お金かやりがいか、と聞かれて
いい仕事とは何か。これ、本当に難しいんですよね。
もちろんお金もやりがいも、切っても切り離せないところはあると思います。でも私はどちらかというと、過去も含めてやりがいの方じゃないかなという気がします。
生活ができないくらい安い給料だとさすがに困りますけど、それさえクリアしていれば、私にとってはやりがいの比重が大きいんです。
振り返ってみると、勤め人だった時も、雇われだけど役員だった時も、「自分がああしたい、こうしたい」というのははっきりあったなと思います。
日本一の会社にするとか、グローバルに行くんだとか、そういう大きな話でもないんですよね。いいデザイナーになりたい、というのともちょっと違う。うまく言葉にできないんですけど。
十人までのはずが三十人を超えても、私はまだ現場にいる
今「サービシンク」という会社をやっていますが、立ち上げた時、私は十人までの会社にはしないってずっと言ってたんです。
理由は、自分が現場にいたかったから。私の肌感で、十人を超えてくると自分が現場に出ない案件が出てくるだろうと思っていて、それが嫌だったんですね。
ところが今は、派遣さんなども含めた従業員で言うと30人は超えていると思います。それでも私はまだ現場にいます。
じゃあ私にとっていい仕事って何かというと、お客様と「どうすれば良くなるんだっけ」という話がちゃんとできている仕事なんじゃないかなと思うんです。
うちは受託なので、お客様のものを作っているわけですよね。その発案している人とがっぷり四つで、膝を突き合わせて話ができる。その先のエンドユーザーが何に喜ぶのかを一緒に考えて物を作っていける案件は、すごくいいんです。
そういう案件だと、多少トラブルがあっても、なんとか乗り越えていこうと思えるんですよね。トラブルのない仕事なんてほとんどないですから。
いい仕事ほど記憶に残っていない
逆に、「金を払ってるんだからお前らこれやれよ」という関わられ方をされてしまうのは、私にとって多分最悪の仕事です。年末の道路工事みたいな形で関わるのは、できれば一生やりたくないくらい苦手なんですよね。
もちろん仕事に貴賎はないですし、やると決まったらどんな仕事でも真剣にやります。お客さんが適当でいいと言っても、適当で終わらせる気は全くないんですけど。
喋っていてなんとなく思ったんですが、いい仕事って、やっている時も気分がいいんですよ。やりがいも感じているし、自分でドライブをかけている感じもある。
ところが不思議なもので、そういう案件ほど記憶に残っていないんですよね。やっている時に満足して「終わった、いい仕事だった、次行こう」となってしまうので。
むしろ「ああした方がよかった、こうした方がよかった」というトラブルの方が記憶に残る。後悔と言ってもいいのかもしれません。
だから良くない仕事は枚挙にいとまがないくらい出てくる気がするんですけど、いい仕事は、費用対効果もよかったし、楽しかったし、やりがいも感じていた、そういう記憶なんです。
飽きっぽい私が二十九年続けてこられた理由
うちには、月額で400万とか600万くらいの保守改修をずっとやっている大きな案件もあります。
サーバーの監視をしているだけじゃなくて、本当に継続的にお客様と「次はこれしよう、ああしよう」と言い続けられる。そういう案件が多いので、私は相当幸せな仕事をさせてもらっているという自信があります。
というのも、私は本質的にはすごく飽きっぽい人間なんです。芝居をやっていた頃も、同じ台本を3ヶ月くらいやっていると飽きてくるタイプで、演出の方にすごく怒られたことがあります。
そんな飽きっぽい私が、この仕事は今年で29年目になりました。それだけ続けられているということは、多分まだ楽しいんだと思うんですよね。
楽しめているというのは、きっといい仕事をさせてもらえているということ。だから私にとっていい仕事は、お客さんとミックスアップしていけるような仕事なんじゃないかなと思います。
お金を目的にしていいと思うんですけど、私はそれができなかったなという感じです。これはもう人の価値観なので、良し悪しではないと思いますけどね。
まとめ
いい仕事とは何か、いまの時点での私の答えは「お客さんと膝を突き合わせて、どうすれば良くなるかを一緒に考えられる仕事」です。あなたにとってのいい仕事は何か、というのは、ぜひご自身で考えてみてほしいなと思います。
- 私にとっていい仕事は、お金よりやりがいの比重が大きい
- お客様とがっぷり四つで「どうすれば良くなるか」を考えられる案件が、私にとってのいい仕事
- いい仕事ほど満足して終わるので記憶に残らず、トラブルの方がずっと残る
- 飽きっぽい私が29年続けてこられたのは、続けて楽しめる仕事に恵まれているから





