馬インフルエンザって、そもそもどんな病気?
今回の配信は、Spoonというアプリに届いた質問からスタートします。内容は「馬インフルエンザのニュースを見ましたが、牛にも影響あるんですか?」というものでした。
川上さんによると、馬インフルエンザは2025年4月前半に熊本県で発生し、その後、北海道のばんえい競馬でも馬に確認され、レースが休止になったそうです。
これを見つけてくるってのは、相当こう畜産酪農、馬、牛に興味がある方なんじゃないかなと思いますけども。
そもそも馬インフルエンザとは、馬に感染するインフルエンザウイルスです。人間とは型が違いますが、咳や発熱、食欲不振、元気消失といった呼吸器の症状が出ます。
そして人間のインフルエンザと同じで、感染力が非常に強いのが特徴です。1頭でも出ると、飼育している厩舎の中で爆発的に広がってしまいます。
馬インフルは牛や人にうつるの?
気になるのは、馬インフルエンザが牛や人にうつるのかという点です。川上さんは、その名前の通り馬特有のインフルエンザなので、馬から牛や人に直接感染することは基本的にないと説明します。
馬インフルエンザウイルスは主にH3N8型と呼ばれる、馬に特異的なものだそうです。牛には牛インフルエンザや牛RSウイルスなど、別の呼吸器ウイルスが存在しています。
つまり、馬インフルエンザがすぐ牛に影響するという心配は、現時点ではないというのが川上さんの答えです。
いま牛で気になる「ランピースキン病」とハエの話
ただし、牛には別に気になっている病気があるといいます。それが昨年から流行している牛ランピースキン病です。
この病気はサシバエなど牛舎にいるハエが媒介して広がるため、暖かくなってハエが活発になる時期に、全国へ広がってしまうのではないかという懸念があるそうです。
馬インフルも牛ランピースキン病も、共通して言えることがあると川上さんは話します。それは、病気が発生すると人や物を介して2次感染のリスクが高まるということです。
移動規制やイベントの中止が業界全体に影響することもあり、ばんえい競馬の休止のように、人の暮らしにも影響が及びます。福岡県では、ランピースキン病のワクチンを打った牛で発症した場合に県が補助するというニュースも、すでに出ているそうです。
連休中に「農場に近づかないで」と言われる理由
ここから話は、ゴールデンウィークの過ごし方につながっていきます。川上さんが一番注意してほしいと語るポイントです。
感染症は、人の靴や服、持ち物を介しても広がります。たとえば車で観光地や牧場の近くに行き、車に入ったハエをそのまま自宅の近くに運んでしまうと、ハエが移動したことになります。
もしそのハエが病気を持っていたら、自宅周辺の牧場や鶏舎に病気を運んでしまうかもしれません。だからこそ、連休中は特に注意してほしいというわけです。
具体的に気をつけたいこととして、川上さんは次の点を挙げています。
- 農場や牧場の敷地に無断で入らない
- 牧場や鶏舎で飼われている動物に勝手に触らない
- 近くに行った際は、靴・服・持ち物の土や泥をしっかり落としてから帰る
これは動物を守るためだけではありません。ランピースキン病が出た牛でも、ワクチンを打って症状の出ていない牛は出荷されお肉になりますが、間違った知識から「食べられない」と消費が落ち、風評被害につながることもあるからです。
だからこそ、病気を発生させない、動かさないことが大事だと川上さんは強調します。それでも「牛乳だけは飲んでほしい」「馬肉やお肉も問題ないので食べてほしい」と、明るく呼びかけます。
鳥から牛へ?変異する感染症と「持ち込まない」の大切さ
コメントに戻ると、リスナーからも驚きの声が上がります。川上さんは、インフルエンザにはいろいろな型があると続けます。
注意したいのは、アメリカで鳥インフルエンザが牛にうつっているという事例です。基本的に馬から牛にはうつらないとされますが、濃厚接触が続くと少しずつ型が変わってしまうことがあるといいます。
コロナの時もそうだったと思いますけど、何型何型みたいなのがあったりして、変異するんで、やっぱ濃厚接触を避けた方がいいですね。
もし牛にもうつる鳥インフルエンザが日本に入ってくれば、大きな被害になりかねません。そのため、飛行機やフェリー、船に乗るときなどの水際対策が大切だと話します。
川上さんは、地球の平均気温が上がるとウイルスが生き残りやすい環境になり、これからもっと感染症が出てくるかもしれないと考えています。歴史を振り返っても、フランス風邪などさまざまな感染症があったように、気をつけていくしかないと語ります。
結局、大事なのはシンプルなことです。運ばない、持ち込まない。この基本を意識してほしいというのが、この回のメッセージでした。
最後に川上さんは、牧場に行ってはダメということではなく、気をつけて意識しながら連休を楽しんでほしい、と締めくくっています。
まとめ
馬インフルや牛ランピースキン病を入り口に、感染症は人や物を介して広がるという基本を学べる回でした。連休中は「持ち込まない・運ばない」を意識しつつ、牛乳やお肉はいつも通り楽しんでほしい、という川上さんの思いが伝わってきます。
- 馬インフルエンザは馬特有の病気で、馬から牛や人へ直接感染することは基本的にない
- 牛ランピースキン病はサシバエなどのハエが媒介し、暖かい時期に広がりが懸念される
- 感染症は人の靴・服・持ち物や、車に入ったハエなどを介しても広がる
- 連休中は農場に無断で入らず、動物に触らず、土や泥は落としてから帰るのが大切
- アメリカでは鳥から牛への感染例もあり、変異と水際対策への注意が呼びかけられている





