15分では説明しきれない部分を拾いたい
ラジオ英会話は平日毎日更新されていて、いろんな放送があります。
でも15分という時間の中で説明できることって、どうしても限られているんですよね。
私は20年ほど、大西先生を勝手に師匠と慕ってやってきました。
だから聞いていると「この部分、大西先生は本当は説明したいだろうな」と気づくことも多いんです。
時間に収まりきらず説明されない場面もある。今日はそういう部分が一つ見つかったので、撮ってみようと思った次第です。
「明日の朝、届けてもいいですか」をどう英語にするか
今日は5月26日、レッスン37を取り上げます。
テキストの「practical usage」、英作文のコーナーですね。
場面はこうです。レポートを心待ちにしている教授が進捗を尋ねてくる。「How's that report coming along?(あのレポートどんな感じ?)」と。
それに対して、今日中には仕上げられそうにないこと、そして「明日の朝、それをあなたにお届けしてもよろしいでしょうか」と申し訳なさそうに返す、という内容です。
レッスンのメインは、悪い知らせを前置きしながら相手に配慮して伝える言い方なんですが、私が注目したいのは2文目です。
「明日の朝、それをあなたにお届けしてもよろしいでしょうか」。これ、パッと英語にできますか。
gotとtomorrow morningが同居する違和感
解答例として出ているのは、こんな文です。
「Would it be okay if I got it to you tomorrow morning?」
「Would it be okay」で丁寧に言っているんだな、というのはすぐ分かると思います。
問題はその後です。「if I got it to you tomorrow morning」。
got は過去形ですよね。その過去形の got と、tomorrow morning が同じ文に並んでいる。
これ、不思議に思いませんか。「got tomorrow morning」。過去と未来じゃないか、と。
ここをしっかり説明したいと思ったんです。
鍵は「距離を取っている」ということ
まず「Would it be okay」というのは、相手との距離を保ちながら言う表現です。
「Is it okay?(OKですか)」と言うこともできますが、これだと直接的すぎるんですよね。
だから距離を取って、丁寧に「Would it be okay」と言っている。「OKかどうか分からないけれど、どうでしょうか」というニュアンスです。
そして何がOKかというと、「if I got it to you」の部分です。私がこう提出したらOKですか、と言っている、いわゆる仮定法にあたるところですね。
ここもやはり距離を取っているんです。Would は Will の過去形と言われますよね。
主節が距離を取っているので、If の中身も同じように距離を取る必要がある。だから got という過去形で離れるわけです。
高校で「If+過去形+助動詞の過去」と覚えた仮定法、まさにあの形なんですよ。
内容自体は距離を取っていますが、話しているのは tomorrow morning のことなので、意味の上では何も問題ないんですね。
見た目だけ見ると「got tomorrow morning」で気になってしまう。その感覚自体は正しいんです。
小さな「わからない」で離脱してほしくない
この部分は大西先生が説明していないので、そのまま覚えてしまってもいいんです。
でも機械的に無理やり覚えたものって、いざというときになかなか出てこないんですよね。
だからこそ、Would も got も距離を取っている、と心を動かして理解してあげると、ぐっと分かりやすくなります。
英語をよく分かっている人には問題ない箇所だと思います。
でもラジオ英会話を使い始めたばかりの人にとっては、「なんだこれ、間違いなんじゃないの、誤植なんじゃないの」と混乱してしまうかもしれません。
そんなことはないので、私はどうしても説明したくなって、急遽この収録をしたという次第です。
こういう小さな「わからない」の積み重ねがあると、学習って簡単に離脱してしまうんですよね。
でも逆に、わかると面白くなっていく。だからこの一つひとつを大事にしたいんです。
まとめ
got と tomorrow morning が並ぶのは間違いではなく、「Would it be okay」で距離を取ったのに合わせて、If の中身も距離を取っているから。今の私は、こういう小さな引っかかりこそ丁寧に解いていきたいと思っています。反響があれば、週に一度くらい、みんなが迷うところを取り上げる回も作れたらいいなと考えています。
- 「got tomorrow morning」は誤植ではなく、丁寧さのための距離を If の中身にも合わせた形
- 主節が「Would it be okay」と距離を取ると、If節も過去形 got で距離を取る必要がある
- 機械的に覚えるより、「距離を取っている」と理解したほうが実際に使える
- 小さな「わからない」を放置せず解いていくことが、学習を続ける鍵になる

