リスナーからの質問「酪農は1次産業の中でどれくらい大変?」
今回は前回に続いて研修生さんが登場。まずはリスナーの山さんから届いた質問を紹介するところからスタートします。
研修生様へ。酪農は1次産業の中でどれくらい大変ですか?他に興味がある1次産業はありますか?という質問が来ております。
研修生さんは海外での経験を持っていますが、農業そのものは初めてに近いそうです。
日本語教師のボランティアで学校で生徒たちに日本語を教えてました。
とはいえ、身近な農はゼロではありません。おじいちゃんの家では、なんと養蜂もやっていたそうです。
一応やったことはあります。蜂蜜も。おじいちゃん家が蜂蜜。
怖かったです。
川上さんがやりたい「もう1つの1次産業」とは?
質問には「他に興味がある1次産業は?」という部分もありました。研修生さんは特にないとのことですが、ここで川上さんが自分の興味を語り出します。
狩猟がしたいんです、僕。イノシシとかシカとか罠やりたい。
銃で撃つのではなく、罠猟に惹かれているのだそう。その理由には、動物の生態への深い興味がありました。
配信アプリで知り合った猟師さんの話を聞くと、本当に動物の生態を知らないと、どういう道でイノシシやシカが歩いていて、ここで油断するみたいなのを知ってないと捕まらないんですよ。
ベテランになると、獣の通り道にわざと石や枝を置いて、一歩踏み出した瞬間に罠がかかるように仕掛けるのだとか。その生き物の生態を知らないとできないという点に、川上さんはワクワクしているようです。
鷹匠にも興味があるという川上さん。動物園の飼育員やドッグトレーナーには惹かれないそうで、その理由も語られます。
動物園の飼育員さんは興味ないな。自然体にいないというか。牛も自然体じゃないけど、牛は面白いからな。
研修生から見た川上さんの第一印象
続いては、ライブ配信のリスナーから川上さんへの質問。「川上さんの印象はどうですか?善人ぶってますか?」というちょっと際どいお便りです。
川上さんの印象はどうですか?善人ぶってますか?
リスナー さんからの質問
研修生さんは人にあまり印象を抱かないタイプだそうで、「無理な人か無理じゃない人か」というシンプルな二極化で見ているとのこと。川上さんはギリギリ「無理じゃない人」に入ったようです。
私あんまりその人に対する印象とか抱かない人なんですよ。無理な人か無理じゃない人か。
二極化。でも近いかもな僕も。
蹴られない牛との付き合い方
話は牛とのふれあいへ。研修生さんは、よく蹴ってくる牛について川上さんに尋ねます。距離の詰め方に、蹴られないコツがあるようです。
今来てる研修生さんは、まだ牛の警戒する境界があるって言ったじゃないですか。パーソナルスペースにズッて入ってくる感じがあるから、ダメな牛は本当に拒絶するだろうなっていうイメージ。
いきなり近づくのではなく、手で触ってあげる、声をかけてあげるといった段階を踏むこと。それを覚えると、だんだん蹴られなくなるそうです。
生まれたての子牛が意外と「しっかりしてる」理由
子牛の授乳を見学した研修生さんが印象に残ったのは、薬を塗ることよりも牛の扱い方だったそうです。
牛の倒し方とか、ここを押さえてたら動かないとか、面を押さえてあげたらいいとか、ああいうのは勉強になりました。
デリケートに見える赤ちゃん牛ですが、実はとても力強いのだとか。その理由は、野生で生き抜くための仕組みにありました。
生まれてきた段階で野生で生きていかなきゃいけないから、生まれた段階から逃げれるようになってるんですよね。
生まれてすぐに歯も生えていて、しっかりしている子牛。ただし、後ろから近づけば蹴ってくる子もいるので油断は禁物です。
酪農は「命がけ」?ベテランほど気をつけたい油断
質問の核心だった「どれくらい大変か」に関わる、危険の話が語られます。牛の力に、人は力で歯向かえないと川上さんは言います。
怖いことですが、毎年、牛に蹴られたり挟まれたりして亡くなる事故が起きているそうです。しかもその多くはベテランに起きるのだとか。
ベテランの人が慣れちゃって、いつもはやってるから今回も大丈夫だろうってやって向かっていったりして亡くなってるんで。角に刺されて死ぬとかね。
島根の大きな牧場では、雄牛を群れに入れる飼い方をしていた社長が、その雄牛に突かれて亡くなった例もあったと紹介されます。
だからこそ川上さんは、いつも緊張感を持って作業しているそうです。研修生さんが一度蹴られたことも、成長としてはむしろ良いのだと話します。
恐怖心が一回あるのは成長としてはいいかな。
400万や700万?酪農を支える機械とお金の話
研修生さんが最近気になっているのは、牛乳を絞る以上に多い「機械」のこと。糞を運ぶ装置や餌やり機など、酪農は想像以上に機械化されています。
農業ってよりもめっちゃマシン、機械。バルククーラーもそうだし、フンの回転とか餌やり回転とか、めっちゃマシン使うな。
その機械、値段を聞くとなかなかのものです。ここで具体的な金額が語られます。
機械化するかどうかは、人件費との比較で決まります。機械は決まった作業しかできませんが、人なら何でもやれる、という考え方の違いです。
大きい牧場は、機械より人の方が安いって思って外国人をいっぱい使って、うんち取るんだったら全部スコップで手仕事で取るようなところもある。牧場によりけりです。
そして就職を考える人へのアドバイスも。楽をしたいなら機械の免許を取った方がいいと川上さんは言います。
免許ある人と免許ない人が同じ牧場にいたら、免許ある人が機械に乗って免許ない人が手仕事になるので、必然的に体を使った仕事になっちゃいます。
免許があれば手当がついて給料も高くなるとのこと。牛の世話だけでなく、こうした「稼ぎ方」も酪農のリアルです。
牛乳と同じだけ出る「うんち」を売るという仕事
最後の話題は、あまり知られていない糞尿の処理と堆肥づくりについて。研修生さんも「こっち側の話は全然知らない」と興味津々です。
バーンクリーナーで運ばれた糞は、おがくずやもみ殻と混ぜて発酵させ、堆肥に変えて販売しているそうです。買っていくのは近隣のお米農家やブドウ農家などだといいます。
なぜここが大事なのか。理由はとてもシンプルでした。
牛乳出すけど、同じ量ぐらいうんちとおしっこも出るので、処理できないと文字通りフン詰まりになって経営が立ち行かなくなる。
いい堆肥をどう作るかも酪農の大事な仕事。それは餌にもつながっていて、消化のよい良質な餌が、いい糞や堆肥にもつながるのだそうです。
まとめ
研修生さんへの1つの質問から、酪農の危険さ、機械化のお金、そして糞を売るという仕事まで、幅広いリアルが見えてきた回でした。牛と向き合う奥深さが伝わってきますね。
- 酪農の危険は「力で歯向かえない」ことにあり、油断はベテランほど禁物
- 牛に近づくときは、手で触る・声をかけるなど段階を踏むと蹴られにくくなる
- バルククーラーは約400万円、自動餌やり機は約700万円など、機械化には大きな投資が必要
- 機械の免許があると手当がつき給料も上がるため、就職前に取っておくと有利
- 牛乳と同じだけ出る糞尿は、堆肥にして農家に販売する大切な収入源になる




