1000万〜3000万の案件を、時短で数十社の保守と並行するのは
いただいたお便りの状況を整理すると、未経験で入って1年ちょっと、そこから2年休職して復職。いま担当している会社は数十社になるそうです。
一社一社の保守は、そこまでヘビーなものではないのかもしれません。新着情報の更新とか、年に一度の概要の直しとか、そういう積み重ねだと思うんです。
でも一つだけ、どうしても引っかかったところがあります。1000万から3000万円の予算になりそうな案件も任されることになった、という部分です。
正直に言うと、これは他の案件を抱えながらやるのは相当難しいと思います。
仮に私がやるとしても、しかも会社の代表という立場を全部取っ払ってもらったとしても、四桁万円クラスの案件をやりながら数十社の保守を回すのは、かなり無理ゲーなんじゃないかと。
これはキャリアのある人がフルタイムでやっても、残業前提になるくらいの稼働だと思うんです。
時短勤務で残業できない、という現実
さらに厳しいのが、時短勤務だと基本的に残業ができない、という点です。
これはご存知ない方もいると思うんですが、時短勤務は法規上、残業をするならフルタイムに戻らないといけないはずなんですよね。
しかも一度フルタイムに戻すと、育児の時短契約に簡単には戻れない。落ち着いたからまた時短に、というのが気軽にできないんです。
そうなると、残業という逃げ道すらない中でこの業務量をこなすのは、申し訳ないですがほぼ無理だと私は思います。
だから、これがフラストレーションになっているのなら、それは決してご本人の能力の問題だけではないと思うんです。
「詐欺みたいな知識のなさ」という言葉について
お便りの中に「詐欺みたいな知識のなさで迷惑をかけながらお金のために働くのか」という言葉がありました。ここは本当に苦しいところだと思います。
ただ正直に言うと、私だって何を聞かれても完璧に答えられるわけじゃないんです。
マーケやSEOで本当に強い人と比べられたら、そこまでの知識はないし、アクセシビリティでゴリゴリの話をされたら、私だって最大限まで語れるわけじゃない。
それをもって「ディレクターなのに詐欺じゃないか」と言われたら、私にだってその部分はあると思うんです。
ディレクターって全知全能の神じゃないとできない仕事、みたいになってしまう。それはデザイナーでもエンジニアでも同じですよね。
だから、お客様からの報酬がご自身の能力に見合っているのなら、あまり自分を追い込まなくていいと私は思っています。
「向いてない」んじゃなくて「合わなかった」だけ
最後に、この文章を書いていて「私、Webディレクターに向いてないな」「自分の人生にすら優先順位がつけられない奴の何がWebディレクターだよ」と思う、と書かれていました。
でも、向いてる向いてないって、私はそんなに卑下する必要はないと思うんです。単に合わなかった、マッチしなかっただけじゃないかなと。
日本には仕事が2万種類くらいあるらしいんですよ。その中で私だって、どんなに頑張ってもできない仕事はいっぱいあります。
たまたま今回Webディレクターという仕事が合わなかっただけで、他に合う仕事はいくらでもあると思うんです。
これは私自身のことでもあって、もっと言えば、私は声優という仕事が合わなかった人間ですから。やりたかったんですけどね。
だから適性がなかったというだけで、人と比べることもないし、「何がWebディレクターだよ」とそこまで思わなくていいんじゃないかなと思います。
転職を考えるなら、3つの掛け算で選んでほしい
もし仕事に満足感を持ってやりたい、お客様にちゃんと提供したいという思いが強いのなら、仕事を変えるのも大事な選択だと思います。
前職の企画のお仕事が楽しかったと書かれていたので、それに近い仕事を探すのも一つですよね。
ただ、文脈を読んでいると、フルリモートで、しかもお子さんが小学生になったときに家にいられること、ここが結構な鬼門になりそうな気がしています。
というのも、フルリモートを許容している会社は結構減ってきているらしいんです。うちの人事も言っていました。
転職を考えるなら、給料・フルリモート・これまでのアセットが使える仕事、この3つの掛け算で選んでほしいと思います。
そして今は売り手市場だからこそ、エージェント任せにせず、自分で相当考えて動いたほうがいいです。全部合う会社を最初から出してくれるとは限らないので。
まとめ
辛口でと言われたので正直に書きましたが、私が一番伝えたかったのは、この状況はあなただけの責任じゃない、ということです。時短で残業もできない中で四桁万円の案件と数十社の保守を回すのは、キャリアのある人でも無理ゲーなんですから。いい答えにはなっていないかもしれませんが、お互いに前を向いていけたらと思います。
- 1000万〜3000万の案件と数十社の保守を、時短勤務で並行するのは条件的に相当厳しい
- 知識に完璧はなく、報酬が能力に見合っているなら過度に自分を追い込まなくていい
- 「向いてない」は「合わなかった」だけ。合う仕事は他にいくらでもある
- 転職するなら給料・フルリモート・アセットの3つの掛け算で、自分で考えて動く






