子ども部屋のリクエストが減っている理由
はい、皆さんこんにちは。天野建設の天野です。
はい、住宅ライターの高橋かずえです。
はい、よろしくお願いします。天野さん、いい家って何ですか。
今日のテーマなんですけれども、「子供を伸ばす設計術」という形で、ちょっと子育てファミリー向けのテーマをお持ちしました。今まであの、ちょこちょこ小刻みで子育てファミリー向けの話はしてきたんですけど、ちょっと改めて今日またテーマとしてお話聞きたいなと思ってます。子供が小学校上がる前の方が、おそらく新築する層で多いのかなと思うんですけど。
そうですね、小学校上がる前、タイミングが皆さんあると思うので。お子さんをお腹の中に宿してる方から、幼稚園入学、小学校入学のタイミングで住宅を考えられる方が多いですね。年齢的には30代、俗によく言うのは30代後半から40代前半ぐらいが、建築を作る上では適齢かなと思いますね。メインで稼いでいる旦那さんにしても共働きの方にしても、ちょうど一番、体もお金も一番いいタイミングなのかなとは思いますね。
わかりました。ではでは、その子育て家族の方たちからのリクエストって主にどういうものが多いんですか?
最近傾向としては、お子さんの部屋について特段こうしたいああしたいっていうお話は少ないですね。
あ、そうなんですか。
はい。背景的にはやっぱり、子供が小さい間は住むんでしょうけれども、18ぐらいになると大学等で、山梨ですと都心に行ったりとか、進学のために親元から離れたりとか。期間的にいうと短いんですよね。18年って考えると長いんですけれども、寝たりするのも含めると10歳ぐらい、もう少し早い子だと小学校3年生ぐらいでも自分で一人で寝る子もいるのかな。
いると思います。
でもその間、結局親と一緒にずっと寝たりもするので。部屋という空間を作っても、使用する期間はやっぱり非常に短くなるので。うちのお客さんはそこまで踏み込んで考えている人が多いのかなとも思うんですけど、リクエスト的には特にこうしたいああしたいっていうのは少ないですね。よく我々の必要最低限の大きさがあればいいですって言われますね。
そうか、なんか確かに子供部屋が必要になってくるのって中学生からですもんね。子供部屋が必要な期間が非常に短いっていうことが分かりました。6年ですもんね。
3.75帖でちょうどいい、間仕切りをどう考えるか
子供部屋をそんなに大きく作らなくてもいいのではないかなと。3畳、3.75畳ぐらいがうちですとベストかなっていうのがありますね。
3.75畳は何をもってその広さなんですか?
シングルベッドと机が置けてっていう大きさですね。あと収納等はまた時と場合によるんですけれども。家事動線とか考慮すると、3.75畳でも設けようと思えば、ハンガーパイプとかそういったもので衣類等は仕切れたりもするので、ちょうどいいぐらいの大きさなんですよね。
部屋の模様替えとかは基本的にはできないものだと思っていただければ。ただ、8年かそこらしかいないかもしれない。我々世代だと18過ぎると夜遊びもしますし、家にいる時間帯の方が少なかったりもしたので。
よく建築費を抑えるのに、子供部屋3.75畳ですと、合わせて7畳ちょっとの部屋を作っておいて、後で間仕切りましょうみたいな。工務店さんとかもそういった方法でよくありますけども。うちは男の子同士ですけど、男の子と女の子の兄弟ですと、壁はしっかり設けてあげた方がいいのかなっていうところもあります。とは言っても8年後に巣立つっていうことと、中学生になったら間仕切りたくなってくるのかな。遅くても中学3年生ぐらいまでには勉強集中したいからって間仕切りが必要になってくると、とは言っても4年ぐらいしか使わないので。
だから簡易的な方法ですと、うちですとJパネルっていう杉のパネル、あれを簡単に設置して、簡単に後で取り外すこともできるので、費用的に結構抑えることもできたりするんですよね。
別の打ち合わせで、その子供部屋の間仕切りのこともお話してたんですけど、間仕切りを後から作るって言っても、ちょっと手間っちゃ手間じゃないですか。
そうですね。まあいろいろなアイデアはありますけどね。
