AIと自動化は何が違う?
ウミノさんがこの回で伝えたのは、何でもかんでもAIにやらせる必要はないという考え方です。ウミノさん自身、一番好きなのはAIそのものではなく「自動化」だといいます。
AIも好きなんですけども、AIはその自動化を助けてくれる手段の一つとして好きみたいな感じです。なので、一番好きなのは自動化。
ウミノさんにとっての自動化の魅力は、自分の作業時間が短くなり、そのぶん他のことに時間を使えることです。そのためにAIを何でも使えばいいとは考えておらず、最初の頃はその違いをよくわかっていなかったと振り返っています。
マクロで済む処理にAIは要らない
AIを使わない自動化の例として、ウミノさんはExcelのマクロを挙げます。マクロやVBA ── Visual Basic for Applicationsの略。ExcelなどのOffice製品で、操作を自動化するプログラムを書くための言語ですはAIではなく、あらかじめ書かれた条件どおりに動くプログラムです。
例えばAをやったらBをするとか、そういうプログラムがもう最初に書かれていて、その条件に当てはまったらその動きをするというのがプログラムです。
「セルのここに何かを入れたらこうなる」といった処理は、AIでもできますが、AIでなくてもできます。ウミノさんは、そうした処理はAIに毎回やらせるより、AIにプログラムを作らせるほうが近道だと考えています。
理由はコストです。AIはトークンを消費するため、サブスクの範囲内でも利用が増えれば、20ドルのプランでは収まらず100ドルのプランへ上げることになります。やりたいことが増えるほど、使える量は足りなくなっていきます。
プログラムでできることはプログラムで自動化をする方がいいと思っています。
プログラムで実現できることは意外と多く、ウミノさんはGAS ── Google Apps Scriptの略。GoogleスプレッドシートやGmailなどの操作を自動化できる、Googleのプログラム実行環境ですも例に挙げています。
都度トークンを消費し、使うほど料金プランが上がりやすい
あらかじめ書かれた条件どおりに動き、決まった処理を繰り返せる
プログラムがAIを呼び出す仕組みとは
ウミノさんは、プログラムとAIを掛け合わせる方法も紹介しています。題材は、ウミノさん自身の音声配信ファイルの文字起こしです。
音声配信のM4Aファイルを決まったフォルダーに置くと、10分に1回ほどフォルダーを見に行くプログラムが新しいファイルに気づきます。そのファイルを、ローカルで動く音声文字起こしモデルのWhisper ── OpenAIが公開している音声認識モデル。自分のパソコン上で動かして文字起こしに使うこともできますに渡し、文字起こしを受け取る流れです。
ファイルを置く
音声配信のM4Aファイルをフォルダーに入れる
監視
プログラムが定期的にフォルダーを見に行き、新しいファイルを見つける
文字起こし
プログラムがWhisperなどのAIを呼び出して文字起こしを取得する
ウミノさんは、自分の理解のレベルでは「プログラムからWhisperを呼び出す」形になっていると話し、詳しくは違うかもしれないと断っています。
文字起こしには、Groq ── 高速なAI推論を提供するサービス。APIを通じて音声文字起こしなどを利用できますも使っています。ウミノさんはAPIキーを取得済みで、無料枠だけでかなりの量の文字起こしができるため愛用しているそうです。
Grok(Groq)の部分はAIだけど、Grok(Groq)を呼び出すプログラムはプログラムっていう感じですね。
毎回Claude Codeに文字起こしを頼むような使い方では、トークンがいくらあっても足りません。ウミノさんは、AIの出番を少しでも減らすことが大事だとまとめています。
Skillはどこまでプログラムに移せる?
ウミノさんは、AIツールで人気のSkillにも触れます。Skillは、AIを動かすための仕様書であり、基本的にはAIで動くものだといいます。
ただし、Pythonのプログラムを含むSkillもあるため、全部がAIというわけではないと補足しています。そのうえで、Skillの中身をいかにプログラムに移していけるかを考えるとよいという提案です。
その実践例が、ウミノさんがハマっているLINEスタンプ、LINE着せ替え、LINE絵文字の制作です。現在は、0円の日もあるものの、1日に2、300円ほど、多いと300円や400円を稼げるようになってきたといいます。
ただ、LINEスタンプや可愛い顔の絵文字は画像生成なので、どうしてもAI任せの部分が多くなります。一方でフォントを装飾するデコ文字は、パソコンのマシンスペックを使うような方法で作っているそうです。
LINE着せ替えのプログラム化で何が変わった?
ウミノさんは最近、LINE着せ替えをツールで作れるようになり、この工程をさらに自動化しようとしています。ウミノさんの着せ替えは、イラストだけのスタンプがあれば、そのイラストを再利用して作る方式です。
(着せ替えは)画像を当てはめるだけなんですよ。メニューとか。あとは、まあ背景とか。
メニューや背景、パスコード画面などに画像を当てはめるだけなら、プログラムにできます。そう考えてプログラム化してから数日が経ったところです。
課題も残っています。スタンプの保管場所がごちゃごちゃしているため、プログラムがイラストだけのフォルダを探せず、うまく動かないことがあり、ウミノさんは今も悩んでいると話しています。
それでも効果ははっきり出ています。プログラム化してから、Codexの使用量が激減しました。
200ドルのプランでも、週の1日目で週間制限を突破することが多かった
使用量がかなり残るようになり、100ドルのプランに戻せそうな見込み
これまでは着せ替え作るのに100ドル使ってたわけですよ。100ドルだよ。1万5000円も稼げてないしね。
ウミノさんは、プログラムでできることはプログラムで自動化し、AIのトークンを消費しないようにすることも大事だと締めくくっています。
着せ替えをまだ作ったことがない人に向けては、ウミノさんが使っていたマナミさんの着せ替え作成スキルのリンクが紹介されています。ウミノさんは1180円ほどで購入したそうです。
まとめ
ウミノさんの考えでは、AIは自動化のための手段の一つです。決まった処理はプログラムに任せ、AIは必要な部分だけで呼び出すことで、時間もコストも抑えられます。
- AIは手段、自動化は目的と考えると使い分けがしやすい
- マクロやGASなど、AIでなくてもできる処理はAIにプログラムを作らせるほうが効率的
- プログラムからWhisperやGroqを呼び出すように、プログラムとAIは組み合わせられる
- LINE着せ替え作りをプログラム化したことで、AIツールの使用量が大きく減った






