販売できる声と、自分用の声は何が違う?
ウミノさんはAI音声サービスのElevenLabsに自分の声を登録し、ほかのユーザーに使ってもらう形で販売を始めました。ElevenLabsは、AIボイスを作ったり、登録したり、販売したりできるサービスです。
ウミノさんは登録にあたり、スタジオでの収録方法などを細かく解説したリツトさんの教材を購入し、それを見ながら進めたといいます。教材がなくても登録はできるものの、最新の仕様は変わっていて、教材の一部と違う点もあるそうです。
ちょっとね、間違っている可能性もあるし、これから変わる可能性も十分にあります。本当にいろいろ変わっていて、結構ね、情報が錯綜してるんですよ。
そのうえでウミノさんが「おそらく間違いない」とするのが、声を販売するには月22ドル以上のクリエイタープランが必要だという点です。販売できる声はProfessionalVoiceClone ── ElevenLabsで、ある程度まとまった量の音声を学習させて作る高品質な声のクローン。略してPVCと呼ばれます、略してPVCと呼ばれる種類のものに限られます。
ElevenLabsで自分の声を自分で使うだけなら、インスタントボイスクローンでもかまいません。ElevenLabsで声を他人に使ってもらい収益にしたい場合は、PVCを作る必要があります。
自分で使うだけならこちらでもよい
販売して収益化できる。クリエイタープラン以上が必要で、3分〜2時間程度の綺麗な音声をもとに作る
PVCを作るには、3分から1時間、長ければ2時間ほどの綺麗な声の音声が必要だと説明されています。
自分に似ていなくても、日本語の自然さはダントツ
ウミノさんはPVCの素材として、このために収録した音声に、自身のポッドキャストの音声を加えて登録しました。ただ、出来上がった声については率直な感想を語っています。
ぶっちゃけね、私の声とは感じられない。なので、あんまりね、自分ではそんなに使いたくないなという感じではあるんですけれども。
一方でウミノさんは、ElevenLabsが出力する日本語の自然さを高く評価しています。Fish Audio、MiniMax、Geminiなども試したうえで、自然で美しい日本語ではElevenLabsが一番だったそうです。
一番自然で美しい日本語だなと思えるのはElevenLabがダントツでした。ただ、自分に似てるなと思ったのはFishAudioでしたね。
ウミノさんは「私が思ってるだけなので、他の人はどう思うのかわかんない」とも付け加えています。
PVCを自宅で収録する場合の機材について、ウミノさんは1万〜2万円ほどのマイクと音声収録ソフトがあれば十分だと話します。リツトさんの教材ではスタジオ収録やノイズ除去の方法も解説されていましたが、ウミノさんは難しく感じ、面倒くさがりなのでそこはスキップして登録したそうです。
半月で29.3ドル、誰が使ってくれたのか
肝心の収益について、ウミノさんは10月14日ごろに声を登録し、1か月経たないうちに29.3ドルを売り上げたと報告しています。ほぼ毎日のように、少しずつ売れているそうです。
ただしウミノさん自身も、この声を自分で使っています。29.3ドルのうち、半分ほどは自分の利用分かもしれないと考え、管理画面で内訳を確かめていきました。
ElevenLabsの管理画面の内訳では、ウェブサイト経由が約20ドル、API経由が8.44ドル、モバイルアプリ経由が1.1ドルでした。ウミノさんはモバイルアプリを使っておらず、自分の利用はほとんどAPI経由だと考えています。
私の分が8.44ドルだとしたら、20ドルぐらいは他の人から買ってもらったというか、使ってもらったみたいですね。すごい。びっくりです。
ウミノさんは、この収益がずっと続くとは限らないとしつつも、「とりあえず今月分はプラスになった」と受け止めています。
出金で気をつけたい銀行手数料
ElevenLabsの売上を受け取るときの注意点として、ウミノさんは銀行によって手数料がかかるらしい点を挙げます。ウミノさんは会社名義で登録しており、会社の口座はGMOあおぞらネット銀行しかありません。
そのため、ElevenLabsの決済を担うストライプ ── オンライン決済サービスStripeのこと。多くのWebサービスで支払いや送金の仕組みとして使われていますからの入金に、GMOあおぞらネット銀行でいくら手数料がかかるのかわからず、「ドキドキ」だといいます。三井住友銀行なら手数料なしで受け取れるらしいものの、会社名義で簡単に口座を作れるわけではありません。
3500円稼ぐってもさ、手数料3500円かかっちゃうね。意味ないですよね、本当に。
ウミノさんは、個人で受け取って確定申告する方法もありかと迷いつつ、収録時点では会社に紐付けたままにしているそうです。
ElevenLabsの支払い履歴の見方もよくわからない、とウミノさんは話します。履歴には10月18日に1133円を支払う予定の記録があり、ステータスが保留中になっているため、何らかの失敗が起きているのではないかと推測しています。
登録後は無料プランに落としてもいい?
