2000ストリーミング達成と、今日のテーマ「平屋」
番組はまず、リスナーへの感謝の報告から始まります。
皆さんこんにちは。天野保建築の天野洋平と。
住宅ライターの高橋かずえです。
また嬉しいっていうか、あれなんですけど、このポッドキャストをやってて、気がついたら2000ストリーミングとダウンロードがいつの間にか達成されていて。ありがたいお話で。コツコツ聞いてくださるリスナーの方々のおかげで。うちの義理の姉が毎週聞いてくださってるようで。
えー、そうなんですか。嬉しいですね。
こないだお盆に帰省したんですけど、「私まだ聞いてるよ」って言って。「え、まだ聞いてるの?」と思いながら、そんな言い方もないんですけど、「面白いよ」って言って。もう好評でした。
嬉しいですね。私も裏側の数字をよく見てるんですけど、Apple Podcastのホームアンドガーデン部門では、10位前後をいつもうろうろしてまして。すごいことだと思うんですよ。最近Spotifyのフォロワーさんもぐんと増えましたよね。
そうですね、何気なく見たら増えてるっていうのが。コアなファンも作れてますね。
コツコツ続けていくといいことがあるなというふうに思ってます。頑張ってまた続けていきましょう。
で、今日の本題に入るんですけれども、天野さんの日本エコハウス大賞奨励賞を受賞した甲府の湯村の家が平屋だったこともあって、今回はなぜ今平屋が選ばれるのかっていう、平屋にフォーカスしたお題をお持ちしました。
九州では新築の過半数が平屋という数字
続いて、平屋がどれだけ広がっているかを示すデータが紹介されます。
平屋がブームなので、気になっている方も多いんじゃないかなと思います。
意外と今に始まったことではないんですけれども、元々平屋を希望されるお客さんは今も昔も変わらない。今のがちょっとうちのお客さん、その方は少し数が多いかな。できれば平屋、できれば平屋っていうところが。
スーモさんのデータによりますと、2022年の着工調査なんですけど、なんと宮崎県では55.8%の方が平屋。知ってます?
はい。宮崎の有名工務店さんで、平屋しか作らないっていう。まさに宮崎なんですけど、宮崎の方はほぼ平屋だって言ってましたね。
鹿児島県も52.4%。
鹿児島もなんですね。日本一の工務店さん、進研さんにお伺いした時に、結構、まあでも半分ですもんね。土地が山あいであんまりないっていうお話をちらっとお伺いしたので。でも実際はこうなんですね。
九州では新築の過半数が平屋という地域もある。驚きの数字が出てましたね。うちの父も平屋を建てたいって子供の時にずっと言ってた印象があって。まあ結局建てたのは二階建てだったんですけど。平屋で広告出すと引きが強かったり、私のお客様のところも平屋の事例が多いですし、平屋のご希望のお客様も多くて。平屋の見学会をするとやっぱり皆さん注目されるので、たくさんの人がいらっしゃるっていうことは聞きましたね。
「どうせ建てるなら」——平屋ブームの背景
なぜ今ブームなのか、その社会的な背景をたどります。
なんでその平屋がブームなんですかね。
ちょうど2年ぐらい前、ウッドショックが終わり始めたぐらいですかね。平屋専門店みたいな、山梨にもそういった工務店さんが平屋に特化した形で来てっていう印象はあったんですけど。まあお金のちょうどその辺からどんどん建築費も上がり始めたところで、そこからお客さんの意識が「どうせ建てるなら」っていう感じで変わったのかなとか思ってはいたんですけどね。
家族がコンパクトになってきてるからですかね。
そうですね、家族の人数はまあ3人から4人っていうのが大体の家族構成なので、平屋で30坪以下ぐらいに収めることは大体可能なので、そういったところも兼ねてっていうところと、やっぱり老後の心配を少しされた方も多いのかなと。二階建てだと登るのが大変とか。平屋の事例もインスタとかそういったもので多数検索することができるようになったじゃないですか。
なるほど、SNSでね。
SNSですね。間取りとかもそれに合わせて出たりとかするんですけれども、そういった影響も大なり小なりあるんだろうなっていうのはありますね。
確かに社会的背景がかなり大きいのかなと思っていて。
と思いますね。戸数は減ってるので、減ってるところでも平屋だけ増え続けてるっていうところで。新築が伸び悩んでる中で平屋だけ増えるっていうのは、ある程度所得が多い方。一番のデメリットは、平屋はどうしてもトータル的な金額は絶対上がる傾向にあるので。それでも平屋を作りたいっていうところで、どうせ作るなら平屋がいいっていうことで平屋になってるのかなと考えてはいるんですけどね。
確かに。私が見る事例では、すっごいでっかい贅沢な平屋か、あとはその核家族のコンパクトな平屋か、どっちかかなっていうイメージですね。本当に夫婦二人が暮らすだけで十分なサイズの平屋、縮小する暮らしみたいなところをテーマにした簡素な平屋が多いイメージがあります。ハウスメーカーが平屋ブランドを作ってるんですね。あと、シングルが買えるコンパクトな平屋みたいなやつも見ますね。
よく聞きますね。それこそSNSのちょっとしたショート動画とかで出てきますね。チームで作る家みたいな。
そうそう、家族がコンパクトになってるからっていうのはありそうですね。
平屋のメリット|動線・耐震・家族の気配
ここからは、平屋を選ぶ人が感じるメリットを一つずつ検証していきます。
平屋を作る時は何がメリットでみんな選んでるんですか?
