偏差値72の僧侶が算数でつまずく?
この回の前半は、おしょうが制作している足立区の雑誌の「値付け」の話です。おしょうは1本目の収録で深掘りできなかったお金の話を、大事な話としてあらためて取り上げます。
おしょうは前提として、早稲田実業中学・高校から早稲田大学を卒業し、小学6年生の最後の模試の偏差値は72ほどだったと明かします。清水さんも、共通の知人が同じ塾にいて、ずば抜けて頭のいい男子2人のうちの1人だったと聞いていると裏づけます。
だからここ(学歴自慢)をショートで切り抜いちゃダメだよ。
長い前振りを自虐しつつ、おしょうは「そんな自分が今、本当に算数でつまずいている」と本題に入ります。悩んでいるのは、雑誌の制作費を回収できる値段をどう決めるかという問題です。
制作費300万円と3000部、どう計算する?
おしょうは具体的な金額をぼかしながら、仮の数字で費用を説明します。撮影、デザイン、編集プロダクションへのディレクション費用を仮に150万円とし、そこに印刷費100万円、出版準備金50万円が加わって合計300万円になるという計算です。
さらに芸能人のブッキング費もかかります。部数は最低でも3000部を刷る予定で、まずはクラファン ── クラウドファンディングの略。インターネット上でプロジェクトを公開し、共感した人から資金を募る仕組みです。支援者にはリターン(返礼)が用意されますでなるべく全部を売り、その後に商業出版でさらに売っていくイメージだといいます。
制作費
撮影・デザイン・ディレクションで仮に150万円
印刷・出版準備
印刷費100万円、出版準備金50万円で合計300万円
既存の資金
遠浅グラスガチャ足立のクラファンで50万円が入っている
販売
最低3000部をクラファンで売り、商業出版でさらに売る
遠浅グラスガチャ足立のクラファンのおかげで、すでに50万円は入っているため、残りは250万円です。おしょうは、3000部を800円で売っても240万円で、少し足りないと計算します。
本体500円、クラファン900円の内訳は?
清水さんが驚いたのは、おしょうが雑誌の価格を現時点で500円として計算していたことです。おしょうはワンコイン500円に、送料と手数料を乗せたものがクラファンの900円だと説明します。
衝撃なんですけど。本体価格が900円だと思ってたんですけど。
おしょうによれば、送料は320円、手数料は1個につき80円ほどで、合わせるとちょうど900円になります。ただし500円にすると決めたわけではなく、あくまで500円で計算しているだけだといいます。
一方で、この計算には芸能人のブッキング費が入っていません。仮に著名な俳優が表紙を務めてくれるなら、クラファンは900円のまま、雑誌の価格も900円に上げるパターンもあり得るとおしょうは話します。それでも、500円の値付けではどちらにしても赤字だといいます。
500円にした背景には、前回の放送で触れた、箕輪さんから「高けえよ、売れねえよ」と言われた一件があります。
安いほうが売れる?それとも価格はスタンスか
清水さんが「じゃあ千円にしましょうか」と言うと、おしょうはすぐに否定します。制作費は全部回収したいものの、それ以上にこの雑誌を売りたい、そして消費者は安いほうが買いやすいはずだ、というのがおしょうの考えです。
フェラーリが百万だったら価値なくなるじゃん。あれは数千万円するから価値があるわけでしょ。
おしょうは、価格が価値をつくる商品があることは認めつつ、自分たちには紙の実績がまだ何もないと話します。ベンチマークとしては、同じデザイン会社が関わった1320円の「新足立本」を意識しつつ、広告収入も見込むものの不確定要素が大きいといいます。
清水さんの考えは正反対です。足立区民を100人選び、一人ひとりをたっぷりの写真と文章で紹介する人物図鑑のような雑誌は、子どもから大人まで挑戦のきっかけになる本だと自信を持っているからです。
出てる人たちの名誉のためにも、あの価格でスタンスを示したいと思うんですね。
清水さんは本体価格を880円以上にしたいと提案します。本当は990円と言いたかったものの、おしょうの謙虚なスタンスを踏まえて880円にしたといい、1000円未満の価格帯を人がどう感じるかという感覚の話だと付け加えます。
実績がない今は、安いほうが買いやすく売れる。まずはワンコイン500円で計算
出ている人の名誉のためにも価格でスタンスを示したい。本体880円以上が望ましい
おしょうも、3桁と4桁の壁があるという点では清水さんと同じ感覚です。そのためクラファンを900円にしたといい、寄贈が増えれば送料が減ることにも触れます。清水さんは、高額支援者の代わりに冊数分の本を学校や公共施設に届ける「寄贈リターン」を予定していると補足します。
売る、表紙、回収。おしょうの優先順位は?