初めに高い可動棚を作っておいてあげると、模様替えも楽にできるよっていうお話があって。確かにそれもいいなと思ったんですよ。大きな収納棚があれば、間仕切りの代わりに部屋の真ん中に置くこともできるし、逆に壁につければ収納にもなるじゃないですか。広くお部屋も使えるし。だけどなんか音の問題を考えると、また一丁行ったんだなっていう風に思います。
音はどうしても伝達で伝わってしまうので、もう最初から完璧にやっておかないと難しい問題ですよね。
安全のために素敵な引き戸を諦めるのは違う
天野さんは、子どもの安全を気にするあまり、家づくりの選択肢を狭めてしまうことに疑問を投げかけます。
似たような話でいうと、お子様のことでいうと、赤ちゃんとか1歳、2歳、3歳とか、目が離せない時ですね。例えばリビングに素敵なガラスの引き戸をつけたけれども、子供が追突してガラスが割れたら怖いからとか。
ああ、そんなことあるんですか。
リビング階段にしたいけど、子供が階段登ってって落ちたら怖いから。そういった問題あるんですけども、僕はお客さんにそういう相談を受けた時に言うのは、それをやっぱりちょっとの期間なんですよね。小学生になっても中学生になっても、逆に言うと自分自身が大人になっても、例えば酔っ払って階段から落ちるとか、そういったことは当然あるわけなので。
結構飲む家庭ですね。
子供のことを気にかけることは非常にいいことなんですけども、なんかそのためだけに。うちみたいにやんちゃな、うちはやんちゃですけど、階段とか手すりのところとかは、ふざけ合ってると、僕も含めて「落っこちるぞ」つって注意するわけですよね。ただ、その注意をずっと繰り返しやってると、自然とやっぱりその周りではふざけないですし。
ガラス張りの引き戸にしたいっていう要望も、やっぱり親がちゃんと子供にどこまで目を光らせてることが肝心なのかなと。お子さんのためだけに、その素敵な引き戸を諦めるのはちょっと違うのかなって。せっかくお金をかけて作るのに。そのお子さんのことを気にしてって大事なことなんですけれども。ただ、僕の価値観だと、親がそこをしっかり守ってあげれば、ダメって言えば行かなくなる。小さいうちからちゃんとやっておけば行かなくなるとは思うんですよね。
うちも上の子が幼稚園、下の子が年少さんぐらいに建てましたけど、目が離せませんでしたけど、やっぱりそういうふうにすると、子供も気をつけるようになるのかなみたいな。
確かにね、ガラスの引き戸で言ったら、うちもあるんですけど、アクリル板のドアがあるんですけど、危ないのわかりますからね。「危ないよ」って言えば危ないのがわかる。一個だけちょっと大変だなって思うのは、すごい手垢がつく。そこだけ。まあしょうがないかなとは思いますけど、子供も言えばわかりますからね。
汚れも傷も直せる素材の選び方
うちの子もしょっちゅう泥んこ遊びしてますけど。家に入る前に「手洗え」って。汚れた手で「壁を触るなよ」って言ったりですね。ただ、ある程度汚してしまう時もあるので、その時に使う素材ですね。うちですとモイスっていうのを使ってますけれども、意外と紙やすりで壁を軽く擦ってあげれば、その汚れ自体はすぐ取れちゃうので。
モイスすごい、いいですね。
はい、いいんですよ。ちょっと染み込む系のだと結構擦らないとあれですけれども、ちょっとした手垢ぐらいだったら綺麗に白くなるんで。珪藻土とかそういった系もそうですよね。
意外とできないのが、コスト的には安くていいんですけど、普通のよく言われるインテリアクロス。物によっては消しゴムで消せばっていうのはあるんですけれども、皆さん多分クロスだから後で張り替えるからいいやみたいな感覚になるのかなと思うんですけれども、正直な話、張り替える人は少ないです。
お子さんの部屋とか、前も話したと思うんですけど、ディズニー系のクロスを。小さいから、ミッキー好きだからって貼ってあげる親御さんいらっしゃるんですけれども、最初小さい時はいいですよ。「ミッキー」って言って可愛いとは思うんですけども、高校生になってもミッキーって。何かの大きな決断で家を綺麗に直そうかなみたいなことがない限り、ずっとミッキーの家見えます。
ミッキーが悪いわけじゃないんですけど、なかなかやらないんですよね。そういった素材を扱う時は、修繕も含めてよく考えてもらった方がいいかなって。
いや、間違いないですね。逆に何か床とかは子供がいるからって気をつけた方がいいことあるんですか?