年齢を重ねた時に、動線としては上に登ることがないので楽だっていう、楽っていうのも安心がありますよね。もうバリアフリー的なところで動線が非常に楽。あと耐震性的なものは平屋の方が二階建てよりも安全側ですね。平屋だから大丈夫だよっていうものでもないんですけれども、二階建てのものに比べたら非常に安全側っていうところはありますね。
安全側って耐震的にってことですか?
はい。耐震的には強く構成を考えることがやりやすいっていうところがありますね。ただ平屋だから大丈夫っていうものでもなくて、しっかりそこを計画を立てないと、古い建物でも平屋でバランスが悪いと倒壊している建物もあるので、その辺は注意が必要ですけれども。二階建てのものに比べたら一階建てなので、耐震的な計画は練りやすいっていうところはありますね。
家族が少人数になってるっていうのもあると思いますけど、ワンフロアにいると気配は感じますよね。家族らしさはありますよね、きっと。
そうですね。ワンフロアにいるんで、気配とか移動とかはわかりやすいですよね。二階建てだと、うちも吹き抜けがあるので、子供たちがご飯を食べ終わると、携帯とアイスを持って、ニコニコ顔で「下に行く」って言って行っちゃうんですけど。声を出さない限りは気配は感じないので、一階の方がそういった意味では気配は感じやすいのかなと。
うちもです。ワンフロアの方がね。確かにな。
あと間取り次第ですけど、絶対玄関帰ってきて、行動がすぐわかるっていうのはありますよね。吹き抜けつけるとしたら、やっぱり間取り次第なんで。
一方で、定年後のご夫婦の家の取材に行くと、気配はあっても顔が見えない方がいいとか、そういうご要望もあるじゃないですか。
それはもう年を重ねたあれですよね。生存確認だけできればいいよみたいな。
そうそう。ほどほどの距離感が欲しいみたいな。まあそれも間取り次第か。平屋で作ったとしても、間取り次第でほどほどの距離感って得られますもんね。
そうですね。得られやすくなるのかなとは思いますね、平屋の方が。
平屋に必要な土地は70〜80坪
平屋を建てるうえで避けて通れない、土地と間取りの話に入ります。
平屋を作るときにあたっての土地と間取りは、どういうふうに考えるのが天野さん流なんですか?
うちはもう都心部だと一番要注意ですね。都心部は土地が高いのに、平屋って言ったら倍以上の土地が必要になってくるので、都心部で平屋って基本ないんだろうなと。二階建てが都心部では基本になってくるのかな。都心部だとビルやそういったものが建ってると、あっという間に日陰になったり、日の当たらないお家になったりする。だから田舎ほど建てやすいですよね。
山梨は土地が比較的安いですし、そうは言っても車2台か3台分と平屋があるだけの土地が必要になってくるので、70坪から80坪ぐらいの坪数がないと。大きさにもよりますけれども、26坪か24坪ぐらいの平屋が、余裕を持って車2台か3台止めれてですけど。
80坪か。
そのぐらい必要ですね。それに外構を少し植栽とかやったりして、ちょっと余裕があるかなってなってくるんですよね。富士吉田だと80坪から100坪ぐらいの土地がだいたい、不動産屋さんにしてもそのぐらい確保しておかないとなかなか売れないっていうのもあるので。だいたい70坪から100は大きい方ですけど、90坪ぐらいの土地が多いかなっていう。平屋を建てるんだと、土地はそのぐらいないと、さっきの24坪ぐらいになってしまいますよっていう。
結構コンパクトになりますよね、そうなると。
24坪でもコンパクトだけど、意外と間取り次第なんですよ。
腕次第。大工さんの腕次第。
腕ですね。設計力。設計塾に行ってた時に言ってた、平屋の方が意外と難しい。大きさはそのぐらいやっぱり必要かな。80坪ぐらいの土地は欲しいですね。
80坪ぐらいの土地があって、欲しい。
「憧れの平屋」と現実のギャップ
多くの人が思い描く「伸びやかな平屋」の実例として、御殿場の家が紹介されます。
そのぐらいないと、皆さんがどういった平屋を想像してるかにもよるんですけれども、平屋でっていうと皆さん憧れがあるじゃないですか。伸びやかなところで、富士吉田だとリビングで富士山が見えて庭があってみたいな。伸びやかなLDKがあって、あとは小さながらお部屋があってみたいな。それがなんとなくLの字とか、真四角じゃなくてですね。
家族がコンパクトになってるからっていうのはありそうですね。お家の形がですよね。曲がってる家ですよね。
そうですね、曲がってたりとか。うちで施工させてもらった御殿場の家っていうのは、弓の字型になってるんですよ。ウェブで住宅建築で検索をかけていただけると、弓の字型になってて。水野純也さんっていう建築家の物件で御殿場の家ってあるんですけれども、ちょうどこの光が当たってるところが富士山方向なんですよ。
なるほど。ぜひ検索して見てみてください。
