Apple Podcastの特集に、なぜ「最弱」の2人が?
サイエントークの「人生史」は、科学の話ではなく出演者2人の人生の話をする不定期の回です。第1回のプロポーズの話から数えて、今回で29回目になります。
今回の人生史のテーマは、10月30日に発表されたApple Podcastの企画「Creators We Love ── Apple Podcastが各国で注目のポッドキャストクリエイターを選び、写真やインタビューとともに特集する企画」に、サイエントークが選ばれたことです。
レンさんは企画の紹介文を読み上げ、今最も注目すべきクリエイターを紹介し、その才能と魅力を称える企画だと説明します。2023年に始まり、アメリカやイギリス、中国などでも大々的に取り上げられてきた企画が、今回日本に上陸しました。
日本で選ばれたのは4組です。サイエントーク以外の3組について、レンさんは「すごすぎる」と表現しています。
| 番組 | 出演者 | 補足 |
|---|---|---|
| コテンラジオ | 深井さん、樋口さん、ヤンヤンさん | ポッドキャストアワード大賞受賞 |
| 味な副音声 Voice of Food | 平野紗季子さん | ポッドキャストアワード大賞受賞 |
| 限界突破ライフハック | 田中圭さん、けんすうさん | 撮影日は2人の直前に撮影 |
| サイエントーク | レンさん、エマさん | 顔を一部隠して撮影 |
(選ばれた中で)私ら最弱。
なんで選ばれてんのかよくわからないぐらいのなんかレベル感だけど。ありがたい、本当に。
これまでのサイエントークの写真は、ポッドキャストアワードの40人以上の集合写真に、マスク姿で顔の上半分だけ小さく写っている程度でした。今回は2人にとって初めての本格的な写真公開になります。
さらにレンさんによると、世界中で行われているこの企画で、顔出しをしていないのはサイエントークだけで、世界初のケースだそうです。そのためAppleのデザイナーの方々も、どう撮影するかを一緒に考えてくれたといいます。
目だけ出した写真と、上がりすぎた前髪
最終的に公開された写真は、カードで顔の下半分を隠し、目だけが写っている構図です。2人は事前に「目ならいいか、輪郭は嫌だな」と話し合っていました。
写真でレンさんがまず気にしているのは、自分の前髪が上がりすぎていることです。エマさんは今流行りの韓国風の、前髪がパカッと割れたスタイルだと言いますが、レンさんの認識は違います。
(パカッと割れてるっていうより)ぐわん、ぐわんって上がってるやつじゃん、前髪。
これ人生でね、こんなに前髪上げることないよね。
いやー、私も初めて連君がこういう髪型してるの見てマジで面白くて、めっちゃ写真撮ってた。
特集ページはiPhoneのApple Podcastだけでなく、ブラウザからも見られます。写真のほか、インタビューや、エディターがサイエントークを紹介する文章も公開されています。撮影の様子を収めた動画素材も、InstagramやXで公開する予定だと話されています。
20人以上が関わる、業界人だらけの東京スタジオ
撮影のため、2人は東京のスタジオを訪れました。結婚式の前撮りでメイクや借りた服での撮影は経験していたものの、今回は関わる人の数がまったく違ったといいます。
スタジオにいたのは、エマさんの体感では30人、話し合った結果「20人以上」ほどです。メイク担当もスタイリストも複数いて、Appleの担当者、カメラマン、編集担当らしい人もいました。
なんか場違いな場所に来てしまったみたいな。
でも、あ、なんか楽しいって思って。こんな経験したことないから。
周りの人たちは全員おしゃれで、いかにも業界人という雰囲気でした。レンさんは、大人が職業体験に来た「キッザニアみたい」だと表現し、自分たちは「されるがまま」だったと振り返ります。
「いい髪質」はお世辞だった?
