今日はどんな一日?土曜の牧場のようす
この日は5月3日の土曜日。天気は晴れのち雨で、午後から雨が降りそうな見込みでした。最高気温もそこまで高くなく、そんなに暑くも寒くもない一日です。
土曜日の定番のお仕事は、育成舎の掃除です。それに加えて、堆肥の注文が入っているので、それを運ぶ予定だと話されています。
一度では運びきれない量を頼まれているので、ぼちぼち運んでいくとのこと。前日に子牛も生まれたので、ミルクをあげたり手当てをしたりといった世話もあります。
そんな朝のなか、この日の配信テーマは前日に届いた質問。新しい牛の開発をやっているのかという内容に答えていく回です。
そもそも「中央畜産会」ってどんな組織?
質問は配信アプリのSpoonから届いたもの。「酪農家さんは中央畜産会と共同で、新牛種の改良を行うことはあるのでしょうか?」という内容です。
質問をくれたのは、いつも聞いてくれている、農業関係の学校にも通っていた方。今も農業の法人で働いているそうで、少し専門的な話になります。
川上さんはまず、そもそも中央畜産会とはどんな組織なのか、というところから話し始めます。
中央畜産会は、牛でいえば種雄牛の選抜育成、遺伝評価システムの運用、乳量や乳質、繁殖性、全国の改良目標づくりなどに深く関わっている、と説明されています。
現場の酪農家は、品種改良にどう関わっている?
では、川上さんのような酪農家は、この改良にどう関わっているのでしょうか。答えは「データの提供者」としての役割です。
日々の乳量、乳質、繁殖のデータを提供することが、とても大事な役割になっているといいます。ここで出てくるのが牛群検定です。
牛群検定の成績によって、どの種雄牛の子が優秀だったかを評価できるようになります。つまり、現場の酪農家のデータが改良の方向性を決めているというわけです。
話題のクロスブリーディングとは?三元交配の実験
中央畜産会でも種雄牛の研究はされているかもしれませんが、大きくニュースになるようなものは、川上さんの記憶ではあまりなかったそう。暑さに強いスリック遺伝子を海外から日本に入れて効果を調べる、といった取り組みは行われているようです。
一方で、ニュース記事としてよく出てくるのが北海道のホクレン。訓子府農場でクロスブリーディングという取り組みが行われている、と紹介されています。
ここで行われているのは、乳量の多いホルスタインと、モンベリアードという品種の掛け合わせです。
ホルスタイン
乳量の多さが強み
モンベリアード
乳質や健康面で優れている
掛け合わせ
両方の強みを持つ子牛を目指す
さらに、ホルスタインとモンベリアードにカナディアンエア社を加えた三元交配も進めているそうです。すでに初産が生まれてから2〜3年ほど経ち、生涯乳量まで出始めているといいます。
個人的には、ホルスタインの品種改良はゲノムを調べてどんどん進んでいるので、そっちで健康面も改良したほうが早いんじゃないかなと思ったりします。
ただ、多様性という面では、こういうクロスブリーディングを活用して日本の生産性が高くなっていけばいいのかな、とも思います。
暑くなる日本に合う牛は?ラクダの話まで
これから日本は暑くなっていくので、ホルスタインではなく、暑さに強い品種のほうが向いてくるかもしれない、と川上さんは話します。地球温暖化の影響かはわからないものの、平均気温は上がってきているからです。
話は思わぬ方向へ。「ラクダを飼え」という声も出てきます。インドあたりでラクダの品種改良が進んでいるらしく、ラクダのお乳には免疫機能を高める成分が入っているとのこと。
今後どうなるかはわからないけれど、いろんなところで新しい牛の研究がポツポツ行われている、というのが今回の答えです。
牛乳の日へ。ハッシュタグ、統一してほしい問題
話題は来月6月1日の牛乳の日へ。InstagramとXで「牛乳で歌おう」企画をやっていく予定だと紹介されています。2年前から続けている企画です。
投稿につけるハッシュタグもいろいろ。並べてみると、けっこうな数があります。
- 土日ミルク
- ワールドミルクデイ
- 牛乳でスマイルプロジェクト
- ハッピーカウ
- 牛乳料理部
ただ、ハッシュタグをつけすぎるとスパム扱いされてしまうという話もあり、悩ましいところ。川上さんは「ワールドミルクデイだけでいいんじゃないか」と、統一してほしい気持ちをのぞかせます。
最後は、ゴールデンウィーク中の牛乳の需給の話も。学校給食がないと牛乳の需給がひっ迫することもあるので、しっかり飲んでほしいと呼びかけて締めくくられました。
まとめ
今回は、中央畜産会と酪農家の関わりから、新しい牛づくりの裏側までをやさしく解説する回でした。派手な新種のニュースは少なくても、現場のデータや交配の研究が、これからの日本の酪農を少しずつ形づくっているんですね。
- 中央畜産会は、種雄牛の選抜育成や遺伝評価などに関わる公益法人
- 酪農家は牛群検定などのデータ提供者として、改良の方向性を支えている
- ホクレン訓子府農場では、ホルスタインとモンベリアードなどのクロスブリーディングが進行中
- 暑くなる日本に向けて、暑さに強い品種の研究も各地で行われている
- 6月1日の牛乳の日に向けて「牛乳で歌おう」企画を実施予定




