祝う文化のない会社が迎えた創業10周年
この回は、歴史を扱うPodcast「コテンラジオ」を制作する株式会社COTENからの告知回です。深井さんは冒頭で、特にCOTEN CREWの人に向けた告知だと前置きしています。
告知を担当するのは、COTENメンバーのひなつさんです。ひなつさんは入社して5〜6年目で、もともと深井さんの弟子として入り、1年で「卒業」して現在の仕事をしているといいます。今回の企画を立てたのも、ひなつさんたちのチームです。
告知のきっかけは、COTENという会社が創業10周年を迎えたことです。ただ、深井さん自身には周年を祝う文化がなく、社内でも誰も周年の話をしていなかったと笑います。
完全無視してたけど。ね、誰も一言も周年がどうとか言わなかったけどね。
それでも、節目にもう少し何かやろうと、ひなつさんたちが企画を立ち上げました。深井さんは、10年続けば普通はもうスタートアップとは呼べないとしつつ、COTENはまだ弱小だと話しています。そのうえで、10年続いたのは聴いている人たちのおかげだと感謝を述べています。
(10)周年で本当に、ほんと皆さんのおかげで生きてますね、これは完全に。
10周年の企画は大きく分けて2つあります。1つ目が記念グッズの制作、2つ目がCREW向けのリアルイベントです。
久しぶりの記念グッズ、4つのラインナップは?
COTENがグッズを作るのは久しぶりです。過去には段ボールに入ったセットやマグカップなどを作ったことがありますが、数はごく少なかったといいます。深井さんは、なかなかグッズを作らない会社だと自ら振り返っています。
今回のグッズは全部で4種類です。ひなつさんが1つずつ紹介し、深井さんが質問を挟む形で進みます。
| グッズ | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 寄港祭盛り上げセット | Tシャツと手ぬぐい | イベント「寄港祭」のデザインで、セット販売 |
| 文房具セット | クリアファイル、マスキングテープ、しおり、ボールペン、ノートなど | 前回とは別デザインの予定 |
| 刺繍ピュイTシャツ | マスコット「ピュイ」の刺繍入りTシャツ | 前回人気だったTシャツの単品販売 |
| ヤンヤン手描きピュイTシャツ | ヤンヤンさんが描いたピュイのイラスト | 鉛筆描きのような味のある線 |
寄港祭盛り上げセットは、12月の寄港祭にちなんだお祭りデザインです。深井さんは、フジロック ── 新潟県の苗場スキー場で毎年夏に開かれる日本最大級の野外音楽フェス。開催年ごとのオフィシャルTシャツが定番グッズとして知られていますのTシャツのようなものだと理解しています。
グッズについて、深井さんは個人的な要望も口にしています。バンドが好きな深井さんは、グッズを買うたびに質が気になるそうです。ただし、グッズを決める権限は自分にはなく、完全に任せていると念を押しています。
結構質がいいやつで作ってほしい。ボールペンもノートもTシャツも。
じゃないと着る気になんないんだよね。毎回。バンドTシャツとか。
ひなつさんは「要望としては受け取っておきます」と応じ、深井さんも「こういう要望もある」くらいに受け取ってほしいと返しています。
4つ目のヤンヤン手描きピュイTシャツは、ヤンヤンさんが描いたイラストを公式Xに上げたところ、可愛いと評判になったことから生まれました。深井さんは需要があるのか半信半疑ながら、やってみようと話しています。
これこっちの方が売れたらちょっと悲しいぐらいだけど。
積極的に自分たちのブランド壊していくスタイルだね、これ。
グッズは何のために作るのか?仲間を見つける目印として
グッズを作った背景を説明したのは、ひなつさんです。ひなつさんはCREWの人と話す機会が多く、会うたびに「ピンバッジが欲しい」「またグッズを作ってほしい」という声を受けていました。
ただ、COTENには長くグッズを作る余力がありませんでした。深井さんも、目の前のことで精一杯で、グッズを作る余力はまったくなかったと認めています。
ひなつさんがCREWとの対話でよく聞いたのは、身の回りでコテンラジオを聴いている人や、COTENの事業に共感している人を見つけるのがとても難しいという話でした。一方で、一度見つかると、会社の中に「COTEN部」を作って勉強会や読書会を開くなど、活動が広がっていくケースが増えているといいます。
そこで今回のグッズは、手元に置いておけて、仲間を見つけるきっかけになるものとして作られました。深井さんは、グッズが「あの人もリスナーなんだ」とわかる目印になるという意味だと整理しています。
グッズはCREWに限らず、誰でも購入できます。寄港祭盛り上げセットも、イベント自体はCREW限定ですが、セットの購入は誰でも可能です。
グッズは受注生産です。深井さんは「在庫を絶対持たないという強い意志を感じますね」と冗談まじりに語っています。購入の詳細は番組の概要欄のURLから確認できます。
受付はエピソード公開日の10月23日から11月4日まで。深井さんは、リアルタイムで聴いている人以外はキャッチアップできない短さだと指摘し、COTENのXのフォローも勧めています。制作は、12月3日の寄港祭までに届くよう進められていますが、間に合うかはまだわからないとのことです。
ひなつさんは、4つのグッズとは別にステッカーもすでに販売していると補足しています。ステッカーは誰でも買えるものがあり、締め切りは10月末です。先に走り始めていた企画なので、受付の日程が別になっています。
深井さんは、ステッカーはPCやスマホなどに貼ってほしいと話し、自分もスマホに会社のロゴを貼っていると明かしています。
CREW1万7000人のための「寄港祭」とは?
