沈んでてよかったと今思える、最近の調子
雑談は近況報告から始まります。しもちゃんは、沈んでいた時期を経て、今はかなり調子がいいと切り出しました。
理由として挙げたのが、腕立てとスクワットの自重トレ、そして寝る前の瞑想です。1週間ほどこれを続ける生活ができているといいます。
結局やっぱり沈んでてよかったなって今思ってるっていう話です。
注目したのは、瞑想という選択肢の出どころです。しもちゃんは、これがメンタルを崩さなければたどり着かなかった選択肢だと振り返ります。
この瞑想もメンタル狂さんかったらたどり着かんかった選択肢やったんで、すごいいいなと思って。
一方のいなけんは、調子は普通か少し悪い側だと答えます。ただし、それを深掘りしても面白くないと話しました。
まあ調子悪いっていうか、まあ人生あるよね、波が。
イライラは「事象」ではなく「感情」から来る
話は、イライラとの向き合い方に移ります。しもちゃんは、以前よりマシになった気がすると語りました。
しもちゃんの気づきは、イライラの順番についてです。イライラという感情が先にあり、そこにチャットの返信やコミュニケーションといった事象を後から無理やり結びつけている、という見立てです。
イライラって生まれてる時に勝手に理由つけて、イライラっていう感情に無理やり事象を紐付けようとするから、なんか苦しくなるなと思ったんですよ。
いなけんも、自分のイライラについて同じ構造を語ります。象徴的なエピソードにつなげることはできるが、それは一面の正解にすぎないといいます。
俺の心がざわざわしてるなっていう状態を表してるだけであって、掘ってったってその具体のエピソードにたどり着かんぜっていう。
自身のエネルギー状態は常に一定で、感情には大なり小なりの上振れ下振れがある、というのがいなけんの自己認識でした。
有線イヤホンで聴いた映画音楽で「怖っ」となった話
ここから、この回の本題につながる体験談が始まります。しもちゃんは前日、有線のイヤホンを買ったと切り出しました。
購入したのは、AirPodsのような無線ではなく、ゴリゴリの有線イヤホンと、音を増幅させるDACという装置です。ハイレゾ向けの、音質にこだわった構成だといいます。
そのイヤホンで聴いたのが、映画『インターステラー』の劇中音楽です。作曲したのはハンス・ジマーで、しもちゃんは日本でいう久石譲のような立ち位置だと説明しました。
帰りの電車で目をつぶって聴いていたところ、しもちゃんは途中で強い没入感に襲われます。
なんかめっちゃ怖くなって、途中で。音の使い方とかで、「あ、これなんか待って、あ、怖い怖い怖い」みたいな。
音質のわずかな差やプラシーボ、仕事終わりの疲労など、複数の要因が相まったのではないか、としもちゃんは補足します。ただ結果として、電車の中なのに一気に別の世界へ持っていかれたと話しました。
臨場感とは、脳が「これが現実だ」と感じること
この「怖っ」という体験を、しもちゃんはコーチングで語られる「臨場感」という概念と結びつけます。前提として持ち出したのが、コンフォートゾーンとホメオスタシスの話でした。
コンフォートゾーンは、自分にとって居心地のいい空間のこと。人はそこに留まろうとする、としもちゃんは説明します。
その現状維持の働きが、ホメオスタシスです。いなけんは、体温が上がってもやがて平熱に戻るような機能だと補いました。
しもちゃんによれば、苫米地英人は、この体の機能を心にも適用してコーチングを組み立てているといいます。そして自分を変えるには臨場感が大事だと述べました。
では臨場感とは何か。いなけんが一般的なイメージとの違いを尋ねると、しもちゃんは探り探りながら核心を言葉にします。
脳は常に臨場感がある方を現実って認識するみたいな感じですよ、イメージ。
いなけんは、寝ているときの夢を例に理解を確かめます。夢であってもリアルだと思えれば臨場感がある、という整理です。
ここから2人は、コーチングの狙いを言語化していきます。今いるコンフォートゾーンAと、本当に得たいゴールBは離れているため、Bには臨場感が生まれにくい。だからこそ、AにいながらBに臨場感を持てるかが鍵だ、という理解に落ち着きました。
Bをいかにいながらも臨場感ある状態と、できるかどうかっていうのが、結局めっちゃ大事ですよっていう解釈。
マントラ、体験、そしてマーケティングへ
しもちゃんは、コーチングでは行きたいBのゾーンにいる前提で自分に暗示をかけると補足します。いなけんはこれをマントラになぞらえました。
2人の解釈は、言葉が先か感情が先か、という点で一致します。感情より先に言葉を音として発することで、脳が錯覚して臨場感を覚えるのではないか、という見立てです。
そこから、本より体験のほうが臨場感が出やすい、という話に進みます。本は文字を自分の経験とリンクさせる推論能力が要る、といなけんは指摘しました。
ガツンとその体験しちゃった方が早いって話やな。
しもちゃんは話を映画音楽に戻し、電車で「怖っ」となった瞬間に「これが臨場感か」と腑に落ちたと語ります。
さらに関心はマーケティングへ広がります。しもちゃんが手がけるインスタのリールでは、冒頭3秒のフックでいかに臨場感を持たせるかが重要だといいます。
恋愛系の例として挙げたのが、事実を淡々と説明するより「このままやったらやばい」と危機感を出す表現です。死により近い刺激ほど脳が強く反応するという見立てが背景にあります。
