高市総理が「大至急のお願い」、何が起きたのか?
2026年10月23日の放送で、ヒラちゃんが取り上げたのは、AIが世界中のウェブサイトに関係する非常に深刻なセキュリティ上の弱点を発見したというニュースです。
このセキュリティ上の弱点は、いわゆる脆弱性 ── ソフトウェアやシステムに潜む、攻撃者に悪用されうる欠陥や弱点のこと。放置すると情報漏えいや不正操作の原因になりますと呼ばれるものです。
ヒラちゃんによると、10月21日の夜には高市総理が自身のXで「大至急のお願いです」として、ウェブサイトの管理者に緊急対応を呼びかけました。
総理大臣がコンピューターの問題について、直接こういう呼びかけをね、するっていうのは本当に異例のことでしたよね。
安全を確保するためにウェブサイトを一時停止したところも多く、放送時点でも止まっているサイトをちらほら見かけるといいます。
世間では「世界中のサイトが危ないのか」「個人情報が盗まれるのでは」「AIがそんな危険なことを見つけて大丈夫なのか」と騒がれており、ヒラちゃんも実際に怖い話だったと認めています。
それでもヒラちゃんは、このニュースを見て違う受け止め方をしたと話します。
でもですね、私はこのニュースを見てちょっと違うかなと思ったんですね。
(このニュースは)むしろ良いニュースだったのではないでしょうか、というふうに思ったわけでございます。
ただし、対応に追われたエンジニアの方々には「本当にお疲れ様でした」と伝えたい、という気持ちも添えています。
文系にとって「PHP」はPHP文庫?
ニュースを深掘りする前に、ヒラちゃんは自分が元々文系だと明かします。AIを教えている立場ながら、本が好きなので自分は文系だと思っているそうです。
そのため、ヒラちゃんにとって「PHP」と言われてもピンとこず、「なんか大変なことが起きている、PHPがやばいらしい」というイメージだったといいます。同じように感じている人は多いのでは、とヒラちゃんは考えています。
で、ちなみにPHPって言ったら、我々からすると思い浮かぶのはPHP文庫さんですよね。
ヒラちゃんによると、PHP文芸文庫の公式アカウントは「世間でPHPが話題ですが、弊社なんと全然関係がありません」と発信していました。
さらにPHP文芸文庫の公式アカウントは、プログラミング言語のPHPが生まれる半世紀弱前からPHPを名乗っている「活字で生きる会社」だとつぶやいており、ヒラちゃんも「すごいですね」と感心しています。
10年以上前からあった欠陥がなぜ今騒ぎに
今回見つかったのは、PHP ── ウェブサイトの裏側でページを動的に生成するのによく使われるプログラミング言語。多くのブログやウェブサービスで採用されていますという、世界中のウェブサイトで広く使われている技術の脆弱性です。
ヒラちゃんは、PHPを「ウェブサイトの裏側で動いている仕組みの一つ」と説明し、その仕組みに非常に深刻な問題が見つかったと伝えています。
驚くことに、問題の原因となるコードは10年以上前から存在していたそうです。最近誰かが新しく作った危険ではなく、ずっと前からあったものだといいます。
ただし、その弱点を使って実際に攻撃するには、ものすごく複雑な手順が必要でした。今回はAIを使った研究によって、その攻撃方法まで明らかになったとヒラちゃんは説明します。
では、10年以上前からあった欠陥がなぜ今になって大騒ぎになっているのか。ヒラちゃんはこの疑問を、建物にたとえて説明しています。
ずっとあった欠陥
ある建物に前から欠陥があったが、誰にも見つかっていなかった
AIを使った調査
ある日、AIを使って調査した専門家が欠陥を発見した
侵入の可能性
その欠陥を利用すれば、建物の中に侵入できる可能性まで分かった
急いで修理
建物の管理者が急いで修理する。いまネットで起きているのはこれに近い
実際に10月21日には修正プログラム ── 見つかった欠陥をふさぐために配布されるソフトウェアの更新。パッチとも呼ばれ、適用することで既知の攻撃を防げますが公開され、世界中の管理者が対応を急いでいるといいます。
攻撃は始まっていた、それでもAIが先に見つけた意味
ヒラちゃんによると、Amazonの調査では、修正プログラム公開前の10月17日にはすでに攻撃を試みた形跡が確認されていました。管理者が慌てているのには、実際に攻撃が始まっていたという理由があります。
それでもヒラちゃんは、AIが発見してくれてよかったのではないかと考えています。この回で一番話したいところだと前置きしたうえで、OpenAIの説明を紹介します。
ヒラちゃんによると、OpenAIは、把握している限りでは最先端のAIが攻撃者より先に脆弱性を発見したと説明しています。
OpenAIは、悪意のある人が先に気づいていなかったと言い切ってはいません。ただ少なくとも今回は、AIを使った研究者たちが問題を発見し、修正に向けて動いていたといいます。
研究者たちが発見した情報をただ公開するのではなく、約2ヶ月かけて関係者と協力しながら準備を進めていた点を、ヒラちゃんはすごく大切なことだと評価しています。悪意のある人に利用されていたらどうなっていたか、という話です。
ヒラちゃんが強調するのは、今回のニュースはAIが危険を生んだ話ではないという点です。
攻撃するAIと守るAI、これからどうなる?
今後についてヒラちゃんは、守るAIも進化していくのではないかと考えています。
もちろん心配もあります。AIの能力が上がれば、悪意のある人もAIを使って、これまで見つけられなかった弱点を発見できるかもしれません。攻撃の方法を考えるスピードも上がるだろうとヒラちゃんは話します。
でも逆に言えば、それ(AIで弱点を見つけること)は守る側にも同じことができるということなんです。
人間の専門家が時間をかけて調べ、問題が発見されてから対処する
AIが調査を手伝い、被害が出る前に問題を見つけて修正する
ヒラちゃんによると、OpenAIは今回のような重大な脆弱性が今後数ヶ月でさらに多く発見される可能性があるとしています。
この見通しを怖いと感じる人もいるかもしれません。それでもヒラちゃんは、見えていなかった危険が見えるようになったことには大きな価値があると考えています。
もちろん発見するだけでは意味がないです。見つけた問題を安全に報告して、修正して、実際に利用している人たちを守ると。
そこまでできて初めてAIの発見が社会の安全につながるというふうに思います。
悪意のある人がいる限り、攻撃するAIの進化は止まらないかもしれません。だからこそ守るAIの進歩が重要になる、とヒラちゃんは話します。
ヒラちゃんは、AIによって危険が増える未来だけでなく、AIによって今まで以上に危険を未然に防げる未来もあり、今回のニュースはその可能性を示した出来事だったのではないかと締めくくりました。
まとめ
AIがPHPの深刻な脆弱性を見つけたニュースは、高市総理の緊急呼びかけやサイト停止が相次ぐ騒動になりました。ヒラちゃんは、10年以上前からあった危険をAIが攻撃者より先に見つけたという点に注目し、守るAIの可能性を示す良いニュースとして受け止めています。
- 問題の原因となるコードは10年以上前から存在し、AIを使った研究で攻撃方法まで明らかになった
- 10月17日には攻撃の形跡があり、10月21日に修正プログラムが公開され世界中で対応が進んだ
- OpenAIは、把握している限りでは最先端のAIが攻撃者より先に脆弱性を発見したと説明している
- 攻撃するAIが進化するからこそ、発見・報告・修正までを担う守るAIの進歩が重要になる