そこの木のウッドデッキがちょっと上方向に見えると思うんですけども、そこに開放的なリビングがありまして。多分皆さんこういったものを想像されていると思うんです。ってなると、ここは多分土地が200ぐらいあるの。こういったものを想像したいですよね。ってなると、大きさがそれなりに必要になってくると。
あと二階建てではできないですよ。全部勾配天井にすることが基本的にできるので。
そっかそっか。この伸びやかさは勾配天井があるからっていう。
寝室は平屋ですけどね。ここ寝室ですね、ご夫婦の。でもここからも、どこからも富士山見えます。お施主さんがここだっていうところでやって、東京都に在住のお客さんですけれども。
わかりました。こういう伸びやかなゆとりがあるイメージが平屋のね。
イメージが強いですよね。実際のところ、これを実現しようとすると、お金的な問題と、土地もそれなりの大きさがないと。伸びやかなイメージを想像されてる方は、これは弓の字型ですけど、Lの字とかでっていうと、そのお金的なところでちょっとブレーキがかかっちゃって、イメージとちょっと違ってきちゃうのかなっていうのは、心配点としてはあるのかなと。
しかも平屋でお庭があってとか考えると、やっぱりその分土地の余裕は必要になります。
工務店さん仲間のところで計画された平屋を見ると、どれも余裕があって平屋らしくていいなっていうのは。普通のアイの字型の建物ですけれども、なるべくその平屋の良さをなんとか限られたご予算の中でもできるようにっていうところで計画を立ててますけれども、悪くはないとは思って。
すごい、素敵です。
やっぱり平屋がいいよねって憧れて思ってる方は、まずその建てる前にどんなイメージがあるのかっていうのを明確にお伝えしてもらった方がいいのかなと。どっかの写真とかスクラップしておいて、こういう平屋に憧れてるんですっていうものがあると、明確に一番最初のステップとして間違いがないかなっていうのはありますね。
平屋は利便性より景色|まとめと次回予告
最後に、平屋が似合う立地の条件を整理し、今日のまとめへ入ります。
住宅密集地に平屋っていうと、建蔽率の問題もあるから、そもそも十分な広さが確保できなかったり、あとは周りが二階で住宅密集地で平屋ってなると、本当に日が当たらなくなっちゃう。単純に。
日が当たらなくなっちゃいますね。どちらかっていうと、平屋だともう利便性はまず度外視した方が。利便性を求めると、学校の近くでみたいな話で、そういったところにそれを確保するだけの土地は多分ないと思うので。郊外、ちょっと駅から外れて車で移動するけれども、まあいいかなと。子供の通学は12年間だけだからいいかなっていうような気構えがないと、ちょっと向いてないかなっていうのはありますね。
今のでわかりました。平屋のお家の写真を見ると、やっぱ畑だもん、周りが。
ですね。景色がやっぱり開けてるところが一番合うので。
そういう理由があったんだなっていうのが今回すごい納得しました。いい話が聞けたなというふうに思いました。となると、じゃあ今日のお話のまとめをすると、平屋を建てるにはやっぱり土地が必要ですよね。土地の広さが必要だということ。
そうですね、土地の広さですね。先ほど言った通り、小さくても70坪以上。山梨ですと、だいたい100坪。100坪あれば結構大きいと思うので、そのぐらいをまず探していただくっていうことと、できれば住宅が密集していないところがやっぱり平屋的には。湯村の家は住宅密集地のところに建っているので条件次第ですけど、建ってない方が平屋も似合うからいいかなというのはありますね。
あとはその耐震的には強かったり、お家の構造のメリットはあるよっていうお話もいただきましたね。ありがとうございます。平屋は次回後編ということで、少しお金の現実とか、災害時の現実などなどにも触れていきたいと思います。
はい。
まとめ
この前編では、新築が減り続ける中でも平屋だけが増え続けている背景が語られました。建築費の高騰と家族のコンパクト化が「どうせ建てるなら」という意識を生み、バリアフリーや耐震、家族の気配といったメリットが平屋を後押ししています。一方で、平屋には70〜80坪ほどの土地が必要で、憧れの伸びやかな平屋を実現するには土地とお金の現実と向き合う必要があると話されています。まずは憧れの写真を持ち寄り、イメージを明確に伝えることが最初の一歩だと締めくくられました。
- 新築が減る中でも、平屋だけが増え続けている
- 建築費高騰と家族のコンパクト化が「どうせ建てるなら平屋」の意識を後押しした
- 平屋は動線が楽で耐震計画も練りやすく、ワンフロアで家族の気配を感じやすい
- 平屋に必要な土地は小さくても70坪以上、山梨なら80〜100坪が目安
- 憧れの平屋を実現する第一歩は、イメージ写真で希望を明確に伝えること


