母校の競歩大会と、校内一スズメバチに刺された話
冒頭は富士山の話題から、二人の母校の競歩大会の思い出へと広がります。
はい、皆さんこんにちは。天野保建築の天野です。
はい、住宅ライターの高橋かずえです。
ちょっと声がお聞き苦しいですが、よろしくお願いします。昨日は富士山の山開きですね。昨日も天気悪かったから、ご来光が、でも山頂どうなんだろう。山頂行くと天気違うんですよね。下が曇りでも上晴れてたりするんで。
富士山登ったことありますか?
いえ、登ったことないです。でも、9合目で仕事は1週間ほどやってたことありますね。
へー。私も富士山登ったことなくて。高校の時の競歩大会で、2合目から5合目まで行って帰ってくるっていう試練があって。まあ私と天野さんと同じ高校なんですけど。あれで何キロぐらいあるんですかね?
あれで何キロだろう。20キロとかじゃないのかな。もう少しあるのかな。ちなみに母校の競歩大会、女子は途中で折り返すんですよ。
え?男子さらに上があるんですか?
時間に余裕があれば、男子は強制的に上まで行けって言われる。高橋さんが1年生の時に、スズメバチ騒動あったの覚えてます?
ありました。すごい地元トークで申し訳ないんですけど、パインツパークっていうところから、中野茶屋っていうところに向かうまっすぐな道があるんですけど、そこの直行にスズメバチの巣があって。みんながドタドタドタドタ競歩大会で何百人も走るから、スズメバチがびっくりしちゃって、逆上してきたんですよ。
私、刺されてたんで。校内一刺されたんで。15、16箇所。
え?スズメバチ。え?生きてる?大丈夫だったんですか?
大丈夫、大丈夫。頭とか顎とかいっぱい刺されたけど、やったーと思って。これで走らなくていいやと。みんな病院に連れてかれて、解毒っていうか注射打たれて。1年以内にまた刺されないでねって言われて。
ああ、あの、アレルギーのね。
アナフィラキシーだか。1年以内にまた刺されると、免疫が過剰反応するから死ぬよって言われて。
え、怖い。まさか、学校一刺された人がここにいるとは思わなかった。
断熱材とは何か、断熱等級はどう見る?
番組のオープニングを挟み、本題の断熱材へと入っていきます。天野さんは、まず断熱材の役割と等級の考え方から説明します。
今日の本題なんですけど、断熱材についていろいろ聞こうかなと思ってます。断熱材はどういう役割があるんですか?
断熱材はもう書いて字のごとくですね。熱を断つと書いて断熱材なんで。法改正する前までは断熱等級4が最高等級だったんですね。それが断熱等級5、6、7と増えまして、断熱等級7が最高等級で。ちゃんと上手く組み合わせをしていただければ、通常用のエアコン1台で家中が暖かく涼しくできる。冬は暖房運転しなくても度以下にならないのが等級7ぐらいかな。
断熱等級とか、あとHEAT20とか、いろんな指標があって、そこが私もまだ整理できてないんですけど、断熱等級は5、6、7っていう風に、数値が多い方が性能値は高い家ってことですよね。
等級とかで言うと、HEAT20のG1、G2、G3っていう性能があって、等級が高いほど断熱性能がいい。国が示す断熱等級も4、5、6、7ってありますけど、4は逆に言うと最低性能だと思っていただいた方がいいので、7が一番最高等級になります。
標準で使うネオマフォームとグラスウール
続いて、天野さんの会社で標準的に使う断熱材の話に移ります。まずは繊維系のグラスウールの特徴からです。
そしたら、まず天野さんのところで使ってる断熱材はどんな断熱材なんですか?
うちで標準で使っているのは、ネオマフォームっていうフェノールフォームっていう断熱材ですね。それとプラス、合成のグラスウールっていうものを併用して使っています。
それぞれ素材が違うんですか?
