させるっていう方法を教わっていて。
コンポストの学校で教わる方法でやると、においもなく臭くならないそうです。ただ、いぶきさん自身は初めての挑戦で、まだ最後まで行き着いていない途中段階だと話しています。
コンポストの学校では、生ゴミで作る堆肥のほか、刈り取った雑草で作る堆肥なども教わります。それでも通っている人の多くは、まず生ゴミを堆肥化したいという目的で来ているといいます。
受講者の顔ぶれは年によって違い、今年は家庭菜園の人と農業の人が半々くらいです。地域ぐるみの取り組みをしたくて参加している人もいます。
各家庭で生ゴミをコンポストをやってもらって、それを集めて、一箇所でその最後までしっかり分解させるっていう工程を一緒にやりましょうみたいな。
ななさんはこの話に驚きます。コンポストは個人でやってゴミが減ればおしまい、というイメージを持っていたからです。
出来上がった堆肥で美味しい野菜を作るっていうところまでが目指してるところ。
木箱で始めた手作りコンポスト、正解のないやり方を探す
ななさんは参考までにと、自分の「すごい雑なやり方」を紹介しました。庭に木でコンポストのケースを手作りし、生ゴミと土をサンドイッチ状に重ねていく方法です。
ななさんの手作りコンポストには、ダンゴムシやミミズ、ハエなど分解を担う虫がたくさん寄ってきます。嫌だと感じることもあるものの、その虫たちが来ないと分解されないと言われ、続けているそうです。
ななさんのコンポストは、蓋をせず、太陽の光や雨に当てたほうが早く分解すると信じてオープンにしています。ただ、魚や肉、骨を入れると大量のハエが発生し、小動物も来ている気配があったため、最近は野菜くずだけに絞りました。
ななさんがもうすぐ1年ほど続けている手順は、次のような流れです。
ななさんのコンポストでは、卵の殻だけはなかなか分解されずに残るといいます。それ以外は形がなくなるので、分解されたと判断して畑に入れ始めたところです。
ただ、ななさんにはその堆肥で野菜が美味しくなったという実感はまだありません。本で見た米ぬかを撒くと分解が早くなるという方法なども含め、正しいやり方があれば知りたいと話します。
農業とか家庭菜園ってすごく奥が深い。
ななさんは、どれが正しいというのはないかもしれないけれど、自分で「これ」というやり方が見つかったら楽しいと考えています。いぶきさんも、身近な人でもネット上でも、実際にやっている人がいると家庭菜園に憧れる人の参考になりそうだと締めくくりました。
まとめ
「家庭菜園に憧れています」というお便りに対し、いぶきさんとななさんは、育てやすい作物の選び方から失敗との付き合い方、生ゴミコンポストまで、自分たちの実践をもとに語りました。完璧を目指さず、工夫と試行錯誤を楽しむことが、家庭菜園を続けるコツとして浮かび上がります。
- 初めてなら、ネギやシソ、ローズマリーなど丈夫で長く楽しめる薬味・ハーブ系がおすすめ
- スナップエンドウなどの豆は育てやすく、採れたての美味しさは家庭菜園ならでは
- 「野菜工夫農園」のように、失敗してもいいと考えると挫折しにくい
- コンポストは個人のゴミ減らしにとどまらず、地域で堆肥を作り野菜づくりにつなげる取り組みもある
- やり方に正解はなく、身近な実践者を参考に自分なりの方法を見つけるのが楽しい






