4つの目標を全部達成。それなのに浮かない顔のわけは?
厚利少売ラジオでは今年の春から夏にかけて「厚利少売プロデュースオーディション」を開催し、155名の応募から1名を選んで、すがけんさんと川原さんが4ヶ月間無料で公開コンサルを行っています。
優勝したのは、料理代行業「お台所研究室」を営む上野京子さんです。上野さんはお客さんの自宅に伺い、冷蔵庫にある食材でその場で調理する料理代行を一人で営んでいます。
9月17日に収録されたこの回では、まず川原さんが上野さんの前回からの報告を読み上げました。上野さんが掲げていた4つの目標は、すべて達成されていました。
いや、すごい嫌だ。
すがけんさんの「嫌だ」は、上野さんの結果ではなく態度に向いたものでした。すがけんさんは、上野さんが収録前に「緊張する、気が重い」という顔で登場したため、目標を達成できなかったのだと思っていたと明かします。
あ、(目標を)達成しなかったんだと思ってたんですけど、全部達成したんだ。
手を2箇所切るまで、何が上野さんを飽和させたのか?
上野さん自身が語った課題は、お客さんやマスタークラスの参加者と話す機会を増やしすぎたことでした。上野さんは頭が飽和状態になり、料理中に手を2箇所切ってしまったといいます。
正直たくさん喋りすぎたら頭が飽和状態になって。それで手を2箇所切っちゃったんですね。
そのうえで上野さんは、今のお客さんを大事にしたい気持ちを保ちながら、1年後に厚利少売を成し遂げる方向性を一緒に考えてほしいと相談しました。
すがけんさんはまず、毎月1日も休みがなかった状態から、1ヶ月で8日の休みを手に入れた点を素直に評価します。
上野さんによれば、前回の「大きなボールを1個持ちなさい」という助言で休みは確保できました。来月で終了するお客さんや回数を減らすお客さんもいて、新しいお客さんを2人迎えたものの、ギアを上げすぎると目の前のお客さんに集中できなくなると感じたそうです。
そうだよね。いろんなことをやりすぎだよ。
まあいいんじゃない?1ヶ月ぐらいそんぐらい失敗しても。
本の出版が決まったのに、なぜテンションが低いのか?
上野さんにはもう一つ大きな前進がありました。ちょもじ活動を続けていたところ、以前の回で話していた出版社の編集者から連絡があり、本の話が具体的に進んでいるといいます。
上野さんの本は普通のレシピ本ではなく、お客さんとの間で生まれたレシピをエピソード付きでまとめる形になっているそうです。
すがけんさんと川原さんは、得られた成果と上野さんの話すテンションの差に戸惑います。
なんかさ、その得られたものとさ、喋るテンションが違いすぎてさ、どう聞いていいかが全くわかんないんだけど。
なんか体が追いついてない感じがします。
上野さんの「体が追いついていない」という感覚を、すがけんさんは大事にしたほうがいいと受け止めました。すがけんさんは、本はやめないほうがいいとしつつ、上野さんはまさにボールがいっぱいになっている状態だと指摘します。
10個を同時に持つと、5ヶ月後に何が残るのか?
すがけんさんは、前回も話したというボールのたとえを改めて説明しました。1つ1ヶ月かかる仕事が10個あるとき、同時に進めるか、1つずつ終わらせるかで、途中の成果がまったく変わるという話です。
毎月1つずつ完了し、5ヶ月目には5個が終わっている。10ヶ月で10個が終わる
全部が10分の1の速度でしか進まず、5ヶ月目には何も終わっていない。10ヶ月目にようやく全部が終わる
すがけんさんは、前回「休みをちゃんと取る」を決めたのも、上野さんがいくつも同時にできるとは思っていなかったからだと話します。休みが手に入れば、その時間を投資に使えるという考えでした。
すがけんさんによれば、上野さんに最初に持ってほしかったボールは、1つ目が単価アップ、2つ目が休みを取ることでした。ところが休みが取れた途端、贅沢な悩みが生まれ始めたといいます。
だってさ、悩みを減らすためにやってるのに、悩みを増やすじゃん、こうやって。人ってやっぱそういうもんだと思うんで。
だからやっぱり人はすぐ小さいボールを持って、マルチタスクで走りたがって、わーってなるんだなって聞いてて思いました。
すがけんさんは、上野さんが3ヶ月目に経験したこの失敗を「人間だな」と受け止め、良い失敗だったのではないかと話しました。
飽和を「コントロールできているか」はなぜ重要なのか?