素材が違いますね。世間で言うと繊維系断熱材、グラスウールとかロックウールっていうものが繊維系断熱材って言われます。グラスウールってガラス繊維で形成されているものです。昔のものだと、このグラスウールを切ったり入れたりしてると、我々大工さんは非常に手、首回りが痒くなります。
そういう素材なんですね。
なんで痒くなるかっていうと、目に見えないガラス繊維が皮膚に突き刺さるんですよね。基本的には、しっかりとした施工をしていれば、一般の住まい手さんには被害はないですけど、施工上ではそういう特徴があったりしますね。
見た目は、羊毛フェルトみたいなモフモフ系に見えるんですけど、実はガラスでできてるんですね。
そうですね。今の繊維系断熱材ですと、価格が非常に安価です。ただ、する側がしっかりしていないと、ふわふわしてるんで、この中にたくさん空気が入るように施工することが大事なんですね。
ダウンジャケットと思ってもらえば。ダウンジャケットってモコモコしてるから暖かいじゃないですか。
そうですね、空気をそこに閉じ込めてくれるんですもんね。
もう一つグラスウールで大事なのが、一番問題なのが水にすごい弱いんですよ。断熱材の中に水分が入ると、この繊維系断熱材は、入った瞬間に性能が落ちます。
そうなんですか?水が入った瞬間に。
水が入ると性能が少し落ちます。あと、このモフモフっとした状態を保持したまま壁の中に入れなくちゃいけないので、大工さんに非常に左右されやすいところがあるっていうのがグラスウールです。
断熱気密とかそういったことがわからない大工さん、会社さんだと、間違った取り扱い方をすると、UA値いくつってクリアしてるのに、想像よりなんか家が寒いとか暑いとかっていうことにつながりかねないので、その辺が注意が必要ですね。
モフモフは下がってこない?グラスウール施工の善し悪し
高橋さんは、グラスウールが時間とともに下がってこないか疑問を投げかけます。天野さんは、梱包の2つの状態と施工の腕前について説明します。
もふもふしてるじゃないですか、グラスウール。これって建築したばっかりは均等に入ってるけど、そのうち重力に負けて下がってきたりしないんですか。
グラスウールの梱包の状態が2通りあって、一つが袋状に入っている、気密シートと一体になってるものがあるんですよね。それはさっき高橋さんが言った通りに下に落ちやすいです。ビニールで覆われてるんで、滑りやすいじゃないですか。
それを現場でタッカーっていう、ホチキスでパチパチって留めてやるんで、ずり落ちるリスクは減るんですけれども、そこで腕の善し悪しで、蓋を開けたら落ちてるっていうリスクがちょっとだけ高いかもしれないです。
もう一つの状態が、裸のグラスウール。気密シートとは別に裸でできてるものがあるんですね。うちではこれをやってます。裸なんで滑りにくいんですよ。木と木の間に入れるんで、その時に摩擦ができるんで、そんなに落ちることがない。昔のものほど落ちやすいんですけど、今のものだと裸だとそんなに落ちる心配はそうそうないかなとは思います。
半分の厚みで同じ性能、板状のネオマフォーム
次は、天野さんの会社が主に使う板状の発泡プラスチック系断熱材の話です。グラスウールとの性能差や、使う位置についても語られます。
もう一つが、板状の断熱材、発泡プラスチック系って呼ばれますけど、ポリスチレンフォーム。うちが使ってるようなフェノールフォーム系。うちが一番使ってるのはネオマフォームっていう、旭化成が作ってるものですけども、これはグラスウールが105ミリっていうところがフェノールフォーム50ミリで同じ性能になります。
半分の厚さで同じ。
そうです。半分の厚みでグラスウールと同等ぐらいの性能が出すことができます。
グラスウールが例えば10センチ必要なところを、ネオマフォームだと5センチで壁の厚さができるってことですよね。そうなると何がいいんですか?
例えば都内とかで壁厚を確保できないようなところだと半分になるので、良くなったりとか。フェノールフォーム系は、グラスウールに比べたら水に強い面があるので、水の影響がほぼほぼないような状態ではあるんですよね。この発泡系板状のものは、おすすめはやっぱり外側で、付加断熱とか、うちは外断熱って言ってますけれども、外側にやっていただく方が理想的かなとは個人的には思います。
知ってる風に話聞いてたけど、付加断熱が何かって私もう一回教えてほしいです。
石膏ボード、柱、外の構造用面材があったところに充填断熱っていう、柱と柱の間にグラスウールとかをするんですよね。で、さらにその外に付加する形。それを付加断熱って言ったり、外断熱って言ったり、ダブル断熱とか。皆さん注意してほしいんですけど、言い方みんなそれぞれなんで、どれも一緒なんで。
え、じゃあ天野さんもかっこいいネーミングつけましょうよ。
いや、あんまりそこで勝負したくないなと。分類的に言うと付加断熱か外断熱かっていう言い方だけ。それを工務店さんがかっこいい言い方に書いてるだけなんで、そこで何かが変わるってことは何もないんで。
等級7を目指すとなると付加断熱は必要になってくるかなというのがありますけど、その時にこの板状のものがいいかなと。材料のコストだけでいうとグラスウールがいいんですけれども、水濡れしても実害がないっていうと、この辺のものがいいかなというのがありますね。
あと注意点は、暖かい地域ですと、シロアリがこれを好むんですよ。板状の断熱材を食べちゃうんです。工務店さんにどういう方法で注意されてますかっていうところをお聞きしていただいた方がいいかなと思います。
吹き付け断熱・セルロースファイバー・羊毛の特徴
