雨続きの奥多摩と、久しぶりの収録
番組は久しぶりの収録から始まります。前回の収録は8月ごろで、月に1回のペースで続けていきたいとメンバーは話します。
最近の話題は、とにかく雨が続いていることです。毎週末が雨で、奥多摩の川は濁流になっているとひとしさんは話します。
毎週末雨だよ。
台風が来て以降、雨量が多い日が続いたといいます。普段は水が出ない山の場所から水が出るなど、いつもと違う様子もあったようです。
なんか普段出ないところから、山から水出たりとか。
わさび田も、部分的にわさびが流されて掘られてしまった場所があったと話されています。観光業やアウトドア業界にとっても、雨続きは悩ましい状況です。
久しぶりのキャニオニングガイドで足が震えた話
ひとしさんは最近、久しぶりにアウトドアのガイドとして、キャニオニングのスプラッシュの手伝いに行ってきたといいます。
久しぶりとか、もうどうしようってなるよね。
その日は雨の予報が出ていたものの、結局降らずに終えられたそうです。一緒に入ってくれた女性ガイドが励ましてくれて助かったと振り返ります。
ひとしさんはこの経験から、アウトドアの業界も人が少ないと感じたと話します。観光業全体で人手が足りない状況が話題になります。
料理の専門学校で2コマ・3時間の授業を担当
この回で一番大きな話題は、料理の専門学校の授業を3人で担当したことです。念願だったことの一つが実現し、うれしいとメンバーは口をそろえます。
今回の授業は最長で、3時間ほど、2コマぶんを担当したそうです。これまでの企業向けワークショップは30分から1時間半ほどだったため、がっちりと時間を確保した形になりました。
ちゃんと先生やらさせてもらったんですね。しっかり時間確保して。
和食の先生方も、これほどがっちりわさびと向き合ったことはないと話していたそうです。打ち合わせから当日まで、内容はほぼすべて任せてもらえたといいます。
ももさんによると、先生からは、外部から呼ぶ講師は緊張してどもってしまう人が多いという話があったそうです。ひとしさんもたっちゃんも、慣れた様子でスラスラと授業になっていたと振り返ります。
もっとも、ひとしさん自身は30人ほどの前で足元が震えていたと明かします。たっちゃんはトレードマークのタンクトップで登壇し、その姿が受講者の場を和ませたようです。
トレードマークのタンクトップで、みんなが少しそれで親近感湧く感じだったよ。
授業は2回行われ、1回目は30人ほど、2回目は15人ほどと人数が違ったそうです。今後は商品開発などの話も出ているといい、メンバーはむしろお願いしたいと前向きです。
料理人と食を通じて、わさびと日本を発信したい
たっちゃんは、料理を学ぶ若い力に関われることの大切さを語ります。料理人は自分たちの食材を実際に使い、育てる苦労も直接伝えてもらえる存在だと仁志さんは話します。
ひとしさんは、料理人が日本そのものを発信してくれる人だという点も大事だと考えています。食はその国の特色を示すものだと、ももさんはひとしさんの口ぐせを紹介します。
たっちゃんも、観光でも運動でも生きていくうえでも食が関わると話します。食はみんなに通じる接点だという考えです。
観光しても食、運動しても食、生きていくのも食。やっぱり食がみんなに通ずるとこなので。
この授業をきっかけに、わさびの輪を広げられたら面白いとたっちゃんは話します。日本食が好きな料理人やイタリアンの料理人など、お店とのハブになれたらと夢を語ります。
奥多摩で開くわさフェスに料理人を招きたいという思いや、小学校や中学校からも授業の依頼が来ているという話も出て、活動の広がりがうかがえます。
わさびが辛くなる仕組みと、おろし器で変わる味
ここからが本題です。今日のテーマは「わさびが辛くなる瞬間 おろしの技術」で、スタジオ兼自宅の「わさびハウス」で実際にすって食べていきます。
ひとしさんが辛味の成分について尋ねると、たっちゃんが仕組みを簡単に説明します。わさびは細胞を壊さないと辛味が出ないといいます。
