なぜあの構成なのか、誰も考えない問い
今回のテーマは「トランプの秘密」です。スペードやハート、ダイヤ、クローバーのある一般的なトランプを取り上げます。
誰もが一度は遊んだことのあるトランプですが、その構成を深く考えたことはあまりないかもしれません。
Manaさんは、いくつかの素朴な疑問を挙げます。1スートあたりなぜ13枚なのか、なぜ絵柄がジャック・クイーン・キングなのか、なぜスートが4つなのか。
トランプは特定のゲーム専用に作られたわけではなく、さまざまなゲームに派生していきます。だからこそ「何のためにこの構成なのか」がかえって見えにくいと言えます。
諸説あるなかで、Manaさんが「なるほど」と感じた説を紹介していく回です。
トランプの秘密と銘打ってるんですけれども、なんでそういった構成になっているのか、初め作った人の裏の真意みたいなものが読み解けたら面白いかなと考えております。
色とマークが指し示す「昼夜」と「四季」
トランプがすごいのは、あらゆる要素に整合性があるからだとManaさんは言います。そして、その整合性のベースにあるのが「時間軸」だと話します。
まず、なぜ4つのマークなのに色は2つなのか。諸説あるなかで、Manaさんが調べた限りでは、赤は昼、黒は夜を表しているそうです。
明るい昼間は情熱の赤、漆黒の夜は黒。昼夜をイメージしているという説です。これも時間軸の影響だと考えられます。
さらに4つのマークは、それぞれ季節を表しているという話があります。
クラブは春、ダイヤは夏を表すとされる
ハートは秋、スペードは冬を表すとされる
ただしManaさん自身も、ここまでは「取ってつけた説明ではないか」と感じていたと振り返ります。黒は死、赤は生、権力やお金、愛など、いくらでも別の解釈ができるからです。
ここまでは本当に取ってつけたんじゃないかと私も思っておりました。もういくらでも言いようがありますよね。
13枚という数字に隠された「1季節13週」
ここから、数字のロジックが時間軸と強く結びついていきます。まず、1マークあたりのカードは13枚あります。
なぜ13枚なのか。マークが季節を表すとすると、1つの季節は何週あるかという問いになります。
1週間を7日とすると、1季節はおよそ13週間にあたるそうです。
つまり4つの季節を合わせると、1年は52週。1季節13週が4つで、これがトランプのカード枚数とも一致します。
さらに1から13までの数字を全部足すと、どうなるか。ここにも一致があるとManaさんは言います。
13週を7日で掛けると91日。それが1から13までを足した数と一致します。
それが実は季節内の日数と揃ってるんですね。春は91日間、夏は91日間みたいな形です。
364日と365日、ジョーカーが埋める「1年」
1季節91日を4つ合わせると364日になります。ここでManaさんは「あれ、1年に足りないじゃないか」と気づきます。
その1日を埋めるのが、あの存在です。ジョーカーです。
ジョーカーを1枚加えると365日、見事に1年になります。4つの季節に1枚を足す形です。
364日、違うじゃんと思って。その後ジョーカーです。閏年はそこまで考慮されてるっていうのがとても感動しましたね。
さらにManaさんが面白いと感じたのが、ジョーカーが2枚ある点です。カラーのジョーカーと白黒のジョーカーが入っているトランプが多いと話します。
ふだんのゲームでは白黒のジョーカーは使いにくく、予備だと思っていた時期もあったそうです。
しかし1年は365日ですが、閏年には366日になります。その1日を、もう1枚の白黒ジョーカーが表しているといわれています。
閏年まで考慮されている点に、Manaさんは強く感動したと語ります。
絵札12枚が示す「12ヶ月」という一致
もう1つ面白いのが絵札です。キング・クイーン・ジャックの3枚が、4つのマークにそれぞれあります。
つまり絵札は全部で12枚。これは1年が12ヶ月であることを表しているそうです。
色は昼夜、マークは四季、13枚は1季節の週数と日数、ジョーカーは1年と閏年、絵札は12ヶ月。すべてが時間軸で説明できます。
Manaさんは、トランプの構成は時間軸の説がいちばん強いと考えていると話します。とても綺麗で美しいと感じたそうです。
遊びの「インフラ」としてのトランプ
Manaさんは、トランプをゲームのインフラ的存在だと位置づけます。同じデッキをもとに、さまざまな遊び方ができるからです。
そのうえ数学的な整合性まで取れている。これはとても美しいと語ります。
ゲームとか楽しさに何か変わるのかというと変わらないと思うわけですよ。ですけれども、作者がそういう裏の意図や狙いを仕組むっていうのはかっこいいですよね。
整合性があってもゲームの楽しさ自体は変わらない。それでもManaさんは、隠された意図をただの遊びではなく芸術だと感じると話します。
自作「LOOSE」に込めた、遊びのインフラへの憧れ
Manaさん自身も、遊びのインフラになるようなものを作りたいと考えているそうです。その意図で作ったのが「LOOSE」という作品です。
これはたった9枚で遊べるゲームで、現在は4つのルールを追加して頒布しています。4つ目のルールの説明には「自由に使ってゲームを考えてね」と明言されています。
9枚のカードは、ジャンケンの三すくみを二重にした構造になっています。
三すくみの基本
AはBに勝ち、BはCに勝ち、CはAに勝つ
3種類ずつ
その三すくみが3つずつある
色でも三すくみ
色ごとにも三すくみの関係になっている
ただし、LOOSEには数学的・芸術的な意図までは入れていないとManaさんは正直に話します。
トランプ以外のインフラ的な例として、タロットや花札を挙げます。タロットは占いがベースですが、もともとはそれを使った遊びもあったと聞いていると話します。
花札もさまざまな遊びに展開できます。共通するのは、ベースとなるコンポーネントがあり、それをもとに遊びが広がっていく点です。
ふだん作っているのは特定の遊び専用のものばかりだが、いつかインフラ的なものに挑戦したいとManaさんは語ります。
自己満でもいいから、こういう想いとか狙いを含めていけたらかっこいいなっていうのを、ちょっと伝えたかったというお話でした。
まとめ
トランプの構成は、昼夜・四季・週・日数・月・閏年まで、時間軸で一貫して説明できると紹介されました。Manaさんはそこに芸術性を見出し、自身のものづくりへの憧れとして語っています。
- 赤と黒は昼夜、4つのマークは四季を表すという説がある
- 1スート13枚は1季節13週、その数字の合計91は1季節の日数に一致する
- 4季節364日にジョーカー2枚を足すと、365日と閏年366日に対応する
- 絵札12枚は12ヶ月を表し、全体が時間軸で整合している
- Manaさんはトランプを遊びのインフラと捉え、自作にもその発想を取り入れたいと話す





