そもそも連休中に何が起きる?酪農家に休みはない
この日の配信は5月2日の金曜日。翌日からゴールデンウィークの連休が始まるタイミングです。
そんな中で届いたのが、「道路の混雑で餌屋さんや牛乳の集乳車の遅れってありますか?」という質問でした。
多くの人にとって連休は、遊びに行ったりゆっくり過ごせる特別な期間です。でも、酪農家にとってはちょっと事情が違います。
365日休みがない酪農家にとっては、物流が止まったり、工場の人手が少なくなったりすることもあるんですよね。
牛乳が普通にお休みの日もスーパーに並んでいるのは当たり前じゃない。この回は、その裏側にある物流の仕組みを教えてくれます。
牛の餌は365日切らせない──連休前の「満パン作戦」
まず気になるのが牛の餌です。牛の餌も365日切らしてはいけません。
牛の配合飼料は、トウモロコシや大豆などを混ぜたもので、タンクに入っています。これはほとんど飼料会社さんがトラックで運んでくれています。
問題は連休中の渋滞です。都市部や観光地が近い酪農家さんだと、トラックが渋滞に巻き込まれて、餌が遅れてしまうことがあります。
そこで、連休前にいつもの1.5倍ほどの量を届けてもらったり、タンクを満パンにしておく、という柔軟な対応をしてくれるそうです。
運送会社さんも、物流が止まる可能性を見越して早朝や夜間に動くなど、うまく調整してくれています。
本当にありがたいことですよ。そうやって対処してくださってたりします。
飼料会社さんからは、1ヶ月ほど前から「連休中のこの日とこの日が配送になりますが、飼料の減り方はどれくらいですか?」と事前に聞かれるとのこと。
その上で、この日にこれだけの牧草を、この日に配合を、という形で細かく計画を立てて対応しているんですね。
牛乳を止めない集乳車──タンクが満杯になると何が困る?
次は牛乳を運ぶ側の話です。搾った牛乳を工場に運ぶのが集乳車。道路で見かけるタンクローリーのような車です。
集乳車もゴールデンウィーク中、休まず動いてくれています。ここが止まったらどうしようもないからです。
渋滞の可能性があるので、集乳路線を変えたり、時間帯をずらしたりする酪農家さんや乳業メーカーさんもあります。
乳業メーカーの工場には、細かいスケジュールがあります。牛乳をパッキングした後に、コーヒー牛乳やフルーツ牛乳などの加工乳を作る、という段取りが決まっているんです。
24時間、夜中まで動いてる工場とかもあったりします。
ここで難しいのが、時間の遅れで予測が外れたときです。タンクが満杯になると、次の牧場の牛乳が入ってこられなくなってしまいます。
そうならないよう、ピストンで動かしたり、いっぱいになった乳業会社の分を別の会社に運んだり、といった調整をすべてやってくれています。
学校給食とか止まったりするので、そういうところでバランス取ったりとかもしてたりしますね。
連休中は学校給食の消費がなくなります。それだけで需給のバランスが崩れるところを、長年の経験でうまく乗り切っているそうです。スーパーも倉庫で在庫を受け入れるなど対応してくれています。
酪農家自身ができること──業界全体で連休を乗り越える
では、酪農家自身は何をしているのでしょうか。
一つは、連休前に自分のところの牧草倉庫をなるべく満パンにして、餌の遅れが出ないようにすることです。
もう一つは集乳への協力です。「搾乳時間を早くしてください」「少し遅くなります」といった集乳車側の都合に、酪農家が合わせることもあります。
飼料会社、運送会社、集乳車の運転手さん、工場の職員さん、スーパー、そして酪農家。たくさんの人のリレーがつながって、連休中も牛乳が店頭に並んでいるんですね。
だからこそ川上さんは、ゴールデンウィーク中も牛乳や乳製品をたくさん食べてほしいと話しています。
連休はどこへ?牧場に行くなら防疫だけは忘れずに
最後はリスナーへの語りかけです。皆さんは連休、どこに行かれるんでしょうか、と川上さん。
以前の配信で「牧場に近づかないでください」と話したこともあり、観光牧場にお子さんと行きたい人にとっては複雑なところですよね。
しっかり防疫していただいたら、消毒マットとか手洗い場とかちゃんとありますんで、そういうところでちゃんと洗ってもらったら全然大丈夫ですね。
連休は田んぼに行くという声も。農家さんにとってはまさに農繁期で、大変な時期です。暑くなりそうなので、熱中症対策にはぜひ牛乳を、とのことでした。
ちなみに川上牧場は、まだ出雲空港のタクシーでは通じないくらい、ひっそりやりたい気持ちもあるそう。出雲大社に来た際に、そっと寄ってみるのがちょうどいいのかもしれませんね。
まとめ
連休中も牛乳がスーパーに並ぶのは、飼料会社から酪農家、集乳車、工場、スーパーまで、たくさんの人が渋滞や消費の変化を見越して連携しているからでした。当たり前の一杯の裏にある物流のリレーが見えてくる回です。
- 酪農家に休みはなく、餌も牛乳も365日止められない
- 連休の渋滞に備え、飼料は連休前に多めに届けてタンクを満パンにしておく
- 集乳の遅れでタンクが満杯になると次の牧場の牛乳が入れられなくなるため、路線変更やピストン輸送で調整している
- 学校給食が止まると需給バランスが崩れるが、長年の経験で乗り切っている
- 連休も牛乳が並ぶのは業界全体のリレーのおかげ。牧場に行くときは防疫だけは忘れずに




