そもそも牛は暑さに弱い? その意外な理由
リスナーのアクアポリンさんから届いたのは、「最近暑いですが、牛さんも熱中症になりますか?」という質問でした。
川上さんの答えははっきりしていて、牛さんは熱中症に本当になりますとのこと。むしろ人間よりも大変だと話されています。
理由は、乳牛のルーツにあります。ホルスタイン種はもともとオランダやドイツなど、ヨーロッパの寒冷地が原産地なので、暑さにめっぽう弱いんですね。
ホルスタイン種はもうその寒冷地由来の出身なので、暑熱ストレスに本当に弱いです。
夏バテした牛にはどんな症状が出るの?
暑くなると、牛にはいくつかの症状が現れます。まずは呼吸が荒くなること。ハアハアと苦しそうにする牛が、目の前にも実際にいるそうです。
さらによだれを垂らし、餌も食べなくなります。人間と同じで、暑いと食欲が落ちるんですね。
餌を食べないので乳量が落ち、栄養も足りなくなります。暑さがきついと立ち上がるのもだるそうにして、フラフラすることもあるそう。
末期になると、まさに熱中症の状態。人間が救急車で運ばれて点滴を打つように、牛も体を冷やしたり、獣医さんに薬を打ってもらったりするそうです。
なぜ牛はこんなに暑さに弱いのか
牛が暑さに弱いのには、体のつくりに理由があります。まず、人間と違って汗腺が少なく、体温調整が苦手なんですね。
さらに、牛のお腹の中には胃袋が4つあります。一番大きい第一胃で草を発酵させて消化するのですが、その発酵のときに熱が出るのです。
湯たんぽを持ってるような感じで、餌を食べて生活をしているので、体の中で発熱しているというところですね。
つまり体の内側から熱を出しているので、寒さには強くても暑さにはめっぽう弱いというわけです。
そのうえ、牛革のように厚い毛皮を着ていること、黒い部分が多くて熱を吸収しやすいことも重なります。だから直射日光にもとても弱いんですね。
酪農家はどうやって牛を暑さから守っている?
牛の生産性を落とさないために、酪農家はいろいろな暑さ対策をしています。
代表的なのが、大きなファンで直接体に風を当てる換気扇。牛舎に自然の風が抜けるような構造にしたり、屋根から熱が抜けるようにしたりする牧場もあります。
換気扇と組み合わせて使うのがミスト、いわゆる催雨装置です。搾乳室に入るときなどに、体へ直接水を当てて冷やすシステムもあるそうです。
日陰づくりも欠かせません。カーテンの開け閉め、ゴーヤやアサガオのグリーンカーテン、寒冷紗で牛舎を覆う方法などが使われています。
最近では、ドローンで牛舎の屋根に遮熱塗料を塗るシステムも登場しているそうです。
牛は多いと1日に100リットルほど水を飲むため、地下水など冷たい水を飲めるようにする牛舎もあります。餌も、涼しい朝や夜に新鮮なものを食べられるよう、時間や回数を工夫しているそうです。
夏は牛乳の生産も経営もカツカツに
暑さで牛が餌を食べなくなると、乳量ははっきり減ってしまいます。多いところで1日5リットルほど、場合によってはそれ以上落ちることもあるそうです。
その分、酪農家の売り上げは落ちます。しかもミストや換気扇を回すので、電気代や燃料代もかさみます。
夏はちょっと採算が取れないですね。
8月に牛乳の値上げがあったものの、それでもカツカツな状態だと話されています。だからこそ、暑い中でできた牛乳と思いながら飲んでほしいというのが川上さんの願いです。
日本が「世界牛乳の日」ランキングで世界一に
最後に、うれしいニュースの紹介がありました。酪農団体ジェイミルクのSNSアカウントが発表した、6月の牛乳月間の投稿ランキングです。
ハッシュタグ「世界牛乳の日」などをつけた投稿数の世界ランキングで、昨年2位だった日本がなんと1位になったそうです。
リスナーの応援や「牛乳で歌おう」企画の盛り上がりも、少しは役に立ったのではないかと川上さんは話しています。
まとめ
牛はもともと寒冷地生まれで、汗腺が少なくお腹の中でも熱を出すため、暑さに弱い動物です。酪農家は風・水・日陰・餌など、あの手この手で牛を守りながら牛乳を届けています。
- 乳牛のホルスタイン種は寒冷地由来で暑さに弱く、熱中症にもなる
- 症状は呼吸が荒くなる、よだれ、食欲低下、乳量減少など人間と似ている
- 汗腺の少なさ、胃の発酵熱、厚い毛皮などが暑さに弱い理由
- 換気扇・ミスト・日陰づくり・冷たい水・餌の工夫で対策している
- 夏は乳量が減り光熱費もかさむため、牛乳を飲み続ける応援がうれしい




