久しぶりの収録は「飲みながら」から
番組冒頭、パーソナリティのわさびブラザーズ・ひとしさんと、ニュージーランドから移住したももさんが、久しぶりの収録に少しリラックスした様子で入ります。
前回の収録は梅雨前だったといい、気づけば季節は夏。ひとしさんは暑さを理由に、飲みながら収録することを提案します。
なんかちょっと暑いからさ。飲みながらやっていい?
(飲みながら)やっていい?
3人が手にしているのは奥多摩のビールのイメージ。ひとしさんは提供が付いたら嬉しい、と小声で希望を口にしつつ、乾杯で収録が始まります。
話題は自然と奥多摩の水へ移ります。湧き水や水道水のおいしさ、ダムの水量、まだ渡れない浮橋のことなど、地元ならではの近況が交わされます。
わさび田の水量についても、たっちゃんさんは場所によるとしつつ、今のところは比較的大丈夫そうだと話します。ただ梅雨が明けて雨が降らなくなると心配だと、農家らしい視点も出てきます。
ラジオといえば曲、AIで作ったオリジナル曲を初披露
久しぶりで何を話すか忘れてしまった、と笑いながら、ひとしさんはさっそく1曲流すことを提案します。トークがほとんど進んでいないタイミングでの提案に、ももさんは驚きます。
(もう曲を流すの)ここでかよ。全然話してないわ。
ひとしさんは、ラジオといえば曲だと語り、現代のテクノロジーに頼って作った曲だと紹介します。
現代のテクノロジーに頼って曲作ってみたんで、ちょっと一曲流していいですか?
流れたのは「東京わさび」という曲。奥多摩の冷たい清流で静かに時を待つわさびの姿と、すりおろされて初めてわかる優しさを歌った内容です。
つい聞き惚れてしまったよ。
ひとしさんは、この日はさらに1〜2曲流したいと意欲を見せます。トークと曲のバランスについてやり取りしつつ、勢いのある回になっていきます。
今日のテーマは「わさび農家のリアルすぎるタイムスケジュール」
ここで、この回のテーマが発表されます。テーマは「わさび農家のリアルすぎるタイムスケジュール」。3人の日常が謎に包まれている、という導入です。
どこの奥多摩のどこの個人事業の人、いろんな仕事してる人がいるんだけど、そういう人も謎だけど、私たちも結構謎に日常どんな生活してんのかなっていうのは結構謎なので。
農家というと朝が早そうなイメージがある、という話から入ります。実際に2人の朝は早いといい、なかでも一番早いのはひとしさんだといいます。
目覚ましは4時半、太陽と共に動く夏の朝ルーティン
ひとしさんの朝は、目覚ましが4時半に鳴るところから始まります。
今の目覚ましの最初に鳴る時間は4時半。その次が4時35分。その次が4時45分。
早起きの背景には、暑い夏を太陽と共に過ごしたいという考えがあります。前半でやることを終えて、午後を自由にしたいというのが理想だと語られます。
実際の朝は、4時半ごろに起きて体を整えることから始まります。散歩に出ることもあり、最近は音声入力を使った習慣も加わりました。
散歩しながら独り言を話し、それを文字起こししてブログに少しずつ書こうとしているといいます。ストレッチや腕立て、スクワットなど軽い運動もこなします。
ひとしさんが動き始めるころには、たっちゃんさんも起きてくるといいます。ひとしさんは、人間も自然の一部だとして、太陽と共にあるこの夏時間が一番いいと話します。
スローライフではない、農家のハードワークな日常
農家にはスローライフのイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実際は違うと2人は口をそろえます。
農家のイメージ、スローライフでもないよね、多分。
ないね。結構ハードワークだよね。
朝はコーヒーやお茶を飲むこともありますが、暑い時期は控えめになってきているといいます。そうした朝の支度を経て、6時ごろにわさび田へ出かけます。
ただし、出かける時間も作業内容も、その日によって変わります。1年のサイクルによって、やることが大きく違うためです。
夏のわさび田は日よけと整備、季節で変わる作業
収録時点で取り組みたいのは、日差しが強くなってきたことへの対策です。日よけの寒冷紗 ── 直射日光をさえぎるために農作物などにかける、目の粗い布。光量や温度を調整して作物を守るために使われますを張る作業を、梅雨明けにあわせてやりたいと話します。
これから本格化するのは、わさび田そのものの整備です。整備の作業がある日は、お昼ごろまでひたすら畑にいることになるといいます。
わさび田に行く日の流れは、朝起きて身支度を整え、車で畑へ向かい、長くてもお昼過ぎごろまで作業する、というものです。
午後は、それぞれがやりたい作業や、人と会う予定などに充てることが多いといいます。ひとしさんの理想とする「午前で仕事、午後は自由」に近い形です。
時間があれば、たっちゃんさんと走りに行ったり、ひとしさんはカヤックに出かけたりもします。この日は有料の駐車場に車を停めてカヤックをしたそうです。
1時間200円だからね。それでもいいやって思うよね。
決まっていない働き方、事務も管理もオペレーターも
3人の働き方は、かなりフレキシブルだといいます。日によって役割ややることが違うのが特徴です。
フレキシブルすぎる。
たっちゃんさんによれば、事務作業はひとしさんが担い、ももさんはスケジュールやメール処理といった全体の管理、いわばオペレーターのような役割を担っているといいます。
役割はざっくりと分かれていますが、最初のころとは少しずつ形が変わってきているといいます。1年を通しても、季節、週、日によってやることが変わります。
