日曜の朝、出雲からゆるっとスタート
この日は4月27日の日曜日。天気は晴れのち曇りで、最高気温は23度というあたたかさです。
ゴールデンウィークに入っている人も多いということで、川上さんはお出かけ日和だと話します。
出雲大社や、出雲市の市役所前で開かれる肉祭りなど、地元のイベントも紹介されました。ただ、観光客の多さについては正直な感想も。
ほんとオススメされませんね。
日曜日なので、この日の仕事は餌やりと牛の管理、放牧ロボットの掃除くらいに抑える予定だそうです。
今日のお便りは「関税の影響、酪農にありますか?」
この回のメインは、配信アプリstand.fmのレター機能に届いたお便りへの回答です。
お便りをくれたのは、番組のオープニング曲も歌っているというアーティスト、アサモさん。留学経験もある帰国子女だそうです。
酪農は飼料やその他牛さんへのお世話など、トランプ関税の影響は受けますか?
この質問に対して、川上さんの答えははっきりしています。
表面上はまだ見えづらく、酪農家自身もあまり感じていないかもしれない。でも実際には、関税そのものより「物流」と「原材料」の裏側で影響が広がっているといいます。
そもそも「トランプ関税」ってなんだっけ
まず、話の前提となる「トランプ関税」そのものについて、川上さんがかみくだいて説明します。
アメリカのトランプ大統領が、自国の産業を守るために、海外から輸入するものに高い関税をかけている政策のことです。ドル高を是正したいという狙いもあると話します。
日本にも40%をかけると言われ、90日間の猶予期間が設けられている状況だといいます。
一方でカナダや中国には100%ほどの関税をかけると言われ、いわば「関税で戦争しているような状態」になっていると表現されました。
牧草の王様「カナダチモシー」が届かない
ここからが、酪農との意外なつながりです。カナダに強い関税がかかることで、アメリカとカナダの物流が停滞します。
すると、日本が輸入していたカナダ産の牧草「カナダチモシー」が入ってこなくなっているというのです。
チモシーが足りなくなると、酪農家は代わりの牧草を探します。ですが、ここにも問題が。
スーダングラスやイタリアングラス、オーツやアルファルファといった代替牧草も、需要が集中して品薄になってきているといいます。
チモシーはあくまで「王道」で、完全に代わりになるものはほとんどない。結果として、いろんな牧草が値上がりを続けている状況だそうです。
餌が変わること自体が、牛にとって大きなダメージになるのも心配なところ。これから夏場に向けて牛のコンディションが落ちる時期と重なると、より深刻になるかもしれないと話されています。
関税から始まる「物流の目詰まり」
関税の影響は、牧草そのものだけにとどまりません。物流の停滞という、別のかたちでも効いてきます。
関税が高くて輸送量が減ると、船のコンテナに空きが出ます。ところが船会社は空のコンテナで走るのを嫌がるため、荷物が満載になるまで港で待ち続けるのだそうです。
関税が上がる
輸入量が減り、船のコンテナに空きが出る
空で走りたくない
船会社は満載になるまで港で待つ
港が詰まる
順番待ちで船が入れず、運送が止まる
日本に届かない
牧草や部品、日用品まで到着が遅れる
この目詰まりは牧草に限りません。Amazonで買う海外の品物なども、届くのが遅くなる可能性があると話します。
さらに、機械の部品や肥料といったコストも、物流費として上がっていくのではないかと川上さんは心配しています。
牛乳が値上がりしても、酪農家はうれしくない?
ここで川上さんが気にしているのが、牛乳の価格との関係です。6月や8月に牛乳の値段が上がると言われていますが、その効果が相殺されかねないといいます。
乳価が上がっても、物流や資材のコストが一気に増えれば、酪農家の利益はまた少なくなってしまうのではないか、という懸念です。
この状況の行方について、川上さんは断定はしていません。トランプ大統領自身も、株価への影響を見て少しビビっているように見える、とも話します。
なので皆さん、アメリカのトランプさんね、SNSやってるんで「やめて」って言ってあげてください。
輸入頼みの農業と、これから考えたいこと
話は、日本の農業全体の構造にも広がります。コロナ禍のときからそうですが、日本の農産物は輸入品ありきだと川上さんは指摘します。
牧草などの原材料だけでなく、原油や石炭、天然ガスといった燃料も海外に依存している。だから国際情勢が不安定になると、すぐに影響を受けてしまうというのです。
国際情勢が不安定になってしまうと、すぐ影響を受けてしまうなっていうのが浮き彫りになってる。
だからこそ、長期的には日本だけでも循環して作れるようにしないといけないのではないか、と川上さんは投げかけます。
最後はコメント欄とのやり取りへ。6月1日の牛乳の日に向けて、デザインコンテストへの参加も呼びかけられました。
ゴールデンウィークは学校給食が止まって牛乳の消費が落ち、需給バランスが崩れて牛乳が余りがちになります。観光先でご当地牛乳を飲んでほしい、という願いで締めくくられました。
まとめ
一見遠く感じるトランプ関税が、輸入牧草の不足や物流の停滞を通じて、日本の酪農にじわじわ効いてきている──そんな現場のリアルが語られた回でした。
- トランプ関税は関税額そのものより、物流と原材料のコスト上昇として酪農に影響している
- カナダへの関税で「牧草の王様」カナダチモシーが日本に入りづらくなり、代替牧草も品薄・値上がりが進んでいる
- コンテナを満載にしたい船会社の事情で港が詰まり、牧草だけでなく部品や日用品の到着も遅れる可能性がある
- 牛乳が値上がりしても、資材や物流のコスト増で酪農家の利益は増えにくいという懸念がある
- 日本の農業は原材料も燃料も輸入頼みで、長期的には国内で循環できる仕組みづくりが課題として挙げられた




