「情報共有は大事」だと分かっていても、みんなやらない
情報共有の重要さをわかっていても、忙しさや今更聞けない空気で文化として根付かない。そんな相談をいただきました。
これ、すごくよくわかるんです。
ドキュメントに残しましょう、記憶に頼るのはやめましょう、属人化をやめましょう。全部正しいんですよ。
でも、正しいのになぜか人は動かない。ここが厄介なんですよね。
私が思うに、「情報共有は大事なんだよ」とそのまま言っているだけなんじゃないかと思うんです。
大事だと伝えているのにやってくれないというのは、大事さの中身が相手に届いていないからなんですよね。
昔の私は、ドキュメント化にピンと来ていなかった
偉そうに言っている私ですが、15年くらい前は、ドキュメント化に全然ピンと来ていない人間でした。
自分が若かったので、属人化しているスキルを汎用化させると、自分の存在価値がなくなるんじゃないか、なんて小さいことを考えていたんです。
手作業でやっている人って、こういうふうに思いがちな人、多いんじゃないかと思います。
ドキュメントの書き方自体もよくわかっていなかったので、やらない。やらないからノウハウが残らない。だから「私に聞いてください」になる。
もう当たり前のように、そういう流れになっていた訳です。
でも今は違います。同じことを他の人に2回も3回も言うこと自体が、すごくもったいないと感じるようになりました。
若い頃は「俺が全部知ってるんで」なんて思ったこともあったんですが、今は「それ何回言うんだよ、次のことやりたいんだけど」の方が強いんですよね。
属人化は、全部ゼロにしなくていい
ここで一つ、私が結構大事だと思っていることがあります。
それは、属人化を全部ゼロにするのは不可能だということです。
仕事って、やっぱり人と人でできているなと思うところがあるんですよ。
ルーティンになっている作業は、属人化をきっぱり外した方がいいです。ここは迷わなくていいと思います。
でも、その人がどうやって効率化するかとか、定型化された作業をどうブラッシュアップするかとか、そういうラストワンマイルの部分には、ある程度属人化の要素が残るなと思っているんです。
だから、100%属人化していること自体が悪だと、あまり思い詰めなくていいかなという気がします。
人はお金か時間でしか動かない
では、本題の「どう伝えるか」です。
私がたどり着いたのは、人が動くのはお金か時間に対してだということです。
「できるだけ早めにやってくださいね」「ドキュメントに残した方がいいですよ」という物言いは、実はほとんど根性論なんですよね。
定性的な話なので、わかっちゃいるけどやめられない、というところに行ってしまう。
だから私は、定量的に伝えるようにしています。
たとえばこうです。一回書けば確かに50分かかる。でも書いておかないと、チームの人がみんなあなたに聞きに行く。仕事が止まりますよね、と。
一度でわからない人がいれば、結果的に50分どころか1時間、2時間費やすことになる。それであなたが残業して辛くなりませんか、という時間の話に落とすんです。
お客さん相手でも同じで、毎回聞かれると仕事が止まってしまうので、ドキュメントを読んでいただきたい。そうしないと作業時間が増えて、どうしてもコストに跳ね返りますよ、と伝える。
なぜ大事なのか、やらないとどれだけの金額や時間のロスがあるのか。そこまで具体化して初めて、みんなちょっとやってくれるんじゃないかと思うんです。
まとめ
属人化しがちなチームにどんな一手を打つか。今の私の答えは、情報共有の大事さを定性的にではなく、定量的に伝えることです。「やらないことのロスの方が大きいよ」と、お金と時間の言葉で語る。これが今の時点での私のやり方です。
- 「情報共有は大事」とそのまま伝えても、それは根性論になりやすく人は動かない
- ルーティン作業の属人化は外すべきだが、効率化やブラッシュアップの部分は残っていい
- 人が動くのはお金か時間に対して。やらないことのロスを具体的な数字で伝える