おしょうは「偏差値70を超える僕をもってしてもプライシングは難しい」と笑いながら、自分の優先順位を語ります。一番は、とにかくたくさん売ることです。
日本全国津々浦々のいろんなローカルを文脈としてる人たちに届いたら、なんかこの世の中もっと良くなる気がするから。売りたいが一番上。
2番目は、思い描いている著名人を表紙に起用すること、3番目が制作費の回収です。おしょうは制作費の回収はもう一旦いいと言い始めていますが、このままでは2番目の芸能人のブッキング費が足りなくなりそうで、500円では足りないかもしれないと悩んでいます。
清水さんは、価格を上げる理由が芸能人のブッキングだと言われると、周りは納得しにくいと指摘します。おしょうは、表紙の起用は1番目の「届ける」ための手段であり、妻のむっちゃんの表紙で売れるならむっちゃんでいく、と説明します。
ただ、むっちゃんはまだ知名度で劣るため、5年後なら表紙もあり得るかもしれないとおしょうは話します。清水さんによれば、おしょうはこの取り組みに3年ほど関わっています。
出版はなぜ「罰ゲーム」なのか
おしょうは、制作費の回収にこだわるのは今の時点では自分のエゴだと感じていると語ります。それでも、雑誌単体で回収できなくても、ガチャ足立に関わった人のPRを進め、いろいろな事業に派生させる考え方はあり、雑誌はチラシのようなものだといいます。
なんでこんなさ、罰ゲームみたいなさ、ビジネスモデルなの?これ。
おしょうが嘆くのは、売れても入金が最短で半年後、実績がなければ1年待つこともある出版の仕組みです。清水さんは、伝わっているのは「辛いと笑いながらずっと本を作っているおしょうの姿」だと返し、暗くないからこそいいのだと励まします。
おしょうは、届けることを優先する順番は変わらず、仮に3000円のほうが届くならクラファンを1冊3000円にする可能性もあると話します。
雑誌の値段は後から変えられる?
清水さんの「雑誌は途中で値段が変わることがあるのか」という問いに、おしょうは、クラファンの価格と書店での雑誌の価格は別物だと答えます。一般的には、手数料や送料が乗る分、クラファンより書店のほうが安くなるといいます。
理屈の上では、クラファンを1冊900円にして、その後に雑誌を1500円で出してもかまいません。ただし、広めることを優先するなら、おしょうは900円より高くすることは基本的にないと考えています。
1000円にした場合に売れ方がどれだけ変わるかが問題だと話すおしょうに、清水さんはテスト販売を提案します。しかし、おしょうはクラファンで実績をつくって「よーいどん」に臨むため、そこでこけたら最後だと考えています。
清水さんが「それで言うと答えは出ている気がする」と応じると、おしょうは現状では500円でいくと答えます。そのうえで、制作費はそれだけかかっていることも伝えたいと話します。
広告は1000万円で売れる?それとも無料枠?
おしょうの理想は、気前のいい人が雑誌の広告を1000万円で買ってくれることです。清水さんは、雑誌の中に広告ページをつくり、掲載したい企業に枠を購入してもらう仕組みだと説明し、興味のある人を募ります。
広告枠は当初数十万円を考えていたものの、まだ決めていません。おしょうは広告にはあまり期待しておらず、むしろ一番見られないページに、自分の人生を変えたラジオ番組の広告を無料で載せたいと初めて明かします。
ただし、無料枠にすれば広告枠を1つ潰すため、売り上げは減ります。それでもおしょうは、広告がノイズになるようなメディアにはしたくないといいます。
本当に見やすい方が読者に優しいから。
箕輪さんに「売れねえよ、高けえよ」と言われてからずっとお金のことを考えているおしょうは、最初の価格帯で走り出す覚悟をまだ決めきれていないと打ち明けます。二人は「おしょうのお悩み相談みたいになった」と笑います。
まぶしい自転車ライトに目がくらむ相談
後半は、リスナーからの相談です。差出人は、前回の相談で登場したウサギの着ぐるみでバルーンを配る37歳男性で、同じラジオネームから2通目が届きました。
いつも一人で寂しく楽しく視聴させていただいております。今年になってから自転車のルールが大幅に変わり、取り締まりも増えて、いつもより気楽に自転車に乗れなくなってしまいました。夜、自転車に乗っていると、向かいから原付か?って思っちゃうぐらいやたら明るいライトを搭載した自転車にたまにすれ違うことがあります。見なければいいのに、気になって見ちゃうと目がくらんで嫌な気分になります。どうすればいいですか。
おしょうの第一声は「タクシーで帰れ」でした。すぐに冗談だと謝り、ウサギの着ぐるみではタクシーに乗れないと付け加えます。
相談文では、おしょうがセグウェイで移動していると書かれていましたが、二人は電動キックボードのループと間違えているのではないかと話します。清水さんはループに乗ったことがあり、東京駅の周辺で「5回ぐらい死にそうになった」と振り返ります。
おしょうは前日、東武バスの一番前の席から、夜の車道を走る自転車がバスすれすれを通るのを見て危ないと感じたと話します。清水さんも、車道を走れば互いに危なく、歩道を爆速で走れば歩行者が危ないと応じます。
イライラの原因は「寂しさ」と供養?
