好きじゃなかったと気づいて、辞めることにした
その便りをくれたのは、ラジオネーム万策尽きたさんという方でした。
Web制作を始めて8年目。今の仕事が終わったら辞めて、Web制作ではない仕事に転職することにした、と。
理由は、自分がこの仕事を実は好きではなかったと気づいたから、なんだそうです。
なんとなく周りもやっていて憧れもあった。ITという新しさにも惹かれて新卒で就いた。
それなりに頑張ってきたけど、最後の最後で頑張りきれない感じがずっとあった、とも書かれていました。
あるとき家で泣いてしまって、自分は何をしてきたんだろうと。この1年、適性を考え直したりジョブチェンジも考えたけど、足を洗うことにしたそうです。
正直に言うと、私はこの便りをもらって、とても嬉しかったんです。嬉しいと言っていいのかわからないんですけどね。
辞めるのが難しいのは、たぶんサンクコストのせい
Web制作って、ものづくりの仕事ですよね。
ものづくりには、どこかで自分の何かをそこにつぎ込まなきゃいけない、というところがあると思うんです。
でも、じゃあつぎ込まないとダメなのかというと、それはそれで違う。
ただ自分がいるコミュニティにそういう人が多いと、どうしても「そこまで自分がやらなきゃいけないのか」というフラストレーションが溜まってくる。
やってない、でもやらなきゃいけない感じもする、でもやれない。そんなところで、ぐるぐると袋小路に入ってしまうことはあると思います。
そして、なかなか「辞める」という選択肢は取りづらい。
これは、いわゆるサンクコスト ── すでに使ってしまって取り戻せない時間やお金のことの話だなと思うんです。
今まで頑張ってきたことを無にしてしまう、捨てられない。株を買ってどこかで損切りしなきゃいけないのに、今ここではできない、みたいな気持ちですよね。
その気持ちがあるから、道を変えるのはすごく難しいんだと思います。
それは逃げなんかじゃない、と私は思う
万策尽きたさんは、30歳になる年で全く新しい仕事に就くのに勇気が必要だった、自分が逃げたような気持ちもどこかにある、と書いていました。
でも私は、決して逃げたとかではなくていいと思うんです。
20代の頃に見つけた仕事が、自分にとって天職だったり、ずっとやりたいと思い続けられる仕事だったりすることって、実際そんなにないと思うんですよね。
それを考えると、30歳になって「これをやってみようかな」と思って別の道に行くのは、私は全然いいことだと思うし、応援もできます。
だから、逃げたんだと思わずに、正々堂々新しい道を歩んでほしいなと思うんです。
こっちがやりたくなったからこの仕事をしてるんだ、と胸を張ってくれたらいいなと。
世の中には、聞いたら2万種類くらい仕事があるらしいんですよね。その中のたった一つが合わなかっただけです。
ラジオは、いつ戻ってきてもいい場所でありたい
この番組を初回からずっと聴いてくれていた、勉強させてもらった、と書かれていて。
私はここで、パラパーと自分の好きなことを言ってるだけなので、そう言われるとちょっと面映いというか、恥ずかしい気持ちもあるんですけどね。
転職したら業界のことを思い出してしまうので、なかなか聞けなくなる気がする、とも書いてありました。
でも私にとってラジオという媒体は、しばらく聞かなくても、戻ってきたときに「ああ、この場所、この感じ」と思えるような空間だと思っているんです。
この番組も、できればそういう場でありたいなとずっと思っています。
だからまた聞けるようになったら、「今こんな仕事です、Web関係ないけど頑張ってます」なんて便りを送ってくれると、本当に嬉しいなと思うんです。
まとめ
好きじゃないと気づいて別の道を選ぶこと。それは逃げではなくて、自分の今の気持ちに正直になっただけだと、私は思っています。もし同じように迷っている人がいたら、正々堂々と次の道を歩んでほしいなと思います。
- Web制作を「好きじゃなかった」と気づいて辞める便りをもらって、私は素直に嬉しかった
- 辞めるのが難しいのは、今までの努力を捨てられないサンクコスト的な気持ちのせいだと思う
- 20代で天職に出会える人はそう多くない。30歳で道を変えるのは全然いいことだし、逃げではない
- ラジオは、いつ戻ってきても「この場所」と思える場でありたい






