もともと話すのが得意だったのか、というリスナーの問い
この回のテーマは「人前で話す苦手意識を克服した4つのコツ」です。きっかけは、ポッドキャストのコメント欄に寄せられた1通の質問でした。
質問者は、吉田さんの話し方がわかりやすく、構成に筋が通っている点を褒めたうえで、自分は話があちこち飛んでしまうと悩みを打ち明けています。
吉田さんはもともと話すのが得意だったのでしょうか。それとも、話す時に意識しているコツや工夫があるのでしょうか。どうすれば吉田さんのように上手に話せるようになるのでしょうか?
吉田さんはまず「もともと得意だったのか」という問いに、はっきり答えます。得意ではなかった、というのがその答えでした。
小学校の頃とか、人前で話すのがもう嫌で嫌で仕方なかったです。
では、どうやって苦手意識を克服してきたのか。吉田さんは正直に「場数がある」と前置きしつつ、このポッドキャストの収録や、登壇の機会を積極的に引き受けてきたことを挙げます。
(社労士として)キャリアを積みたいんだったら、登壇の機会があったら積極的に引き受けた方がいいよっていうアドバイスを(開業講座で)いただいたので、それをやっていました。
ここから、吉田さんが実際に意識している4つのコツが順番に語られていきます。
コツ1・かっこよく話そうとしない
1つ目のコツはマインド面の話です。かっこよく話そうとするのではなく、聞き手のために頑張るという意識を持つことだと吉田さんは言います。
緊張して話せなくなる典型例として、吉田さんは「自分が変に見えていないか」と気にしてしまうパターンを挙げます。意識が自分に向くと、話に集中できなくなるという指摘です。
そもそもなぜ話すのかという目的に立ち返ると、そこには聞き手がいて、その人に役立つ情報を届けたいから話すのだと吉田さんは整理します。セミナーもポッドキャストも同じだと言います。
たとえ言い間違いがあったとしても、聞き手の人が「今日聞いてよかったな」って思えるような情報提供が一つでもできればいいや、と思うと気が楽になります。
付随する点として、吉田さんは「質問にちゃんと答える」ことの重要さにも触れます。セミナーは一方的に話すことが多い一方、労務相談では質問に答えきれていない場面が意外とあるためです。
質問が何個もある場合は、その質問に一つでも答えてないと、「俺の質問答えてないじゃん」って話になるので。
コツ2・誰に何を伝えるのかを決めておく
2つ目のコツは、誰に対して何を伝えるのかを意識することです。吉田さんはこれをマーケティングの考え方だと説明します。
吉田さんはマーケティング講座で、「誰に何を伝えたいのか」を徹底的に訓練させられたと振り返ります。それが人生において役立った概念だったと話しています。
この考え方は話す場面だけにとどまりません。コラムを書くときも、お客さんの労務相談も、上司と部下の会話も、すべて「誰に何を伝えたいのか」から整理できると吉田さんは言います。
上司と部下の会話だと、最終的に部下にどういう行動を取ってほしいのか、というところから、部下に何を伝えたいのかを整理して話す。
具体的な準備方法として、吉田さんは紙に書いて骨組みを作ることを勧めます。「自分は何が言いたいのか、誰に何を伝えたいのか」を書き出しておくと良いという実践的なアドバイスです。
コツ3・話す内容を徹底的に調べる
3つ目のコツは、自分が内容を理解している必要があるという点です。理解が浅いとテンポよく話せず、質問が来たときに返せなくなってしまうためです。
吉田さんは、あるテーマについて話すなら、そこを徹底的に調べてから登壇すると語ります。慣れていないうちほど、この準備を丁寧にしていたそうです。
具体例として挙げられたのが、過去に依頼された「マイナンバーのセミナー」です。
マイナンバーのセミナーをやろうってなったら、徹底的に調べてマイナンバーの本も何冊も買って、それで資料を作りました。
今はいろいろ慣れてきたのでそこまではしないと吉田さんは言います。ただ、最初の頃は徹底的に調べてから登壇することにしていた、という点を強調しています。
コツ4・とにかく話すことに慣れる
4つ目のコツは、身も蓋もないと前置きしつつ、とにかく話すことに慣れるという点です。やはり場数の問題はあると吉田さんは認めます。
では場数をどうこなすか。話す機会があれば積極的に手を挙げた方がいいと吉田さんは言います。
勤務社労士の先生だったら、お客さんを呼んでセミナーするってなったら、「ぜひ私登壇させてくれ」というのは、所長の先生に交渉してもいいのかなと。
人前で話すことは、これまでの3つのコツをすべて実践する場になります。誰に何を伝えるか整理し、自分も深く理解する必要があるため、ものすごくためになると吉田さんは話します。
もう一つの方法として、吉田さんは「自分で自分の話を聞く」ことを挙げます。録音や録画を振り返るやり方です。
(自分の話を振り返ると)「ここの言い回しくどいよね」というのは絶対にあります。
吉田さんは、このラジオの1回目、2回目を聞き返すとくどく話しているのを感じたと明かします。そこから、コンパクトに本題から話すことを意識するようになったそうです。
録画とかね、自分の顔まで映るからすごい抵抗感あるんですけど、それをちゃんと見て、おかしいなと思うところを次フィードバックして直していくと、うまく話せるんじゃないかなと思います。
最後に吉田さんは、質問で触れられた「構成にストラクチャーがある」という点について裏話を明かします。話す前にプロット(構成の骨組み)を作っているそうです。
(プロットを作っているので)脱線しても戻ってこれるっていうのは、そういうところがあります。
この姿勢は労務相談でも同じだと吉田さんは言います。お客さんが何を質問したいのかを常に意識しながら回答しているという点が、話が脱線しても戻ってこられる支えになっています。
まとめ
もともと人前で話すのが苦手だったという吉田さんが、克服のために積み重ねてきたのは、意識の持ち方と地道な準備、そして場数でした。特別な才能ではなく、聞き手を軸に据えた工夫の積み重ねだと語られた回でした。
- 吉田さんは小学校の頃から人前で話すのが苦手で、場数を踏んで克服してきた
- コツ1は、かっこよく話そうとせず、聞き手のために役立つ情報を届けるという意識を持つこと
- コツ2は、誰に何を伝えるのかを紙に書いて骨組みを作り、あらかじめ整理すること
- コツ3は、話すテーマを徹底的に調べ、自分が深く理解した状態で臨むこと
- コツ4は、話す機会に積極的に手を挙げて場数を踏み、録音・録画で自分の話を振り返ること


