近況とキャンプ飯、そして今回のテーマ「悪」
番組冒頭は、サラリーマンキャンパーの中富さんと梁さんの近況トークから始まります。土曜の出荷作業を終えた中富さんと、天神のイベントを楽しんだ梁さんが乾杯を交わします。
天神の中国公園で、岡垣の地美料理弁慶の中山さんが出店してるということで行ってきましたよ。
梁さんが食べたのは、イノシシと鹿とウインナーがてんこ盛りのタコスだったそうです。中富さんは立花町の道の駅で見かけたブドウの話を続けます。
今さ、ブドウってなくない?ほぼシャインマスカットやん。
一房1000円ほどで買ったシャインマスカットの味に中富さんは満足した様子でした。果物の季節を楽しんだところで、話題は今回の本題へ移ります。
この回は「科学系ポッドキャストの日」の企画で、リケダン健康論がホストを務め、共通テーマは「悪」だと中富さんが説明します。科学系ポッドキャストの日 ── 複数の科学系ポッドキャスト番組が、毎月決められた共通テーマで同時期にエピソードを配信する企画。番組同士のつながりやリスナーの回遊を生む取り組み。
(悪といえば)フリーザ。
「悪といえば」の問いに、梁さんは即座にドラゴンボールのフリーザを挙げます。二人がドラゴンボール世代であることがうかがえるやり取りでした。
福岡の「やなせたかし展」で感じたアンパンマンの深さ
中富さんは先月福岡で開かれた「やなせたかし展」を訪れ、子どもの頃から知っていたアンパンマンの奥深さに気づいたと語ります。やなせたかし展 ── 『アンパンマン』の作者やなせたかしの生涯や創作を紹介する展覧会。原画や資料を通じて、作品が生まれた背景を知ることができる。
子供の頃から知っていたアンパンマンなんやけど、展示を見て、やなせたかしの人生からなんでアンパンマンができたのかみたいな。
この話は、コテンラジオでやなせたかしを扱った回とも重なると二人は共感します。展示を通して、正義と悪をアンパンマンから教わったと中富さんは話します。
やなせたかしは1919年高知県生まれで、戦争を経験し中国大陸に出兵した人物です。戦後は漫画や絵本、詩、イラスト、作詞など幅広く活動しました。
代表作アンパンマンを描いたのは60歳を超えてからで、遅咲きの作家だったと中富さんは紹介します。「手のひらを太陽に」の作詞も手がけています。
戦争体験から生まれた「逆転しない正義」
中富さんは、アンパンマンにやなせさんの人生観が強く反映されていると説明します。その核心が、戦争体験から生まれた「正義は逆転する」という実感です。
戦争を主観的に見れば、自分たちの国が正義で相手が悪に見えます。しかし相手の国から見れば、その関係は逆になります。立場が変われば正義と悪が入れ替わってしまうのです。
正義は逆転するという風に実感してしまったと。で、たどり着いた逆転しない正義というのがあるんです。
その「逆転しない正義」とは、お腹を空かせている人に食べ物を差し出すことだと中富さんは語ります。敵か味方か、どこの国の人かは関係ありません。
だからこそアンパンマンは自分の顔をちぎって困っている人に食べさせるのだと中富さんは続けます。自分が弱くなっても目の前の人を助けることが正義という考え方です。
アンパンマンの正義は、悪を倒す強さではなく、困っている人を助けることにあります。ここがやなせたかしの描いた正義の中心にあると中富さんは整理します。
悪を倒す強さ。敵を打ち負かすことに価値を置く
困っている人を助けること。自分が弱くなっても食べ物を差し出す
なぜバイキンマンという「悪」が生まれたのか
中富さんは、初期のアンパンマンの漫画にはバイキンマンがいなかったと明かします。何かしらの敵役が存在しない、平和な世界だったそうです。
(初期のアンパンマンは)そのものすごい平和な世界。
しかし敵がいないと、やなせさんは物語に物足りなさを感じたといいます。そこで登場したのが、食べ物を脅かす正反対の存在バイキンマンでした。
アンパンマンだけなら、困った人を助けて終わってしまいます。反対側に悪があることで物語に葛藤が生まれ、アンパンマンの正義がより鮮明になったと中富さんは説明します。
アンパンマンの世界は悪を完全に消滅させれば平和になるという物語ではない。
バイキンマンは悪さをして最後はアンパンチされますが、殺されることも完全に排除されることもありません。次の回にはまた普通に登場します。悪を消し去れば平和になるという物語ではない点が、アンパンマンの根源にあると中富さんは語ります。
善と悪は簡単に分けられない ロールパンナちゃんの存在
中富さんは、もう一つ興味深い存在としてロールパンナちゃんを挙げます。梁さんはアンパンマン世代を自認し、その特徴をすぐに言い当てます。
