雨とワールドカップの話から届いたお便り
この回は、洗濯が乾かない雨の日の雑談から始まります。吉田さんが天気の話、中さんがワールドカップで日本が敗れた話を振りますが、樋上さんの反応があっさりしていて掛け合いになりました。
もうちょっと拾うとかさ。
そんな流れのなか、樋上さんが今日はお便りが届いていることを伝えます。複数届いているうちの1つを選んで、この回で取り上げることになりました。
選ばれたのは、ラジオネーム「ごんぎつね」さんからのお便りです。内容は「子育てで大事にしていることは何ですか?」という、ざっくりとしつつ深いテーマでした。
子育てで大事にしていることは何ですか?
出演者3人にはそれぞれ子供がいます。中さんは高校1年生の娘、吉田さんは中学2年生と小学6年生、樋上さんは1歳の子供です。子育て歴の長さがそれぞれ違うため、まずは一番長い中さんから答えることになりました。
「子供も一人の人格」父親から言われた言葉
先輩パパの中さんがまず思い出したのは、自身の父親から言われた言葉でした。子育てが始まるタイミングで、子供への接し方についての考えを聞かされていたと振り返ります。
子供も一人の人格を持った人やから、ちゃんと人やと思って接しなあかんみたいなことをずっと親父が言ってた。
もう1つ中さんが大事にしているのは、自分の父親にされて嫌だったことをしない、という方針です。習い事のプールを嫌がっても無理やり連れて行かれた昭和の体験を挙げ、そうしたやり方は避けたいと話します。
中さんは、子供をコントロールしようとせず、どうしたいのかを本人に聞くことを心がけていると言います。嫌なことを押し付けず、本人の意思を確かめる接し方を大切にしているそうです。
どうしたいん?って聞くみたいな。結構そういうのは大事にしてるかもしれないですね。
吉田さんが大事にする「一体感」とチームとしての家族
続いて先輩ママの吉田さんが挙げたのは「一体感」です。中さんの「別の人格」という話に通じつつ、束縛ではなく、家族を一緒にいるチームとしてとらえる感覚だと説明します。
私はお母さんやけど、上司みたいな立場じゃなくて、同じこういう感じでいてるみたいなイメージ。
吉田さんは「お母さん」を役割としてとらえています。その役割とは未熟なところをサポートすることで、0歳や1歳ならほぼお母さんが出てくるものの、成長するにつれてできることが増えていくと話します。
現在、中学2年生と小学6年生の子供には、洗濯物を畳むといった家事を任せているそうです。吉田さんは仕事から帰って夜のご飯に全精力を向けたいため、細々したことは分担してもらうと言います。
チームとして美味しいご飯を食べたかったら、仕事は分担してくれと。
吉田さんが避けたいのは、上司と部下のように、片方が与え続け片方が受け続ける関係です。キャンプ場で父親だけが薪を割って動き、家族はスマホを見ているような、一体感のない光景を例に挙げます。
吉田さんは「やってあげたのに」という気持ちが出てくるのが嫌だと言います。だからこそ、旅行の企画も予算も、みんなで考えて共有する形にしているそうです。東京旅行では子供がアニメイトに行きたがっても、自分は近所でビールを飲んで待つといった分担をします。
みんなやりたいことを聞いて、方法を考えて、これでいいかって言って、いいって言うから、そういう感じにしている。
この話を聞いた中さんは、得意だから役割を担うという発想が、番組内で以前話していた考え方に通じると受け止めました。
得意やからその役割やりますっていうのが、まさに話してたような感じやね。
新米ママ樋上さんの「私だけしかできない、にしない」
最後は新米ママの樋上さんです。2人のしっかりした話を受けて、自分はまだ子育て1年目だと前置きしつつ、今大事にしていることを語ります。
樋上さんが徹底しているのは、私だけしかできない、という状況を作らないことです。今はお世話の多くを自分がやっているからこそ、自分が疲れたり体調を崩したりしたときに全部が壊れることを避けたいと言います。
私がしんどくなっちゃった時とか疲れたら、もう全部が壊れるなって思った。
そのため樋上さんは、自分以外の人がいるときは極力その人に動いてもらい、抱っこも自分以外の人にしてもらうよう、最初の段階から意識してきたと話します。渡されて自分でやってしまうと、離れられなくなるからです。
その結果、娘は樋上さんがいてもいなくてもご機嫌に過ごせるようになりました。人見知りもあまりしないそうですが、娘の性格なのか意識の成果なのかはわからないと、樋上さんは正直に付け加えます。
保育園に預けて気づいた「自分を持っておく」
樋上さんは、娘を保育園に預け始めてから、もう1つのことに気づいたと言います。育休中に一人の時間ができたとき、何をしたらいいかわからなくなったのです。
