栗きんとんと月見バーガー、秋の限定メニューに惹かれるのはなぜ?
本題に入る前、桜林さんは収録前に寄ったコンビニの話から始めます。棚には栗のチョコレート「モンブランショコラ」をはじめ、栗や芋のお菓子が並んでいて、もう秋だったといいます。
私、秋は栗のお菓子を食べるのに忙しいんですよ。
桜林さんが特に好きなのは、蒸した栗を潰して砂糖だけで混ぜ、茶巾絞りにした栗きんとんです。お正月のおせちに入る栗きんとんとは別物で、岐阜で盛んなお菓子だと話します。
桜林さんによると、栗きんとんはお店ごとに配合や柔らかさが少しずつ違うため、同じ栗きんとんでもいろいろなお店で食べたくなるそうです。栗のパフェなども始まる秋は「栗活が忙しい」と笑います。
一方の中里さんは、この時期は「月見バーガー活動」が始まるといいます。一時期は各ハンバーガー店の月見メニューを食べ比べ、最近はケンタッキーの和風チキンカツの月見版を気に入っているそうです。桜林さんは、去年食べたモスの月見フォカッチャを挙げました。
結局卵が好きで、それを月見と言うと何か気分が盛り上がるみたいな。
栗は季節の食べ物、月見は卵という違いはあっても、二人は「この季節しかない」という限定感で盛り上がる点は同じだと話します。早く食べないとなくなってしまうという感覚が、食べ比べに駆り立てるようです。
門限を破り家を飛び出した娘。みかんさんからの相談
この回の「のろい」は「約束は守るべき」です。桜林さんが、高校2年生の娘を持つ母親、みかんさんからのお便りを読み上げます。
高校2年生の娘を持つ母です。私は約束は守るべきという呪いに取り憑かれています。娘が中学生の頃は門限やスマホの制限などルールを設けていました。
みかん さんから
高校になってからはスマホの制限を解除し、門限も緩めました。自由を手に入れた娘は遊んで帰ってくるのも0時前。スマホ利用時間もどんどん増えていき、このままでは危なっかしいのでルールを決めることにしました。
みかん さんから
その時は守っていたのですが、高校1年の冬から約4ヶ月海外留学へ行き、帰ってきてからは異国の地で一人で生きていける自信を持ったのか、自分は何でもできる、縛られたくない、ルールを撤回してほしいと申し出てきました。
みかん さんから
帰ってからはルールを設けず見守っていましたが、帰宅時間も遅くなる一方なので、電話や遊ぶ時間を制限しました。でも何回も破ります。その度喧嘩しても、なぜ高校生になってまで行動を干渉されないといけないのか、もう限界だと初めて家を出ていきました。
みかん さんから
主人が探して2時間ぐらいで帰ってきましたが、ルールを守らない娘を執拗に責めてしまいます。友達に相談すると、約束するから破られると腹が立つ、約束するのをやめて見守り信じてあげたら?と言われました。しかし、どこまで見守るのか、私自身もどうしていいかわかりません。
みかん さんから
学校や友達、彼氏のことなどは毎日いろいろ話してくれます。ルールの話し合いになると、お母さんは私のこと何もわかっていないと話を聞き入れません。ちなみに私は干渉しない親で育ちましたので、自由に遊び回っていました。自分の娘となると心配で仕方ありません。どのように伝えれば娘にうまく伝わるのでしょうか。
みかん さんから
みかんさんの相談には、ルールを緩めては締め直し、娘が反発するという変化の流れがあります。お便りに書かれた経緯を順に整理すると、次のようになります。
「どう伝えれば伝わるか」で締めくくられた相談の違和感
お便りを読み終えた二人がまず引っかかったのは、相談の締めくくりでした。「約束は守るべきという呪いに取り憑かれています」で始まったのに、最後は自分の呪いの解き方ではなく、娘への伝え方の質問になっています。
なんか伝え方が悪いだけで、何か伝え方を変えたら娘に伝わると思ってるのかな。
中里さんも、娘を変えようとしてさらに縛る方向は難しいと考えます。その点では、友達が言った「約束するのをやめて見守る」というアドバイスに近い立場です。
桜林さんは、4ヶ月の海外留学から生き生きと帰ってきた娘について「もう頼もしいよね。放っといていいよね」と話します。夜中に一人で出歩くような本当に危ないことへの心配は伝えていいとしつつ、この娘さんをルールで縛るのは無理だろうと見ています。
中里さんも、小学6年生ならともかく、高校2年生で海外留学まで経験した娘さんはしっかりしているはずだと応じます。桜林さんは、やりたいことがたくさんある子にとって、時間だけ制限されたらイライラするのは当然だと付け加えました。
罰則より信頼。娘が毎日話してくれることの意味