撮影準備でいちばん時間がかかったのは、レンさんの髪型でした。セットしては崩し、またセットしては崩す、という繰り返しで、撮影途中にも「一旦レン君の髪の毛が」と直す時間が入ったほどです。
レンさんはこれまで美容室で「ちょうどいい癖毛ですね」と褒められ続け、自分の髪質はいいのだと信じてきました。ところがメイク担当の方の反応は違いました。
(美容室で)「いい髪質ですね」って言われましたってさ。
メイクの人は「扱いにくい。それはお世辞です」みたいな。
初めて本音言う人出てきたからね。俺結構ショックだったけどね。
レンさんの髪は天然パーマが強く、前髪を上げるのに向いていません。エマさんの説明によると、セットは次のような流れで進みました。
まっすぐに伸ばす
天然パーマの髪を、まず頑張ってまっすぐにする
アレンジする
カールをつけたり、オイルをつけたりして整える
何度も直す
撮影中も数センチのずれをメイク担当が直す
樹脂のように固まる
最後はおもちゃの髪型のようにカチカチになった
髪が1センチずれるだけでもメイク担当が入ってきて直す細かさに、エマさんは「こういう感じなんだ」と驚いたといいます。素人目には違いがわからなくても、レンさんはその細部の大切さを理解していました。
Appleの特集に使う写真だからこそ、デザインが重要で、素材である2人の髪が数センチ動くだけでも印象が変わる。レンさんはそこにプロのこだわりを見たと話しています。
一方のエマさんは直毛のため、メイクはしっかりしてもらったものの、髪はアイロンを当てる程度で「今の感じでいきましょう」とほとんど直されませんでした。エマさんは「逆に変身したかった」と少し残念そうです。
シャツインとお腹の修正リクエスト
撮影用の服は、2人それぞれに2パターンずつ用意されていました。プロデューサーのような立場の人が「こっちの方がいいですかね」と選んでくれた服で、2人の私服ではありません。
レンさんの服装は、茶色っぽいシャツと茶色っぽいズボンをベルトでまとめたシャツインスタイルでした。エマさんは「おしゃれ上級者じゃん」と評しますが、レンさん自身は最後にシャツインしたのがいつか思い出せないほどだといいます。
後日送られてきた写真を見て、レンさんはシャツインでお腹がふわっと見えるのが気になりました。
あんなに髪の毛細かく何センチかやってもらったのにさ、腹出てたらちょっと、それデザイン一番さ、損ねるじゃん。
レンさんはメールで修正を依頼しました。その際、自分だけお腹を気にしているのは恥ずかしいからと、「エマさんもお腹を気にしているので、2人とも修正をお願いします」という書き方で送ったことを、エマさんに暴露されています。
何百枚の撮影とポーズで筋肉痛に
着替えとセットが終わると、いよいよ撮影です。ポーズや画角を変えながら、撮った枚数は何百枚にもなりました。
顔出しをしていない2人でいいのかという懸念もありましたが、Apple側は快く「大丈夫です」と応じてくれました。撮影では紙のようなものを持って顔の下半分を隠し、そこに後から番組のアートワークのイラストを合成しています。
撮影中に繰り返し求められたのは「笑ってください」でした。楽しそうな写真にしたいという意図ですが、レンさんは笑顔が大の苦手です。
カメラマンがずっと「はい笑って、はい笑って」ってずっと俺に対して言ってくるのね。
あやされる赤ちゃんみたいな感じ。
それでも、数百枚撮られたことで、レンさんは笑顔が少し得意になった気がするといいます。ただ仕上がった写真では顔の下半分が隠れているため、本当は全力で笑っていることは「想像で補ってください」とのことです。
ポーズも想像以上にきついものでした。片足を上げる、重心を前にする、手の角度を変えるなど、カメラマンからの細かな指示に、ジョジョのような躍動感のあるポーズまでありました。撮影後、レンさんは足と顔が筋肉痛のように痛くなったそうです。
撮った写真はその場で大きな確認用モニターに映され、何人もで「これいいね」と検討していきます。エマさんは結婚式の前撮りとは違う、モデルの撮影現場のようだったと振り返ります。撮影は合計で2〜3時間ほどでした。
スタッフの方々は、日本で初めての取り組みをとても楽しみにしていると話していて、2人はこれだけ多くの人が関わっていることをありがたく感じたといいます。
けんすうさんとレンさんは兄弟?そっくり問題
2人の撮影の直前には、限界突破ライフハックのけんすうさんと田中圭さんが撮影していました。レンさんにとって田中さんとは初対面でしたが、「イギリスから帰ってきたんですね」と話しかけてもらえたのが嬉しかったといいます。
この日の大きな発見が、けんすうさんとレンさんが似ている問題です。モニターに映ったけんすうさんたちの写真を見て「なんか似てね?」となり、一度そう思うと、エマさんにはけんすうさんがレンさんにしか見えなくなりました。
これ髪型一緒だったら多分ね、もう本当に双子というか兄弟みたいな。
レンさん自身も、3月にTBSで開かれたポッドキャストフェスティバルでけんすうさんのステージを見たとき、目元が少し似ていると感じていたそうです。
エマさんにとって、けんすうさんは実業家として有名な「雲の上の人」でした。ところがレンさんと似ていると気づいてから、印象が変わったといいます。
(けんすうさんが)ちょっと可愛らしいように見えた。
畏れ多い、失礼かもしれないけど。ちょっとなんか、愛らしいなみたいな。
ただし声はまったく違い、レンさんは顔のわりに声が低いと言われるタイプです。エマさんは、レンさんがふだん癖毛で前髪を分けていないから気づかなかっただけで、撮影で前髪が割れたことで似ていることがわかったのではないかと話しています。
顔出ししないスタイルは日本的?
