ピンクのパーカーと6枚のコレクション
10月22日の収録2本目は、おしょうさんの寝起き話から始まります。おしょうさんは1本目の前、清水さんが来る10分前ぐらいまで布団にくるまっていたと明かします。
この日のおしょうさんの服装は、ピンクのパーカーに染めのパンツという組み合わせです。かなちゃんに写真を撮ってもらったときの格好が気に入り、最近は寺にいるときはなるべくこのスタイルで過ごしているといいます。
めちゃくちゃ可愛いなと思って、ストーリーズでOSHOのファッションコーデっていうのを上げたんですけども。違うパターンとかもどんどんしてほしいんですよ。
清水さんのリクエストに対して、おしょうさんは同じブランドのパーカーを半袖2枚、長袖2枚、スウェット2枚の計6枚持っていると返します。冗談まじりに、かなちゃんとアパレルブランドを立ち上げたいとまで話しますが、かなちゃんは一人で楽しく作るのが好きなタイプだろうと推し量っています。
雑誌「ガチ足立」の先に何を置くのか
ピンク好きの話から、おしょうさんは構想段階のアパレルブランド「ボンバボンゾ」の話を切り出します。前提として、地域の人を取り上げる雑誌「ガチ足立」のクラウドファンディングを控えているという状況があります。
おしょうさんが参考にしているのは、箕輪さんの考え方です。箕輪さんは、雑誌は事業として儲けるためというよりブランドを作るためのものだと話していたといいます。
実際に箕輪さんは雑誌「サウナランド」をクラウドファンディングで売り、その後、浅草に同名のサウナを作っています。おしょうさんは、雑誌で終わらせずに次の場をつくるこの流れを、ガチ足立にも重ねています。
友達を作ろう、友達と遊ぼうっていうこの思想を、このコンテンツに乗せてみんなに届けて、その後さあみんなで何しましょうっていうのが大事なのよ。
ただし、おしょうさんによれば、みんなで何をするかという話とアパレルは別物です。ボンバボンゾは「自分が一人でやりたいこと」で、本人いわく正直ほぼ遊びです。ブランド名はイタリア語で「爆弾僧侶」を意味するといいます。
「港区に潜入して内部から破壊せよ」の真意
ボンバボンゾのコンセプトとしておしょうさんが掲げたのは、「港区に潜入して内部から破壊せよ。足立区の僧侶が」という過激なフレーズでした。清水さんは笑いながらも、すぐには共感できないと率直に返します。
おしょうさんが言う破壊は、港区を壊すことではなく思想の話です。SNSではアテンションを集める港区的な価値観が、あたかも日本の標準のように見えていることに違和感があるといいます。
ほとんどの地域の中で頑張ってる人って、みんなちゃんとやってるじゃん。でもそっちの方が俺は価値があると思うわけ。その港区でアテンションを集める人たちより。
日々の営みをね、誠実に楽しく一生懸命やってる人たち。
清水さんのこの言い換えに、おしょうさんは「今言いたいこと全部言ってくれた」と即答します。ガチ足立も、派手ではないためメディアが取り上げない地域の人を自分たちで取り上げる試みだという位置づけです。
お金とアテンションで成り立つ街の象徴。SNSで目立つ価値観が日本の標準のように見えている
地域で日々の営みを誠実に、楽しく一生懸命続ける人たち。派手ではないがこちらに価値があると考える
おしょうさんは、アパレルはエッジが効いていないと売れないと話します。「素材にこだわりました」のようなブランドはたくさんあるので、尖った言葉が必要だという考えです。
好きなブランドとして挙げたのは、ストリートブランドのダブルタップスです。かつて渋谷のはずれにあった店は「潜入して陣地を作った」ような世界観で、店員さんは冷たく、どちらが客かわからないほどだったと振り返ります。
一方で、最近のおしょうさんは服の選び方が変わったといいます。ストーリーのない服は買ってもつまらなくなり、つながっている人の作ったものを着ることを「物語を着ている」感覚で楽しんでいるそうです。
港区はあくまでわかりやすい記号で、箕輪さんが「ドバイと港区は直通のバスが毎日走っている」と表現するような、お金とアテンションの象徴として使っています。おしょうさんは「ボンバボンゾはシャレT」だと笑い、受注生産で損をしない設計にしつつ、まあやさんに相談してタグまで作る「遊びだけど真剣」な取り組みにすると話します。