わさびは化学反応で辛味が出ちゃうので、細胞を壊さないと辛味が出ないので、擦って食べるっていうのが贅沢な食べ方です。
辛味は揮発性で、空気に触れると抜けていきます。すって細胞を壊すことで初めて辛くなるため、根だけでなく茎や葉、花を噛んでも辛味が出てくるとメンバーは話します。
わさびの味を変える要素はたくさんあり、季節、部位、沢、作り手、育て方、時期などが挙げられます。おろし器も、その一つだとひとしさんは説明します。
おろし器3種を聴き比べる
今日は家にある3種類のおろし器を用意しました。まずは種類の解説から始めます。
1つ目は、大根もおろせるベーシックな粗いおろし器です。技術やすり手によって味が変わる、一番粗いタイプだとたっちゃんは説明します。
2つ目は、新潟のツボエさんという会社のおろし器で、目が中くらいのものです。すりやすい円形で、カバーがゴム製になっています。
このカバーを剥がすと滑り止めになり、おろし面がどこにも触れないため怪我をせず、ホコリも入りづらいとももさんは気に入っている様子です。おろし面が削れにくく長持ちする点も、ひとしさんは評価します。
3つ目は、たっちゃんが「マイおろし器」と呼ぶもので、長野の藤谷わさびさんの「鬼涙」というおろし器です。TOKYO WASABIのロゴを入れてもらい、フードトラックでも使うメイン機の一つになっています。
3人は、東京の会社で作ったオリジナルのおろし器も作りたいと考えています。イベントで、青梅の制作工場で働く人から「作れますよ」と声をかけられ、相談や見学を進めているところだといいます。
ここで、それぞれのおろし器ですった音を録っていきます。同じわさびでも、粗いおろし器と細かいおろし器では音がはっきり違ったとメンバーは驚きます。
なんか音が優しい。
この聞き方したことないから耳にちょっと集中するから。これも面白いかも。
すり方のコツと「美味しくなれ」の極意
ひとしさんが、おろし方の基礎があるのか尋ねます。たっちゃんは、円を描くように、の字を書くようにやさしくすってほしいと答えます。
伝えるんだったら円を描くように、の字を書くように優しく擦ってください。
さらに意識していることを尋ねると、たっちゃんの答えは意外なものでした。「美味しくなれ」と念じることだといいます。
ももさんも、料理は美味しくなれと思ったほうが美味しくなると同意します。声に出して唱えてもいいと、たっちゃんは付け加えます。
一方でひとしさんは、自分はいつも無心だと話します。たっちゃんも、お茶をたてるように念を消して集中するのも、もう一つの面白いポイントだと語ります。
すっているわさびの香りが強く漂い、鼻のいいひとしさんは目の前のわさびが気になって仕方がない様子です。わさびの香りへの敏感さが笑いを誘います。
ローストビーフで実食、粗いおろしが肉に負けない
今回はローストビーフを用意しました。福生の七夕祭りで提供したメニューで、これから店でも出そうと考えているそうです。
3人はまるにやさんのお肉を使いたいという思いが強く、1年半ほどお肉料理を出せずにいたといいます。お客さんからも肉系はないかと聞かれることが多く、そろそろ出したいと話します。
乾杯のあと、擦った順に実食します。まずは粗いおろし器のわさびをそのまま味わうと、食感がよく、ピリッと辛いと好評です。
今、粗いおろし金のわさび食べてるんですけど、わさびさんの主張すごいですね。
この粗いおろしは食感がよく、そばやうどんにも合いそうだとたっちゃんは話します。何に合わせるかは好みになってくるといいます。
続いてローストビーフと合わせます。今回のローストビーフはオーストラリア産で脂が少なめのため、おつまみとして食べやすいとメンバーは話します。
どのおろし器がローストビーフに合うか比べると、粗いおろしがよいという意見で一致します。細かくおろすと甘みや香りが立つ一方、粗いおろしは肉に負けないと、たっちゃんは違いを説明します。
ひとしさんは、柔らかい肉には粗いおろしの食感が対比として効き、逆に一体となって美味しくなる料理ならもっとなめらかなおろしが合うのではと分析します。
