曇りの土曜、種付けなしの1日とタイミーの新人さん
配信は4月4日の土曜日から。天気は曇りで、最高気温は19度くらい。半袖でもいけそうな、ちょうどいい陽気だと話します。
この日の仕事は、育成舎の掃除で堆肥を3台運んで終わりくらいの見込み。牛の種付けは今週はなかったそうです。
午後にはいつも頼んでいるタイミータイミー ── 働きたい人と人手が欲しい事業者をつなぐスキマバイトのマッチングサービス。空いた時間に単発で働ける。のリピーターの方が都合が悪く、代わりに初めての新人さんが来る予定だと紹介されました。
少し前には、メタグリ研究所とタイミーのセミナーに登壇したとのこと。農業や酪農をやってみたい人は、タイミーのアプリから川上牧場で体験できると呼びかけます。
SUZURIの11周年セールと「未来の牛乳」NFT
乾杯の前にお知らせが続きます。まずはグッズ販売サイトのSUZURISUZURI ── オリジナルグッズを作って販売できるサービス。Tシャツやマグカップなどにデザインを載せて出品できる。で、川上牧場もグッズを出しているという話。
この回のタイミングで、SUZURIがサービス開始11周年のビッグセールを開催中。対象は57種類、最大1000円引きだと案内します。
注目してほしいのはマグカップやグラス、タンブラーなどの器。アーティストとコラボした器で牛乳を飲むと、より牛乳がおいしくなる、という川上さんらしい解説を添えます。
もう一つがInstagramでの「ハッシュタグ未来の牛乳」の取り組み。みんなの「こんな牛乳あったらいいな」をAIアートでNFTNFT ── デジタルデータに固有の証明を付けて、唯一のものとして売買できる仕組み。ここではAIで作った牛乳のイラストに使われている。にして販売しています。
この売上は、子供食堂への牛乳支援や、小中高の食育活動の活動費に充てるとのこと。みんなの支援が子供たちの未来の牛乳を作る、という位置づけで紹介されました。
うまい。あーSUZURIで買ったグラスで飲む牛乳うまい。
YouTubeに届いた「値上げでも売れる牛乳パッケージ」の宿題
ここからが本題のお便りコーナー。YouTubeに届いた質問を読み上げます。
酪農のニュースで乳価3円上昇のニュースを見ました。消費者の手元では20円から30円くらい値上がりするかと思います。値上がりしても売れる牛乳のパッケージを考えてみてください。
毎日「ハッシュタグ未来の牛乳」のイラストをAIで描いている川上さん。ただパッケージを作るだけなら簡単だけれど、せっかくなので工夫を凝らしたいと考えます。
そこで使ったのが、最近覚えたというChatGPTのプロンプト。制作物へのアドバイスに最適な人物をAIに想定させ、その人物になりきってフィードバックしてもらう、という手順です。
AIにまず「誰にレビューしてもらうか」を選ばせるのがポイント。今回選ばれたのは「農業系ブランディングデザイナー × 消費者心理マーケター」という架空の人物でした。
「つづくミルク。」に込められた命と継承のメッセージ
この人物からパッケージの方向性を聞かれた川上さんは、「子供たちが未来でも牛乳を飲み続けられるような牛乳のパッケージがいい」と伝えます。
すると返ってきたのは、栄養価ではなく命・継承・選択の意味が込められた、かなり重たいコンセプト。川上さんも「重い重い重いよ」と思わず反応します。
提案されたネーミングは「つづくミルク。」。ひらがなと句点で優しい印象や絵本のような安心感を出し、句点は「つんくさん」や「モーニング娘。」のような雰囲気だと川上さんは受け取ります。
正面のキャッチコピーは「100年後も朝ご飯にミルクを」。値上げの原因を未来への投資として表現し、子育て世代や教育感度の高い層に刺さる言葉として提案されました。
さらに側面や裏面には、こんなサブコピーがつきます。
酪農家が環境と牛の健康を守りながら育てた牛のミルクです。価格に含まれているのは、未来の子供たちの食卓と地域の命の循環です。あなたの選択が未来を作ります。
読み上げながら川上さんが繰り返したのは、「重い重い重い重い」という一言。それでも「どうぞ最後までいきましょう」と、最後まで紹介を続けます。
「羨ましいな」と牛が見ている?酪農家目線のツッコミ
デザイン案は、白地ベースに優しい水彩画のイラスト、酪農の未来マークのようなロゴやSDGs風のピクトグラムを入れるというもの。牛乳を飲んで笑う子供の絵で未来性を強調します。
こうして完成したパッケージが配信のトップ画面の写真。ところが川上さんは「怖いんですよね」と正直な感想をこぼします。
ここから酪農家ならではの、うがった見方が入ります。母牛が出産して子牛が生まれても、子牛が飲むのはお母さんの牛乳ではないという指摘です。
お母さんの牛乳は人間が飲む牛乳になるため、子牛は脱脂粉乳などで作られた代用乳代用乳 ── 子牛に与えるために脱脂粉乳などから作られた粉ミルク状の飲み物。母牛の生乳の代わりに使われる。を飲んでいるのだそう。
このパッケージをちょっと見ていただくと、羨ましいなって牛が見てるみたいな感じで見てしまうのは酪農家だけでしょうか。
だからこそ、この「命の循環」を語る重たいパッケージも、牛の視点から見ると少し切なく映る、というわけです。読者にも「いいデザインですね」「私はこう思いました」と感想を寄せてほしいと呼びかけます。
400個のデザインと、リスナーからの「重い」ツッコミ
そのうえで川上さんがおすすめするのが、自分でコツコツ作ってきたデザインのほう。「ハッシュタグ未来の牛乳」で検索すると見られる作品群です。
作り始めて2年ほど、これまでにおよそ400個のデザインを作ってきたとのこと。おしゃれな未来の牛乳パックが並んでいるので、そちらのほうがいいかも、と笑います。
コメント欄でもリスナーから反応が。「重いよね」「ファイナルファンタジーみたい」という声に、川上さんも共感します。
仲間の遺志を継ぐような重たいストーリーや感動的なムービーがあるところが、「つづくミルク。」の世界観と重なるのかもしれない、と受け止めていました。
最後はSpotifyのクリップ機能の紹介も。トップ画面のアイコンの下あたりから、ビデオポッドキャストのクリップも再生できるようになったと案内して、この回を締めます。
まとめ
リスナーの「値上げでも売れる牛乳パッケージ」という宿題に、川上さんがAIを使って本気で挑戦した回でした。仕上がりは想像以上に「重い」ものになりましたが、そこに酪農家ならではのツッコミが重なって、独特の味わいになっています。
- AIにまず「誰にレビューさせるか」を選ばせるプロンプトで、パッケージのコンセプトを作った
- 提案は「つづくミルク。」など、命・継承・選択をテーマにしたかなり重たい世界観だった
- 子牛が飲むのは母牛の牛乳ではなく代用乳、という酪農家目線のツッコミが入った
- 川上さんのおすすめは「ハッシュタグ未来の牛乳」で見られる、2年で約400個作ったデザインのほう



