牛には全部名前がある?血統登録という仕組み
最初の質問は「牛は全部名前がありますか?」というものです。川上さんの答えは、うちの牧場にいる牛には全部名前がついている、というものでした。
この名前は、血統登録というしくみと関わっています。血統を管理している家畜改良センターや、ホルスタイン登録協会というところに登録しないと、ちゃんとした名前が戸籍のように残らないイメージなんだそうです。
川上牧場は全頭を登録してあるので、全部の牛に名前がついているとのこと。一方で、登録をしていない牛は「無登録牛」と呼ばれ、そういう牧場も結構あるそうです。
無登録牛でも個体識別番号はあるので、お父さんお母さんはわかります。ただ、その先までさかのぼって血統を見ることはできない、という違いがあるんですね。
牛の耳についている番号をインターネットで検索すると、どの牧場で生まれて、どのお父さんとお母さんから生まれたかまで全部わかるようになっているそうです。
名前じゃなく番号で管理する牧場もある
名前はついているものの、川上さん自身は名前よりも番号で牛を管理していると話します。個体識別番号や検定番号といった別の番号を使っているそうです。
一方で、牧場によっては一頭一頭に名前をつけて、登録のあるなしに関係なく、その牧場での呼び名として使っているところもあります。
何々ちゃんが発情だよとか、何々ちゃんちょっと餌が食べてないよみたいな感じで管理してるとこもありますね。
川上さんも農業大学校にいた頃は、そんなふうに名前で牛を管理していたこともあったそうです。同じ「名前で管理」でも、牧場ごとにやり方はいろいろなんですね。
酪農にお休みはある?酪農ヘルパーという仕組み
次の質問は「お仕事はお休みがありますか?」というものです。サラリーマンのように土日祝が休み、というイメージとはちょっと違うようです。
酪農のお仕事はね、生き物相手なので、その1日休みみたいなところはなくてですね。
お休みが欲しいときは、酪農ヘルパーさんという仕事の人に頼みます。酪農家の代わりにお仕事をしてくれる職業で、その人の勤務時間、だいたい7〜8時間ぶんのお休みを購入していくやり方なんだそうです。
ペースとしては2週間に1回ぐらい。子どもの長期休みに合わせた旅行や、冠婚葬祭、出張のときなどにヘルパーさんに来てもらって対応することもあるそうです。
ただし、牛の種付けや出産はヘルパーさんがやってくれても、仕事が回らない部分もあるため、休みは本当にたまに取る程度とのこと。1日中ゴロゴロして休むような感じは、今の川上さんにはないそうです。
大きい牧場で従業員がいたり、家族が現役でそろっている牧場なら、交代で休むところもあるという話でした。
ゲームがきっかけ?この仕事を選んだ理由
3つ目の質問は「なんでこの仕事をやろうと思ったんですか?」というものです。ここには、子どもに酪農家になる夢を持ってほしい、好きなことを仕事にするのは面白いと伝えたい、という思いもあるそうです。
きっかけは、小学校2年生のころに出会った「牧場物語」というゲームでした。当時のゲームボーイで遊べた、牧場経営を体験できるゲームです。
牧場を体験できる、そんな素敵なゲームなんです。
もともと動物が好きで、山のすごい田舎で育った川上さんは、そんな牧場みたいな生活に憧れました。そして小学校5年生ごろには酪農家になりたいと思っていたそうです。
そこからは夢に向かってまっすぐ進んでいきます。地元・鳥取の農業高校では畜産が学べず草花などを学び、その後、畜産科のある農業大学校へ進学しました。
川上さんは、今のゲームが好きな子どもたちにも呼びかけます。スプラトゥーンやどうぶつの森、マインクラフト、スーパーマリオが好きな子も、好きなことを仕事にできるよ、というエールでした。
川上牧場の牛乳はどこで買える?6000人という目標
最後の質問は「川上牧場さんの牛乳はどこで売られていますか?」です。川上牧場は島根県出雲市にあり、島根の酪農乳業協同組合に出荷しているそうです。
島根県のご当地キャラ「しまねっこ」が描かれた牛乳パックには、出荷牛乳量のうち10分の1ぐらい、10パーセントほど川上牧場の牛乳が入っているとのこと。
一方で、川上牧場だけの牛乳としては販売していません。ただ少量、近くのお菓子屋さんや、ブラジルのチーズを作って販売するレストランなどに渡していて、そこに行けば川上牧場の牛乳を使った商品を食べられるそうです。
ここで川上さんは、1つの目標を話します。1日に出荷している乳量は今およそ1300キロ。1人が1日200ミリリットル飲むとして計算すると、6000人ぐらいが継続的に応援してくれたら次の大きなステップが踏めるという計算です。
飲んでくれる人がいるから牛乳を搾ることができる。その応援がもっと増えたら、川上牧場だけの牛乳も販売できるようになると思う、と川上さんは話していました。
夏休みの牧場体験と、6月1日は世界牛乳の日
配信の最後には、これからのイベントの案内がありました。夏休みには、親子のグループでの牧場体験に対応できるほか、遠方の人にはオンラインでつなぐ形も用意されています。
- YouTubeでの限定ライブでつなぐ
- LINEやZoomでつなぐ
- Google Meetでつなぐ
そして、この配信の翌日、6月1日は世界牛乳の日です。川上牧場では過去にもやっていた「牛乳で歌う」企画を今年もやる予定とのこと。
牛乳を継続的に飲んでもらい、応援してもらえる取り組みになればいい、という思いで、たくさんの参加を呼びかけていました。
まとめ
牛の名前や酪農のお休み、この仕事を選んだ理由まで、中学生の素朴な質問に川上さんがやさしく答えた回でした。ゲームから始まった夢を叶えた話や、6000人という応援の目標に、酪農の等身大の姿が見えてきますね。
- 川上牧場は全頭を血統登録していて、牛には全部名前がついている
- 酪農は生き物相手のため休みが少なく、休むときは酪農ヘルパーに頼む
- 川上さんは小学生のころゲーム「牧場物語」がきっかけで酪農家を志した
- 牛乳を継続的に応援する人が6000人になれば、次の大きなステップを目指せる
- 6月1日は世界牛乳の日で、今年も「牛乳で歌う」企画を予定している




