CursorとAIの組み合わせが楽しい、その一方で
「フロント実装って今後どういうトレンドになっていくと思いますか」という質問をもらいました。
CursorとAIの組み合わせがめちゃくちゃハマっていて、ガリガリ書くようになった、という方でした。
この気持ち、すごくわかるんです。私も最近Cursorを使い始めて、面白いなと思っているところなので。
ちょっと前までは、ChatGPTに「これを書いてくれ」と言って、出てきたものをコピペして、みたいなやり方をしていました。
それがひとつのエディターの中でシームレスにできる。私もVS Code ── Visual Studio Code。マイクロソフトのコードエディターから徐々に移行している感じです。
正直に言うと、フロント実装の寿命は縮まったと思う
ただ、正直に言うと、AIが出てきたことで、フロント実装という職域の寿命は明確に縮まったんじゃないかと感じています。
下手すると、ゴールが決まっちゃったんじゃないか、と。私自身がフロント実装マンだったので、これは本当にショックなんですけどね。
もちろん、フロントエンドエンジニアの全員が仕事をなくす、という話ではありません。
でも、人の手で書かなきゃいけないものがすごく減るので、トップオブザトップな人しか残れなくなってくるんじゃないかという気がしています。
仕事はあると思うんです。ただ、残念ながら単価は下がっていってしまうんじゃないかと。
連綿とスキルや知識を積み上げてキャリアを重ねてきたのに、それを価値として感じてくれる人が減ってしまう。だから単価が下がる、というところに行き着いてしまう気がするんです。
「今度こそ本当に」だと思う理由
実はこの手の話、過去にも何度かありました。
CMSが出てきたとき、WordPressやMovable Typeが出てきたとき、ノーコード・ローコードのツールが出てきたとき。そのたびに「HTMLを書く量は減る」「フロント実装マンはいなくなる」と言われてきました。
でも、当時は全然減らなかったんですよね。だから私も「そんなことあるか」と思っていました。
ただ、今度ばかりは、いよいよ本当にそうなるんじゃないかと思っています。
仕事を「奪われる」という言い方をする人もいますが、私のイメージは少し違います。
今まで5人でやっていたことを、AIを使いこなす3人でできてしまう。そういう方向に行くんじゃないかと思っているんです。
だから全員がいなくなるわけじゃない。でも、AIを使いこなすのが上手な人がもてはやされるようにはなるだろうな、と。
だからこそ、この1年、2年、いや、もう2年もないかもしれません。この期間で生成AIとどう付き合うかは、ちゃんとトレンドを追いかけておいたほうがいいと思います。
検索結果の話から、ずっと考えていた未来
もう少し昔の話をさせてください。2004年か2005年ごろ、友人にこんなことを言ったんです。
当時、Googleで「イチロー 年収」と検索すると、いきなり金額が結果画面に出るようになっていました。
検索エンジンって、本来は質のいい情報が書かれたページを見つけて、そこへ送客するサービスだったはずです。
なのに、ページに送らず、検索結果の画面に答えを出すようになってしまった。だから私は「検索結果画面がそのままウェブページのようになる時代が来るんじゃないか」と話していたんです。
一般の人にとっては、情報がわかるかどうかがすべてです。信用できるなら、どこに書いてあってもどうでもいい。
自分を否定するような言い方になりますが、綺麗なHTMLを書いているかどうかなんて、エンドユーザーにとっては知らんし、どうでもよかったりするんですよね。
そして今、一周回って生成AIが登場しました。いろんな情報をインデックスして、ページ化したり、まとめたり、音声で配信までしてくれるサービスが出てきています。
生の(ウェブページを見るのではなく)AIがサマライズしてくれた概要を、みんなが情報として受け取るようになる。そうなると、それぞれのドメインに必要なものは、HTMLもCSSもインタラクションデザインも、ウェブデザインすらいらなくなる。
最後に残るのは、生成AIが読み解きやすいように構造化されたデータベースだけなんじゃないか。そんな気がしているんです。
明日そうなるわけじゃありません。でも、そう長くはないんじゃないかと思っています。
だからこそ、面白いと思える場所はどこか
じゃあフロント実装がどうなるか、と言われたら、トレンドというより、自分が生成AIを「使う側」に回れるかどうか、そこにどれだけ早く至れるか、なんじゃないかと思います。
私が生成AIを使っていて楽しいのは、キーボードをパチパチ打ってコードを書くことじゃないんですよね。
こういう結果が欲しくて、それはこう書けばできるはずだ、とわかっている。その上で、実際に手を動かす部分を全部丸投げできるから面白いんです。
一番頭を使う「こうなったらこうなるんじゃないか」を考えるところは、自分の手元に残っている。だから面白いんだと思います。
逆に言うと、AIが作ったコードの意味がわからないまま使う人になると、結構やばいんじゃないかとも思っています。
なので、私はたまにフロント実装をやって、勘が鈍らないようにしています。
まとめ
フロントエンドエンジニアやデザイナーの方には、ずいぶん嫌な話をしたかもしれません。「俺らの仕事がなくなるっていうんか」と思う方もいるでしょう。今の私はこう考えている、というだけの話です。もし「自分はこう向き合っていく」という考えがあれば、ぜひ教えてほしいなと思っています。
- AIの登場で、フロント実装の職域の寿命は縮まり、単価は下がっていくと私は感じている
- CMSやノーコードのときとは違い、今度は本当にそうなるんじゃないかと思う
- 生の情報より、AIがまとめた概要を受け取る時代になれば、最後に残るのは構造化されたデータベースかもしれない
- これからの分かれ目は、AIを「使う側」に回れるか、意味をわかった上で使えるかどうか