今日のテーマでお子さんでっていうところだと、リノリウムですね。コスト的にはびっくりするほど安いっていう話ではないんですけども、水回り系に強く、素材は自然素材。傷等もつきにくいので、おすすめっていう素材ではありますね。
硬いんですか?それともクッションフロアみたいな感じなんですか?
クッションフロアの自然素材系と思ってもらえば。ある程度硬いので。調べてもらうと、その業者さんを介さなくても売ってたりするので。
床の傷も、無垢のものですとスチームアイロン等あれば、物によっては直せますし。ペン系のものですと紙やすりで落とせるので、そういった意味では無垢の床材ですね、がおすすめかなとは思うんですよね。一般的な板フローリングですと、結構な表面上コーティングをされてたりもするので、その効果も崩れちゃうのでどうなんだろうっていうところはあったりしますね。
自立心を育てる収納と「居場所」の作り方
自立心が養われるような収納の作り方とか、例えば自分で靴を片付けたくなるような設計の工夫とか、そういうオーダーってあるんですか?
うちでやったのは、ファミリークローク。小さい子だと自分でやりたいっていう子も出てくるので、その時にハンガーパイプって、うちは全部可動式になってるので、高さ変えられるので、その子供の高さに合わせて、自分でかけなさいっていう。テーブルがあって、そのテーブルの下は、各子供の教科書であり、テストがそこに溜まっていくので。片付けられるような工夫はするようにしていますね。
自分のモデルハウスと言いながら、「ああ、これが最初からあると楽だよな」っていうのを。最近、昔みたいに押入れとかクローゼットっていう形のが少なかったりするので、見せる収納、衣類とかは奥さんのところも、うちの家の場合はもうハンガーで吊るした方が、逆に綺麗に片付くみたいな。
いや、それ羨ましい、本当に。いいですよね。
収納の箱もあるんですよ。収納の箱よりも、奥さんのことも踏まえると、ハンガーで吊るしていた方が片付けが。衣類が少ないっていうのもあるのかな。
でも畳まなくていいって相当楽ですよ。ハンガーでそのまま干して、そのまま収納にこうやって掛け替えるだけですもんね。いいなと思う。
お子さんの自立心的に言うと、やっぱりお子さんが一番小さい時ですね。「俺自分でやる」みたいなタイミングでそういったものができるようなことをしていくと、大人になってもそれが習慣ついて。
確かに。もうそれ「確かに」しか言えないぐらい確かにって感じ。
これはうちで前もありましたけど、ポッドキャストで話にもなりましたけど。意外とスタディコーナーは今うちの実情で言うと、1年のうち2、3回誰かが勉強してるぐらい。実際は隣にあるダイニングテーブルで勉強をしているので。
スタディコーナーであればそこで目が行ってという構成はわかるんですけども。ただ子供が目の届く範囲っていうか、気配を感じられる距離で勉強してるかなっていうのがわかればいいと思うので、それであるならばスタディコーナーでなくてもいいのかなみたいな。
スタディコーナーっていうものの代わりに、居場所を作ってあげると、そこに何かしら椅子を持ってって、スツールとか持って行って、そこで読書したりとか。名称にこだわらないことをすると、子供も自由に居場所があると。いいのかなと。
うちも最近、うちの下の子が階段下で。僕が工務店さんとして尊敬している、鹿児島のシンケンスタイル、俗にシンケンさんって皆さん言ってますけども、見学行ったんですけども、至るところに居場所があるんですよね。建物の大きさはそんな大きくないんですよ。26坪とか24坪とか、そのぐらいなんですけど、腰を掛ける窓であったりとか。
奥さんが階段のところで足を出してそういう図を描いたりみたいな。見てて憧れるっていうか、そういう仕掛け、居場所を至るところにやってあって、小さいけれども、子供の居場所と親も含めて至るところに居場所があるんで。っていう方が、いろいろ自分で考えるっていうことは、お子さんの成長にプラスになると思うので、そういった間取りにしてもらえるといいかなと。
腰掛けられる窓が生む家族の居場所
あの居場所って腰掛けられる場所みたいな感じですか?