上野さんは、時間を作るきっかけにしたかった部活動の取り組みが動き始めていることや、マスタークラスが4ヶ月で終わるため聞けるうちに聞ききりたいという気持ちがあったと説明します。
すがけんさんは、飽和することをわかったうえでやったのなら、それ自体はかまわないと答えました。問題は、飽和を自分で選んでいるかどうかだといいます。
コントロールできなくて飽和しちゃうのと、コントロールして飽和するのは全く別の話だから。
ただし、すがけんさんは、料理をする人が手を切ることは衛生面でも信頼性の面でも良くないと指摘し、そこにプロ意識を持つことが大事だと話しました。
仕事の価値を「売り値」ではなく「責任」で決めるとは?
すがけんさんは、自分がアドバイザーとして仕事をする際、車の運転をせず、自転車に乗るのもやめたと明かします。手を怪我してパソコンを使えなくなったり、車で誰かに危害を加えたりすれば、クライアントが悲しむからです。
すがけんさんは「ちなみに車の免許は持っていない」と付け加え、免許を持っていない理由を正当化しているだけだと笑いました。
そのうえで、すがけんさんは、自分で仕事をするとはどれだけの責任を負うことかを考えるべきだと話します。
それが小さい責任だなと思う人はそれなりの成功しかしないし、
すがけんさんによれば、値段は高くできても、自分の価値を低く扱えば、結果的にお客さんはがっかりします。誰に求められていなくても、自分の価値はそうやって決められるといいます。
すがけんさん自身も、単価を3万円から30万円にしたとき、いくつかのことを決めたそうです。
- 責任が発生するので、人を悲しませることはやめる
- 誰かを応援する行為以外にお金を払うのはやめる
すがけんさんは、そうしたことを考える人は少ないからこそ、決めて実行すると結果はちゃんとついてくると話しました。
生産者の話から見えた、上野さんのお金の使い道とは?
すがけんさんの話を受けて、上野さんは、藤井農園のイチジク狩りに参加したことや、マスタークラスにいる松阪牛を育てている生産者の話を挙げました。
生産者の方のお話を聞けば聞くほど、やっぱり私はそこにエネルギーとお金を使っていきたいなっていうのをすごい思いました。
すがけんさんはこの考えに賛成し、そうした発信もしたほうがいいと勧めました。
なんかさ、やっぱお金を払ってくれた人が、その後やっぱり「あー頼んでよかったな」とかさ、「やっぱ上野さんは違う人、特別な人だな」ってやっぱ思ってほしいじゃないですか。
そういうのはさ、やっぱりやっている時間以外で見えるもんだから。
すがけんさんは、うまくいったあとに時間やお金をどう投資するかを人は間違えがちで、そこができると次のステージが見えてくると話しました。
経済的に自立できない女性を雇用したい。上野さんの最終目標とは?
上野さんは、自分なりの事業のゴールを語りました。上野さんの最終目標は、経済的に自立できない女性たちを雇用できるようになることです。
上野さん自身もかつてそうだったといいます。夫婦関係がうまくいっていなかったり、自分に価値がないと思っていたりする女性は一定数いて、お金を稼げず社会とつながっていないことから「私なんて」という気持ちを抱えていると上野さんは考えています。
やっぱそういう人たちが、たとえ10万円でも自分で自由に使えるお金を手に入れた時に、なんか世界に色がつく気がするんですね。
最終的にはそういう人たちをどんどん増やしていきたいと思っております。だから、そのために厚利少売になりたいんです。
中学校の料理部と「出汁」はどうつながるのか?
川原さんは、女性の経済的自立という目標と、上野さんの話す部活動がどうつながるのかがわからないと尋ねます。
上野さんによれば、部活動が民営化 ── 公立学校の部活動の運営を、教員から地域団体や民間事業者などへ移していく流れ。部活動の地域移行とも呼ばれますしていく動きはすでに始まっています。今は部費しか予算がないものの、企業協賛を集め、自分たちの活動がモデルになれば、地域ごとの出汁の特色を生かして各地で部活動を展開し、地域の女性を雇用できると考えています。
話に突然「出汁」が出てきたことで、川原さんは混乱し、すがけんさんは「カツオ」「山車」とボケを重ねて場が和みます。
上野さんの説明では、料理代行で訪れる家庭のうち、出汁の要素を持っている家は1割ほどだそうです。本物の出汁を味わえる子どもは世の中でもそれくらいしかいないのではないか、と上野さんは考えています。
そこで上野さんは、カツオ、昆布、椎茸など単一の出汁を子どもたちに味わわせ、それをミックスして好きな出汁を作る活動をすでに始めているといいます。味覚を育てることで子どもたちの未来が少しずつ開けるのではないかという希望から、料理部を立ち上げたそうです。
上野さんの料理部は芦屋市の公立中学校で活動します。部費は月3000円ほどしか取れず原価だけで終わってしまうため、協賛者を集めて運営費を作る段階で、そのモデルができれば全国でも展開できると上野さんは考えています。
今うまくいっているのは、サイコロでたまたま6が出ただけ?