性とか死に近いようなものを体験すると、現状維持のホメオスタシスが働いて、この信号をキャッチしないといけないって、すごい集中ガッて強制的にさせられるんすよね。
いなけんは、これに近い内容の書籍として『ヒトが持つ8つの本能に刺さる 進化論マーケティング』を思い出し、人間の本能は太古から大きく変わっていないという前提で五感をハックする考え方を紹介しました。
聴覚だけじゃない、五感でバグる脳
いなけんは、しもちゃんの体験を「聴覚を通して脳がバグった話」と整理します。そのうえで、刺激は聴覚に限らないと広げました。
目からの刺激、強烈な匂い、味覚など、脳にダイレクトに届く入り口はいくつもある、というのがいなけんの見方です。しかも、それらは掛け算で組み合わせても効く、といいます。
刺激で脳をバグらせる活動には2つのタイプがある、といなけんは整理しました。自然にそれをやってしまうアーティスト的な人と、理詰めでやる人です。
自然と脳がバグる活動をしている感覚寄りのタイプ
仕組みを分析して意図的に刺激を設計するロジック寄りのタイプ
理詰めの究極として挙がったのが、テック企業のショート動画です。ドーパミンのロジックでハックされ、無意識に滞在時間を消費してしまう、という話でした。
しもちゃんは、ショート動画への没入も一種の臨場感だと指摘します。コンフォートゾーンからほぼ出ていないこちらの世界に、臨場感を持ってしまっている、という整理でいなけんも納得しました。
宗教儀式と音楽は、なぜいつもセットなのか
話題は、宗教的な儀式へと移ります。いなけんは、宗教儀式には必ず音楽が絡んでいると気づいたと切り出しました。
例に挙げたのが、葬式で木魚の一定のリズムに乗せて唱えられるお経です。ただ読むのではなく音を乗せることに、臨場感を生む目的があるのではないか、という見立てです。
ただ読むんじゃなくて、音を乗せることによる、あの臨場感とぶっ飛ばせる目的があるのかな。
キリスト教の賛美歌やゴスペル、瞑想音楽のような一定の周波数も同じ枠で語られます。人が落ち着く周波数と、テンションが上がる周波数があり、それが脳と心に作用しているのではないか、というわけです。
しもちゃんは、苫米地英人の話として、人が絶対的に恐怖を感じる周波数があると紹介します。アフリカの民族のマントラを例に、抗えないほどの作用があると語られていたといいます。
2人は、楽しいときの音、恐怖を感じる音といった「最適解」が、知らないうちにすでに存在しているのではないかと話します。流行の音楽も、無意識にそこへ乗せられているのではないか、という見立てです。
歌詞のない音だけで、なぜ心が持っていかれるのか
しもちゃんは、久石譲の曲を聴いていたとき、曲のテンポと自分のテンションが一致して涙が出た体験を語ります。
曲のテンポ感で自分のテンションが一致した時があって。もうなんか、もう涙やったんすよ。
いなけんは、劇中音楽を「お供え物」と表現します。俳優の演技や映像がメインで、音楽はそれを底上げする存在だという整理です。
一方で、シーンを抜いて音楽だけを聴いても、そのシーンを想起させる魔力がある、ともいなけんは言います。例に挙げたのが、好きな海外ドラマ『ゲームオブスローンズ』の音楽を手がけたラミン・ジャワディです。
なぜ歌詞のない音だけで心が動くのか。2人は、歌詞には意味が乗るぶん、インストゥルメンタルは音だけで勝負するしかない、という点に注目します。
だからこそ、世界中の人間に受ける音だけのインストゥルメンタルは超最強だ、といなけんは言い切りました。そして、宗教で使われる音は数千年の淘汰を耐え抜いた周波数なのではないか、と話をつなげます。
右耳と左耳で違う音を流す「ヘミシンク」
音と脳の話の締めくくりに、しもちゃんが持ち出したのがヘミシンクです。右耳と左耳で周波数の違う音を流す手法だと説明しました。
しもちゃんによれば、左右の周波数のずれが脳内のシータ波やアルファ波と一致するとされます。そのずれを追う反芻思考が疲れることで、集中に使う前頭前野が働きやすくなり、ノイズが消える効果があるといいます。
僕実際やったんですけど、めっちゃ集中できる。
いなけんは、こうしたバイノーラルの音楽は自作もできると持ちかけます。自分のコンディションに合う瞑想用の音楽を自分で作れる、というわけです。
そこからは、体調に合わせた1曲を1万円で受注する、上限100万円の成果報酬にする、といった脱線した冗談が続き、雑談らしいやり取りで盛り上がりました。
まとめ
沈んだ時期に始めた瞑想と、有線イヤホンで聴いた映画音楽の「怖っ」という体験を起点に、脳が「これが現実だ」と感じる臨場感の話が広がった回でした。音楽やマーケティング、宗教儀式まで、心のコンディションが動く仕組みを2人でほどいていきます。
- しもちゃんは、沈んだ時期を経て瞑想という選択肢に出会い、今は調子がいいと語る
- 臨場感とは、脳が「これが現実だ」と認識する感覚で、コーチングでも重視される
- 死や恐怖に近い刺激ほど脳が強く反応し、映画やリールのフックにも使われている
- 聴覚に限らず五感で脳はバグり、宗教儀式の音や流行の音楽もその作用を利用している
- 歌詞のないインストゥルメンタルや左右で異なる周波数を流すヘミシンクも、音で心を動かす手段として語られた