キーカラーは紫、そして「営業側」の問い
ボンバボンゾのキーカラーについて、おしょうさんはすでに紫に決めているといいます。ブランドにはそれぞれ象徴となる色があるというのが話の出発点です。
| ブランド | キーカラー | おしょうさんの説明 |
|---|---|---|
| ダブルタップス | オリーブ | オリーブドラブ。軍服っぽい色 |
| ヨウジヤマモト | 黒 | キーになる色の例として挙げた |
| ボンバボンゾ | 紫 | 僧侶の世界で紫の衣は位が高い。紺に似ているので潜入できる |
おしょうさんは紺色が苦手で、紺は優等生っぽい「港区っぽい色」だと感じています。だから紺に似た暗めの紫が港区に紛れ込む、という設定です。
だから港区は紺色だから紫色が潜入するの。(似てるから)気づかねえだろ。
清水さんが「紫のパーカーをみんなが着やすいか」と心配すると、おしょうさんは「いい問い」だと受け止めます。すずきみさんすずきみが話していた「制作側と営業側」の違いを引き合いに出し、今の清水さんは営業側の発想だったと指摘しました。
エッジを利かせる。アパレルなら自分が着たいものを作ればよい
広く届ける。誰がどんな場面で着るのかを考える
おしょうさんにとって、アパレルは自分の好みで押し切れるぶん実は簡単です。難しいのは雑誌で、中身に自信はあっても、雑誌を買う人は中身よりもまず表紙を見て買うのではないかと考えてしまうといいます。
清水さんは、部屋に置いておきたいと思える表紙に価値を感じる人もいれば、特定のページだけを読みたい人もいるだろうと、雑誌の買われ方の幅を補います。
ひと箱古本市と、書かない人の手書きメモ
雑誌の話から、おしょうさんはかっぴーさんが北千住で開くひと箱古本市の話に飛びます。11月中旬ごろ、公民館さんと書店の辺境さん辺境の2会場で開かれるイベントで、トネリライナーノーツとして本棚を出すことになっています。
清水さんの説明によれば、参加方法は、誰かに譲ってもいい本を何冊か選んでかっぴーさんに渡すだけです。委託販売の形で、売れたお金は後日支払われますが、おしょうさんは即座に「俺いらないから寄付に」と、イベントの運営費に回してほしいと申し出ました。
清水さんは本棚に一言メモを添えてほしいと頼みます。ところがおしょうさんは、手書きの文字はもう書かないようにしていると渋ります。
本好きって文字とか紙とかそういうのも好きな方多いんで、もう下手くそでもいいし、ちょっとでもいいので見たいんですよ、その人の字。
結局、おしょうさんはペンと紙を用意してもらえれば一言書くことに。さらにA3サイズのポスターを2会場に貼ってもらえることになり、おしょうさんは自分の店のトイレの扉の内側にも貼ろうと提案して、打ち合わせはまとまりました。
やりたいことをやる前に、どこでも共通する前提
後半の本編で、清水さんは「自分の人生を動かしている人」の例として、一番近くにいるおしょうさんを取り上げます。8〜9ヶ月一緒に活動する中で、おしょうさんの見え方が変わり、人付き合いや自分のやりたいことを加速させるのに活かせるポイントが見つかったといいます。
清水さんはまず大前提として、どのコミュニティ、どの会社でも最初は与えられたことを真心を込めてやり、その先にやりたいことをやらせてもらえるのだと話します。
与えられたこと
最初はどの場所でも、任されたことを一生懸命、真心を込めてやる
信頼の積み重ね
その姿勢を周りが見ている
やりたいこと
その末に、やりたいことをやらせてもらえる
そのうえで清水さんが気づいたのは、やりたいことをやっている人に共通する特徴です。挨拶やメッセージといった基本を、人の何倍もやっているという点でした。おしょうさんは「マジで?」と繰り返し、まったく意識していなかったと驚きます。
姿が見えなくなるまで見届けるお見送り
清水さんが挙げた1つ目は、おしょうさんのお見送りとお出迎えの丁寧さです。身近にこれをきちんとする人はあまりいないといいます。
お帰りの際は出口までお見送りして、「ありがとうございました」はまあ想像できます。必ず階段を下りて下まで行きますと。お見送りしましょう全員で。