川原さんは、個人として厚利少売になり余暇が生まれた段階から、上野さんが語る次の目標までの距離が遠すぎると整理します。すがけんさんも同意し、そもそも上野さん自身の厚利少売がまだ危ういと指摘しました。
僕はまだ上野さん自身がちゃんと厚利少売になりきれてるとは全く思わないから。
すがけんさんは、現状をサイコロにたとえます。6が出る確率は6分の1なのに、たまたま1回目と2回目で6が2回出たようなもので、番組の後押しという下駄を履いてうまくいっている部分もあるといいます。
すがけんさんの記憶では、単価を上げたことで同じ収入のまま時間には余裕ができたものの、上野さんが目指す金額にはまだ届いていませんでした。上野さんもそれを認めます。
すがけんさんが別のボールを持ちたかった理由を尋ねると、上野さんは時間が生まれたことで次の「ちっちゃいボール」を持ったと答えました。
そうだよね。そう、関係ないと思うんですよ。そう。だからこうやって失敗したんだよねって話。
すがけんさんは、本来は浮いた時間を自分が決めた目標金額に向けて投資すべきだったと話します。売上目標に向けて進んだかを問われ、上野さんは「進んでないです」と答えました。
なんか人に言われてやってることって、結局終わったらただ終わっちゃってるだけで、自分の糧にはなってないからね。
目標を達成したいのか、来るボールを拾い続けたいのか?
すがけんさんは、上野さんが最初に決めた目標をどれだけ達成したいのかを問い直しました。達成したいならやるべきことをやり、達成しなくていいなら来るボールを拾い続ければいい、という二択です。
上野さんは、単価を上げたい、今の事業を安定させたいと答えます。
すがけんさんによれば、ここ1〜2ヶ月は売上を固定しながら単価を上げ、休みをしっかり取る戦略でした。次の段階では、増えた時間を使って、新しい単価で来てくれるお客さんを増やし、知ってもらう活動をしなければならないといいます。
これまで
売上を固定しながら単価を上げ、休みを取る
結果
投資に使える時間ができる
次にやること
新単価のお客さんを増やし、知ってもらう活動に時間を使う
なんかね、時間ってね、やっぱある、あれあっただけいいわけじゃなくて、本人の意識の問題だから。
遠方のお客さんへの対応は、本当に今の悩みなのか?
上野さんの相談は、引っ越しで利用をやめたお客さんから、家庭教師をモニター価格でなくてもいいので受けたいと連絡があったというものでした。遠方ですが、空いた時間をそうしたことに使ってよいのかを上野さんは尋ねます。
すがけんさんは、時間で働いている以上、遠方だと移動時間がすべてマイナスになると答えました。オンラインで提供するのは選択肢になりうるとしています。
膝擦りむいたんですけど、どうしたらいいですか?とかじゃなくて、ここに行きたいんだけど、どうしたらいいんですかの相談をしないといけないはずで。
上野さんが続けて「次に売るべきは料理代行ではなく家庭教師でいいのか」と尋ねると、すがけんさんは、売上をいくらにしたくて、あとどれぐらい必要なのかという、いつも確認している前提が飛んでいると指摘しました。
すがけんさんは、目標を達成するのは簡単ではないからこそ、マスタープランに立ち返って丁寧に道順を考える必要があると話します。
売上1000万円の目標に対して、今の数字はどうなっているのか?
上野さんの目標は、1年後に売上を2倍の900万〜1000万円ほどにすることでした。1年後とはいつかと問われ、上野さんは「来年の7月ぐらい」と答えます。
そう、そこがだからアバウトだから、やっぱ叶わないよね。
すがけんさんは、今は足元がちょっと良いだけで、うまくいかないことのほうが多いと話します。ビギナーズラックで数ヶ月うまくいった人は、つまずいたときに「向いてないのかな」と耐えられなくなりがちで、空いた時間で別のボールを楽しんでいるとメンタルが持たないといいます。
だって目標がさ、いや、天才じゃなくて、そんなにうまくいくと思ってないんですって言うんだったら、どうして早くやらないのって話じゃん。シンプルに。
続いてすがけんさんは、上野さんに現状の数字を確認しました。値上げは来月からで、8月の売上は休みを取った分だけ減っていたといいます。
8月: 2500円×3時間=1回7500円×40回=30万円
10月見込み: 5000円×2時間=1回1万円×約30回=約30万円(変わらないか少し落ちる)
すがけんさんは、売上が増えていない以上、今はそれほど良い状況ではなく、売上が増える土台がやっとできた段階だと整理します。売上を増やすには、簡単に言えばお客さんを増やさなければなりません。
「一応」発信している、の何が問題なのか?
