気を使われて縮まらない距離というモヤモヤ
この回で取り上げるのは、新入社員から寄せられた悩みです。6月や7月は初任配属の時期で、配属先で戸惑う声が届きやすいといいます。
せいちゃんが読み上げたのは、次のような内容でした。
お昼や飲み会で先輩方に気を使っていただくことも多く、丁寧に接されています。ありがたい反面、もっと仲良くなりたいし、いじってもらっても全然いいのにと思ってしまいます。
気遣いはありがたいけれど、その丁寧さが逆に距離を生んでいる、というモヤモヤです。せいちゃんは「気遣いの時代ですからね」と共感します。
プライベートに踏み込む判断を背負う先輩
相方は、この悩みを先輩側の事情から整理します。飲み会やランチは就業時間外で、本来は勤務につけてはいけない時間です。
そこにプライベートと仕事が入り混じり、先輩は「どこまで踏み込んでいいのか」という判断を背負うことになる、と話します。
絶対、会議中や執務室ではそんな会話しないんだけど、趣味何やってるの、とか、彼女いるの、ぐらいは聞いちゃうんじゃないでしょうか、人は。
これに対してせいちゃんは、趣味はいいとしても、彼女がいる前提で聞くのはよくないのでは、とブレーキをかけます。相方も「よくない」と認めつつ、相談者が求めているのは、そこに一歩踏み込んでもらえる関係性なのではないか、と読み解きます。
待つのではなく自分から言う「自己開示」
そこで2人は、いつもの「話しかけキット集」のように、踏み込みやすくするステップを考えます。最初のステップは「自ら言う」ことでした。
プライベートな話を暴露するときは、話しかけられるのを待つのではなく、自ら言おう。
これがいわゆる自己開示です。いきなり「彼女がいるんです」と切り出すのは不自然なので、会話の流れに乗せる形が自然だと相方は言います。
僕の彼女も言ってたんですけど。
この一言があれば、相手は「彼女いるんだ、大学時代から付き合ってるの」と自然に踏み込める。話題が解禁される感覚です。
会話は鏡。開示がシグナルになる
せいちゃんは、以前AIに会話の噛み合わなさを相談したときのエピソードを紹介します。返ってきたのは「会話は鏡」という助言でした。
お互いがこの人に対してはここまでは打ち明けられそう、と思う線引きはかなり相対的なものだから、そのシグナルがないとそうならないよ、とAIの方に言われた。
どこまで踏み込めるかは相手ごとに変わる相対的なものなので、自分から出すシグナルがなければ関係は深まりにくい、というわけです。
だからこそ、相方は「新入社員の方に頑張ってもらいたい」と言います。申し訳ないが、と前置きしつつも、開示の一歩は本人からのほうが動きやすい、という考えです。
自己開示は境界線をコントロールする道具
ここで話は、自己開示のもう一つの側面に及びます。自分から話題を出すことは、踏み込まれたくない範囲を自分で決めることにもなる、という発見です。
先輩とプライベートの話もしたいとはいえ、例えばここまで踏み込んだ話はされたくないよ、という時に、自分でコントロールできそうですよね。
自己開示というのは、ここまでOKよ、という範疇を定める儀式でもあるということなわけだ。
親密さのためだけでなく、境界線を引く手段としても自己開示が使える。だからこそ、新入社員こそ活用すべきではないか、と2人は考えます。
フォーマルな趣味では話しかけてもらえない
関連して、相方は最近よくある自己紹介プロフィールの話に触れます。趣味やペットの写真など、半歩だけプライベートに踏み込んだ内容が取り交わされる場面です。
ただし、仕事の場での発表は仕事の一環になるため、当たり障りのない趣味しか言えない、という問題があります。
ペットが好きで猫が好きで、猫派なんだ、種類は、というところから、お互いを知るための有益な情報交換まで発展しそうにないじゃないですか。
相方が欲しいのは、その人だけのマニアックな一面です。むしろ少し変わった趣味を出しておいたほうが、先輩からも話しかけやすくなる、とせいちゃんも同意します。
後半は「猫と言っていたのは彼氏のことだった」といった冗談も飛び出し、逆にセクハラでは、と笑いも交えつつ、話は進みます。
気楽にやろう、という着地
最後に相方は、逆のパターンも考えます。先輩の側から先に開示して、相手に「ここまでOK」の話題を振ってもらう手もあるのでは、という問いです。
踏み込むために、新入社員に一歩ここまでOKよ、という話題を振ってもらうために、こちらが先に開示しちゃうっていうのは。
せいちゃんは「内容次第」としつつ、趣味などなら逆方向もありうる、と答えます。自分の話や、少し自分を下げるような悩みなら切り出しやすい、という具体例も出ました。
結論として、新入社員のほうから少し開示してもらえると、先輩も踏み込みやすくなり距離が縮まりやすい、という方向でまとまります。
どんどん喋っていけば仲良くなりそうな気はするので、気楽にやりましょう。
まとめ
気を使われて距離が縮まらないという悩みに対し、2人がたどり着いたのは「自己開示」という一手でした。それは仲良くなるためだけでなく、踏み込まれたい範囲を自分で決める道具にもなる、という捉え直しです。
- 飲み会やランチは、プライベートと仕事が入り混じり、先輩が踏み込みの判断を背負う時間になっている
- 自己開示は話しかけられるのを待たず、会話の流れに乗せて自分から出すのがコツ
- 会話は鏡で、自分からシグナルを出さないと相手も踏み込みにくい
- 自己開示は「ここまでOK」という境界線を自分で引くコントロール手段にもなる
- 当たり障りない趣味より、少しマニアックな一面を見せたほうが話しかけてもらいやすい