一方で、畑仕事には1年の大きな流れがあります。たっちゃんさんは、その年間サイクルを具体的に説明します。
冬の作業は特にしんどいといいます。わさび田の整備や準備で水に触れるため、手が冷たく痛むそうです。冷え性のひとしさんにはこたえる季節です。
久しぶりに会うと「痩せた?」、体型いじりの掛け合い
ここで話は脱線し、ひとしさんの見た目をめぐる掛け合いになります。細身のひとしさんは、久しぶりに会う人から心配されがちだといいます。
久しぶりに会った人、毎回なんか痩せた?とかさ、食べてる?とかね、なんか言われるよね。
この間だって本当に心配されたもんね。心配されすぎて、なんか病気になったと思って、声かけづらそうっていうか。
身長はおよそ180センチ、体重は自身の記憶で68キロほどではないかとのこと。たっちゃんさんも自称の身長体重を口にして、笑いを誘います。
ひとし冷え性の話に戻り、冬の寒さのつらさをあらためて語ります。そのうえで、自分たちの働き方が一般的な農家とはベースが違いすぎる、という本題へつなげます。
社員研修の講師にツアーガイド、農家の枠を超えた仕事
同じ「わさび農家」といっても、農家ごとにルーティンは大きく違うといいます。そのなかでも、TOKYO WASABIの仕事内容はかなり特殊だと2人は話します。
たとえば収録の前週には、企業の社員研修に組み込んでもらい、講師として参加したといいます。
社員研修、会社の研修で入らせてもらってる。あんまりそういうわさびの農家さんもいないっていうか、わさび農家の中じゃいないと思う。
研修では、チームごとの発表に対してコメントする役割もあり、何を話すかで緊張したといいます。9月ごろには専門学校での講座も控えているそうです。
さらに、たっちゃんさんやももさんはツアーガイドも担います。ももさんは英語のツアーを案内することもあり、平均すると週1回ほど出ているといいます。
ももさんは、朝から夜までパソコンに向き合っていることも多く、体力的な作業以外の仕事を一番こなしている可能性がある、とひとしさんは話します。
ももさんが移住してきた当初は、わさびの仕事は特になかったといいます。徐々に東京わさびの活動に合流し、コロナ禍で得た仕事なども今も細々と続けているそうです。
このほかにも、焼き鳥屋や奥多摩のコーヒー屋の店番、建築土木会社の手伝いなど、季節や時期に応じてさまざまな仕事に関わってきたといいます。
好きでやっているから、仕事とプライベートの境目がない
たっちゃんさんはキャニオニングの資格を取得しており、わさびと関連づけたツアーの構想も語られます。ただ、その難しさは経験した人にしかわからないといいます。
10年前に一緒に受けた人と、この間受けた人と一緒に共有したい。この俺のこの謎の状況で。しかも意外にいい成績で。
こうした多彩な仕事に共通するのは、みんな好きでやっているという点です。だからこそ、プライベートと仕事の境目もあまり感じないといいます。
一方で、家族が同じ家で長く一緒に過ごすことの難しさにも触れ、人を多く雇う農家の大変さにも思いをはせます。
2曲目「おいしい記憶」と、一次産業への思い
締めに向けて、この回は特別に2曲目を流します。奥多摩の水と、200年受け継がれてきた緑、食卓の記憶を歌った曲です。
ひとしさんによれば、本当はこの曲に「おいしい記憶」という題名を付けたかったものの、間違えて別の名前を付けてしまったといいます。テレビ番組への出演を記念して作った曲だと明かします。
テーマを振り返り、スケジュール自体は今は調節できているとしつつ、いいことばかりではないと語ります。季節に左右される仕事は、どこも大変だといいます。
特に、畜産など動物に関わる仕事は自分たちのペースでは進まず、生死にも関わると指摘。そこから一次産業全体、そして小さな飲食店への応援の思いを語ります。
農家の仕事のいいところとして、体を使うぶんご飯やお酒、コーヒーがおいしくなることを挙げます。それが何よりのごちそうだと語られます。
好きなことで生きる姿を、奥多摩から世界へ
3人は、好きなことをやりながらギリギリの生活を続けているとしつつ、もうひと踏ん張りしたいと語ります。世界を目指すために、仲間を増やしていきたいという思いです。
世界へ行くためにやっぱり協力して仲間増やしていければと思うんで、わさび栽培、そしてわさびブラザーズと共に一緒に頑張ってくれるメンバーを募集しちゃうのか。
わさび農家や農家を夢見て奥多摩に働きに来てくれたら嬉しい、とひとしさんは話します。あいつら楽しそうだ、と思ってもらえるかっこいい仕事にしたいと締めくくります。
まとめ
第10回は「わさび農家のリアルすぎるタイムスケジュール」をテーマに、朝4時半起きの夏の朝から、日よけや整備といったわさび田作業、季節ごとに変わる1年のサイクル、そして研修講師やツアーガイドまで含む多彩な働き方が語られました。好きなことを楽しみながら奥多摩のわさびを世界へ届ける、その姿勢が一貫して伝わる回です。
- 夏の朝は目覚まし4時半、太陽と共に動き、午前で作業を終えて午後を自由にするのが理想
- わさび田は春に植え付け、夏に日よけと水管理・畑直し、冬に植え付けの準備という1年の流れがある
- 仕事内容はフレキシブルで、事務・管理から社員研修の講師、ツアーガイドまで農家の枠を超えて広がっている
- 好きでやっているぶん仕事とプライベートの境目がなく、一次産業や小さな飲食店への応援の思いも語られた
- 奥多摩のわさびを世界へ届けるため、一緒に頑張ってくれる仲間を募集している