お客さんを増やす打ち手について、上野さんは新しいお客さん2人に声をかけたものの、まだ積極的には動いていないと答えました。3時間の作業を2時間でこなすことにエネルギーを使うため、1ヶ月は既存のお客さんに注力するつもりだったといいます。
でも、でもマスタークラスが終わっちゃうから、みんなとおしゃべりいっぱいしてますなわけでしょ。
じゃあこのお客さんに向き合う時間とかさ、その次のお客さんに気づいてもらう取り組みとかはさ、それ以下の価値になっちゃうってこと?
上野さんが「一応SNSで発信はしている」と答えると、すがけんさんは、川原さんが「一応」という言葉までメモしていることを指摘しました。
だから一応じゃん。そう、一応がさ、やっぱプロの僕らは気になっちゃうんだよね。
だから自分がそれを胸を張ってやりましたって言えるのか、一応って言っちゃうのかに差は出るよ、結果。
さらにすがけんさんは、人を助けることを考えるのは、今の上野さんにはまだ早いと話します。いつかはやるべきだとしたうえで、泳げない人が溺れている人を助けようとしても一緒に溺れるだけだとたとえました。
ウェイトリストと家庭教師のオンライン化。上野さんが決めた次の一手は?
何をやるかを問われ、上野さんは具体的な行動を挙げました。
すがけんさんは、家庭教師をオンラインでも試してみることを提案します。時間の制約があるため、単価が多少下がっても5人まで受けられるならそのほうが良いかもしれないといいます。
いないんだったらもう、「あ、じゃあこれはないってことね」って言って、もうすぐさまやっぱり今まで決めた通りにちゃんとやった方がいいし。
すがけんさんは、ダラダラ考えずにSNSやマスタークラスで一度需要を確かめ、なければすぐ元の計画に戻るべきだと話しました。
すがけんさんによれば、片付けもオンラインでできるようになり、近くの人より遠くの気に入った人にオンラインで教わるほうが進むこともあるそうです。先生系のビジネスは、教わりたい人からでないと教わりたくないものだといいます。
上野さんは、連絡をくれた名古屋のお客さんが育休中にやりたいと言っていたので一度聞いてみると答えます。すがけんさんは、1人だけではたまたまかもしれないので、SNSでも聞いたほうがいいと付け加えました。
上野さんのいいところは馬力があって、言ったことをしっかりやることなので、
ただ見てないところで残りの時間をあんまり無駄に使わないように、自分の目標を早く達成するように頑張った方がいいよ。
「今していることは目標に向かっているか」を携帯の画面に
川原さんは上野さんに、携帯の画面に「今していることは目標に向かっているか」という文字を打っておくよう勧めました。すがけんさんの画像で作ろうかという川原さんの提案に、すがけんさんは嫌がります。
すがけんさんはついでに、最近のYouTubeのサムネイルが自分の意地悪な顔ばかりだと抗議します。川原さんが「目標達成に向けて効果的だった」と答えると、すがけんさんは「なら受け入れます」と引き下がり、ここでも目標に向かっているかどうかが判断基準になりました。
上野さんを送り出したあと、二人はこの回を「みんなが通るあるある回」と振り返ります。
まあね、休憩はいいことですけどね。まあやっぱり休憩だけになっちゃうし、すぐそっち(休憩)が楽だから。楽しいし。
やっぱね、そっちに時間行きがちだけど、やっぱり自分の人生、本当にそれでいいのか、ちゃんと考えて使ってくれないとダメかなと思いました。
川原さんも最後に、リスナーへ向けて、この回を何度も聞き、自分のやっていることが目標に向かっているかを意識して1ヶ月を過ごしてほしいと呼びかけました。
まとめ
休日の確保と値上げを達成した上野京子さんは、生まれた余裕で小さなボールを抱えすぎ、売上目標への取り組みが止まっていました。すがけんさんは、仕事の価値を責任で決めるプロ意識と、目標から逆算して今の行動を選ぶ姿勢を求め、上野さんはウェイトリストへの声かけと家庭教師の需要確認という次の一手を決めました。
- 1つ1ヶ月かかる仕事を10個同時に進めると、5ヶ月目には何も終わっていない
- 余裕ができた直後こそ、人は小さなボールを持ってマルチタスクに走りがち
- 仕事の価値を売り値ではなく責任で決めると、やめるべきことが見えてくる
- 単価アップと休日確保は売上が増える土台にすぎず、次はお客さんを増やす打ち手が必要
- 「今していることは目標に向かっているか」を常に問い直す