具体的には、Gachi Adachi Clubで取材や打ち合わせをしたあと、2階から1階まで全員で降り、相手の姿が見えなくなるまで見届けるのだそうです。清水さんはこれに衝撃を受けたと話します。
清水さんによれば、おしょうさんは打ち合わせ後の解散でも必ず駅までついてきてくれます。店に残ってやることがあっても駅まで行き、「ありがとうね、お疲れ様」と誰に対しても声をかけるといいます。おしょうさんは「それ昨日だけじゃなかった?」と返しますが、清水さんは「毎回なんですよ」と言い切ります。
テンプレートで終わらせないメッセージ
清水さんが挙げた2つ目は、メッセージです。取材が終われば基本すぐに連絡が送られ、進捗報告もなるべくおしょうさん自身の言葉で書かれているといいます。全部のグループに入っている清水さんだから見えている姿です。
重要事項はテンプレートだったとしても、その前のその方へ向けたメッセージとかって、これ最近の動き見てなきゃ言えないよねってことを言うので。
相手の最近の動きを知っていること自体もすごいうえに、それをきちんとメッセージに入れる。しかもそれを膨大な量こなしているのが、清水さんの言う新しい発見でした。おしょうさんも「モテだね、これは」と応じます。
おしょうさん自身の自己分析では、会っているときのお見送りはほとんど無意識で、なぜやっているのか考えたこともなかったそうです。一方でメッセージは、合コンをしていた頃から意識しているといいます。
(メッセは)結構意識してて。自分がもらって、しらけないところまでは絶対したいから。
でも、AIに作ってもらったりとか絶対ないね。そこは。テキストに関しては。
ガチ足立では100人が登場し、その全員に進捗報告をする必要があります。おしょうさんは、一人ひとりのことを思いながら書くぶん、スピードが遅いのが悩みだと漏らしますが、清水さんは「OSHOで遅いと言ったらどうなっちゃうの」と笑います。
されて嬉しかったことを、自分もやってみる
清水さん自身も、おしょうさんのお見送りを見習い始めたといいます。友達と駅の改札で別れるとき、相手の姿が見えなくなるまで手を振るようにしたそうです。
一回振り向いて、二回目振り向いた時いなかったら恥ずかしいんで、二回振り向かなかったんですよ、今まで。
ところが今は、相手がまだいるかもしれないと考え、自分の姿が見えなくなる直前にもう一度振り向いて手を振るようになりました。
2回目に振り向いて相手がいなかったら恥ずかしいので、振り向くのは1回だけ
相手がいるかもしれないので、見えなくなる直前にもう一度振り向いて手を振る
おしょうさんは「意識しすぎない方がいいかもしれない問題もある」と冗談めかしますが、清水さんは自分がされて嬉しかったからだと答えます。かっこつけていただけで、相手はそんなことを気にしていない、と気づいたといいます。
おしょうさんは、行動が先か相手を思う気持ちが先かはどちらでもよく、行動と気持ちは連動するのだと話します。清水さんも、大切に思う気持ちがちゃんと行動に出ているところを見つけたから、70人以上いるリスナーにも伝えたかったのだと締めくくりました。
最後は告知です。雑誌「ガチ足立」は11月14日から12月27日までクラウドファンディングで先行予約販売を行い、売上は印刷費、出版準備金、販促費に充てられます。おしょうさんは「元気玉だ」と協力を呼びかけていました。
まとめ
この回は、尖ったアパレル構想の雑談から一転して、お見送りやメッセージといった地味な基本動作こそが、人に信頼される「モテ」を支えていることを描き出しました。おしょうさんにとって無意識の習慣だったことが、清水さんの視点で言葉になったのが印象的です。
- やりたいことができるようになる前提は、どこでも与えられたことに真心を込めてやること
- お見送りは出口までで終わらせず、相手の姿が見えなくなるまで見届ける
- メッセージはテンプレートで終わらせず、相手の最近の動きに触れた自分の言葉を添える
- 自分がされて嬉しかった振る舞いは、恥ずかしさを捨てて自分もやってみる
- 相手を大切に思う気持ちと行動は連動し、どちらから始めてもよい



