テンションを「浸透」としてイメージする
今回のテーマは、受け手にかかる圧力、つまりテンションをどう加えるかという話です。たかせさんは、受け手の体の中にテンションが徐々に浸透していくようなイメージでかけるのがよいと話します。
逆に避けたいのは、いきなりガツンとかけるようなテンションです。もちろんプレイの緩急強弱の中でガツンとかける場面はありますが、それが基本になるわけではないと整理されています。
基本的には(テンションは)徐々に浸透していくようなイメージを持ってかけた方がいいです。
ガツンとかけると受け手が「受け身」を取れない
たかせさんが浸透を重視する理由の一つは、ガツンとかけると受け手が受け身を取る隙がないことです。ここでの受け身は柔道のそれではなく、強い圧迫が来ることへの心構えを指します。
今から力が入るとわかっていれば、受け手は体に力を入れ、筋肉を緊張させて縄を受け止め、体の奥にダメージが入るのを防げます。心構えができる時間が必要だ、という考え方です。
一方で、いきなり強くかけると別の問題も起きます。瞬間的な反応でビクンと強く力が入ってしまい、本来浸透すべき力が浸透しないケースもあるといいます。
そこでたかせさんは、テンションはまず弱い力から入り、徐々に力を加えていく入れ方を勧めます。そうすれば受け手も、力が加わっていく感触を感じながら受け取れるからです。
リスク・体感・精神、それぞれに効いてくる
浸透を意識する効果は、複数の面に及びます。たかせさんは、リスクの面でも、受け手が感じる体感の面でも、そして精神的な面でも同じことが言えると話します。
精神的な部分については、ガンガン振り回すこと自体も緊縛の一つの表現であり、絶対にダメというわけではない、と補足しています。そのうえで、標準的なやり方として次のように整理します。
少し受け手さんが加わる圧力を受け取っているかどうかを、ちゃんと見極めながら圧力を加えていく方がいい。
なぜ「弱」の幅を広げると「強」が生きるのか
ガツンと入れる場面があってもよい、とたかせさんは言います。ただしそれは、ギャップが大事だからです。優しく入れるターンと強く入れるターンがあることに意味があるという考えです。
これは以前の緩急の話ともつながります。弱の方の幅を広げることで、強が強として感じられるようになる、という関係です。
だからこそ、何でもかんでも強くやると逆に単調になってしまう、とたかせさんは指摘します。幅を持たせるためにこそ、テンションの加え方に時間をかける意味があるわけです。
弱いテンションの幅を広げる
優しく入れるターンをしっかり作る
相対的に強が際立つ
同じ強さでも「強い」と感じられる
何でも強くすると逆効果
単調になり、ギャップが失われる
一手一手の圧を「選択」する
たった一か所のテンションの入れ方にも、実はいろんな圧の加え方がある、とたかせさんは話します。そのどれを選ぶかという選択が、受け手の体に圧を加えるうえで必要になるといいます。
その基本は、まずゆっくりテンションを加えていくことです。そして加えながら、受け手の体から伝わってくる反発を、縄を持つ手で感じ取っていきます。
ここで速かったり雑だったりすると、受け手からの力の返りをキャッチしないまま進んでしまいます。すると、どれくらいのテンションやダメージが入っているのかがうまくつかめなくなります。
早かったりとか雑だったりすると、受け手さんからの力の返りをキャッチすることなく進んでいってしまうんですよね。
後手縛り一つに、圧をかける箇所は何十もある
たかせさんは具体例として後手縛りを挙げます。後手縛り一つですら、テンションを加える箇所は何十か所もあると言います。
その一つ一つに意識を持ち、ここはこういう力の加え方をする、と決めていく。その力の加え方自体もグラデーションだ、というのがポイントです。
具体的には、ゆっくり縄をかけて触れさせ、そこから徐々に体に食い込んでいく感触を感じながら力を強めていく。逆に緩めていく場合もあります。
後手縛りの一つですらテンションを加える箇所ってものすごくたくさんあって、その一つ一つにちゃんと意識を持って。
縄をかける一手一手に「意思」を込める
だから、ただなんとなく縄をかければいいという話ではない、とたかせさんは繰り返します。縄をかける一手一手に、縛り手としての意思が必要だという考えです。
その意思には、どういう体感を与えたいのかという狙いと、受け手の反発や返り、反応をキャッチしながらかけていくという姿勢の両方が含まれます。
局面によっては素早く縄をかける必要もある、と断ったうえで、たかせさんは基本の姿勢をこうまとめます。
まとめ
この回は、テンションを「浸透」として捉え直す話でした。弱い力から徐々に加えることで、受け手が圧を受け取る準備ができ、縛り手も反発を感じ取れます。一手一手に意思を込め、ゆっくりじんわりかけることが基本だと語られました。
- テンションは、受け手の体に徐々に浸透していくイメージで加える
- ガツンとかけると受け身の隙がなく、力がかえって浸透しないことがある
- 弱の幅を広げるほど、強が強として際立ちギャップが生まれる
- 一手一手の圧は選択であり、縄越しに受け手の反発を感じながら加える
- 後手縛り一つでも圧をかける箇所は何十もあり、その全てに意思を込める




