最近、昔の番組DVDを見返している
きっかけは「ハートで感じる英文法」でした。この番組の再放送を見ていたのが2006年だったと思います。
その後、会話編という続編が出て、それは多分リアルタイムで追いかけていました。
で、最近になって番組のDVDを買って、また見返しているんですよ。
「あ、こういう説明あったな」とか、クリス先生が街頭インタビューで「こっちとこっち、どっちがナチュラルですか」と聞いていたなとか。
昔はあまり聞き取れなかったけど、今はほぼ100パーセント聞けている。多少は成長したかな、なんて思ったりもしました。
「並べると説明」を昔から言っていたという衝撃
そんな中で、あるINGの回を見ていたんです。「Speaking with your mouth full is very rude.」という例文が出てきました。
動名詞の話をしていたんですが、その後ろに「with your mouth full」、いわゆる付帯状況のwithが出てきます。
今の私なら、これは並べているんだとわかります。your mouthとfullを並べているから、mouthがどういう状態かをfullで説明している、というわけです。
でも、番組の中ではその説明はしていなかったんですよ。重きを置いていたのがINGの部分なので、そこまで広げていなかったんですね。
それで過去の講演会の資料などを見返していたら、あることに気づきました。
「並べると説明」って、私の中では割と後ろの方で言い始めた気がしていたんです。でも、調べてみたら全然そんなことなかった。
続編の会話編でも出てきているし、「英文法絶対基礎力」なんて、配置のことをすごく重点的に言っているんですよ。
これがちょっと衝撃でした。私が追いかけ始めた最初の頃から、ずっと言われていたんです。もちろん触れてはいた。読んでも聞いても見てもいた。
だけど、全然自分の中に残っていなかったんですね。というより、言われていたことに気づけていなかったんです。
全部を一度に吸収するのは、そもそも難しい
つまり何が言いたいかというと、どれだけ自分が追いかけていても、その対象が言っていることを完全に吸収しきるのは難しい、という話です。
当たり前じゃないかと思われるかもしれません。でも、案外こういうことって言われないんじゃないかと思うんです。
「この先生いいから追いかけるといいよ」とは言われる。それは間違いない。でも私は19年目でようやく、昔言われていたことに気づいたんですよ。
大西先生は、その時点でもう50いくつの状態で作り上げた英語観を、世の中に提示してきているわけです。
当時20代だった私が、それを1年やそこらで全部吸収できるわけがないんですよね。
講演会の資料を漁っていたら、論理学をすごく勉強されていたとか、トルコ語を勉強されていたとか、論語などの古典にも詳しいという話が出てきます。
そういういろんなものの集積があっての大西先生なんですよね。思想もパーソナリティも含めて出来上がっている。
それを凡人の私が吸収して、自分の型を作って、それを破ってオリジナリティを出していくには、相当時間がかかるんです。
なぜ当時の私は気づけなかったのか
どうして当時の自分は気づかなかったんだろうと振り返ってみました。
おそらく、ハートで感じるイメージというところにかなり気を取られていたんだと思います。
現在完了は手元に迫ってくる感じがいいよ、INGは躍動感があるよ。そういうのはどんどん吸収していました。
大学生の頃だったので、中学生や高校生にアウトプットもしていたんです。だから染みついている。
でも、語順というところに関しては、あまり私の中に入ってきていなかったんですね。
ここから少し話を進めたいんですが、先人が「こう見るといいよ」と提示してくれたことは、どこまで行っても他人が言っていることなんですよね。
だから、自分で気づくチャンスをつかみに行かなきゃいけないんです。
私はよく「実地に出る」と言うんですが、例えば一億人の英文法やラジオ英会話でやった内容を、大西先生がいないところでも思い出せるかが大事なんです。
この英文を大西先生だったらこう見るだろうな、と気づく。調べてみて、やっぱりこうだろうな、と。
答え合わせはできないんですよ。できないんだけど、いつもそういうアンテナを立てておくことで磨かれていくわけです。
他人の言葉は、あくまできっかけにすぎない
もっと踏み込むと、他人が言っていることだけだと、理解の具合が弱いと思うんですよね。
子育てをしていて思うんですが、「これやったら」と言っても響かないんですよ。本人がやろうと思わないといけない。
大学生を指導していても同じです。「やりなさい」「覚えなさい」と言っても、なかなか覚えられない。
でも、自分がこれをやろうと思ったものは、どんどん自分の知識になっていくんですよね。
他人がいくら言っても、自分の中でこうだというのを常にやって、自分が主導権を握っていかないと伸びないんだろうなと思います。
大西メソッドが仮にあったとして、それをいろんな英文で検証する。読んだり聞いたり書いたり話したりすることで、気づくんです。
一番わかりやすいのがラジオ英会話ですね。ダイアログを聞くと、この辺を解説するんじゃないかな、という位置と内容が、8割9割の精度で当たるようになりました。
なんなら、私の方が先に解説の内容を思いつくことも多いです。もちろん尺の問題もあると思うんですけどね。
そうやって「大西先生だったらどうだ」とやっていくことで、自分の中の英語観が育っていくんじゃないかなと思います。
まとめ
かなり抽象的でふわふわした話で、私の中でもまだ言語化しきれていないんです。でも、昔言われていたはずなのに気づけていなかった、という気づきをシェアしたくなりました。同じ本でも40代と50代で全然違う読み方になる、というのに近い話なのかもしれません。私自身、改めて一億人の英文法をしっかり読み直そうと思っています。
- どれだけ追いかけても、相手が言っていることを一度に全部吸収するのは難しい
- 他人が提示したことは、どこまで行ってもきっかけにすぎない
- 自分で気づくアンテナを立て、英文で検証し続けることで英語観が育っていく
- 学びが腑に落ちるには、経験と時間の積み重ねが必要になる




