AIでテストプレイの精度を高められないか
番組「ボードゲームの天下取り」、略してボド天は、ボードゲームで天下を取るためにビジネス的な視点を交えて考察するチャンネルです。今回のテーマは「AIのテストプレイがすごい」です。
Manaさんは以前から、AIを使ってテストプレイやルール作りの精度を高められないかと研究してきたと話します。
X上では、確率論を計算したり、コンピューター同士をプレイさせたりと、いろいろなやり方が語られているのを見てきたそうです。どうやるんだろうと思いつつ、実際に試してみることにしたと言います。
生成AIにはChatGPT、Gemini、Claude系などがあり、ManaさんはGeminiとClaude Codeをよく使うそうです。ふと、ボードゲームの説明書をAIに読み込ませたら、簡単なブラウザゲームは作れてしまうのではないかと思いついたと話します。
説明書をアップしたら数分でブラウザゲームができた
今回試したのはClaude Codeです。Manaさんはチャットベースで指示ができるCoWorkを使い、完成済みの説明書をアップロードして試したと言います。
今作っているのは3人から6人プレイのゲームですが、テストプレイ用としてAIには「これは4人向けのゲームです」と伝えたそうです。
私とコンピューター3人で対戦できるブラウザで動作するゲームを作ってください
すると数分待っただけで「できました」と返ってきたと言います。こんな指示でできてしまうのかと、Manaさんは驚いたそうです。
無機質なものだろうと思って開いてみると、プレイ前のスタート画面ができあがっていて、ルールの概要やデザインまで乗っていたと話します。
プレイボタンを押すとプレイ画面が出て、カードが並び、ダイスも振られ、カードを選択してアクションもできたそうです。普通にオンラインゲームとして遊べたと言います。
さらに、自分以外の3人のコンピューターも、適当ではなくきちんと思考した上でプレイしていたとManaさんは驚きを語ります。
自分以外の3人といったものは、ちゃんと思考した上でのプレイっていうことをやってくれました。これすげえなって思いました
来年発売のゲームがシミュレーションで捗る
Manaさんは、この仕組みが来年発売予定のゲーム制作に大きく役立つと話します。ゲームとして成り立つか、バグがないかをシミュレーションしながら、自分でプレイして粗を見つけられるからです。
これまでは脳内で考えたり、手元でカードを並べて「こうかな、こうかな」と試したりしていたと言います。それが実際に動く形でできてしまったことを、Manaさんは画期的だと評します。
特に多人数プレイのゲームは、一人ではシミュレーションしにくいという課題がありました。自分の中で役割分担をしても偏りが出てしまい、何が来るかというドキドキ感も得られなかったそうです。
だからこそ、これまでは人とのテストプレイに行かないとわからない部分が多かったとManaさんは振り返ります。一人で遊べるブラウザゲームがあれば、テストプレイ会に持っていく前の段階で、かなりの精度まで引き上げられると考えられます。
配布用パッケージまで自動で吐き出された
Manaさんは、手元だけで遊べる状態からさらに一歩進めて、もう一つの指示を出したと言います。単体のファイルで遊べて、周りに配布できるパッケージとしてまとめてほしいと依頼したそうです。
すると、3つのものが吐き出されました。何の列挙かというと、AIがまとめて出力した配布用の一式です。
- ダブルクリックすればブラウザゲームが遊べるプログラムファイル
- アップロードしたオリジナルの説明書をまとめたもの
- 使い方をまとめた「初めにお読みください」というマニュアル
マニュアルについては指示していないのに、ファイルの起動方法やゲームの概要説明まで吐き出されていたとManaさんは話します。この3点セットが揃っていたことに感心したそうです。
早速その一式を友人に送り、遊んでみてほしいと頼んだと言います。サクッと遊べるので、友人から「面白かったよ」といった意見ももらえたそうです。