(ロールパンナは)悪くもなり良くもなる。
ロールパンナちゃんは良い心と悪い心の両方を持っています。善と悪はそんなに簡単に分けられず、人間だって善が100パーセント、悪が100パーセントということはありません。
バイキンマンにも愛嬌や愛があり、単なる恐ろしい悪ではなく人間のような一面が描かれていると中富さんは指摘します。バイキンマンがいるからこそアンパンマンの正義がわかるのです。
二人はここで、互いのどちらがアンパンマン寄りかと軽口を交わします。梁さんは自分こそアンパンマンだと主張し、お腹が空いたらちくわを食べなさいと冗談を飛ばします。
お腹の空いた人に与えてますから、私は。
悪といえばフリーザ ドラゴンボールの敵役ランキング
話題はテーマの「悪」に戻り、二人が真っ先に思い浮かべたフリーザへと移ります。梁さんによれば、フリーザは今やドラゴンボール超で悟空と共闘するほどの人気キャラです。
もうだってドラゴンボール超で悟空と共闘してますからね。ジレンを倒すのに。
中富さんはその展開を見ていないといい、鳥山明作でないと認めていないと語ります。それでも二人は、敵がいないと正義が目立たないという点で意見が一致します。
中富さんはChatGPTで調べたドラゴンボールの敵役ランキングを紹介します。1位はフリーザ、2位はベジータ、3位はピッコロ大魔王、4位セル、5位ブウという順でした。
中富さんは、魔人ブウも正義と悪をめぐるキャラクターだと語ります。痩せこけた姿が悪く、太った姿がいい人という描き分けは、ロールパンナちゃんと重なると指摘します。
何度も姿を変えて登場するフリーザという悪役
二人は、敵がいないと正義が目立たないという話から、改めてフリーザのすごさに感心します。フリーザは物語の中で何度も姿を変えて登場してきました。
だってフリーザっていろんな形変えてない?最初に変形するやん。
ナメック星編では第1形態から最終形態まで変形し、その後もメカフリーザ、映画「復活のF」、ゴールデンフリーザと形を変え続けます。梁さんは最新の漫画にブラックフリーザも登場したと補足します。
フリーザって一回も修行してないよね。で、本気出して修行した。
中富さんは、悟空たちは修行して強くなったのに、フリーザは修行せず本気を出しただけで強かったと振り返ります。人気の悪役はずっと使われ続けるのだと二人は納得します。
ドラゴンボール世代のたとえ話と、心に残る怖いキャラ
話は、この世代が何でもドラゴンボールでたとえてしまう話へ広がります。中富さんはXで見かけた指摘を紹介し、他の世代には伝わらないたとえだと笑います。
大体この世代ってドラゴンボールで例えるやん。それ良くないと思うんよ。
仙豆や修行のたとえは同世代にはしっくりくる一方、上の世代は北斗の拳などで例えるのではないかと二人は想像します。ドラゴンボールをリアルタイムで浴びた世代の共通言語がうかがえます。
二人はスーパーサイヤ人に興奮した小学生時代を振り返り、その世代に生きられたことを喜びます。子どもがドラゴンボールを好きになる普遍的な魅力にも話が及びます。
そう考えたら、その生でやってた世代に生きてるってすごくない?
終盤、梁さんはアンパンマンで一番怖いキャラとしてアンゴラの名前を挙げます。あんこが大好きなピンク色の怪獣で、バイキンマンに騙されてアンパンマンを襲うそうです。
こいつあんこ大好きだから、ジャムおじさんの工場襲う。であんこ食う。
アンゴラに工場を壊されるとアンパンマンの顔が復活できなくなり、致命傷になると梁さんは怖がります。アンパンマンには意外と怖いキャラが多いという発見で、二人の会話は締めくくられます。
まとめ
戦争を経験したやなせたかしがたどり着いた「逆転しない正義」を軸に、アンパンマンとドラゴンボールを行き来しながら「正義と悪」をゆるく考えた回でした。悪は完全な悪ではなく、悪があるからこそ正義が際立つという視点が、身近な作品から浮かび上がります。
- やなせたかしは戦争体験から「正義は逆転する」と実感し、飢えた人に食べ物を渡すという「逆転しない正義」にたどり着いた
- アンパンマンが顔をちぎって差し出すのは、悪を倒す強さではなく困っている人を助けることが正義だから
- 初期にはいなかったバイキンマンが登場したことで物語に葛藤が生まれ、アンパンマンの正義が鮮明になった
- ロールパンナちゃんやバイキンマンが示すように、善と悪は100パーセントに分けられない
- ドラゴンボールのフリーザは修行せず姿を変えて登場し続ける、悪役の象徴として二人の共通言語になっている





