11年前、福岡の勉強会で隣同士になった2人
番組パーソナリティの舩木いつかさんと、この回のゲスト・さおりさんが出会ったのは、2015年の6月ごろでした。ちょうど収録時点で11年前にあたります。
2人は福岡で開かれた同じネイルの勉強会に参加していて、その後の懇親会で席が隣同士になったことがきっかけだったと振り返ります。
勉強会全員でLINE交換して、同じグループを作って、みんな仲いいんだけど、そこから(さおりさんと)こういうふうになるとはその時は思ってなくて。
さおりさんにとって一番印象に残っているのは、いつかさんを初めて見たときの衝撃だったと言います。
一番最初いつかさんを見た時の衝撃。あれは本当に消えないっていう感じですね。
何なんだろう、この人はっていう、あの衝撃からの、こうやって一緒に仕事するまでになったっていう、それがなんか不思議。
タイプがまったく違うことは初対面の日から見て取れたと言います。それでも、そこから一緒に仕事をする関係に発展していったことを、さおりさん自身も不思議だと話しています。
急展開だった、2016年夏のバーベキュー
関係が動いたのは、出会いから1年ほど経った2016年の夏でした。お盆の時期に、いつかさんが子どもたちと長崎へ車で旅行し、さおりさんの家に泊まったのがきっかけです。
2016年の8月のお盆の時に、子供たちと一緒に長崎に車で旅行で、さおりさんちに泊めさせてもらうっていう日があって。
その夜、外でバーベキューをしながら過ごすなかで、事態は急展開を迎えます。動いたのは、さおりさんでも、いつかさんでもなく、そばで見ていたさおりさんのお父さんでした。
いつかさんと出会ってから、明らかに私が変われたっていうのがあって、それをそばで見ていた家族の「もう連れて行ってください」と、あの一言だったよね。
さおりさん自身は、いつかさんの行動力に憧れつつも、佐世保を出る勇気はないと思っていました。父を一人にしたくない、という気持ちが、動かない理由になっていたと振り返ります。
この佐世保を出る勇気はない、私には。父を一人にしたくないっていう、父を理由に動かない理由を見つけてた感じだったんですけど。
いつかさん自身も、その時点でさおりさんを誘おうとは考えていなかったと言います。さおりさんが父親と暮らすことを大切にしているのを知っていたからです。
さおりさんは本当お父さんが大好きで、お父さんと一緒に暮らしてて、なんかそこは絶対ありきな考えだったし。
履歴書と図面。広島行きを決めた冬
お父さんの一言のあと、さおりさんは自分の意思で広島行きを決めていきました。いつかさんにLINEで「行かせてほしい」と伝え、履歴書も渡したと振り返ります。
時期をたどると、その決断は2016年の10月ごろだったと2人は確認し合います。年が明ける前にはすでに気持ちが固まっていたようです。
同じころ、いつかさんは広島の商業施設「LECT」への出店話を進めていました。お盆の時点ですでに図面の作業に入っていたと言います。
(LECTに)お店を出すんだってすごいよねっていう話からのそれだったっけ?
冬になると、2人は大分へ一緒に出かけ、ホテルで店の図面やロゴ、店名の資料を広げて話し合ったと振り返ります。泊まったのは、お風呂が少し変わった温泉ホテルだったそうです。
たくさんあるパターンの、お店の裏面の図面とかロゴとか、お店の名前とかもやってたから、資料をとにかく持ってって。
一人暮らしと役割分担。11年目に見えてきたもの
さおりさんが実際に広島へ引っ越してきたのは、その後のことでした。家探しにもいつかさんが付き添い、さおりさんにとっては初めての一人暮らしが始まりました。
あの時もいつかさんに大変お世話になりました。初めての一人暮らし。
一緒に働くなかで、2人のあいだには自然な役割分担ができてきたと言います。互いの得意・不得意が見えてきたことで、それぞれのやり方で進める形になっていきました。
いつかさんの得意なこと、私が得意なこと、いつかさんは苦手だけど私が得意だったりすることっていうのがわかってきて、それぞれの方法でそれぞれやっていきましょうっていう。
進んでいく力・やる力。物事を前に進めていく行動力を担う
いつかさんが苦手なことを引き受ける。それぞれの得意を活かして分担する
「行動してみたら、心配されたことは起こらなかった」
いつかさんは、本などでよく語られる「行動したら変わる」という言葉を、さおりさん自身の実感として聞いてみます。さおりさんは、もともと環境を変えるのが苦手なタイプだったと打ち明けます。
私はどっちかというと環境を変えることが結構苦手だなと思ってきてたし、変わらないんなら変わらない方がいいなと思ってた。
広島行きという決断には、周りの友達もひどく驚いたと言います。誰も知らない土地へ向かうことを、多くの人が心配していました。けれど、実際に動いてみて見えたことは違ったと話します。