ほかの人から教わった情報として、ウミノさんはElevenLabsのプラン変更について話します。声の登録には22ドルのクリエイタープランが必要ですが、登録後に無料プランへ落としても収益は受け取れるらしいそうです。
以前は、収益を受け取るには最低でもスターターなどの有料プランに入っている必要があったはずだといいます。ウミノさんは「変わったみたい」として、無料プランへの切り替えを考えています。
一方でElevenLabsの有料プランには、APIが使えるという利点もあります。ElevenLabsのAPIでは、TextToSpeech ── 文章をAI音声で読み上げる技術。略してTTSと呼ばれますによる読み上げや、その逆の文字起こしができます。さらにGPTのルナやソルなども使えるそうです。
ElevenLabsのAPIで画像生成まで使うには、99ドルのプロプラン以上が必要だといいます。ウミノさんは「99ドルはね、ちょっとないよね」と話し、そこまで上げる人は多くないだろうとみています。
クレジットの使い切りと、コスパで選ぶならFish Audio
ウミノさんはクリエイタープランで13万1000クレジットを受け取り、ElevenLabsの音声生成やGPTの利用で13万773クレジットを使って、ほぼ使い切ったそうです。
当初は11月13日にスタータープランへ下げるつもりでしたが、無料でも収益を受け取れるなら無料プランにしようと考えています。スタータープランは6ドル、日本円で1000円ほどで、3万クレジットもらえます。3万クレジットでは30分ほどのテキスト読み上げが使えるそうです。
| プラン | 料金 | 話に出た内容 |
|---|---|---|
| 無料プラン | 0ドル | 登録後に切り替えても収益は受け取れるらしい |
| スタータープラン | 6ドル | 3万クレジット、約30分の読み上げ |
| クリエイタープラン | 22ドル | PVCの作成・販売に必要。13万1000クレジット |
| プロプラン | 99ドル | APIでの画像生成が可能 |
普段の音声生成に使うツールとしては、ウミノさんはElevenLabsよりFish Audioのほうが値段が安いと感じています。ElevenLabsの優れたモデルであるV4は、やはり少し高いといいます。
そのためウミノさんは、コストパフォーマンスの面からFish Audioの最新モデルがちょうどいいと考えています。GeminiのAI音声については、芝居がかりすぎて使いづらいという評価でした。
(Geminiは)「舞台ですか?」みたいな感じ。「おお、ロミオ」みたいな。そんな感じの雰囲気なので、ちょっとねっていう感じです。
最後にウミノさんは、自分の声を売ってみたら30ドルほど稼げたと振り返ります。受け取るのに3年ぐらいかかるかもしれないと冗談めかしつつ、一応売れているという報告で締めくくりました。
まとめ
ElevenLabsでの声の販売は、自分に似ているかは別として、半月で約30ドルを売り上げる結果になりました。一方で、出金時の手数料や仕様の変更など、実際にやってみないとわからない点も多い体験談です。
- 声を販売するには、クリエイタープラン(22ドル)以上でPVCを作る必要がある
- ElevenLabsの日本語の自然さはダントツだが、ウミノさんは自分の声に似ているとは感じなかった
- 登録から約半月で29.3ドルを売り上げ、うち約20ドルは他のユーザーの利用とみられる
- 銀行によっては出金手数料がかかるらしく、口座選びに注意が必要
- 登録後は無料プランに落としても収益を受け取れるらしいが、仕様や情報は変わりやすい