食感が立ち、わさびの主張が強い。肉に負けず、そばやうどんにも合う
甘みや香りが立ち、繊細な味わいになる。混ざり合う料理に向く
丹波山のまいたけ祭りと、鰹節削りマシンへの思い
話題は今後のイベントに移ります。丹波山のまいたけ祭りでは、ローストビーフに舞茸をのせたメニューや、舞茸出汁の出汁茶漬け的なメニューを出す予定だといいます。
ひとしさんは、キッチンカーに鰹節の削りマシンを載せている点にこだわりを見せます。目の前で削る鰹節は風味がよく、みんなに推したいと熱がこもります。
あれめちゃくちゃ推してるから、ほんとみんなにあのカネサの鰹節をちょっと推したいっていう。
昔は各家庭で鰹節をカンナで削っていたという話にもなります。手間がかかるため次第にやらなくなったものの、削りたての香りは格別だとメンバーは話します。
僕らはライブで目の前でわさびすりたいですもんね。その時間の兼ね合いもあるから。
マグロからプリンまで、ペアリング実験の話
専門学校の授業では、さまざまな食材とわさびのペアリングを試したそうです。穴子の煮付けにわさびを合わせたものが美味しかったと振り返ります。
合わせたのは、赤身のマグロと脂の乗ったカンパチという生魚2種、焼き豚、プリン、ヨーグルト、そしてフルーツ各種でした。フルーツはグレープフルーツ、リンゴ、キウイが用意されたといいます。
意外だったのは、グレープフルーツがわさびと違和感なく食べられたことです。合わせようと思ったことがなかったため、驚いたとももさんは話します。
意外にグレープフルーツが、なんだろう、嫌じゃなかったんだよね。びっくりした。
発表の場では、受講者に一番合うものと合わないものを尋ねると、グループによって真逆の意見が出たそうです。届ける相手によって味が変わるのが面白いと、たっちゃんは話します。
品種、季節、作り手、部位、そして同じ品種でも沢によって味が変わります。わさびは無限に奥深い植物だと、3人はあらためて実感します。
オリジナル曲「やさしい食卓」を初公開
ここで、ひとしさんが作ったオリジナル曲「やさしい食卓」が流されます。奥多摩の水や食卓の記憶をうたった一曲です。
ひとしさんは、食は幸せをイメージさせるものだと語ります。食卓という言葉のあたたかさに、あらためて気持ちが向かいます。
この流れで、奥多摩のトイレを綺麗にする活動をする団体「オピト」の話にもなります。
トイレは観光地で最初に出会う場所になりやすく、その綺麗さで観光のモチベーションも変わるとメンバーは話します。基礎になる部分を守る活動への敬意がうかがえます。
食べる時間を大事に、そうだ、わさびを食べよう
エンディングでは、あらためてわさびの美味しさをかみしめます。授業や実食を通じて、ちゃんと味わって食べるようになったとモモさんは振り返ります。
ひとしさんは、何かをしながら食べてしまいがちだからこそ、食事の時間を大事にしたいと話します。食と向き合う時間の大切さを語ります。
たっちゃんは、おろし器をマイクに当てて音を録るのは初めての体験だったと振り返ります。去年の収穫祭ではVRでわさびを抜く音を録ったものの、音だけに集中する今回も良い体験だったといいます。
最後に3人は、食欲の秋にわさびを食べようと呼びかけます。食はやっぱ選択だからね、買うってことはねとひとしさんは話し、残していくのは一人ひとりの判断だと締めくくります。
まとめ
わさびは細胞を壊して初めて辛くなる植物で、おろし器の目の粗さひとつでも味が大きく変わります。粗いおろしは食感と主張が立ち、細かいおろしは甘みと香りが引き立つ。品種や季節、沢、作り手まで含めて、わさびは無限に奥深い食材だと実感できる回です。
- わさびの辛味は揮発性で、細胞を壊してすることで初めて生まれる
- おろし器は粗いほど食感と主張が立ち、細かいほど甘みと香りが立つ
- ローストビーフには、肉に負けない粗いおろしが合うという結論に
- すり方のコツは「円を描くようにやさしく」、たっちゃんの極意は「美味しくなれ」と念じること
- 品種・季節・沢・作り手・おろし器まで、わさびの味を変える要素は無限にある