もうこれはちょっと革命ですね、私的には。遠距離でもちょっと試してよっていうことも投げられるし、自分の中だけでもどんどん改良していける
都度ブラウザゲームを作るのが大変だとテストプレイの頻度が減ってしまいますが、今回は説明書をアップロードしただけです。ルールをブラッシュアップしたら、また説明書を改変してアップすればすぐ作り直せると話します。
簡単に作れるからこそ怖い、ナショナルエコノミーの事例
Manaさんは、この便利さの反面で怖さも感じたと切り出します。
先日X上で話題になったのが、人気ボードゲーム「ナショナルエコノミー」のブラウザゲームを誰かが許可なく作った件だそうです。
作者は非公式であることを認めつつ、いい出来で面白く遊べるとXで公表していたと言います。しかし著作権者が許可していなかったため、権利を持つ会社からすぐ連絡があり、非公開になった経緯があったそうです。
Manaさんは、これも簡単にブラウザゲームが作れてしまうことが背景にあると見ています。既存のボードゲームの説明書をアップロードすれば、すぐに作れてしまうかもしれないからです。
さらにデザインデータをアップすれば、AIがアートワークも作れるため、本番さながらのブラウザゲームができてしまうと指摘します。誰でも簡単に作れてしまうので、海賊版的なものが横行しないかという懸念があると話します。
ルールに著作権はない、だからこそ量産できてしまう不安
Manaさんは、ボードゲームの権利関係の難しさにも触れます。ゲームのルールのアイデア自体には著作権などの権利が発生しないそうです。
一方で、アートワーク、デザイン、イラストなどには著作権が発生し、勝手に使えないとのことです。法律的には、誰かが作ったゲームルールをそのまま使っても問題ないという解釈だった気がすると、Manaさんは慎重に述べています。
著作権などの権利は発生せず、そのまま使っても法律上は問題ないという解釈
著作権が発生し、勝手に使い回すことはできない
例として、100円ショップで見かける既存ボードゲーム風の商品を挙げます。猫が壁を避けて移動していくようなゲームは「コリドールじゃん」と感じるものもあり、ルールは同じでデザインを変えて発売しているのではないかと話します。
ここから、悪意を持って考えるなら、既存の面白いボードゲームの説明書をAIに読み込ませ、アートワークもAIで一新すれば、内容は同じでも権利を侵害しない状態でブラウザゲームを量産できてしまうと指摘します。
新しい技術が変えていく時代の行く末
Manaさんは、この手軽さを自分で体感してしまったからこそ怖いと感じ、今後の権利関係がどうなるのか不安だと語ります。便利になった反面、こうした弊害も出てくるのだろうと考えられます。
新しい技術が出てくると、良くないことも起こりやすいと話します。ただ、実際に問題が起これば、ルールが整備されて健全性は保たれていくのだろうとも述べています。
今はまさに時代も技術もルールも変わっていく時期であり、今後の行く末が気になるとManaさんはまとめます。
今日お話したかったのは、テストプレイめっちゃ捗るよ、AIって思ってたよりやべえよっていうお話と、それを悪用したようなものが出てくる恐れがあるよねっていう、そんな話です
まとめ
自作の説明書をAIに読み込ませるだけで、テストプレイ用のブラウザゲームや配布用パッケージまで作れてしまう時代になりました。Manaさんはその便利さに感動する一方で、同じ手軽さが海賊版の量産につながりかねない不安も率直に語っています。
- Claude Codeに説明書をアップして依頼するだけで、思考するコンピューター相手のブラウザゲームが数分でできた
- 配布用に指示すると、プログラムファイル・説明書・マニュアルの3点セットが自動で吐き出された
- 一人ではやりにくかった多人数ゲームのシミュレーションが可能になり、テストプレイの精度と頻度が上がる
- ゲームのルールには著作権が発生せず、アートワークをAIで一新すれば権利を侵害せず量産できてしまう懸念がある
- ナショナルエコノミーの非公式ブラウザ版が非公開になった事例もあり、権利関係の整備が今後の課題になる