2人はポッドキャスト関連のイベントには顔を出して参加していますが、ネット上に出る写真では顔を隠す方針です。レンさんは、声だけで認識してもらえればいいと考えています。
最近は顔を出す人のほうが増えているなかで、撮影現場のスタッフとの会話では、顔を出さずに活動するのは日本的なカルチャーだという話が出たといいます。
有名なアーティストは、顔出ししていない人があまり思い浮かばない
Adoさん、ずっと真夜中でいいのに、ヨルシカなど、顔を出さずに活動するアーティストやVTuberの文化がある
それなんか日本っぽくていいんじゃない?みたいな。
レンさんは、顔を前面に出したほうがいいと考える人の考えも理解したうえで、ポッドキャストは顔を出さなくても届けられると話します。
一方で、ビデオポッドキャスト用に作ったパペットを撮影現場に持ち込み、一緒に撮ってもらうこともしました。メインの写真にパペットを使えるか聞いたところそれはNGで、おまけとして撮影してもらったそうです。
サイエントークは半分ちょっとがApple Podcastで聴かれていて、最も多いプラットフォームです。だからこそ今回の企画に参加できたのが嬉しく、これをきっかけに番組を知る人が増えればと2人は話しています。
日本科学未来館で南極ブリザードを2回体験
撮影で東京へ行ったついでに、2人は日本科学未来館へ遊びに行きました。3月に中尾さんとポッドキャストを収録した縁で「また来てください」と言われていて、今回は純粋に遊びに行ったそうです。未来館は半年ほど休館に入っています。
館内は夏休みシーズンで子ども連れが多く、とても混んでいました。老化を体験する「老いパーク」では、高齢者がショッピングカートを押して買い物に行く大変さを足踏みで体験する展示に行列ができ、レンさんは「みんなおじいちゃんおばあちゃんになりたがってる列」と表現しています。
1階の南極特集では、1メートル進むのも大変なほどの人出のなか、南極の氷に触れてきました。エマさんがいちばん記憶に残っているのは、ブリザードの体験展示です。
ブリザード体験は、周囲360度に映像が流れる空間の廊下を歩くものです。廊下自体は揺れていないのに、周りの映像が激しく揺れることで自分が揺れているように感じ、めまいがするほどでした。衝撃的だったため、2人は2回体験しています。
1000パターン超えの新刊タイトル会議と11月の予定
東京滞在中には、エマさんの家族との食事や、2人の本の編集者との打ち合わせもありました。打ち合わせは2〜3時間、ずっとタイトルについての話し合いでした。
待ち合わせてメニューを頼む前からタイトルの話を始めてしまい、店員さんに「頼んでください」と言われるほど夢中になっていたそうです。エマさんによると、考えたタイトルは1000パターン以上にのぼります。
僕が考えうる最高のね、やっぱ科学の本になってると思う、これは。
本の詳細はまだ確定していませんが、11月中旬には何かしら発表できる見込みで、予約開始の際にはリスナーの助けが必要だと呼びかけています。11月はほかにも予定が目白押しです。
11月13日、Apple丸の内のイベントへ
11月13日には、日本初の「Creators We Love」キャンペーンの一環として、Apple丸の内でイベント「トップクリエイターとライブで体感するPodcastの世界」が開かれます。
イベントに登壇するのは、限界突破ライフハックとコテンラジオの2番組から、田中圭さん、けんすうさん、樋口聖典さん、ようえいしさんの4名です。夕方5時半開場、6時開演の夜のイベントで、無料ですが先着順だと説明されています。
レンさんは登壇はしないものの、参加していろいろな人と話してくる予定です。いつか自分たちもこうしたイベントで話してみたいと語ります。
僕たちね、これCreatorsWeLove選んでもらったけどね、個人ポッドキャスターなんで。頑張んなきゃって思ってる。
なお、この回は時事性があるため、北山さんと川原先生のコラボ回の前編と後編の間に割り込む形で配信されています。次回はそのコラボ回の後編が公開される予定です。
まとめ
Apple Podcastの「Creators We Love」に選ばれたサイエントークの2人は、顔出しをしないまま世界初の形で撮影に臨みました。20人以上のプロが関わる現場で、髪型や服の細部にまでこだわる仕事を体感し、顔を出さずに声で届けるスタイルを改めて見つめ直す回になっています。
- Apple Podcastの特集で、顔を出さずに撮影したのは世界でもサイエントークが初めて
- レンさんの天然パーマは「扱いにくい」と言われ、セットを繰り返して樹脂のように固まった
- 撮影の前後に見たけんすうさんとレンさんがそっくりだという発見があった
- 顔を出さずに活動するのは日本的な文化だという見方から、声だけで届けるスタイルを続ける
- 11月は新刊の発表、トリビアワードの公開、Apple丸の内のイベントなど予定が続く





