254人が集まった文章術セミナーのこと
その前に、少しだけ嬉しかった報告をさせてください。
先日開催した文章術のセミナーですが、最後の追い込みで254人の方にお申し込みいただきました。
有料版の収益は総合計20万4円。ここにサービシンクで同額を足して、40万8000円を能登半島地震への義援金として石川県にお送りしました。
正直、こんなに集まるとは思っていなかったので、びっくりしました。参加いただいた皆さんのおかげです。
しかも今回は、ウェブに全く関わりのない方が3分の2くらいいらっしゃったんですよね。
10年やっていて、ウェブ業界の外にも認知が広がっているというのは、素直に嬉しいなと思っています。
編集か、ウェブか。「新卒カードを間違えたかも」という相談
さて、ここからが本題です。ラジオネームもちひつじさんから、こんなおハガキをいただきました。
もちひつじさんには「編集者になる」か「ウェブに関わる仕事をする」かという2つの目標があったそうです。
そして事業会社のウェブコンテンツディレクター職と、グループ会社の出版社の両方から内定をもらい、悩んだ末に出版社の編集を選んだと。
紙からウェブには転職できても、ウェブから紙に入るのは難しいと聞いたのが理由だったそうです。
でも入社を目前にして、「本当にやりたかったのはウェブコンテンツディレクターだったのでは」と、すごく後悔していると書かれていました。
質問は2つ。20代のうちなら、出版社からウェブのコンテンツディレクターに転職することは可能か。そして、可能ならいま何を勉強しておけばいいか、というものでした。
1つ目の「転職できるか」については、はっきり言えます。できると思いますよ。
転職自体は、やろうと思えばどんな仕事にでもできると私は思っています。
いま準備すべきなのは「目の前の編集を本気でやる」ことだけ
問題は2つ目です。転職のためにいま何を勉強すればいいか、という質問。
私の答えははっきりしていて、いまは編集の仕事を真面目に、徹底してやってください。それ以外にないです。
個人的にすごく怖いなと思うのが、「これは途中の仕事だ」という気持ちで働いてしまうことなんですよね。
本人は頑張っているつもりでも、「最終的には辞めてウェブに行くんだ」という姿勢は、周りに必ず見えてしまいます。
そうなると、どれだけ頑張っても「どうせ片手間だろ」と見られてしまう。つまり、評価されなくなるんです。
これは、ある程度ちゃんと仕事をしている人が上司なら、間違いなく見抜きます。
だから、いま編集をやると決めたなら、同世代の誰よりもやるくらいの気持ちでやらないと、多分何も身につかないと思うんですよ。
「作業」で終わる人は、どこにも転職できない
もう1つ、大事だと思っていることがあります。
編集からウェブに転職しようとすれば、面接では必ず「なぜ辞めるんですか」と聞かれます。
そのとき経験がなければ、企業からは「新卒と同じ扱い」になる可能性がある。給料がめちゃめちゃ下がることも覚悟しないといけません。
それでも、編集という仕事に身を入れてやっていれば、その経験は次に必ず生きてくるはずなんです。
ここで私がいちばん伝えたいのは、お金の流れを理解しておいてほしい、ということです。
どんな仕事でも、最終的には勤める会社に何かしらの利益を作らないといけません。
自分の仕事が、どこでお金に関わっているのか。それを理解していると、「ウェブのコンテンツディレクターは収益にこう関わる仕事なんだ」と見えてくる。
「作業」で終わってしまう人は、多分どんな仕事に就いても転職は厳しいと思います。
そこが見えて初めて、じゃあ自分に足りない知識やスキルは何だっけ、と考えられるようになるんじゃないでしょうか。
声優とこの仕事、両方やっていた20代の私が思うこと
最後に、私自身の話を少しだけ。
正直に言うと、私の話はあんまりためにならないんですけどね。
私は20代の頃、声優の仕事とこの仕事を両方やっていました。でも当時この仕事は、乱暴に言えば副業でした。
勤めていた会社の社長から「正社員にならないの」と言われても、「僕は芝居で生きていくつもりです」と3年半ずっと言い続けていたんです。
そう公言していたからこそ、逆にこの仕事にのめり込みすぎることはなかった。
でも芝居をやめて、この仕事を本業にしたいと決めてからは、もう本当にこのことしか考えなくなりましたね。
だから残りの1年半で、ちゃんと評価と結果を出せたんじゃないかと思っています。
両方に未練を残していると、ずっと「隣の芝は青い」を見ている状態になって、目の前の仕事に身が入らなくなる。私はそれがいちばん怖いんです。
関連して思い出したのが、作家の村上春樹さんの話です。
朝3時か4時に起きて5時間ぶっ通しで仕事をして、午後はほとんど仕事をしない。それを土日も関係なく毎日繰り返すそうなんですよね。
たぶんご自身の集中のピークがどこかを、はっきり理解されているんだと思います。
まとめ
夢を2つ持つのは、悪いことじゃありません。でも、いまの時点で私が思うのは、どちらかに本気で賭けたほうがいい、ということです。編集を本気でやり切った先にウェブへ行くなら、それはきっと胸を張れる転職になるはずですよ。
- 転職は20代ならできる。難しいのは「そのとき何をやってきたか」を語れるかどうか
- 「途中の仕事」という姿勢は周りに見抜かれ、評価されなくなる
- 作業で終わらず、自分の仕事がどこでお金に関わるかを理解しておく
- 二足のわらじに未練を残すより、どちらかに本気で賭けたほうが身が入る