中里さんは、このお便りを読んでから調べ物をしたといいます。依存症の臨床でも、ルールや罰則で相手の行動を変えるのは難易度が高く、人とのつながりや信頼感から行動が変わっていくことがあるそうです。
そのうえで中里さんが注目したのは、娘さんが「縛られている」と反発しながらも、学校や友達、彼氏の話を毎日してくれている点です。中里さんは、この時点で母と娘の仲は良好なのではないかと見ています。
信用してなきゃ話さない。
話さないんで、高校2年生とかだと特に。
中里さんの提案は、まず娘さんを信頼して行動の自由をある程度認めることです。そのうえで、どうしても深夜12時を超えるのは心配だという点があれば、信頼を形成したあとに1つだけ調整する道もあると話します。
中里さんの話には、ルールで縛る関わり方から、信頼を土台に調整する関わり方への転換が含まれています。
時間を制限し、破れば責める。臨床でも行動を変える難易度が高いとされる
まず自由を認め信頼を結び、そのうえでどうしても心配な点を1つだけ相談する
大学生ならよくて高校生はダメ?「心配」は誰のためか
桜林さんは、高校を卒業して一人暮らしを始めた途端、昼夜逆転やゲーム三昧、ファストフードの食べすぎなど、反動のような生活をする人が多かったことを思い出します。親の目が届かない大学生なら許されて、高校生はダメというのは不思議だと話します。
見えなければそこまで心配しないけど、見えてると気になるから。
今までもほんと何百回もこのラジオでも言ってるけど、心配って自分の心配なんだよね。
中里さんも、みかんさんは特にそうだろうと同意します。桜林さんは、夜道の危険のような心配なら娘さんもわかってくれるはずだと考えます。一方で、何が心配なのかわからない時間の制限には反発されるだろうと話しました。
守れるルールを一緒に決める。高校2年生という年齢の壁
中里さんは、番組で何度か話してきた前提を改めて示します。ルールは基本的に守れるものを決めることが大前提で、みかんさんが決めたいルールではなく、娘さんと話し合って娘さんが守れるものをルールにすればよいといいます。
もう1つの前提は年齢です。中里さんは、高校2年生ともなれば縛りつけるのは難易度が高く、同級生の中にはほぼルールなしの子もいるだろうと話します。
桜林さんは、子どもの性格によっても違うと付け加えます。「うち門限10時なんだ、先に帰るね」と言えるのが楽な子もいれば、楽しすぎてそれができない子もいるからです。
うちは子供がビビリだったので、好きにしていいよって言っても言っても、なんか10時だと遅いかなとか、なんか11時になるけどいいかなみたいな。
桜林さんによると、それは自分がそう仕向けたわけではなく、もともとの子どもの性格だそうです。性格はコントロールできないうえ、無理やり約束を守らせると反動が怖いと話します。家を飛び出したのも、それくらい嫌だというアピールだと受け止めています。
守れないルールが生む嘘と「裏口ルール」
中里さんは、反動の延長として、親が許してくれないことが増えると子どもが親に隠れて行動するようになり、それがよくないと指摘します。そこで中里さんは、2つの状況を天秤にかけてほしいと投げかけます。
24時超えるんだけど連絡をしてきてくれて、あ、じゃあ車で迎えに行くねができる場合と、
24時過ぎになっても連絡も返ってこない、どこにいるかもわからないって状況になるのとで、どっちがいいかって言ったら最初の方がいいに決まってるじゃないですか。
24時を超えても連絡があり、親が車で迎えに行ける
ルールを破り続け、24時を過ぎても連絡がつかず居場所もわからない
中里さんは、家を出てしまったという今の状況は、隠し事が始まる手前まで来ている可能性があると見ています。
桜林さんは、専門学校時代の友人を思い出します。門限が厳しく、10時に帰るか泊まるかの二択だったため、夜中まで遊びたいときは「誰々ちゃんの家に泊まる」ことにしていたそうです。当時は意味がないと思っていたけれど、今回の話で腑に落ちたといいます。
守れないルールを設定してるが故に、娘さんが嘘ついちゃう。
そうそうそう。で、余計そっちの方がもっと心配だよね。
自由に育ったみかんさんは、なぜ心配が強いのか
中里さんにはもう1つ、わからない点がありました。厳しく育てられた親が子どもにも厳しくするのはわかるものの、みかんさん自身は干渉しない親のもとで自由に遊び回っていたからです。
中里さんは、もしかすると逆で、自由に遊んでいた結果、行きたい学校に行けなかったなどの後悔があり、もっと干渉してほしかったのかもしれないと推測します。ただ、楽しかったのなら娘にも同じようにしてあげたくなりそうだと首をかしげます。
元々でもこれはさ、みかんさんが心配が強い特性なんじゃない?