そうですね、腰をかけられたりとか。窓が腰がかけられるような高さにしてあったりとか。
奥引きだったりね。
尊敬する伊礼さんもそうですけれども、リビングの大きい開口部を設けると、基本的に全部が全部そうじゃないとは思うんですけども、30センチほどそこが高くなってるんですよね。跨ぐような掃き出し窓になってる。そこにやっぱり友人とか来ると、腰をかけて。ちょうどいい高さなんですよね。
ちょっと前に流行った畳スペースって言いますか。畳コーナーがあって、小上がり的な感じなんですよね、その窓が。だからそういう居場所がたくさん作れるようにとは心がけながらやっていますけれども。
そこに自分だけの部屋を子供が作ってると、親としても設計者としてもちょっと嬉しいなみたいな。
ね、嬉しいですよね。子供の時間って本当に、子供部屋の話にもつながりますけど、ちょっとしかないじゃないですか。
そうですね。逆に言うとちょっとしかないので、部屋だけにとらわれず、家じゅう至るところで活用してほしいなと。やっぱり年頃来ると、うちの長男もそうですけども、5年生ですけど、ご飯食べてニヤッと笑いながら下に行くって言いながら、自分の部屋で自分の時間も欲しくなったりもしますし。
そのぐらいになると自分の部屋に閉じこもっちゃうじゃないですか。当方でもそうなんですけど、テレビの配線がなかったりっていう。
ああ、壁掛けテレビとかですね。
壁掛けテレビっていうよりも、今携帯とかタブレットが普及しているので、テレビはほぼいらないみたいな。
ああ、確かにモニターの家とかありますもんね。
我々の時だと、僕の父は7時から9時までは巨人だみたいな。ありましたよね。それが見れなかったのが、逆に言うと、いい意味で親との距離感だったのかもしれないんですけれども。今だともっとコミュニケーションを密に取る傾向なので、テレビの配線をなくすっていうのも別にいいのかなと。子供は子供で、自分の時間欲しければ部屋があれば部屋に行くようになりますし。うちの場合だと、「早く下に行きなさい」みたいな。
ああ、そうなんですか。私もう寂しいですよ。もうみんな自分の部屋にこもっちゃって、みんな自分のスマホで何かしてるから、もう寂しい、本当に。「みんなリビングに来てよ」って。だからさっきの居場所がいっぱいあるリビングにすれば、どうすればいいんだろうって、すごい思いながらお話を聞いてました。すごい学びになりました。ありがとうございます。
次回は収納のプロをお招きしてますので、皆さん楽しみにしていてください。それでは皆さん、また来週もよろしくお願いします。
まとめ
この回では、子育て世代の家づくりで気になる子ども部屋や設計の工夫が、実例を交えて語られました。天野さんは、子ども部屋を大きく作りすぎず、間仕切りや素材で将来の変化に対応する考え方を示します。また、安全のために間取りを妥協するのではなく、親が声をかけて子どもを育てる姿勢や、家じゅうに「居場所」を作ることの大切さが繰り返し語られました。
- 子ども部屋を使う期間は短く、3.75畳程度でも十分に機能する
- 間仕切りはJパネルや可動棚など、後から柔軟に対応できる方法がある
- 安全のために素敵な引き戸を諦めるより、親が注意し子どもを育てる姿勢が大切
- 汚れや傷を直せる素材を選び、修繕まで含めて考えるとよい
- スタディコーナーという名称にこだわらず、家じゅうに居場所を作ることが子どもの成長につながる