清水さんが注目したのは、相談文の最初の一文「いつも一人で寂しく楽しく視聴」です。この番組は友達の飲み会や雑談を少し遠くから聞いているようだとよく言われるため、そこに距離を感じているのかもしれないと推測します。
おしょうは、前回相談された昔の恋愛をまだ「供養」できていないから、ライトがまぶしいくらいでイライラするのではないかと解釈します。前回話した「供養バルーン」の企画も、断られたのではないかと二人は想像を膨らませます。
正直さ、ライトが眩しいぐらいでさ、イラつくってさ、それやっぱ供養できてないからなんじゃない?
おしょうが「一番いいのはコンパ」と言うと、清水さんは前回もコンパは行きにくいという流れだったとして、別の答えを求めます。
移動手段を変えて、歩けばいい?
おしょうは問いを設定し直し、移動手段を変えるのが一番現実的だと提案します。自転車移動が中心の清水さんは、止めやすく、ママチャリなら大きなスーツケースも載せられると、自転車の良さを挙げます。
一方、おしょうはあまり自転車に乗りません。お酒を飲むので運転しないようにしていることと、再発した手荒れで自転車に乗るのが一番痛いことが理由で、子どもの迎えを頼まれたときだけ乗るといいます。
結局、二人は「歩けばいい」という結論に近づきます。清水さんは、サングラスをかけて歩けば光も気にならないと付け加え、セグウェイと自転車の話をしている相談者には盲点だったかもしれないと話します。
タクシーについては、清水さんはしょっちゅう乗るとお金がなくなるため使わず、車を持たずにシェアカーを使っているといいます。
無給で働き、寄付は110万円超え
おしょうがタクシーに乗る理由は、無給で運営しているガチャガチャのお店にあります。売り上げは法人に入り、自分は終電ごろに帰って、レモンサワー付きの油そば1480円を食べ、深夜料金のタクシーで帰るため、3000円ほど使って働いている状態だといいます。
修行だ。修行。
前日には足立区役所でシティプロモーションの打ち合わせがあり、これまでの寄付額が110万円を超えていると驚かれたそうです。そこからおしょうは、相談者にも寄付を勧めます。
心の余裕につながるから。寄付すると修行だから、人生なんて。
しかし清水さんは、出版を「罰ゲーム」と嘆き、お金を払って働いていると聞いたあとに寄付を勧められても、と苦笑します。お金の話ばかりになったことを、二人は「運命の回」と笑います。
結論は自転車を売って寄付すること?
おしょうは、相談者はいいことが足りず満たされていないのだと考え、自転車を売ってそのお金を寄付しようと提案します。さらに、自分たちの雑誌に「自転車売りました」という広告を出してくれれば一番いいと冗談を重ねます。
清水さんは、番組の登録者71人は2回も相談をくれた相談者のことをもう知っていると話します。前回の相談回のYouTube動画は350回以上再生され、一番視聴された回になったといいます。
最終的な答えは、自転車を売って寄付し、心にゆとりが生まれるか試してみることです。本当に寄付したら、おしょうが供養バルーンの件で相談者のために動き、施設にアポを取ると約束します。
でもこうやって交流が何回もできて嬉しかったです。
最後に、近く始まるガチャ足立の雑誌のクラファンを告知します。クラファンでは送料と手数料込みで1冊900円になる見込みで、印刷に向けたクラファンになると二人は伝えます。
まとめ
前半は、届けることを最優先にしながらも、制作費と表紙の起用費の間で揺れるおしょうの値付けの悩みが中心でした。後半はまぶしい自転車ライトの相談から、寂しさや心の余裕の話へと広がり、二人らしいゆるい回答で締めくくられています。
- 雑誌の費用は仮に300万円で、最低3000部を刷り、クラファンは送料と手数料込みの900円を想定している
- おしょうは「安いほうが届く」、清水さんは「価格で掲載者へのスタンスを示したい」と考えている
- おしょうの優先順位は、売ること、表紙の起用、制作費の回収の順番
- まぶしいライトの相談には、歩くことや、自転車を売って寄付することで心の余裕をつくるという答えが出た