2つ目の企画は、COTEN CREWを集める10周年イベント「CREW寄港祭」です。CREWは船の乗組員を意味する言葉なので、「港に寄る」という概念を名前にしたといいます。
この音声だけ聞くと、何、怪しい行いの方の(キコウ)を思い浮かべるけどね。
ひなつさんによると、CREWの総数は最近ちょうど1万7000人に達しました。深井さんは、無料で聴けるにもかかわらずお金を払って応援してくれていることに、改めて感謝を述べています。
深井さんは、CREWの支援のおかげで人文知 ── 哲学・歴史・文学など人文学で培われてきた知の総称。COTENは、この知を社会やビジネスに活かすことを掲げていますが先に進められたと振り返ります。ここ5年ほどで「人文知」という言葉がビジネスパーソンの間に浸透したと、手前味噌だと断りつつ話しています。
あわせて、ジェンダーインクルーシブや戦争の研究、ポスト資本主義の研究も続いていることに触れ、これらもすべてCREWのおかげだとしています。
本当にマジでクルーって感じですね。支援一緒にやってるっていう風に僕は思ってます。
寄港祭の開催は12月3日(木)の平日で、時間は12時半から19時半までの長いイベントです。会場は東京・中野の丸井グループ本社で、ラウンジとホールの2フロアを貸し切ります。深井さんは、エポスカード ── 丸井グループが発行するクレジットカード。COTENとの提携カードも作られていますに続いて会場まで貸してくれたことに感謝を伝えています。
深井さんは、有給休暇を取ったうえで抽選にも通らなければいけないという点を「そんなハードルのイベントある?」と面白がっています。ひなつさんは、日程はこの日でしか調整できなかったと説明しています。
応募できるのは、10月16日にCREW向けに送られたニュースレターを受け取った人、つまり10月16日時点でCREWだった人だけです。深井さんは、これまでCOTENを支えてくれた人への「ありがとう」の意味で開くイベントだと位置づけています。
来られない人や、その時点でCREWではなかった人に向けては、寄港祭の内容を抜粋して味わえるオンラインイベントも準備中です。詳細は後日発表されます。
深井さんは、寄港祭の盛り上がりによって来年も開催されるかが決まりそうだと話し、自分たちはイベントが下手だとも認めています。
歴史調べるとかすごい得意なんですけど。なんかイベントめっちゃ下手くそなんでしょうね。
寄港祭で何をやる?3人のトークから人文知マルシェまで
寄港祭の目玉は、コテンラジオの出張番外編として、深井さん、ヤンヤンさん、樋口さんの3人がCOTENの歴史を語るトークです。3人がそろってイベントに出るのは、2020年に一度やって以来になります。
このトークをPodcastで配信するかは、内容とクオリティ次第で決まるそうです。深井さんは「放送されなかったらクオリティが低かったってことね」「それで察してください」と笑いを誘っています。
2つ目のトークは、COTENの経営陣4人による対談です。これまでの10年を振り返り、これからの10年でCOTENが何を見据えているのかを共有する場になります。
もう1つの大きな企画が「人文知マルシェ」です。世界史データベース、歴史調査、ボードゲームを作るコテンゲームスなど、COTENの各チームが1フロアで展示やワークショップを同時に行い、来場者は興味のあるところを自由に回れます。
コテンラジオの制作チームからは橋本さんが参加します。深井さんは、COTENの社員やメンバーがこれまでにないレベルで集まると話し、普段外に出ない歴史調査チームを「レアキャラ」と表現しています。
ひなつさんによると、CREWが集まる場は相性が良く、とても盛り上がるそうです。企画はまだ詰めている段階で、やってほしいことがあればXでハッシュタグ「#COTEN10周年」を付けて投稿してほしいと呼びかけています。
