何でも屋を、僕は今もやっている
「名村さんはきっとパリッとPMオンリーでやってると思うんですが」と書いてくださった方がいたんですけど、いやいや、全然そんなことないんですよね。
今でこそPM的な動きが多くはなりましたけど、ここに書かれている泥臭いことは僕もずっとやってきましたし、今もやってます。
メールも書くし、Wikiも書くし、書類にハンコも押す。なんだったら郵送の手続きとか契約書の製本まで、僕もやってますからね。
やらなきゃいけないから、やる。それだけなんです。
ネットを見ていると「何でも屋やってられん」って書いている人が確かに多い気もします。でも僕は、ディレクターだから何でもできるという風に捉えているんですよね。
「何でもできる」と考えると、景色が変わる
ワイヤーを書きたかったら自分で書けるし、画面設計も、仕様書を書こうと思えば書ける。お客さんとの交渉もそうだし、見積もりだって作れます。
見積もりを作れるということは、会社の中での利益率をコントロールできるかもしれない、ということでもあるんですよね。
デザイナーが一人でお客さんのところに行って「こんなデザイン作りました」って見せることは、あんまりないと思うんです。マークアップエンジニアが「こんなHTML作ったので見てください」って直接言うことも、あまりない。
でもディレクターは、それが全部できる。最初から最後まで、全部に関われるんです。
僕はそれが楽しくて、ディレクターをやっているところがあります。
もちろん部分部分で見たら、お客さんがなかなか素材を送ってくれないとか、資料を書いても理解してもらえないとか、ちゃぶ台をひっくり返されて「なんだこれは」って言われることもある。
でも、僕らの指示に合わせて、クリエイティブの人たちが「こうしよう、ああしよう」って考えてくれる。これって結構、真面目にすごいことだと思うんですよ。
僕の指示が間違えたら、作るメンバーが作るものも全然変わってしまう。だからこそ、自分の責任はすごく重たい仕事をやっているとも言えるんですよね。
給料が上がらないなら、利益で語る材料を作る
おたよりの最後に、「そこまでやっているのに他の職域と給料が同じ、下手したら安いのはありえない」と書かれていました。
これは残念ながら、仕事の給料ってわかりやすく言うと生産性で決まるところがあるんですよね。
作業が多くて面倒でも、その仕事が結果的にどれぐらい利益を作れたのか、という観点は自分でも持たなきゃいけない。
見積もりも作れると書いてらっしゃるなら、お客様が納得してくれる見積もりはいくらなのか、何に納得してもらえるのか、それをディレクター自身が判断できるわけです。
そして僕が思うのは、仕事が正しく評価されているのは、リピートの依頼が来ることなんですよね。
見積もりを安くすれば、仕事は誰でも取れます。でも安かろう悪かろうでは困るし、安く取って作業量が膨れ上がったら、会社としては赤字ですからね。
会社にちゃんと利益が残って、お客様にとっても適正で、「あなたの進め方がいいよ」ってまた仕事をもらえる。これができてこそ、ディレクターの仕事だと僕は思っています。
だから給料を上げたいなら、会社に対して「これだけの収益を上げてますよね」と言える材料を、自分で作ればいいんです。
そのために見積もりをどうしよう、途中のプロジェクトマネジメントをどうしよう、と考えていく。無駄なことをやめて、クリエイティブのメンバーがクリエイティブに集中できる時間をできるだけ増やしていくわけです。
そう考えると、自分が何でも屋をやることで、クリエイティブの人たちは制作だけに集中できて、クオリティが上がって、お客さんに納得してもらえる。そういう循環を作ることもできるんですよね。
もちろん、お客さんが動いてくれないのをこっちが動いちゃうのはどうかな、と悩むところもあります。
でも物事をどう捉えるか、というところもあると思うんです。何でも屋になってしまうことは、あながち悪いことじゃないんじゃないかな、と僕は思っています。
利益をバンバン上げているのに給料が上がらない、というならそれはもう転職した方がいい。それはディレクターがどうこうという話じゃないですからね。
欲しかった答えじゃなかったかもしれませんけど、また聞いてみたいことがあれば、ぜひおハガキを送っていただければと思います。
まとめ
何でも屋になることは、ディレクターが最初から最後まで全部に関われるということでもあります。捉え方を変えれば、それは利益をコントロールできる強みにもなるんじゃないかと思っています。
- ディレクターは制作以外を全部やれるからこそ、案件の最初から最後まで関われる
- 見積もりを作れるなら、利益率も自分でコントロールできる
- 仕事が正しく評価されるのはリピートの依頼が来ること
- 何でも屋をやることで、クリエイティブの人が制作に集中できる循環も作れる