これはなんか娘に依存して、娘ベースで考えてたら自分を見失うわって思った。
子育て支援センターにも行けず、子供もいない空き時間に、樋上さんは「私、どこ行こう」とポカーンとしてしまったそうです。その空き時間に何をしたかったのかを、自分で思い出せなくなっていました。
この経験から樋上さんは、自分を持っておくことを意識するようになりました。自分が生きたいこと、やりたいことを叶えていける生活を送れるように、と考え始めたと話します。
1歳にしてもう気づいたんですね。早いな。
「自分じゃなくてもいい」は仕事にも通じる
この「自分じゃなくてもいいようにする」という話は、仕事にも通じると中さんが受け止めます。中さんは、自分でなければ、自分がいなければと考えて、業務を属人化させてしまう人が多いと指摘します。
自分の価値みたいなものを出したいと思うと、自分がいなきゃっていうのを置いときたいんで、属人化しちゃう。
吉田さんは、その背景には「自分の居場所がなくなる怖さ」があると分析します。子供に「お母さん」と呼ばれないと自分はダメだと思う人や、職場で名前を呼ばれないとダメだと感じる人がいる、というわけです。
一方で吉田さんは、実際には「誰でもいい」場面がほとんどだとも言います。冷静に考えれば、お母さんでなくてもいいことは意外と多い、と。
ママじゃなくてもいいこと実はめっちゃあるんですよ。よく冷静に考えたら。
ただし、どこか一点だけは「お母さんがいい」というポイントがあるようだと吉田さんは続けます。寝るときに隣はお母さんじゃないと嫌だ、といった子供ごとのポイントを知っておけば、あとは他の人でもいいのかもしれないと話します。
吉田さんは、これを仕事に置き換えます。全部を自分でやる必要はないけれど、「ここは中さんじゃないと」という一点があるかどうか。中さんは、それがないと自分が寂しい、関係がギクシャクするかもしれないと応じました。
夫と均等に分ける樋上家の役割分担
中さんは、どうしても奥さん側にやることが多くなるのが日本の形ではないか、と樋上さんに尋ねます。しかし樋上さんの答えは意外なものでした。
多くないです。
樋上さんの家では、夫と時短勤務かどうかを意識せずに役割を割り振っているそうです。朝は夫が保育園などの子供のことを全部担当し、夜も樋上さんがご飯をあげる一方で、お風呂と寝かしつけは夫がしています。
なんやったら、夫の方がやってるかもみたいな感じです。
樋上さんがこうしている理由は、自分がずっとやってしまうと、自分に何かあったときに夫が急にはできず困るからです。最初から役割として担ってもらうことで、どちらでも代われる状態にしています。
娘もこれはこの人しかやってくれへんっていうのはないと思うんですよ。
中さんは、この均等な役割分担を「マネジメントがしっかりしている」と評します。樋上さんは、夫が「俺は8時間働いている」といった不平不満を言ってこないから成り立っているのかもしれない、と補足しました。
話は先輩夫婦の家庭にも及びます。中さんは、妻が体調を崩して寝込んで初めて大変さを知ったと打ち明けます。一方で吉田さんの家では、体調を崩しても代わりに家事をやってもらえることは一切なく、寝込むと自分の仕事が溜まるだけだと言います。
体調不良になるだけ損なんで、ならないですよ。
自分だけの子育てにしないために
3人の話に共通していたのは、子育てを「自分だけのもの」にしないという姿勢でした。中さんは本人の意思を聞くこと、吉田さんはチームとしての一体感、樋上さんは自分がいなくても回る状態づくりを、それぞれ大事にしていました。
最後に吉田さんが、リスナーへの呼びかけで回を締めくくります。答えは一つではなく、身近な人と話し合うこと自体に意味があるという投げかけでした。
皆さんも子育てで大事にしていることを、周りの人と話してみてはいかがでしょうか。
まとめ
「子育てで大事にしていることは何ですか?」というお便りに、新米ママと先輩ママパパの3人がそれぞれの経験から答えました。3者3様でありながら、子育てを自分だけで抱え込まないという点が共通していました。
- 中さんは、子供を一人の人格として扱い、コントロールせず「どうしたいか」を本人に聞くことを大事にしている
- 吉田さんは、家族を上下ではなくチームととらえ、得意なことで役割を分担する「一体感」を重視している
- 樋上さんは、自分しかできない状況を作らず、自分が疲れても回るように周りにも子供と接してもらう工夫をしている
- 樋上さんは保育園に預けて「娘ベースで自分を見失う」ことに気づき、自分を持っておく意識を持ち始めた
- 「自分じゃなくてもいい」という考え方は、属人化しがちな仕事にも通じるという話に広がった