桜林さんは、みかんさんはもともと心配性だったからこそ、自由に育ってもそこまではっちゃけなかったのかもしれないと話します。そのうえで、心配性の母と「鉄砲玉のような娘さん」の組み合わせは不安を掻き立てやすいけれど、変えられないものだと見ています。
大学進学までは、あと1年ほどです。二人は、大学生になったらいいというのも1年でそれほど違うのかと疑問を投げかけます。一方で、受験勉強など先のことを考えずに遊んでいるなら気になるかもしれないと、別の心配がある可能性にも触れました。
18歳で成人。高校2年生の頃、二人はどうだった?
中里さんは、成人年齢が18歳になった今、高校生や大学生はほぼ大人だと話します。
成人ってそのもう当たり前に自我があり、もう人権があり、その子に主権があり、なんだコントロールできる存在ではもうなくなっているんですよね。
桜林さんは、高校2年生の頃の自分について、ある程度大人だと思っていたのに、お金を自由に使えず行動範囲も狭くてやきもきしていたと振り返ります。
中里さんはアルバイトをたくさんしていたため、高校1年生から自分のお金を自由に使えるようになり、自由になれた感覚や大人になれた感覚があったといいます。
中里さんの親は基本的に放置でしたが、バイト先の人と遊んで24時を過ぎ、電車で帰れなくなったときに連絡すると、文句も言わず車で迎えに来てくれたそうです。年に数回のことでも、中里さんはそれをよく覚えていて、今も感謝しているといいます。
桜林さんは、自分で働いて得たお金を何に使うか自分で決めることは、本当はとてもいい経験だと話します。二人とも、バイト禁止の学校があってもアルバイトはしたほうがいいという意見で一致しました。
伝えようとするほど逃げていく。放っておく難しさ
桜林さんは、結局は親の性格と子どもの性格の組み合わせだとしたうえで、相談の最後の問いに答えます。友人に「見守って」と言われても、それができれば苦労しないと感じているのだろうと理解を示しつつ、伝え方を工夫する方向には懐疑的です。
どのように伝えれば娘にうまく伝わるのでしょうかは無理だよ。その伝えようとすればするほど逃げてくんじゃないかな。
中里さんが示す方法は、まず「全て信じているから好きなようにやってみて」と任せて信頼を結ぶことです。そのうえで、何時以降に一人で帰ってくるのは怖いから連絡だけは入れて、というように、ギリギリ守れるラインをちょっとだけ伝えるというものです。
桜林さんは、何もかも我慢して何も言うなということではないと補足します。中里さんは、娘さんが「夜中に遊んで悪いことをしていると思われている」「信頼されていない」と感じているのではないかと推測します。「お母さんは私のこと何もわかっていない」という言葉も、そこから出ているのかもしれません。
桜林さんは、スマホを際限なく見て昼夜逆転するような状態が心配なのはわかるとしつつ、朝起きて学校に行くなどやることをやっているなら、眠かろうが疲れていようが娘の責任として任せる考え方を示します。
放っとくって大変だよね。難しいよね。
でもやった方がいいんだろうな。
まとめ
みかんさんの相談に対し、二人はルールを守らせる方法ではなく、娘さんを信頼して任せ、そのうえで本当に心配な点だけを守れる範囲で伝える関わり方を勧めました。親の「心配」が誰のためのものかを見直すことも、「約束は守るべき」という思い込みをほどく手がかりになりそうです。
- ルールや罰則で行動を変えるのは難しく、信頼関係が行動を変えるきっかけになる
- 娘が毎日いろいろ話してくれることは、親子関係が良好であるしるしと考えられる
- 守れないルールは嘘や隠し事を生み、かえって親の心配を大きくする
- ルールは親が決めたいものではなく、子どもと話し合って守れるものにする
- まず信じて任せ、夜道など本当に危ないことだけを最小限伝える