さらに、現場で吹き付ける発泡ウレタンや、天然由来のセルロースファイバー、羊毛断熱材へと話が広がります。
次が発泡ウレタン断熱材。液体を現場で吹きつけると、モコモコモコーってこう広がって、発泡スチロールの層ができてくるんです。これが現場発泡って呼ばれるものですね。壁より少し多いぐらいに吹き付けて、後でそれを全部削ぎ落としちゃうんですよ。断熱性能がしっかり出て、職人さんに左右されにくいっていうところがあるんですよね。
ただ、欠点的に言うと、硬く形成されてるので、地震の時に揺れ動いた時にここが割れたりするっていうことがありまして、そういったところで弱さが出てきたりする。あと比較的、料金が少し高価ではあります。
いろんな断熱材の種類があるけれども、どれもやっぱり一長一短っていうか、良さをわかってセレクトするっていうところがポイントになりそうですね。
そうですね。あともう一つ、天然由来のものもあったりするんですよね。セルロースファイバー。新聞の古紙を機械で吹き込むっていうセルロースファイバー。あと羊毛断熱材。羊の毛の断熱材。
へー、羊毛ってあるんですね。
はい、羊毛もあります。羊の毛で作るものの一番状態の悪いもの、他の商品には向かないものを断熱材として使ってたりするんですよね。グラスウールは濡れたらもう使うことできないんですけれども、この羊毛断熱材は、そういうことがあったら干せば使えるっていう、リサイクルが可能っていう。エコな材料です。
セルロースファイバーも古紙からできているもので、いろんな成分を吹き込んでやってるので、防湿性能とかいろいろあるんですけれども、断熱性能以外でおすすめすると、外の音が聞こえづらくなる、静かな空間を作りやすいっていうのはおすすめの一つかなっていうのはありますね。ただ、価格的にはグラスウールとかよりは高価なものになるので、そこはよく考えていただきたいなと。
ちょっとすごい余談なんですけど、私、断熱材の吸音実験ってしたことがあって。いろんな断熱材の音の違い、防犯ブザーを中に入れて、どれだけ音が響くかっていう実験をしたんですよ。そしたらもうセルロースファイバーだけ、もう抜群でしたね。全然音が違いました。
音だけのことで言うと、セルロースファイバーとロックウール、グラスウール、特にロックウールは音をもともと吸音する効果があるので、そのどちらかはおすすめではありますね。
断熱だけじゃなくて、防音っていう側面も一つ断熱材選びのポイントにはなりますよね、確かに。
断熱材は選べる?「標準で高性能」な会社を選ぶ意味
最後に、施主が断熱材を自由に指定できるのかという話題になります。天野さんは、標準で高性能な会社を選ぶことの意味を語ります。
ちょっと話逸れちゃいますけど、耐震のことと一緒なんですよ。標準で高性能なところをやってるところの方がいいかと、僕は個人的には思います。車と一緒なんで。お客さんの要望で性能を上げ下げするところじゃないんですよ。うちの会社はもうここまでやりますよって決めてるところの方が信頼は置けると思います。
うちの場合、よっぽどのことがない限り、多分断熱材の仕様は変更しません。お客さんがセルロースファイバーにしてくださいって言われても、うちでは常時扱ってるわけじゃないので、今まで蓄えた技術的なところが一からになるので、施工的に言うと、どうしても高くならざるを得ないんですよ。
それはそうですよね。
その分の費用を捻出していただけるんであれば、私もプロなので、ちゃんとしたものを施工するようにするんですけれども、そうでない限りは、うちでは断熱材を選んでもらうっていうことはない。等級の6と7、どちらにしますか?っていう話ぐらいで、断熱材はうちはこれを使いますっていうところもあるので、各工務店さん特徴がいろいろ違ったりすると思います。
今の話を聞いて、やっぱ家づくりって、大きなプロジェクトをチームで動かすものじゃないですか。頼りにする職人さんも天野チームで決まってるわけだから、急にセルロースファイバーの指定がきたら、そこのピースがまた新しいものを入れなきゃならないってことですよね。確かな職人さんを見つけてくることも必要だし、何年後かの責任とかも必要になると思うと、パズルみたいに取っ替え引っ替えはできないものですね。
なかなか大事な重要な部分でもあるので、言われたまんまやりますよっていうのは、ちょっと怖いかなっていう、そういったリスクが必ずつきまとうので、金額も結局上がることになりますし、この住宅高騰している中で、それは避けたいところではあるので。
天野さん、今日も貴重な断熱材のお話ありがとうございます。皆さん、断熱材のお話、奥が深すぎますね。気になることがあったらぜひコメントください。今日も皆さん最後まで聞いていただいてありがとうございました。
まとめ
この回では、グラスウール、ネオマフォーム、吹き付け断熱、セルロースファイバー、羊毛断熱材の特徴が具体的に語られました。断熱材はそれぞれに一長一短があり、コスト、水への強さ、施工性、防音性などのバランスで選ばれます。天野さんは、断熱材を施主が自由に指定するよりも、標準で高性能なものを扱い慣れている会社を選ぶことの大切さを強調しました。材料そのものの性能だけでなく、その素材を扱い慣れた職人や会社の存在が家づくりを左右すると考えられます。
- グラスウールは安価だが水に弱く、モフモフの状態を保つ施工の腕が性能を左右する
- ネオマフォームなどの板状断熱材は薄くても高性能で、外側の付加断熱に向く
- セルロースファイバーやロックウールは防音性にすぐれ、羊毛はリサイクルもできる
- 断熱材選びは、標準で高性能を扱い慣れている会社を選ぶことが信頼につながる