申し込みから参加確定までの流れ
寄港祭への申し込みは、10月16日に配信されたCREW向けニュースレター内の応募フォームから行います。メールが見当たらない場合は、迷惑メールフォルダを「寄港祭」で検索し、それでも届いていなければCOTENのお問い合わせ窓口に連絡します。
深井さんは、Xで何をやりたいか聞いているのに200人しか来られないのは珍しいと苦笑し、来られなかった人へのケアが必要だと話しています。ひなつさんは、オンラインイベントでそれを盛大にやりたいと応じています。
結果がわかるのは11月2日なので、深井さんは、そこから有給休暇の申請や移動手段の予約をしてもらえば、開催の約1か月前には予定が立つと補足しています。
寄港祭は有料イベントです。深井さんによると、参加費はかかった費用とトントンにする設定で、儲けようとはしていないといいます。
「殿様ムーブ」の実験と、1万7000人で世界を変える構想
告知の最後に、深井さんは今回の条件の厳しさを「かなりの殿様ムーブ」と認めつつ、まずは小規模で実験させてほしいと語っています。もっと多くの人を包摂できる余力と力がついてから、徐々に大きくしていきたいという考えです。
深井さんは、CREWとの関係を贈与的なものだと説明しています。COTENが先にコテンラジオを届け、それを良いと思った人がお返しとしてCREWになり、COTENをエンパワーメントしてくれるという関係です。
さらに深井さんは、人文知を特にビジネスパーソンに届けることを重視しています。強い立場にいるビジネスパーソンの判断が世界全体に影響すると考えており、海外の学者とのつながりも生まれ始めているといいます。
1万7000人という数について、深井さんは世界規模では少ないかもしれないとしつつ、革命を起こしたいわけではないと断ったうえで、歴史上の例を引いています。
やっぱり人数1万7000人ぐらいいたら本当に世界変えれると思うんだよね。
深井さんにとってCREWは、重要な判断をする人たちに、歴史を省みた判断や社会科学を踏まえた判断をしてもらうことを一緒に進める仲間です。人文知を社会に浸透させることを、CREWとともに進めたいと話しています。
深井さんは今回の告知を、感謝と、今後もよろしくという気持ちと、小さなイベントで実験させてほしいというお願いの3つだったとまとめています。
僕たち多分ビビって200人にしてます、今。1万人とか呼んだら死ぬんじゃないかと思って。
将来は地方でもイベントを開きたいという深井さんは、寄港祭でひなつさんにノウハウを蓄積してもらい、いずれは20万人規模を集められるイベンターになってほしいと冗談まじりに夢を語りました。2人は、寄港祭でCREWに会えることを楽しみにしていると締めくくっています。
まとめ
COTENは創業10周年を機に、リスナー同士が仲間を見つける目印となる受注生産グッズと、CREWへの感謝を伝える初のリアルイベント「寄港祭」を企画しました。条件の厳しい小規模な実験であることを認めつつ、深井さんはCREWとともに人文知を社会に広げていく構想を語っています。
- 記念グッズは寄港祭盛り上げセット、文房具セット、刺繍ピュイTシャツ、ヤンヤン手描きピュイTシャツの4種類で、10月23日〜11月4日の受注生産、誰でも購入可能
- グッズは、身近なリスナーやCREWを見つけて活動を広げるきっかけとして作られた
- 寄港祭は12月3日(木)に東京・中野の丸井グループ本社で開催され、10月16日時点のCREWが対象、定員200名で超過時は抽選
- 参加できない人向けに、寄港祭の内容を抜粋したオンラインイベントも準備されている
- 深井さんは、1万7000人のCREWとともに人文知を社会に浸透させれば世界を変えられると考えている