行動してみてわかったことは、みんなが心配してたようなことは起こらなかったというか。あそこで行動してなかった後悔の方がもっと怖いなという感じ。
もし動いていなければ、「あの時ああしとけばよかった」と言い続けて終わる人生だったかもしれない。さおりさんは、そう静かに振り返ります。
「一人が怖くない」。行動が変えたもの
いつかさんは、行動の結果としてどうなったのか、実感を言葉にしてほしいと尋ねます。さおりさんの答えは、意外にもシンプルなものでした。
一人が怖くないっていう感じ。一人って言っても一人じゃないことがわかって、それで強くなった感じはある。
もっとも、最初の1年はずっと寂しそうだったと2人は振り返ります。さおりさんは「ずっと泣いとった」と当時を思い出します。
その変化を後押ししたのは、いつかさんの言葉ではなく、行動だったとさおりさんは言います。ネガティブになった瞬間は数え切れないほどあったはずなのに、何も言わずにそばにいてくれたことに気づかせてもらったと語ります。
それも全部、いつかさんが言葉ではなくって行動で示してくれたことで気づかせてもらったのはすごい感じている。
いつかさんは、一対一の関係だからこそ、一方的に言葉で言うよりも、自分で気づくほうがいいと考えていたと話します。
あれをまた言われてたら、ちょっと違う受け取り方をしてしまったりとか、そうじゃないのになっていうことはいっぱいあったかなと思います。
「理由なんてない」。仕事のパートナーが見つかること
いつかさんは、世の中にある「仕事の相方」のような存在に話を広げます。夫婦や、建築を担当してもらっているサポーズの谷尻さんとアイさんのように、「なんでこの2人で」と外から見て思う関係があると語ります。
そうした関係に、明確な理由はないのではないか。いつかさんは、あえて理由を挙げるなら、それは「あの日あそこに行った」という行動だけだと話します。
勉強会は2日間あり、さおりさんはもう1日のほうに参加するつもりだったと明かします。けれど、なぜか予定を変えた。その先に、いつかさんを含むみんながいたと振り返ります。
2日あったうちのもう1日にしようと思ってた、私は。だけど、なんかわかんないけど変えた気がします。そしたらみんながいた。
2人は、この11年、関係を壊さないよう大事にしてきたと語ります。喧嘩もしたくないし、いちいち言わなくていいことは言葉にしない。そうやって過ごしてきたと言います。
「あれやってないよね、これもっとこうしてよ」とか、いちいち言わなくていいことを言葉にしなくて過ごせてこれた。
お客様への感謝と、行動をすすめるメッセージ
いつかさんは、仕事で人間関係に悩む人が多いことに触れつつ、仕事のパートナーが見つかることの大きさを語ります。話は、広島に来て得られたお客様との関係へと移ります。
さおりさんは、広島に来ていなければ、お客様の声を直接聞くこともできなかったと話します。10年目の周年を迎えようとしている今、自分にとってお客様がどれほど大切かを、より強く感じていると言います。
お客さんの声を拾ってるんだけど、拾えば拾うほど本当にありがたいなと思う。
いつかさんは、人と人との関係でこんなに感謝が生まれるのだと、20代のころには気づいていなかった感覚だと振り返ります。この感謝があるから、どうしても続けたいのだと語ります。
最後に、いつかさんは、今まさに「行こうか」と迷っている人へメッセージを求めます。さおりさんは、かつては人は変われないと思っていたと打ち明けます。
ずっといつかさんに会う前は人は変われないと思ってた気持ちが強かったけど、誰といるか、どこにいるか、誰の話を聞くかで変われるっていうのは自分で実感していて。
あんなに頑なだった自分が変われたのは、一緒にいる人や来てくださるお客様、その一つ一つの会話の積み重ねだったと言います。そして、まず行動しなければ気づけなかったと結びます。
いつかさんは、言葉にできなくても指先にはちゃんとその人が出ていると語り、忙しい日々の中でも一度自分の指先を眺めて、今の自分を感じてみてほしいと呼びかけて回を締めくくりました。
まとめ
この回は、2015年の福岡での偶然の出会いから、佐世保を離れて広島で一緒に働くまでの11年を、いつかさんとさおりさんが振り返る対話でした。行動することで人は変われるという実感が、2人の言葉から静かに伝わってきます。
- 2人の出会いは2015年6月、福岡のネイル勉強会の懇親会で隣同士になったことがきっかけだった
- 広島行きを後押ししたのは、さおりさんの父の「もう連れて行ってください」という一言だった
- 環境を変えるのが苦手だったさおりさんは、行動してみて「心配されたことは起こらなかった」と実感した
- 一人暮らしを経て「一人が怖くない」と感じられるようになり、いつかさんの行動に気づかされたと語る
- 迷っている人へのメッセージは、「一つでもいいから、やってみたいことをちょっとやってみる」その一歩の大切さ





